どうして小説が書けないのか? どうすれば小説を書けるのか?

高瀬ユキカズ

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35日目 他人に嫉妬してしまう?

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みなさんは他人に嫉妬してしまうことがありますでしょうか?
ここは小説投稿サイトですので、小説に限定して話をしてみます。

嫉妬の対象は同じ作者ということになります。

私はあまり嫉妬ということを感じることがないのですが、それというのも私の年齢が高いためでもあります。他の作者様は自分より年下ばかりです。
自分が同じような年齢の時は小説を書こうなんて考えもしませんでした。私は他の作者様のことを少し離れた視点で見ているかもしれません。他人事のように「がんばっているなあ」と。

嫉妬をしてしまうということは、同じ土俵に立って、近い立場にいるからこそ起こりやすいものです。

例えば、プロ作家として活躍している大御所の先生に対して嫉妬する人はあまりいないと思います。

むしろ、嫉妬の矛先が向くのはアマチュア作家が書籍化するような時なのではないでしょうか。

やはりそれはどこかで、自分でも手が届きそうなレベルに思っているからだと思います。

そして嫉妬する場合はその書籍化した作品をろくに読んでもいないのではないでしょうか。

中身も知らず、面白いかどうかもわからず、受賞したり拾い上げられたりした結果だけを見ています。

賞金をもらったり、印税をもらったり、増刷したり、メディアに取り上げられてもらったり、と華々しいものばかりが見えてきます。これらは簡単に目につきやすいからです。

実際に小説を読んでみて、圧倒的な才能に打ちのめされたら、おそらく嫉妬とは違う感情が湧いてくるはずです。

逆に、読んでみても、「うーん、なんでこれが受賞なんだろう?」ということもあるかもしれません。それは自分に合わなかっただけかもしれませんし、その場合も、嫉妬は起こらないでしょう。

結局、表層の薄皮一枚だけを見て嫉妬という感情が起こっています。
見えていない裏側の部分にはもっと深いものがあるはずなのに。

つまり、相手のことを何もわかっていないまま、わかったような振りだけを脳が作り出し、嫉妬が起こっているのかもしれません。

本当は、私たちは天才性を発揮した小説にこそ、嫉妬すべきなのです。書籍化や受賞なんて、どうでもよく。

そうした表面的なことは、本当は嫉妬に値するようなものではありません。実際に書籍化しても、1巻か2巻で打ち切りになる人もいます。思うように売れず、次の小説を出してもらえない人もいます。

もちろん、華々しく売れる人もいますし、コミカライズ、アニメ化と進み、ベストセラー作家になっていく人もいます。

ですが、これらの結果はすべて表層的なものです。

例えばアンパンマンというアニメ。私の姪っ子や甥っ子は小学校にあがる前に夢中になっていました。小学校に上がると、まったく見向きもしなくなりました。

アンパンマンは爆発的なヒットをし続けています。今現在もです。ですが、私たちが嫉妬をするようなことはありません。

とある、異世界小説。爆発的なヒットをしているものがあります。タイトルを挙げると問題が起こるので書くことができませんが、私は面白さがちょっとわからなかった。それに対して、あれはアンパンマンのようなものだよ、と語る方がいて、なるほど、と思いました。

結局、私たちは深い部分までは見えていないのです。
表面的な、売れているとかヒットしてるという言葉に囚われてしまっています。

また、嫉妬が起こる別の原因として、自分こそが人生における主役であるはずなのに、そうなれていないこともあります。

自分はもっとできるはずだ、自分のほうがもっと面白いものが書けるはずだ、自分のほうが受賞にふさわしい、自分のほうが評価されるべきだ。こんな感情は、自分がまだ主役として壇上に上がっていないからこそ起こります。

もちろん書籍化もしておらず、受賞もしていないのであれば、舞台に上がっていないと考えるかもしれませんが、そうではなくて。

毎日の何気ない生活から、私たちは、どこか自分自身に不満を抱えています。十分な人生を送っていないと思いながら生きています。毎日を自分中心に生きられていません。

書籍化も、受賞も、する前から私たちはもっと楽しんで書いていいはずです。自分が人生の主役として、自分の才能をフルに発揮していいはずです。

ちゃんと舞台に上がり、主役として振る舞う、つまりは毎日を充実して自分ができる最高のことをして生きる。そうすれば、他人に嫉妬をするようなことはないはずです。

毎日を楽しくワクワクして生きる。子どものように。
子供の頃って、結果なんか気にせずに好きなように好きなことをやっていたじゃないですか。

そんなふうに小説を書きたいし、そんなふうに生きたいと思っています。
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