どうして小説が書けないのか? どうすれば小説を書けるのか?

高瀬ユキカズ

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18日目 小説を書く力

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小説を書く力とはなんだろうか、ということを考えています。

小説を書くための技術論は巷にあふれています。
書籍から始まり、ネット上には非常に多くの情報があります。

初心者向けの小説の書き方から、脚本を書いたり、小説を面白くするための技術論などもありますが、ここで言いたいのは、そういったテクニック的な話ではありません。

もっと根源にある「毎日小説を書くこと」だとか「小説を書く手を止めてしまわないこと」だとか、小説を書くこととともに生きていくための能力のことです。

技術論を学べば、ある程度の小説を書くことはできます。それは、組み立て方を教わり、製造方法を学んで、機械を組み上げるようなものです。

いくつかの機械を組み上げたとして、その作業をこれからもずっと続けていくとなると、また別の能力が必要となってきます。

生涯に渡って、その作業を続けていくためには、技術とは違うものが必要となります。

それは継続する力だったり、ある種の鈍感力だったり、習慣化することであったりします。

そして、このことはどの本にも書いていませんし、小説の技術論で語られることはありません。

毎日、普通に小説を書くということ――これが如何に難しいことであるか、そしておそらく、できる人にとっては如何に当たり前のことか。

小説を書く力というのは、毎日普通に小説を書くことを当たり前にしていく能力のことなのかもしれません。

いままで散々、技術論的なことは勉強してきましたが、当たり前に小説を書き続けるということに向き合わなければいけないときに来ている気がします。

大前提として、毎日書くことが本当に自分にとって幸福なことなのかを見つめ直す必要がありました。

――『私は本当に小説を書きたいのだろうか? これからもずっと書き続けていきたいのだろうか?』

人間は生まれてくる前に、この世でやりたいことを決めてきていると思っています。つまり、上記の質問は、『私は生まれてくる前に小説を書くことを決めてきたのだろうか』ということに関係しています。

私は何を決めて、この世にやってきたのだろうか?

小説を書くという行動に重きをおいているわけではないことに気がつきました。

私は、人を感動させる物語を生み出したい、人の心を打ち震わせるようなものを生み出したい。面白いと言えるものを作りたい。そのための素材として小説を選んでいるということだったようです。

小説ではなく漫画でもかまわないのかもしれません。
けれど、歌や絵画ではないのは確かです。

私が望む生き方に一番近いのが小説なのであって、次に漫画だと思います。
アニメや映画を作ろうという気持ちはありません。

少し分かってきたように思います。

なるほど、これが曖昧だったから、小説を書く力が弱かったようです。
私に必要なのは面白い小説を書くための技術論ではなかったわけです。

自分の根底にどんな思いがあり、何が自分を支えているのか。
それを知ることが必要でした。
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