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21 ご主人様は満身創痍

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「ね、ちょっ……とっ! 苦し……っ」
「きっつ――っ!」
「ほらぁっ!」

 やっぱりゲオルクの大きさとラウラの入口の比率が合っていないように思う。
 それでも散々濡れていたからか、少しずつでも奥に進んでいくから驚きだ。そのたびに身体を裂かれるような痛みと苦しさに、呻き声をあげずにはいられないが。

「うぅ、あ、いたい……ね、ゲオルク、くるしっの」
「――っ! だから煽るな!」
「煽ってないいぃ……!」

 縋るように下から見上げたら、怒られた。
 その煽る云々はよくわからないので言われても困る。

 お互いハアハアと息を切らし、汗を滴らせながら挿入しようと奮闘したが、ついにゲオルクは我慢――もとい、とっくに限界を迎えていたらしい。

「あぁクソッ! じれったい!」
「え」

 そして突然大きく息を吐き出したかと思うと、ラウラの膝裏を思いっきり持ち上げた。

「え! な、ちょっ、ああああああっ!」

 ずんっ、というひどく重たい衝撃が全身を襲った。
 あの猛々しく、怖気づいてしまいそうなほど大きいゲオルク自身が一気に根本まで捻じ込まれたのだ。
 
 内臓を押し上げられるような、強烈な圧迫感に息がすべて押し出される。
 予想以上の衝撃と息苦しさに、口がまるで魚のようにはくはくと空気を求める。

「よし、入った!」

 なのに、達成感に包まれたような笑みを浮かべるゲオルクが小憎らしい。

「ぜ、ぜんぜん、よし! じゃ、ないわ、よぉ……! うええぇぇっ!」

 なんとか言葉を絞り出したが、あまりに苦しくて泣けてきた。もう顔はぐちゃちゃだと思う。
 秘部がじんじんとした熱を持ってひくつくたびに、咥え込んだものの大きさがダイレクトに伝わってくる。今、とんでもない質量がラウラの身体に埋まっている。

「おい、待て! そんなに締めるな!」
「しめるってなにぃ!?」
「だから力を入れるなって……!」

 ラウラの足を抱えたまま、ゲオルクがなにごとか耐えるように呻いて、大きく眉根を寄せる。

「ほら泣くな、すぐによくなる。……たぶん」
「たぶん!? ふ、不穏……っ! あっ、ひあぁ!?」

 突然ゲオルクが腰をゆっくりと引いていった。

「あ、あ、ああああっ!」

 熱い肉棒が内壁を擦りながら引き抜かれていく感覚に、身体の芯からゾクゾクとした震えが走る。
 痙攣したようにラウラの全身は身悶えた。
 足先がピン、と、つりそうなほど伸びる。

「な、なにこれ……!?」

 思わず下半身に視線を向けたら――いまだに膝裏を持ち上げられたままだったおかげで、自分の秘部からズルリと抜かれていくゲオルクの陰茎がよく見えてしまった。

(ひええええ! これが、私の中に……!?)

 てらてらとした愛液に包まれたそれは、ひどく卑猥だった。
 そして先端の亀頭だけを中に残したところで動きを止めたかと思うと、またずずっと奥に押し入ってくる。

「ふああっ、あ、あっ、ああっ!」

 ラウラの中を慣らすように、ゆっくりと抽送を繰り返されれば、確かに次第に痛みと強い圧迫感は感じなくなっていった。その代わりに襲ってきたのは、じんわりと身体を包むような快感だ。

 ぐちゅっ、ぐちゅっと抜き差しされるたびに愛液が溢れ出し、足を伝い落ちていく。気づけばラウラはくたりと四肢を投げ出して、押しては引いていく快感の波に身を任せてた。

「ああんっ! はあ、は……っ、あっ! あああ!」
「お、よくなったか? ならもういいな!」
「へぇ?」

 とろんとした意識の中で聞こえた言葉に応えたら、抱えられたまま、まるで上から叩きつけられるように一気に挿入された。

「ああああっ!?」

 そのまま、ばちゅばちゅと激しい水音がたつほどに腰を打ち付けられる。
 中から溢れた愛液は泡立ち、勢いよく最奥を突いてくる。

「やっ、待って、つよ、つよい! つよい、からぁっ!」
「クッソ……っ、やばっ」

 指では届かなかった最奥を何度も抉るように責めたてられ、そのたびにまた昇りつめるような感覚に襲われた。ゾクゾクっと頭から足先まで衝撃が駆け抜けるように震える。

「や、やだ、また来るっ! あっ、あっ、またイっちゃう……!」
「俺も――っ」

 ひと際強く突かれたあと、下半身を強く押し付けながらぐりぐりとなおも奥を責められた。
 その瞬間、脳内が弾けたように瞼の裏で火花が散る。

「あ――っ!」

 弓のように背中を反らせたまま手足が突っ張った。
 言葉が出ないほどの快感の濁流にのまれて、息もできない。

「ぐ……っ!」

 ゲオルクの呻き声とともに、身体の奥で熱が弾けたのを感じた。


 *****


 翌朝、ラウラは微動だにできなかった。

「い、痛いわ……」

 全身が痛い。下半身なんて特に全部が痛くて動けない。下腹部がいまだズキズキしている。

「俺が言うのもなんだが、大丈夫か?」
「本当にそうよ?」

 横で悠々と朝食に昨夜の残りをもぐもぐしているゲオルクが憎い。


 昨夜ゲオルクがラウラの中で精を吐き出したあと、絶頂の余韻で全身をひくつかせるラウラの横で、彼は歓声をあげたのだ。

「見ろ! おさまったぞ!」
「……それはそうでしょうね」

 あれほど散々喘がされてイかされれば、ラウラの身体は満足どころか限界を超えた。
 だがおかげで、性奴隷の縛りは主人の性欲が満たされたと判断してくれたらしい。

 ツヤツヤとした笑みを浮かべるゲオルクの横で、満身創痍のラウラはふーっと意識が遠のいたのであった。
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