10 / 11
早乙女 麗華の性感開発 ④
しおりを挟む「はっ!」
「気がつきましたか」
「あれ……ここは……」
目を覚ますとそこは見知らぬ天井……というよりも天井が高く一瞬で、どこだったか思い出した。
見覚えのあるスタッフの顔を見て、少しだけほっとした。
「スタッフの瑞希(みずき)です」
「ああ、うん。ありがとう」
あれからずっとあたしの世話をしてくれたのだろうか。
固いベンチの上に寝転んでいるのに頭だけが柔らかいものがある。
それがスタッフの膝枕だとわかるのにそう時間はかからなかった。
「宮本さんは……一緒に来た人は知りませんか?」
「あの方は先に二階に上がってますよ」
連れてきたにも関わらず、宮本さんは1人でどっかに行ってしまったようだ。
花音の情報を集めたいから別行動するのはいいけど、一言だけでも声をかけておいた方がいいだろう。
「膝枕ありがと」
体を起こして、ぐーっと背伸びをした具合を確かめる。
うん。問題ない。立ちくらみもないし、気を失ったにしてはだいぶ体調がいい。
「……お待ちください。どこに行かれますか?」
「そりゃ、宮本さんのところに……」
どうしてスタッフがそのことを気にするのかすぐにわかった。
「あちらは催眠レベルが高い人専用になってます。失礼ですが……」
「あたしは早乙女 麗華。催眠レベルは3だよ」
すらっと喉から出てきた。
自分でもよくわからないけど順調にレベルは上げることができている。
「なるほど……ですが、あなたが言う宮本さんが入っていったのは4以上なのでもうすぐですね」
vip扱いになるのか。あたしにはまだその資格がない。
自分でも信じられないくらいに快楽に弱くなっているのだけど、まだ足りないみたいだ。
「もし、暇ならレベル上げを手伝いましょうか?」
「……いいの?」
スタッフの思わぬ提案にちょっとびっくりした。
というか。あたしにだけ付いていていいのだろうか?
「はい。あたしたちはそのためのサポート要員ですから」
まるで、心を見透かしたように答えられた。
スタッフの言う事なら間違いない。だったら、甘えるべきだ。
「とりあえず、服を着ましょうか」
「あ、うん……そういえば、裸だった」
全裸でベンチに座っているのが、急に恥ずかしくなってきた。
「あ、でも……服ないんだっけ」
あたしの服はすでにオークションに出されているため、着替えがない。
「どうぞ。ちゃんと準備してますよ」
「あ、ありがと……」
どうやら準備万端だったみたいだ。
緑色に入ったカゴを渡されて、あたしは中を探った。
「えっ……これ、着るのか?」
「はい。あなたに似合うはずです」
「いや、似合うかもしれないけどさ……ま、用意されているなら着るしかないか」
ふりっふりとした短いスカート。胸元が大胆に切り崩されたメイド服が用意されていた。
下着には真っ黒なテカテカ光るブラとショーツが自己主張をしている。
「あたしってどういう風に見られているんだろ……」
自分でも男勝りな性格をしていると自覚しているのにこんな女の子を主張する服を着ることになるとは。
「お手伝いしますね。バンザイしてください」
「ん、あ、ああぁ……」
言われたとおりに腕を上げて、ブラを付けやすくするように動いた。
スタッフは後ろに回り込んで、あたしの体に腕を回して着るのを手伝ってくれるが……。
「んひぃっ!?」
「まだ、それほど時間が経ってないですから……きついですか?」
「う、うん……でも、なんだろう。気持ちいいかも……」
胸が……おっぱいがブラのトップに当たっただけなのにめちゃくちゃ気持ちよくて我慢できなかった。
おっぱい全体が敏感になってしまっているため、乳首はずっとピンッと張っている。
時間が経てば収まるかもしれないけど、時間がかかりそうだ。
「あのさ、ブラジャーの代わりに水着、着るのは駄目かな」
「貸し出すこともできますけど……いいんですか? あれを日常生活でつけると取り返しがつかなくなりますよ」
「…………やめとく」
あんなものを日常的に付けるなんてどんな羞恥プレイだ。
キャップを付けることで快感は減るかもしれないがあたしの精神も摩耗してしまうのはナシだ。
「はぁ、どうしよ……」
「あの……よかったらマッサージをしましょうか?」
「マッサージ?」
思わず、聞き返してしまった。
正直、何を言っているのかわからない。
「ここだと、お客様と同じ症状の方がいましたので改善できればと……」
「でも、マッサージってあんまりいいイメージがないんだけど」
血行をよくする……だっけ?
全身の血流を良くして健康になるのが目的だから、今回の場合は逆だ。
おっぱいと……あんまり思いたくないけど乳首にまで血がビンビンに通っている。
敏感になっているのにマッサージをするなんて……むしろ放っておいた方がいい気もする。
「ねぇ、それって……」
「疑り深いですね。わたしがやってあげるって言ってるんですから素直に従いなさい」
「……はい」
確かに、スタッフは善意で言ってくれているのに無下にするのはよくない。
あたしのことを心配してくれる人は少ないんだから大事にしなくちゃ。
「それじゃあ、部屋がありますので付いてきてください」
「あ、あの……服は……」
「? あなたにそんなものは必要ないですよね」
「……そ、そうですよね~」
普段ならそんなことを言われたすぐに手を出すのだけど、ぐっと堪えて愛想で返した。
あたしは自分の胸と股間を腕と手で隠しながら、案内してくれるスタッフの後ろをついていくのだった。
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説


ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。


体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる