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早乙女 麗華の動画撮影 ④

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 赤いランプが灯り、再開される。
 カメラを意識して、視線を逸らした。
 とてもじゃないけど見ることはできない。
「早乙女さん、こっちこっち」
 宮本さんの声が聞こえて視線を戻した。
 そうだ。おっさんの言う通りにしなきゃ……。
 改めて宮本さんの姿を見るとさっきとは違って動いている部分がある。
 急いでそれを真似しなければ……。
「こっちも使ってみる……ね」
 手に取るのはベッドの上に捨てたバイブ。
 それを両手で持って、股間の少し上の辺りに宮本さんは押し付けれて震わせている。
 あたしも同じようにしてみる。
「っ! あっ、はっ~~♡ ♡」
 今までと比べ物にならない刺激に甘い声が喉から捻り出される。
 視界に花火が散るようにチカチカと星が流れ、身体が絶頂を……イッたことを報告する。
 身体がいつの間にか敏感になっていることをあたしはここで理解した。全身が気だるく重いのに、おっさんの言う通りに真似をすること辞めずに震えるバイブを押し込み続けた。
「あっ、ちょっ、まって……これ、まじな、やつ!」
 身体の中から溢れ出るメスの快楽になすすべく、あたしは屈服した。
 こんなもの耐えられるわけがないし、無理をするものでもない。好きな奴だけがする頭のおかしい行為だとすぐにわかった。
 ただ、無慈悲にもバイブは震え続けてあたしをイかせる。
「イッ、イク♡ ♡  わけがわかんないくらい、イッてる♡ ♡ こ、これダメなやつ♡ ♡」
 今のあたしの顔はどうなっているのだろうか。撮影されて未来永劫動画として残ることに不安を感じた。
「と、止めて! 撮影とめて!」
 無我夢中で叫んだ。バイブを離せば済むことだけど、宮本さんはやめていないのにあたしだけ辞めるわけにはいかないから。
 それなら、撮影を止めればいいと思った。
 だけど……おっさんは頭を振るだけで止めてくれない。
「な、なんでぇぇ! あんっ♡ 止めてよぉぉ♡ ♡」
 髪を振り乱しながら快楽を逃がそうと足掻いた。
 自慢の長い髪が汗で汚れるが気にする余裕はない。
 手を伸ばして助けを求めようにも掴んだバイブは激しさを増しているためそっちに集中しなければならない。
「あっ♡ はひっ♡ ♡ もう、だめ……♡ ♡」
 何も考えられなくなる。全身が股間からくる快楽の濁流に飲まれ意識が飛ぶ…………
 と、思ったその時だった。
「あっ……!」
 宮本さんが先にバイブを床に落としているのを目撃した。
 顎を上げて、ピクピクと震えて気絶している。
 さっきまでの毅然とした態度はいつの間にか消えており、ピクピクとそれこそ死にかけの虫のような感じで気絶して心配になる。
「あのバカ……! やりおったな!」
 動画の撮影を止めるとすぐにおっさんは宮本さんへと駆け寄った。
 そこであたしもはっとなって、すぐに宮本さんの元へと向かった。
「あっ……あっ♡ 気持ちいい♡ ♡」
 ぞくりっとした。
 意識はないのにも関わらず、快楽を求めるのはやめていない。盲信的になにかを求めて彷徨っているように見える。
「あちゃー、壊れてもうたか。今日はこれ以上無理やな」
 ぺちぺちと頬を叩いて、宮本さんの状態を確認するとおっさんはめんどくさそうに言った。
 ようやく終わる。肩で息をしながら、あたしは安堵のため息をついた。
「ん、嬢ちゃんも限界そうやな」
 優しい言葉をかけてくれるおっさんに一瞬、ときめきそうになる。実際、心臓が飛び跳ねた。
 差し出してくれる手を握り、ベッドから這い出ようとしたその時だった。
「それじゃ、また明日も頼むな」
「えっ……はい♡」
 明日も同じことをすると言われ、あたしは驚きで目を開きつつも了承してしまった。
 自分でもどこからそんな声を出しているのだと疑問に思うほどの甘い声を出し、服に手を伸ばす。
「嬢ちゃんの下着、もらうけどええやな?」
「いいよ。好きに使って」
 おっさんにプレゼントしたので、必然的にノーブラノーパンで帰らなくならなければならなくなった。
 まあ、おっさんが言うなら仕方ない。
「それと、こっちの子はこれから撮影するから帰られへんで」
「わかった。杏子、また明日」
「う、うん。また……明日♡」
 これからどうされるのか簡単に想像できる。
 どうやら、おっさんはあたしよりも清楚系の杏子が好みみたいだ。宮本さんも同じような感じだったし。
「あっ、そうだ! 花音の情報を……」
「あ~~~、そうやったな! この紙に書いてるで。でも、寝る前しか読んだあかんで!」
「………………わかった」
 すぐにでも開きたいけど我慢した。
 その後、あたしは1人でラブホテルを出て、タクシーを拾ってホテルへと戻った。
 シャワーを浴び、そろそろ寝ようかと思った時に渡された紙があったことを思い出し、急いで中身を確認する。
「えっと、あたしはこれから今日のことを忘れる。そして、何事もなかったかのように明日、同じ時間、あのホテルへと向かわなければならない」
 すぅーと冷たい水に浸かるように、頭の中から何かなくなっていく。
 それが妙に心地よくて目を閉じると目の前には訳のわからないことが書かれた紙があり、気持ち悪くなってビリビリにして捨てた。
「はぁ、今日は手がかりなしか。杏子、明日は……」
 明日はどこを探そうかと杏子に聞こうと思ったら、部屋にいないことに気づいた。
 そういえば、一緒に帰っていない。
 ………………まぁ、大丈夫か。
 頭がうまく働かない。体がだるい。なんだか花音を探しにきただけなのにすごい疲れる出来事があった気がする。
 とにかく、寝よう。明日も………………やることがあるのだから♡
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