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リリムの気持ち。
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「あれ……ここは」
「ようこそ、シノブ。夢の世界へ」
「リリム様?」
目が覚めるとそこは知らない空間……違う、私は一度ここに来たことがある。
それも昨日のことだ。そう、昨日、私はここにいた。どうしてだか、それだけ思い出せた。
「さて、シノブ。あなたをそろそろ本気で堕とそうと思うのよね」
どうしてだか、リリム様はよくわからないことを言った。私はリリム様の家畜である。人間であった私をこれ以上に落とす価値があるとは思えない
「堕とす……ですか? でも、私はもうリリム様の家畜で」
「そうじゃないの。私が求めているのは家畜じゃ少しだけ物足りないのよ」
「物足りないですか」
リリム様は悲しそうな目をしている。ご主人様にそんな表情を指せるのは心苦しい。
「あなたは優秀な家畜だわ。つまみ食いであれだけの魔力持ち、甘美なものはなかなか味わえない。だからね、欲張っちゃうの」
「私は……リリム様の頼みならなんでもしますよ」
これは偽りのない本心だ。リリム様のためならば、私は何でもする。が―――――。
「あなたが洗脳されている内はね」
「えっ、それはどういう」
頭を足で踏まれて、気持ちいい。洗脳しているとは言っているけどどういう意味だか分からない。
「今から、あなたの洗脳を解いてあげるわ。今日一日何があったしっかりとかみしめてちょうだい」
「はい。わかりました」
それはきっと気持ちいいことだろうと思い、目を閉じた。
「行くわよ……≪エボリューション・リライズ≫」
頭がすぅーと冴えわたり、本来の目的を思い出す。
忍びとしての役目。目の前にいる怪物に屈してしまった過去の自分の光景……私は、なんてことを!!
「あ、あああ、あぁぁぁぁぁ!!」
「どうかしら。私に何か言うことはある?」
踏みつけられた頭を振り払い、にらみつける。これは敵だ。私は許されないことをした原因はこいつにある。
「よ、よくも……ヨウコ先生を!!」
「そうね。あなたは正義感が強い女の子だもんね」
とびかかり、床に押し倒した。武器はないが、両手を塞ぐことはできた。
圧倒的に有利なポジションに初めてついた。優越感に浸った私の目に飛び込んだのは涙を流すリリムだった。
「でもね、そんなあなたを私は欲しいの。ねぇ、私のものになってくれないかしら?」
抵抗しないリリムに私は言いようのない感情が芽生える。
(怪物のものになる? だめ、私は……私は!!)
これまでの人生を否定することできず、私は叫んだ。
「嫌です!! 私は……あなた達、怪物を倒すために強くなって……」
ぽろぽろと私も涙を流していた。どうしてだ、昨日会ったリリムにどうしてこうも感情をかき乱されているのかわからない。
なんなくと拘束を解いたリリムは私を抱きしめて、耳元で囁く。
「残念よ。シノブ……またね。≪ヒュプノス≫」
私の意識はどんどん深く沈んでいった。
「ようこそ、シノブ。夢の世界へ」
「リリム様?」
目が覚めるとそこは知らない空間……違う、私は一度ここに来たことがある。
それも昨日のことだ。そう、昨日、私はここにいた。どうしてだか、それだけ思い出せた。
「さて、シノブ。あなたをそろそろ本気で堕とそうと思うのよね」
どうしてだか、リリム様はよくわからないことを言った。私はリリム様の家畜である。人間であった私をこれ以上に落とす価値があるとは思えない
「堕とす……ですか? でも、私はもうリリム様の家畜で」
「そうじゃないの。私が求めているのは家畜じゃ少しだけ物足りないのよ」
「物足りないですか」
リリム様は悲しそうな目をしている。ご主人様にそんな表情を指せるのは心苦しい。
「あなたは優秀な家畜だわ。つまみ食いであれだけの魔力持ち、甘美なものはなかなか味わえない。だからね、欲張っちゃうの」
「私は……リリム様の頼みならなんでもしますよ」
これは偽りのない本心だ。リリム様のためならば、私は何でもする。が―――――。
「あなたが洗脳されている内はね」
「えっ、それはどういう」
頭を足で踏まれて、気持ちいい。洗脳しているとは言っているけどどういう意味だか分からない。
「今から、あなたの洗脳を解いてあげるわ。今日一日何があったしっかりとかみしめてちょうだい」
「はい。わかりました」
それはきっと気持ちいいことだろうと思い、目を閉じた。
「行くわよ……≪エボリューション・リライズ≫」
頭がすぅーと冴えわたり、本来の目的を思い出す。
忍びとしての役目。目の前にいる怪物に屈してしまった過去の自分の光景……私は、なんてことを!!
「あ、あああ、あぁぁぁぁぁ!!」
「どうかしら。私に何か言うことはある?」
踏みつけられた頭を振り払い、にらみつける。これは敵だ。私は許されないことをした原因はこいつにある。
「よ、よくも……ヨウコ先生を!!」
「そうね。あなたは正義感が強い女の子だもんね」
とびかかり、床に押し倒した。武器はないが、両手を塞ぐことはできた。
圧倒的に有利なポジションに初めてついた。優越感に浸った私の目に飛び込んだのは涙を流すリリムだった。
「でもね、そんなあなたを私は欲しいの。ねぇ、私のものになってくれないかしら?」
抵抗しないリリムに私は言いようのない感情が芽生える。
(怪物のものになる? だめ、私は……私は!!)
これまでの人生を否定することできず、私は叫んだ。
「嫌です!! 私は……あなた達、怪物を倒すために強くなって……」
ぽろぽろと私も涙を流していた。どうしてだ、昨日会ったリリムにどうしてこうも感情をかき乱されているのかわからない。
なんなくと拘束を解いたリリムは私を抱きしめて、耳元で囁く。
「残念よ。シノブ……またね。≪ヒュプノス≫」
私の意識はどんどん深く沈んでいった。
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