惚れ魔法の力。国を去った執事長がワガママ王もクールメイドもサキュバスギャルもすべて惚れさせて、孕ませる話

XX GURIMU

文字の大きさ
上 下
6 / 18

マコトの覚悟

しおりを挟む
 昨日の昼に休憩していた場所で空を見上げる。夜風が気持ちいい。
(バカとはいえ、やることはわかっていないとな……)
 俺1人だけで魔王国に行く。そして、どうにかして魔王国を支配する方法を考えなければならない。
 実際問題としては失敗したらゴブス王国は破滅するだろう。魔王国に人質に行ったやつが謀反を起こしたなどとならば諸国からも、帝都からも批判を逃れることはできない。俺の問題であるが、俺の責任が取れる範囲ではない。
(だからこそ、慎重に――)
「マコト?」
「セレス……」
 秘密の場所にセレスまでもやってきた。これではもう秘密の場所とは言えないかもしれない。
 俺のラフな姿を見るといきなり叫び出した。
「どこに行くつもり……なのよ!」
「…………」
 俺は答えることができない。いや、できなかった。
「あんたの部屋は空っぽになってた! ねぇ、教えてよ! どこに行くつもりなのよ!!」
 胸ぐらをつかまれて揺らされる。セレスの言葉が心に刺さる。
「あんたは私のものでしょ! 魔王国に行くなんて許さないんだからね!!」
「……それは違う」
 それだけは否定した。
「俺は俺だ。お前の物じゃない」
「えっ」
「それに俺はバカだからな……国を守るために行動するしかやり方を知らないんだ」
 腕を放させて、俺はこの場から逃げようと思った。ここは……すでに俺の居場所ではない。
「なにを……するつもりなの?」
「そうだな……」
 もう一度、この場所に帰ってくるために考えて、閃いた。
 惚れ魔法。
 これを使えばリリームを誑かし、更にはセレスまでも手中に収めることができる。
 そうだ。簡単なことだったんだ。
『女は男の力強さに惹かれるもの』
 ガイルさんの言葉を思い出す。惹かれるつまりは好きになるってことだ。
 俺はこの国が好きだ。だったら、俺のことを好きになってもらえばセレスもリリームもこの国の間手に動いてくれるはずだ。
 そのための……惚れ魔法。
 ユキの人生を奪った魔法……ああ、そうだ。俺が奪ったんだ。
 だったら、責任をもって行動するしかない。
(というか、これいい方法じゃないか?)
 セレスとリリーム、それにすでにかかっているユキを手中に収めてこの国の王になる。そうすれば、セレスの言動を抑制できるし、リリームの間接的な交渉もなくなる。
 うん。そうしよう……これが一番、全員が幸せになる方法だ。
「すぐに帰ってくる。それまで我慢していろ」
「いか、ないでよ……そんなことを言うんだったら……」
 俺はセレスの言葉は深く受け止めず、その場を去った。



 正門に向かうとそこには気配を消して俺を待っている人物がいた。
「マコト。もう、行くのですか?」
「ああ、後のことは任せるよ。メイド長」
 ユキだ。俺の後任を任せられるのはユキしかいないと思い、無理やりメイド長の座に仕立て上げた。
 おかげで引継ぎもスムーズに進み、安心してこの国を預けられる。
「私だけで制御しきれると思いますか?」
「……そうだな。無理かもしれないな。でも、お前しか任せられないんだ」
 自分でも勝手な言い分だと思う。だけど、この国を守るためにはこの方法しかない。
 全員、惚れさせて俺は王になれば問題がなくなるんだ。
「行かないで」
「お前も引き留めるのかよ」
 服の裾を引っ張られる。懐かしい感じがした。そうだ、小さい頃、スラムにいた時はいつもユキは俺の裾を掴んでいたことを思い出す。
「当たり前です。行かないでください。魔王国に行ったら帰ってこれないです」
「……いや、帰ってくるよ」
「どうやって……ですか」
 ユキの人生を奪った惚れ魔法でと答えることができなかった。決めたことなのに、彼女にその事実を言うのは嫌だった。
(まだ、迷っているのか……俺は)
 だけど、もう決めたこと……たとえ、ゴブス王が現れてもこの計画は止める気はない。
 俺はユキの手を振り払い、顔を向けずに答えた。
「俺はこの国を王様に任されたんだ……だから魔王国に行ってけじめをつけてくる」
「私は……連れて行ってくれないのですね」
「ここから先は俺の問題だ」
 そう言い残し、ユキの横を通り過ぎる。
「マコト。いってらっしゃい」
「いってくるよ」
 振り返ることは……なかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

処理中です...