死神の館の主様

XX GURIMU

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 ここからは賭けだ。
 うまくいく保証はない。
 それでも、戦わなければやられる。
(ブラックホール……発動!)
 優奈のすぐ隣にブラックホールを発動させる。
「またこれですか。芸がないですね」
 何度も繰り返し使ったため、優奈にはこれで傷つけることができないことはばれている。
 足止めにしかならない。引っ張るだけの力。
 だけど、今回は違う。
「っ? なんですか……はっ!!」
 体育館に転がらせたバスケットボール。そのすべてを優奈に向かって引き寄せる。
 引っ張る力は強いとはいえ、1つでは決定打にはならない。だけど、それがいくつもあったらどうなる?
「サンヴァイン……! あぐっ!」
 一方のバスケットボールが切り裂かれるが、後ろから迫ってくるボールは防げていない。
 あの「サンヴァイン」という技は全方位に攻撃する事は出来ないみたいだ。
 そして……ここからが本番だ。
 引っ張られたボールは当たると優奈の体に引っ付く。
 弾むことは無い。強い力で継続的に引き寄せたらこうなるに決まっている。
 段々と身動きが取れなくなっていく。
 今がチャンスだ。
「………っ! …………!!」
 声が聞こえなくなるほどにボールの中に埋まった優奈。
 僕は地面をけって優奈の下へと向かう。
 運が良ければこれで僕の勝ちが決定する。 
 
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