61 / 69
魔物ハンターとサキュバス
藤堂(とうどう) 美羽(みう) 身長153㎝ A70 W54 H71 AAAカップ ①
しおりを挟む「雫さん。そろそろ眠ってはいかがですか?」
「美羽さん。もう少しだけ、あと少しなんです」
詩衣里お嬢様と別れてから1年が経過しようとしています。
家を捨て、雫さんの催眠によって身分を偽って学園近くでカフェを開きました。
なぜ、カフェで学園に近い場所なのかというと逃亡している間、なんどか学生とすれ違ったのですがあちらは気づきませんでした。
どうやら、学園外では洗脳が薄いみたいで情報収集を兼ねてカフェを経営しています。
カフェ経営に関しては私のメイド仕事とほとんど変わらなかったので問題なく、まわせていたのですが、心配なのは雫さんの方です。
あの日から、毎日のように自分の力を限界まで試し、動かなくなったら頭の中で理論を組み立てる毎日を過ごしています。
気分転換に外に、と誘っても行く先々に女の子をつまみ食いしては実験する始末に負えない状況になりました。
まあ、そのおかげでカフェのアルバイトを雇ったりとかできているのですけどね。
「それにしても、インキュバス。ムルトの洗脳を解除する方法がわかりませんね」
「いえ、あれは恐らく強い衝撃などを受ければすぐに解除できますよ」
「そうなんですか?」
「ええ、私のお腹の紋章がそれです。あの時は気づかなったのですけどだいぶ強い衝撃を受けていたみたいです」
そういって、ちらりとお腹を見せます。
そこにはメリナ様にから頂いたという紋章がピンク色にうっすらと描かれています。
「どちらかといえばメリナの方が問題なのですよ」
「メリナ様が?」
「はい。ここ1年間であの学園をずっと観察してましたけど、誰も卒業生がいないんですよ」
「卒業生がいない? でも、この前、卒業式はやってましたよ」
「そうですね。それをやって就職先や進路先を探ってみたのですが、痕跡がないのです」
「……それは、でも、そうだとしてもどうしてメリナ様の方が問題なのですか?」
「サキュバスの力です。私は、メリナのサキュバスの力をすべて把握しているわけではありません。ムルトに関しても同じことが言えるかもしれませんがおそらくはメリナの方が力として強いはずです」
「それこそ、圧倒的な力を感じています」と雫様は言います。
確かに、私もメリナ様の力をすべて知っているわけではありません。それに雫の卒業生がいないということはその分、入学性だけが増えてメリナ様とムルト達の力は増大しているということです。
表向きは卒業させ、裏では力を蓄える。
こうなってくると私たちに勝ち目はありません。
どうすれば……
「そういえば、美羽さん。あの調べはついていますか?」
「えっ、あ、はい。これですね」
「ありがとうございます」
「でも、今更魔物ハンターの情報なんて必要なんですか?」
「必要ですよ。やっぱり最期の一手を決めるのは……討伐でき……あれ、もしかして……」
「どうかなさいましたか?」
「いえ、大丈夫です。すみません。調べ物があるので出かけてきます」
「あ、はい。気を付けて」
「考え方が間違っていた? いや、検証しないと……」とぶつぶつ頭の中の言葉はいいながら部屋を出ていきました。
どうやら、何か考えついたみたいです。
これなら……ようやく……。
「っ!」
駄目です。その言葉を思いついてはいけません。
私は雫様を支える土台。雫様が決定的な何かを突き止めるまではその言葉を思いついてはいけないのです。
1年間前の償いは……まだ、終わっていません。
ああ、でも……やっぱり……
(詩衣里……お嬢様……!)
目と鼻の先にいるのに会うことができない。私の大切な人。
どうして……運命は残酷なのでしょう。
0
お気に入りに追加
243
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる