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魔物ハンターとサキュバス
柊(ひいらぎ) 真(まこと) 身長166cm B80 W58 H82 Bカップ ③
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夜、昼間は誰かしらが通り過ぎていた住宅街もこの時間になると人の気配がなくなった。
ここにきて私たちは半信半疑だった気持ちを引き締める。
「不気味……ね」
紗枝が家を見てつぶやいた。
私も同じ感想を抱いている。昼間はいたって普通の一軒家だったのに対して禍々しい雰囲気が漂っているのを感じる。
他の家と同じで明かりはついているのに人の気配がないのが不気味さに磨きをかけていた。
「真……本当に大丈夫なのよね?」
「うん。もう平気……」
「やめてよね。緊張するのはわかるけど足は引っ張らないでよ?」
「わかってる」
私の体調不良を紗枝は気にかけている。
紗枝にはインキュバスの翼を飲んだことは黙っている。
余計なことだし、不安要素はできるだけ少なくしてあげたかった。
私は飲んだ後、10分ほど気絶して目を覚ました。
その頃には体調が元に戻っていた。
副作用の効果もなく、万全だと……思う。けど……。
「そう、ならいいわ」
そういって紗枝は踵を返す。
その際にふと、紗枝のツインテールが翻って女の子特有のフェロモンが私の嗅覚を刺激する。
(あ~、やっぱりだめだ)
副作用はないは嘘になる。
気にし過ぎかと思っていた。だって、飲む前だって多少は女性に見惚れることだって無くはなかった。
だから、これも問題ないって思い込もうとしていた。
(紗枝を……めちゃくちゃにしたい……)
思考が染まりそうになる。
私たちは体のラインがもろにわかる戦闘衣装に着替えている。
紗枝のスレンダーで未熟なボディを穢したいと考えてしまう。
(私よりも年下なのに毅然とした態度をしながら無垢な紗枝を……わんわんと泣かせたい)
今、私が襲えば紗枝はどんな表情をするのだろう。
紗枝の後ろの姿に手を伸ばそうとした瞬間……。
「真ちゃん……ダメだよ」
「こ、梢……」
伸ばした手を梢が掴んだ。
そこでようやくは妄想から我に返ることができた。
私は紗枝を襲おうとしてしまった。
仲間なのに、リーダーなのに、それらすべてを放り出して紗枝を性欲に任せて襲いかけた。
罪悪感に私は足が震える。
そんな私に梢は話しかけてくれる。
「真ちゃん……これが終わったら、一緒にどこかに出かけよ?」
「梢……でも、私は」
「大丈夫。襲っていいから」
握りしめられた手を紗枝の豊満な胸に押し付けられる。
まんじゅうのように柔らかく、一部突起を親指で押し付ける。
「ひゃぅ……ね、その時は私を好きにしてもいいから」
「梢……」
その言葉があまりにも媚薬じみていた。
鼓動が高鳴り、梢の濡れた唇を見つめてしまう。
(こんな作戦なんて放り出して今すぐにでも……)
もう片方の手で梢の胸をさらに確かめようと伸ばしたその時だった。
「だから、紗枝ちゃんは襲わないで……ください」
ピタリッと私の動きが止まった。
さっきまで唇を見つめていた視線を上に動かして顔をよく見ると梢は涙を流していた。
(あ、ああ……。そうだ、よね。そうなっちゃうか)
合意の上……だなんて思い込もうとしていた自分に嫌気がさす。
梢はただ、生贄になろうとしているだけだ。
私を巻き込んでしまった責任感。紗枝を巻き込みたくないという願い。
そして、サキュバスと戦うという絶望な状況。
だから、梢は生贄になろうとしている。それで少しでも私を救えると思って……
「……わかった。一緒に出掛けようか」
「うん。ありがとう」
本当は今すぐにでも押し倒したかった。
でも、それは違う。間違っている。
私は自分の武器を構えて、梢に言った。
「しっかりサポートよろしくね」
「えっ?」
私は前を向いているから梢の表情がわからない。
でも、声からして驚いていることだけはわかる。
(私はもう……怖がったりなんかしない)
ここに来るまではずっと心のどこかでサキュバスになんか勝てるわけないと思っていた。
いや、今でも思っている。だけど……
「えっ、じゃないよ。絶対に行くよ」
「……うんっ!!」
2人なら……3人ならなんとかできる気がした。
ここにきて私たちは半信半疑だった気持ちを引き締める。
「不気味……ね」
紗枝が家を見てつぶやいた。
私も同じ感想を抱いている。昼間はいたって普通の一軒家だったのに対して禍々しい雰囲気が漂っているのを感じる。
他の家と同じで明かりはついているのに人の気配がないのが不気味さに磨きをかけていた。
「真……本当に大丈夫なのよね?」
「うん。もう平気……」
「やめてよね。緊張するのはわかるけど足は引っ張らないでよ?」
「わかってる」
私の体調不良を紗枝は気にかけている。
紗枝にはインキュバスの翼を飲んだことは黙っている。
余計なことだし、不安要素はできるだけ少なくしてあげたかった。
私は飲んだ後、10分ほど気絶して目を覚ました。
その頃には体調が元に戻っていた。
副作用の効果もなく、万全だと……思う。けど……。
「そう、ならいいわ」
そういって紗枝は踵を返す。
その際にふと、紗枝のツインテールが翻って女の子特有のフェロモンが私の嗅覚を刺激する。
(あ~、やっぱりだめだ)
副作用はないは嘘になる。
気にし過ぎかと思っていた。だって、飲む前だって多少は女性に見惚れることだって無くはなかった。
だから、これも問題ないって思い込もうとしていた。
(紗枝を……めちゃくちゃにしたい……)
思考が染まりそうになる。
私たちは体のラインがもろにわかる戦闘衣装に着替えている。
紗枝のスレンダーで未熟なボディを穢したいと考えてしまう。
(私よりも年下なのに毅然とした態度をしながら無垢な紗枝を……わんわんと泣かせたい)
今、私が襲えば紗枝はどんな表情をするのだろう。
紗枝の後ろの姿に手を伸ばそうとした瞬間……。
「真ちゃん……ダメだよ」
「こ、梢……」
伸ばした手を梢が掴んだ。
そこでようやくは妄想から我に返ることができた。
私は紗枝を襲おうとしてしまった。
仲間なのに、リーダーなのに、それらすべてを放り出して紗枝を性欲に任せて襲いかけた。
罪悪感に私は足が震える。
そんな私に梢は話しかけてくれる。
「真ちゃん……これが終わったら、一緒にどこかに出かけよ?」
「梢……でも、私は」
「大丈夫。襲っていいから」
握りしめられた手を紗枝の豊満な胸に押し付けられる。
まんじゅうのように柔らかく、一部突起を親指で押し付ける。
「ひゃぅ……ね、その時は私を好きにしてもいいから」
「梢……」
その言葉があまりにも媚薬じみていた。
鼓動が高鳴り、梢の濡れた唇を見つめてしまう。
(こんな作戦なんて放り出して今すぐにでも……)
もう片方の手で梢の胸をさらに確かめようと伸ばしたその時だった。
「だから、紗枝ちゃんは襲わないで……ください」
ピタリッと私の動きが止まった。
さっきまで唇を見つめていた視線を上に動かして顔をよく見ると梢は涙を流していた。
(あ、ああ……。そうだ、よね。そうなっちゃうか)
合意の上……だなんて思い込もうとしていた自分に嫌気がさす。
梢はただ、生贄になろうとしているだけだ。
私を巻き込んでしまった責任感。紗枝を巻き込みたくないという願い。
そして、サキュバスと戦うという絶望な状況。
だから、梢は生贄になろうとしている。それで少しでも私を救えると思って……
「……わかった。一緒に出掛けようか」
「うん。ありがとう」
本当は今すぐにでも押し倒したかった。
でも、それは違う。間違っている。
私は自分の武器を構えて、梢に言った。
「しっかりサポートよろしくね」
「えっ?」
私は前を向いているから梢の表情がわからない。
でも、声からして驚いていることだけはわかる。
(私はもう……怖がったりなんかしない)
ここに来るまではずっと心のどこかでサキュバスになんか勝てるわけないと思っていた。
いや、今でも思っている。だけど……
「えっ、じゃないよ。絶対に行くよ」
「……うんっ!!」
2人なら……3人ならなんとかできる気がした。
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