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プロローグ
しおりを挟む神は一つの結論に行き着いた。
―――暇である。
宇宙創成、世界創成、この世すべての事象を把握し、調停する神は暇を持て余していた。
それはひとえに人類のせいであった。
ホモサピエンスが誕生し、人が進化し、やがて現代を築き上げた。
そこまでは何一つ問題はなかった。しかし、その後が問題であった。
人類は異種族までも管理を行い、絶滅しそうな動物は保護。災害に対して対策を練るようになった。
例え、前に進まなくても前を向く意志の強さがそれを成し遂げた。
結果、神の仕事は無くなった。
神に助けを求めるわけでもなく、今では人が人を支え合って生きていく時代となった。
恐らくは人類が滅亡でもしない限りは、神への助けを聞くことは無かろう。
確かに日夜、祈りは絶えない。が、どれもしょうもないものばかりである。
「神様! 頼むから星5のいいやつを!!」
「当たってくれ~~!! 頼む!!」
「いい子と出会えますように!! いや、ハーレムを築けますように!!」
欲深な情けない男たちの叫び声が今日も木霊する。
無論、こんな欲深なモノだけではなく、我が子の病気を治してほしいとか家族の健康を祈るなどの健全なものも多い……しかし、それは人が解決する。
むしろ、神ですら治せない病気をも人は治したことだって一つや二つではない。
となると、情けないどうでもいい願いだけをかなえるのが髪の役割なのであろうか?
―――否、そんなわけがない。
神は考える。この状況を打破するためには何が必要であるか?
どうすれば、自身が必要とされる環境を作り出すことができるのであろうか?
答えは簡単であった。
―――新たな世界。惑星を作り出せばいい。
それは新たな世界の誕生の瞬間、閃きであった。
地球を支配した種族。それは人類であった。
神は考える。ありとあらゆる過程の末、地球は成功したといえよう。ならば、元にするものは自ずと決まった。
新たな惑星を想像することを。
しかし、それには弊害が生じた。
―――支配者はどうなる?
地球と同じく、度重なる時間を得るのを待つべきか?
人類を淘汰し、別の生物が神を崇めるまで無数の時間を待つのか?
―――時間が掛かりすぎる。これ以上、別の生命体を育てるのは無意味だ。
熟考し、度重なるシミュレーションを行った後、神は結論付けた。
―――無垢なる動物を人の形に作り直し、競わせるとしよう。
数多の生物が選出され、地球からコピーされる。
神はそれを元に生物を作り直し、新たな惑星へと送り込むことにした。
知識を与え、肉体に生命を宿し、魂と記憶を移し替える。
ただ、人の形をして支配するのは人が支配するのと変わらない。
却下。それならば、生物としての能力を与えよう。
―――【ギフト】を
勝者は敗者に何をしようとも許される。
勝者こそが支配者である。
その支配者のみが神を崇める価値のある生物といえよう。
数多の生物は新たな惑星に降り立ち、己が使命を胸に決戦の時を待つ。
いずれ始まる。生物最強の座を手に入れるために……。
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