ニトナラ《ニート、奈落に挑む》

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第2章 Kingdom of the Demon

第30話 仲間との絆

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 《翌日》
 アニサは鍛冶屋に向かった。鍛冶屋に到着すると、マリーもいた。

「アニサちゃん!おはよう」
「マリーおはよう!へぇ、いいじゃんその装備」
「お前さんのも出来ているぞ」

 アニサは鍛冶屋から新しい装備を受け取った。

「よし…これで王都でも大活躍だ」
「お前ら、王都に行くのか!?やめておけ!」

 鍛冶屋のオヤジは2人を止める。

「な、どうしたんだよおっちゃん…」
「王都は奈落化して、騎士と魔物は戦争状態だ。この街から王都に向かった5の中でも、既に1人の死者がでたらしい」
「え!?」
「ま…まさか…」

 フローレンスは騎士の先輩達と王都に行くと言っていた。エリスの話では他の騎士はLevel 30以上で二つ名もあるほどの実力者。自分達とLevelの近いフローレンスが亡くなってしまった可能性は充分にありえる。

「とにかく、知った顔に死なれたくねぇ。行くなよ」
「う…うん」

 アニサとマリーは鍛冶屋を後にした。

「早く確かめに行かないと…」
「フローレンス…無事でいて」

 2人は祈りながら、チャーターしていた馬車に向かう。

「クロス…とジャン!?」
「ジャンさん!?」
「へっ、遅かったじゃねぇかアニサ」

 ジャンの姿に呆気に取られるアニサ。

「なんで…」
「フローレンスを助けに行くんだろ、俺も行く」

 アニサはジャンに抱きついた。

「お…おいアニサ!」
「ありがとう、ありがとうぅぅ、」
「朝からお熱いわね、お二人さん」
「エリス!?」

 アニサは涙と鼻水でぐしゃぐしゃの顔でエリスに抱きつこうとした。

「汚いわよ、ほらティッシュ」
「ありがどゔ」

 クロスはエリスに話しかけた。

「来てくれたんだな、エリス」
「…私がいなければ、全滅でしょ」
「ふふ、頼りにしてますよエリス」
「私もマリーは頼りにしてるわ、この男2人と違って」

 5人揃って馬車に乗り込む。

「俺は金さえ貰えりゃ運ぶけど…いいのか、お前ら」
「はい、全員覚悟は出来ています」

 5人の目に、迷いはない。

「わかった、任せろ」

 運転手は場所を走らせた。中でアニサが2人に尋ねた。

「でも、エリスは何で来てくれたの?」
「俺には聞かんのかい!?」
「ジャンは…僕の事が好きだから…♡」
「なんでそうなる!?」
「…コイツに頼まれたからよ」

 …………
 《前日》
「…俺は明日、アニサとマリーと、王都に向かう」
「そう、マリーも行くのね」
「アニサの奴…」
「それで2人に頼みがある」

 クロスは真剣な顔で2人に頼んだ。

「2人も一緒に、王都に来てくれ!」
「…」

 エリスは少し沈黙し、ジャンが先に口を開いた。

「アニサにさ、危ねぇからダメだろって言ったんだけどよ…本当のところは俺も行きたいって思ってた」
「ジャン…」
「俺、仕事辞めたんだ。お前と同じニートの仲間入りだ。妹の病気治すために、百薬の水を探すって言ったよな。しばらく分の生活費はあるし、俺が奈落で妹のマロンのために危険を犯してるんだからって、おふくろとじぃちゃんが資金面で力を貸してくれたんだ。…貧しいのにな」

 ジャンの目にも覚悟が宿っている。

「そして、百薬の水がある奈落の深層にいくにはお前達の力も必要だ!だから、フローレンスのピンチってんなら俺も行く。ここで信頼できる仲間を失うわけにはいかねぇからよ」

 エリスも口を開く。

「はぁ、本当…どうしようもないわ皆。私も含めて」
「エリス…?」
「私だってね、フローレンスの事心配なのよ!でも、足手纏いになったらどうするって考えてた…けどこうなったら行くしかないわ。だって私がいなければアンタらは…」

 エリスは目に涙を浮かべていた。

「全滅よ!アンタらも!マリーも!アニサも!!だから、私が守ってやるわよ!!」
「へっ、そりゃ心強いぜ」
「だな!」

 …………

「クロス、ありがとう」
「礼なら2人に言ってくれ」

 その後、アニサは今朝鍛冶屋に聞いたことを伝えた。

「フローレンスなら大丈夫だろ、下っ端を前線に立たせないだろ普通…」
「そ…そうだすよ、ジャンさん!フローレンスは先輩達に守られてるはずだす!」
「でも、フローレンスの性格なら、そのまま後ろにいるかしら…」
「僕やエリスと違って接近型だ、後ろにはいないよ…」
「ここでとやかくいっても仕方ない。いまはフローレンスの無事を祈ろう…」

 やがて、馬車は王都に辿り着いた。王都を見たクロスとマリーは驚きの声を上げる。

「何だ…この瘴気は…!」
「わたすの村の時の、比じゃないだす」

 ジャンが喝を入れる。

「今更ビビっても仕方ねぇ!はやくフローレンスを探しに行くぞ!!」

 5人は瘴気溢れる王都へと、歩みを進めた。

 …………
【フローレンスとの合流】

 クロス Level  15
 武器…チタンブレイド
 盾……チタンシールド
 胴……サソリアーマー
 腕……鉄の籠手
 脚……青銅の足鎧
 装飾…免疫の指輪

 ジャン Level  13
 武器…バトルアックス
 盾……なし
 胴……鉄の鎧
 腕……鉄の籠手
 脚……鉄の足鎧

 マリー Level  12
 武器…鉄のメイス
 盾……バックラー
 胴……快適アーマー
 腕……チタングローブ
 脚……チタンレギンス
 装飾…魔力の指輪

 エリス Level  11
 武器…漆黒樹の杖
 盾……青銅の小盾
 胴……魔導師のローブ
 腕……魔導師の手袋
 脚……魔導師のスカート
 装飾…気配断ちの靴
 怨念の杖

 アニサ Level  12
 武器…猟弓さつゆみ
 盾……なし
 胴……サソリアーマー
 腕……チタングローブ
 脚……チタンレギンス
 装飾…回避の靴
 鉄の短剣

 …………

 マリーはエリスが、キキモラ村で手に入れた呪い武器を持ってきた事に気がつく。

「エリス、その武器って…」
「万が一に備えてよ」

 強力な呪い武器には代償が伴う。マリーは、エリスが怨念の杖を使うような事態にならないことを祈った。


 ※ジャン
 
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第3章は4月3日から、平日AM6:00に更新!ご愛読ありがとうございます(^^) これからも誠心誠意、全身全霊で執筆を続けていきます!
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