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番外編5
鍛冶見習い ゼロ 北の街から3
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前回のあらすじ・シーサーペイントの座礁には、どうやら『夕闇谷』の発掘調査が関わっているようで?
◇◇◇
ミミィとカウラに宛て事情を詳しく説明した手紙を書き、リリィが呼んだ『伝書鳩』に持たせた。
『伝書鳩』を見たギルド長は腰を抜かしていたけれど、なぜかスーナさんは大笑いしていた。
ノッカーのリールには待機していてもらい、土の中の音がなくなったかを確認。
音がなくなるのを待つ間、シーサーペイントの下を掘り下げてロープをひっかけ固定し、音がなくなった次の満潮で、スーナさん達の船で沖へ引っ張り出す予定だ。
「いいか、シーサーペイントの尾びれにロープを縛り、後ろ向きに引っ張り出すことは出来ない。幼体とはいえシーサーペイントはかなりの重さがある。自身の体重に耐えきれず脊椎を痛め、生存率が極端に下がるというデータがある。同様に、胸ビレにロープをひっかけ引っ張るとヒレの骨が折れる。ヒレの下を通して、体全体にロープを固定するんだ。大人のシーサーペイントなら頑丈だが、彼女らは人間で言うとまだ一歳やそこらだ、とても傷つきやすい」
「一歳児か……それじゃ、オイラ達が助けようとしているのか、それとも捕まえて酷いことをしようとしているのか、分かってもらうのは無理かなぁ」
「無理だろうな。おそらく、人間が近づけば暴れる。此方らは比較的シーサーペイントに警戒されぬ一族ゆえ、近づくことも出来なくはないが……残念ながら、この体は非力でな。本当におぬしが、一人で穴を掘り、シーサーペイントの体にロープを固定すると言うのか?」
「うん、任せて。犬は土を掘るのが得意なんだよ。前に返品されたスコップもあるしね」
リリィの空間収納から出してもらったのは、しばらく前に、ミミィの双子の子ども、カカとココに頼まれて打った発掘用のスコップだ。
オーダーメイドで、速度と軽さ重視で作ったはいいけれど、なんでか攻撃補整が高くなり、発掘している亜竜の化石まで土や石と一緒に真っ二つになってしまうと言われて返品された。
「いいか、陸側を掘るとシーサーペイント達は益々陸地へと近づいてしまうだろう。だから、地中の音が止むまでは海側を中心に掘り下げ、音が止んでから次の満潮までに陸側を掘って浮力を稼ぐ。彼女らを呼ぶ音さえなくなれば、例え一歳児といえど海に戻ろうという本能が勝るはずだ」
「りょーかいっ」
トンっ、トン、とその場で跳び上がり準備するオイラに、スーナさんが心配そうに言葉を重ねる。
「いいか、無理をせず、危ないと思ったら逃げるのだぞ。特にシーサーペイントの尾びれの一撃はワイバーンすら墜とす。此方らはなるべく多くの水をかけ続けるゆえ、シーサーペイント達のストレスは多少緩和されると思うが」
「うん、ありがとう。それじゃ、行ってくるね」
トンッッ、と地面を蹴った背後で、スーナさんとギルド長の声が聞こえた。
「なっ、なんだあの少年のスピードはっ!」
「当たるっ! いや、避けてますよ!? 嘘でしょう……あの少年、Fランクだって言ってましたよね!? シーサーペイントの……Aランク魔獣の攻撃を、あんな易々とっ!?」
「うん。まあ、ノアだから」
◇◇◇
「おーらいっ、そのまま引けーっ」
シーサーペイント達の周りを掘り始めてから、八時間。最初の満潮がやって来た。
伝書鳩に手紙を言付けてから二時間ほどで、カウラ達からの返事が来た。
ここ十日ほど大型のトンネル用魔道具で『夕闇谷』の硬い岩盤を削っていたそうで、採掘を中止するのは国家間での交渉が再度必要となるため、魔道具の回転数を変えてみる、といった内容だった。
二度やり取りするうち、シーサーペイント達が陸を目指さなくなる……どころか、なんとなく居心地が悪そうに海に戻りたがる音が見つかった。
海に戻ってからその音がどう影響するかは追跡調査しないと分からない、とスーナさん達は言っていたけれど、とりあえずは満潮に合わせて『嫌がる音』で魔道具を動かしてもらい、シーサーペイント達を沖に曳航することになった。
なんて偉そうなことを言っているけど、やり取りをしていたのは主にリリィで、オイラはただひたすら、シーサーペイントの攻撃を避けては砂を掘り、避けては掘りを繰り返していただけだ。
掘っている最中、砂の中からミナモ石の欠片を十二個見つけたので、役得役得、かなり楽しい砂掘りになった。
ミナモ石は水属性の武具が作れる鍛冶士垂涎の鉱石なんだけれど、鉱脈がある水竜の領域は深海にあるので、ほっとんど流通していない。たまーに浜辺に流れ着いた石に鉱石が混ざってると聞いたことがあったけど……めっちゃラッキーだった。
ひょっとしたら、シーサーペイント達の体にくっついていたのかもしれない。
情けは人のためならず。
うんうん、シーサーペイント救助作戦に参加して良かった。
「頑張れよ、オルガ。じきに本物の母さんのとこに返してやるからな」
シーサーペイントの上に乗ったスーナさんが、沖合の仲間に合図を送る。
仲間の船……って言ってたけど、船に見えないの、オイラだけかなぁ……
もうシーサーペイントを名前で呼んでるし。陸から呼ぶ音が止んでからは、シーサーペイント達、あからさまにスーナさんに懐いてるし。オイラを攻撃してくることもなくなった。
たぶんあの音、シーサーペイント達の理性とかを引っかき回す効果もあったんだろう。
スーナさん達はしきりに話しかけていたけれど、音が止むまでシーサーペイント達にはまったく聞こえていないようだった。
「良かったですねぇ、スベェトラーナ様」
涙ぐんだ目を拭いているギルド長を、オイラはジト目で見据えた。
「ギルド長は知ってたんだよね?」
「な、なんのことですかな?」
「そもそもスーナさんたち、街の人達のこと『人間』て呼んでたし。『この体は非力だ』とか言ってたし。それにどう見ても、シーサーペイントを引っ張ってるのって、すい……」
「ありがとう、ありがとう、ノア殿! リリ殿! おかげでオルガ達はみな母の元に帰れた! どうやらあの掘削の音は、母親が助けを呼ぶ声に酷似していたようでな。みなパニックになっておったそうだ!」
「良かった! お母さんがピンチだったら、そりゃ陸に乗り上げてでも助けに行きたいよね。って、あ、オイラの名前、初めて呼んでくれたね」
オイラとリリィの手を取ってピョンピョン跳びはね喜んでいたスーナさんが、満面の笑みで答えた。
「もちろんだとも! 此方らは美しく清らかなものを好む。オルガ達を助けるおぬしの心根は清らかで、オルガのヒレを避ける動きは美しかった! リリ殿の魔法の音色もまことに麗しい。此方らの敬意を受け取るに相応しい」
「美しい?」
オイラは、砂だらけになった全身を見下ろした。
なんていうか、見た目の清潔さとか美しさとかとは関係ないっぽい?
「是非とも礼をしたい。此方の城におぬし達を招きたいが、どうか?」
「スーナさんのお城って、水竜の領域?」
問い返すと、スーナさんはパチパチと目を瞬いた。
「なんだ、気付いていたのか」
「そりゃあ、まぁ、あんまり隠す気なかったでしょ? 今もオルガちゃん達を引っ張ってるの、どう見ても水竜だし」
スーナさんは沖に目をやり、苦笑を浮かべた。
「いやいや、この辺りでは水竜を見たことのある人間は皆無でな。ほら、石頭の町長も言っていただろう? 水竜は人の間ではほぼほぼ昔話にしか出てこない生き物なんだ。シーサーペイント達を船で引いていると言えば、大抵の人間は『変わった船だな?』くらいにしか思わんものよ」
「え、確かに背中しか見えないけど、いくらなんでも。っていうか、ギルド長はスーナさんが水竜だって知ってたんでしょ?」
「モントロスはイルカの一族ゆえ、昔から此方らと人間の仲立ちをしてくれている。此度のようなことがあったときなどにな。それにしても、本当に助かった。此方らだけでは、水をかけ続けるか、竜体で尾をつかみ引っ張るかしか出来なかった。先に言ったように、そんなことをすればオルガ達の脊椎を傷つけ殺してしまう。それを、五頭全てほぼ無傷で海に戻せた。感謝してもし足りない」
「いやぁ、ミナモ石も拾えたし、オイラも楽しかったから」
「ミナモ石? 水色の透明な石か? 此方らの城に来れば、その辺にゴロゴロと落ちているが」
「行く! 絶対行く!」
「もちろん歓迎しよう」
快く頷いてくれるスーナさんに跳び上がって喜んでいると、リリィにツンツンとつつかれた。
「ノア、本題忘れてる」
「あぁ、そうだ! オイラ達、鍛冶に協力してくれる水竜を探してるんだ。五種の特殊金属と金からヒヒイロカネ合金を作りたいんだけど……」
話しかけたオイラの言葉を、スーナさんがスッと手を上げて遮った。
「それは、他の人間に聞かれても問題のない話か?」
「え?」
「オルガ達を救助している最中から、ずっとその岩の向こうに隠れている二人、そろそろ出て来たらどうだ? 何かを書いていたようだが、此方らはヒトに広く存在を知られることをあまり好まない。国への報告書などであるなら、ここに置いて行ってもらおう」
「えっ」
似たような場面が、フラッシュバックした。
ヒヒイロカネ鍛冶のとき、隠れていたフクロウの獣人をエスティに指摘され、セバスチャンさんが捕まえた。
あれは、あのフクロウは、アウグスト・フットマウス・デイジーズ侯爵に仕える隠密で……
デイジーズ侯爵は……
「あら、バレちゃってた。ごめんねぇノアちゃーん。悪気があって隠れてたわけじゃないのよぉ」
「って、シャリテ姉ちゃん!?」
大きな岩の影から、ひょこりと大きな姿とちんまりしたクマ耳をのぞかせたのは、うちのおとなりのテリテおばさんの娘で、冒険者をしているシャリテ姉ちゃんだった。
相変らず、オイラが作った釣り竿を担いでいる。
「シーサーペイントが打ち上がったから討伐してくれって、指名依頼が入ったのよ。シーサーペイントを釣るのは全釣り人の夢だから、急いで来てみたんだけど、ちょうどノアちゃん達が広場でシーサーペイントを助けるって話をしてるとこでね。聞いてたら、まだ幼体だっていうじゃない。あたしがギルド長と顔を合わせたら討伐しなきゃだし、幼魚はリリースするのが釣り人の鉄則だし」
「あ、あーっ、町長が最初に言ってた、魚に詳しいAランク冒険者って、シャリテ姉ちゃんのことだったんだ!」
すっごく納得した。
シャリテ姉ちゃんの趣味――生きがいは釣り。世界中のあらゆる場所で釣りをするために冒険者になったと言っても過言ではないくらいだ。
っていうかシーサーペイントを釣ったことがあるって、前にエスティが言ってた気がする。
水竜がシーサーペイントを可愛がってるなら、そりゃ仲悪くなるでしょ。
「え、それじゃあもう一人って……」
マリル兄ちゃんを想像していたオイラは、次に立ち上がった小柄な人影を見て首を傾げる。
マリル兄ちゃんじゃない。
たぶんタヌキの獣人で、年の頃はオイラと同じくらい。見たことは、ある。最後に会ったのは確か二年前の、卒業式で……
「あーっ、ユウ! ユウだよね!? 満月先生の手習い処で一緒だった! 絵がすっごい上手だった、ユウ!」
「覚えてくれてたんだ、ノア君」
嬉しそうに手を振ってくれたユウの手元から、抱えていた紙の束がバラバラとこぼれ落ちた。
「あっ……!」
「手伝うよ」
慌てて紙を掻き集めるユウの側に走り寄り、拾うのを手伝い始めたオイラは、その描かれているものに思わず手を止めた。
「これ、ひょっとして、オイラ?」
「あっ、あの、ごめんね、無断で!」
なんだか申し訳なさそうにユウはわたわたしていたけれど、オイラはその描かれている躍動感溢れる絵に釘付けになった。
「凄い! まるで生きて、動いてるみたいだ。こんな絵、初めて見たよ。こっちには父ちゃんと、リリィと、マリル兄ちゃんと……それに、竜体のエスティとオイラが戦ってるとこまである!?」
思わず声をあげると、オイラが持っていた絵をのぞき込んでいたリリィとスーナさんも声を上げた。
「確かに凄い絵」
「美しいな」
「あ、あのね、僕は昔から絵が好きで……今は、黄表紙の挿絵を担当されている先生のところに弟子入りして、小物とか背景なんかを描かせてもらってるんだけど……夢があるんだ。今の黄表紙は、文字が中心で、表紙とか挿絵にちょっと絵があるだけでしょ? そうじゃなくて、絵の中に文字があるような、絵が中心の物語――漫画っていうんだけど、それを描いて、刷って、たくさんの人に読んでもらいたいんだ! それでね、その、その主人公にノア君を描きたくて」
「オイラ!?」
「うん。ノア君は手習い処のヒーローだったから。その夢を、僕の絵が好きだって先生のとこまで訪ねて来てくれたシャリテさんに話したら、『絵の参考にノアちゃんの冒険を見させてあげる』って、色んなとこに連れてってくれてね。この国にも、シャリテさんが一緒だったから来られたんだ」
「シャリテ姉ちゃんが……って、そうか、シャリテ姉ちゃん、エスティのとこにも出入りしてたよね!? 黄表紙持って! 黄表紙……そっか、エスティも黄表紙好きだった……」
うわー、なんか分かった気がする。
なんで戦闘能力のなさそうなユウが、竜体のエスティを知っているのかと思ったけど。シャリテ姉ちゃんが絡んでるなら不可能じゃない。
「あ、火竜の女王様なら、僕の絵を気に入ってくれて、僕がいずれ作る漫画の黄表紙に強くかっこ良く登場させてくれるならって取材許可をくれたんだ。もちろん、火竜の領域に行くまでは、シャリテさんに同行してもらわなきゃたどり着けないんだけどね」
「あああ、言いそう。強くかっこ良く、ってとこがいかにもエスティ」
強さだけが価値観だった頃と比べると、職人の技とかも理解するようになったぶん、ちょっとだけ丸くなったんだろうか。
「たくさん練習して、いよいよノア君に許可を取りに行こうと思ってた矢先に、君が旅に出ちゃったって聞いて……戻って来るのを待とうとも思ったんだけど、女王様が行く先を教えてくれたし、シャリテさんが依頼ついでに同行してくれるって言うから、甘えちゃったんだ。それまで王都から出たことなんてなかったけど、本物のシーサーペイントも描けたし、来て良かった」
ハハハ、と笑うユウに、なんだか自分に重なる物を感じる。
好きな物のためなら、火竜のとこにも、違う国にも行っちゃうあたり。
「それで、ノア君? 僕は、君を主人公にした絵物語――漫画が描きたいんだ。出来ればこれからも、君の冒険を見て、絵にしたい。描いてもいいかな……?」
描くのにどれくらいかかったんだろう、分厚い絵の束を抱えて、遠慮がちに尋ねるユウに、オイラは苦笑した。
「いいに決まってるよ! ユウの絵、凄いもんね! エスティが気に入るはずだよ」
「本当!? うわぁ、良かった! せっかくここまで来たんだし、この先一緒に旅して冒険を描かせてもらって良い? 今回のシーサーペイント救出もかっこ良かった! デントコーン王国に戻ったら、ノア君の活躍を――うわぁ、どう描こう? どう描けば、一番魅せられるかな……構図は……さっきは横から描いたけど、上から? いや、下からの方が迫力があって……」
突然白い紙に鉛筆を走らせ始めたユウに、オイラは一応確認する。
「ユウ? オイラ達、これからスーナさんのお城に連れてってもらう予定なんだけど、一緒に行くつもり?」
「行きたいよ、もちろん!」
スーナさんが水竜だって、分かってるとは思うんだけど……きっぱりと言い切られた。
オイラはスーナさんに確認する。
「スーナさん、オイラの友だちも二人、連れてって良い? シャリテ姉ちゃんも――うん、行きたいよね」
深海にあるお魚天国に思いを馳せて、目をキラッキラさせているシャリテ姉ちゃんに、留守番してろとはとても言えない。
「構わないぞ。その少年の絵は美しいからな。それに……そのご婦人の筋肉も美しい」
「きんにく?」
そういう美しさもアリなんだ。
「ご婦人だなんて照れくさいんで、名前で呼んでください。あたしはシャリテです」
「僕は、ユウ! ユウ・アメリです!」
ユウは輝く笑顔でこう続けた。
「スーナさんもぜひ描かせてください! ノア君の漫画、もう題名も決めてるんです。『レベル596の鍛冶見習い』!」
オイラのレベルは、もう596じゃないんだけどなー、と思いつつも、オイラは笑ってユウに手を差し出した。
「それじゃあ行こうか、オイラ達の、新しい冒険に!」
◇◇◇
雨理先生、本当にありがとうございました!
勝手に登場させてすみません。
サイドストーリーとなる『虫ケラ令嬢と悪役オネエ』も本日公開です、読んでいただけると嬉しいです!
◇◇◇
ミミィとカウラに宛て事情を詳しく説明した手紙を書き、リリィが呼んだ『伝書鳩』に持たせた。
『伝書鳩』を見たギルド長は腰を抜かしていたけれど、なぜかスーナさんは大笑いしていた。
ノッカーのリールには待機していてもらい、土の中の音がなくなったかを確認。
音がなくなるのを待つ間、シーサーペイントの下を掘り下げてロープをひっかけ固定し、音がなくなった次の満潮で、スーナさん達の船で沖へ引っ張り出す予定だ。
「いいか、シーサーペイントの尾びれにロープを縛り、後ろ向きに引っ張り出すことは出来ない。幼体とはいえシーサーペイントはかなりの重さがある。自身の体重に耐えきれず脊椎を痛め、生存率が極端に下がるというデータがある。同様に、胸ビレにロープをひっかけ引っ張るとヒレの骨が折れる。ヒレの下を通して、体全体にロープを固定するんだ。大人のシーサーペイントなら頑丈だが、彼女らは人間で言うとまだ一歳やそこらだ、とても傷つきやすい」
「一歳児か……それじゃ、オイラ達が助けようとしているのか、それとも捕まえて酷いことをしようとしているのか、分かってもらうのは無理かなぁ」
「無理だろうな。おそらく、人間が近づけば暴れる。此方らは比較的シーサーペイントに警戒されぬ一族ゆえ、近づくことも出来なくはないが……残念ながら、この体は非力でな。本当におぬしが、一人で穴を掘り、シーサーペイントの体にロープを固定すると言うのか?」
「うん、任せて。犬は土を掘るのが得意なんだよ。前に返品されたスコップもあるしね」
リリィの空間収納から出してもらったのは、しばらく前に、ミミィの双子の子ども、カカとココに頼まれて打った発掘用のスコップだ。
オーダーメイドで、速度と軽さ重視で作ったはいいけれど、なんでか攻撃補整が高くなり、発掘している亜竜の化石まで土や石と一緒に真っ二つになってしまうと言われて返品された。
「いいか、陸側を掘るとシーサーペイント達は益々陸地へと近づいてしまうだろう。だから、地中の音が止むまでは海側を中心に掘り下げ、音が止んでから次の満潮までに陸側を掘って浮力を稼ぐ。彼女らを呼ぶ音さえなくなれば、例え一歳児といえど海に戻ろうという本能が勝るはずだ」
「りょーかいっ」
トンっ、トン、とその場で跳び上がり準備するオイラに、スーナさんが心配そうに言葉を重ねる。
「いいか、無理をせず、危ないと思ったら逃げるのだぞ。特にシーサーペイントの尾びれの一撃はワイバーンすら墜とす。此方らはなるべく多くの水をかけ続けるゆえ、シーサーペイント達のストレスは多少緩和されると思うが」
「うん、ありがとう。それじゃ、行ってくるね」
トンッッ、と地面を蹴った背後で、スーナさんとギルド長の声が聞こえた。
「なっ、なんだあの少年のスピードはっ!」
「当たるっ! いや、避けてますよ!? 嘘でしょう……あの少年、Fランクだって言ってましたよね!? シーサーペイントの……Aランク魔獣の攻撃を、あんな易々とっ!?」
「うん。まあ、ノアだから」
◇◇◇
「おーらいっ、そのまま引けーっ」
シーサーペイント達の周りを掘り始めてから、八時間。最初の満潮がやって来た。
伝書鳩に手紙を言付けてから二時間ほどで、カウラ達からの返事が来た。
ここ十日ほど大型のトンネル用魔道具で『夕闇谷』の硬い岩盤を削っていたそうで、採掘を中止するのは国家間での交渉が再度必要となるため、魔道具の回転数を変えてみる、といった内容だった。
二度やり取りするうち、シーサーペイント達が陸を目指さなくなる……どころか、なんとなく居心地が悪そうに海に戻りたがる音が見つかった。
海に戻ってからその音がどう影響するかは追跡調査しないと分からない、とスーナさん達は言っていたけれど、とりあえずは満潮に合わせて『嫌がる音』で魔道具を動かしてもらい、シーサーペイント達を沖に曳航することになった。
なんて偉そうなことを言っているけど、やり取りをしていたのは主にリリィで、オイラはただひたすら、シーサーペイントの攻撃を避けては砂を掘り、避けては掘りを繰り返していただけだ。
掘っている最中、砂の中からミナモ石の欠片を十二個見つけたので、役得役得、かなり楽しい砂掘りになった。
ミナモ石は水属性の武具が作れる鍛冶士垂涎の鉱石なんだけれど、鉱脈がある水竜の領域は深海にあるので、ほっとんど流通していない。たまーに浜辺に流れ着いた石に鉱石が混ざってると聞いたことがあったけど……めっちゃラッキーだった。
ひょっとしたら、シーサーペイント達の体にくっついていたのかもしれない。
情けは人のためならず。
うんうん、シーサーペイント救助作戦に参加して良かった。
「頑張れよ、オルガ。じきに本物の母さんのとこに返してやるからな」
シーサーペイントの上に乗ったスーナさんが、沖合の仲間に合図を送る。
仲間の船……って言ってたけど、船に見えないの、オイラだけかなぁ……
もうシーサーペイントを名前で呼んでるし。陸から呼ぶ音が止んでからは、シーサーペイント達、あからさまにスーナさんに懐いてるし。オイラを攻撃してくることもなくなった。
たぶんあの音、シーサーペイント達の理性とかを引っかき回す効果もあったんだろう。
スーナさん達はしきりに話しかけていたけれど、音が止むまでシーサーペイント達にはまったく聞こえていないようだった。
「良かったですねぇ、スベェトラーナ様」
涙ぐんだ目を拭いているギルド長を、オイラはジト目で見据えた。
「ギルド長は知ってたんだよね?」
「な、なんのことですかな?」
「そもそもスーナさんたち、街の人達のこと『人間』て呼んでたし。『この体は非力だ』とか言ってたし。それにどう見ても、シーサーペイントを引っ張ってるのって、すい……」
「ありがとう、ありがとう、ノア殿! リリ殿! おかげでオルガ達はみな母の元に帰れた! どうやらあの掘削の音は、母親が助けを呼ぶ声に酷似していたようでな。みなパニックになっておったそうだ!」
「良かった! お母さんがピンチだったら、そりゃ陸に乗り上げてでも助けに行きたいよね。って、あ、オイラの名前、初めて呼んでくれたね」
オイラとリリィの手を取ってピョンピョン跳びはね喜んでいたスーナさんが、満面の笑みで答えた。
「もちろんだとも! 此方らは美しく清らかなものを好む。オルガ達を助けるおぬしの心根は清らかで、オルガのヒレを避ける動きは美しかった! リリ殿の魔法の音色もまことに麗しい。此方らの敬意を受け取るに相応しい」
「美しい?」
オイラは、砂だらけになった全身を見下ろした。
なんていうか、見た目の清潔さとか美しさとかとは関係ないっぽい?
「是非とも礼をしたい。此方の城におぬし達を招きたいが、どうか?」
「スーナさんのお城って、水竜の領域?」
問い返すと、スーナさんはパチパチと目を瞬いた。
「なんだ、気付いていたのか」
「そりゃあ、まぁ、あんまり隠す気なかったでしょ? 今もオルガちゃん達を引っ張ってるの、どう見ても水竜だし」
スーナさんは沖に目をやり、苦笑を浮かべた。
「いやいや、この辺りでは水竜を見たことのある人間は皆無でな。ほら、石頭の町長も言っていただろう? 水竜は人の間ではほぼほぼ昔話にしか出てこない生き物なんだ。シーサーペイント達を船で引いていると言えば、大抵の人間は『変わった船だな?』くらいにしか思わんものよ」
「え、確かに背中しか見えないけど、いくらなんでも。っていうか、ギルド長はスーナさんが水竜だって知ってたんでしょ?」
「モントロスはイルカの一族ゆえ、昔から此方らと人間の仲立ちをしてくれている。此度のようなことがあったときなどにな。それにしても、本当に助かった。此方らだけでは、水をかけ続けるか、竜体で尾をつかみ引っ張るかしか出来なかった。先に言ったように、そんなことをすればオルガ達の脊椎を傷つけ殺してしまう。それを、五頭全てほぼ無傷で海に戻せた。感謝してもし足りない」
「いやぁ、ミナモ石も拾えたし、オイラも楽しかったから」
「ミナモ石? 水色の透明な石か? 此方らの城に来れば、その辺にゴロゴロと落ちているが」
「行く! 絶対行く!」
「もちろん歓迎しよう」
快く頷いてくれるスーナさんに跳び上がって喜んでいると、リリィにツンツンとつつかれた。
「ノア、本題忘れてる」
「あぁ、そうだ! オイラ達、鍛冶に協力してくれる水竜を探してるんだ。五種の特殊金属と金からヒヒイロカネ合金を作りたいんだけど……」
話しかけたオイラの言葉を、スーナさんがスッと手を上げて遮った。
「それは、他の人間に聞かれても問題のない話か?」
「え?」
「オルガ達を救助している最中から、ずっとその岩の向こうに隠れている二人、そろそろ出て来たらどうだ? 何かを書いていたようだが、此方らはヒトに広く存在を知られることをあまり好まない。国への報告書などであるなら、ここに置いて行ってもらおう」
「えっ」
似たような場面が、フラッシュバックした。
ヒヒイロカネ鍛冶のとき、隠れていたフクロウの獣人をエスティに指摘され、セバスチャンさんが捕まえた。
あれは、あのフクロウは、アウグスト・フットマウス・デイジーズ侯爵に仕える隠密で……
デイジーズ侯爵は……
「あら、バレちゃってた。ごめんねぇノアちゃーん。悪気があって隠れてたわけじゃないのよぉ」
「って、シャリテ姉ちゃん!?」
大きな岩の影から、ひょこりと大きな姿とちんまりしたクマ耳をのぞかせたのは、うちのおとなりのテリテおばさんの娘で、冒険者をしているシャリテ姉ちゃんだった。
相変らず、オイラが作った釣り竿を担いでいる。
「シーサーペイントが打ち上がったから討伐してくれって、指名依頼が入ったのよ。シーサーペイントを釣るのは全釣り人の夢だから、急いで来てみたんだけど、ちょうどノアちゃん達が広場でシーサーペイントを助けるって話をしてるとこでね。聞いてたら、まだ幼体だっていうじゃない。あたしがギルド長と顔を合わせたら討伐しなきゃだし、幼魚はリリースするのが釣り人の鉄則だし」
「あ、あーっ、町長が最初に言ってた、魚に詳しいAランク冒険者って、シャリテ姉ちゃんのことだったんだ!」
すっごく納得した。
シャリテ姉ちゃんの趣味――生きがいは釣り。世界中のあらゆる場所で釣りをするために冒険者になったと言っても過言ではないくらいだ。
っていうかシーサーペイントを釣ったことがあるって、前にエスティが言ってた気がする。
水竜がシーサーペイントを可愛がってるなら、そりゃ仲悪くなるでしょ。
「え、それじゃあもう一人って……」
マリル兄ちゃんを想像していたオイラは、次に立ち上がった小柄な人影を見て首を傾げる。
マリル兄ちゃんじゃない。
たぶんタヌキの獣人で、年の頃はオイラと同じくらい。見たことは、ある。最後に会ったのは確か二年前の、卒業式で……
「あーっ、ユウ! ユウだよね!? 満月先生の手習い処で一緒だった! 絵がすっごい上手だった、ユウ!」
「覚えてくれてたんだ、ノア君」
嬉しそうに手を振ってくれたユウの手元から、抱えていた紙の束がバラバラとこぼれ落ちた。
「あっ……!」
「手伝うよ」
慌てて紙を掻き集めるユウの側に走り寄り、拾うのを手伝い始めたオイラは、その描かれているものに思わず手を止めた。
「これ、ひょっとして、オイラ?」
「あっ、あの、ごめんね、無断で!」
なんだか申し訳なさそうにユウはわたわたしていたけれど、オイラはその描かれている躍動感溢れる絵に釘付けになった。
「凄い! まるで生きて、動いてるみたいだ。こんな絵、初めて見たよ。こっちには父ちゃんと、リリィと、マリル兄ちゃんと……それに、竜体のエスティとオイラが戦ってるとこまである!?」
思わず声をあげると、オイラが持っていた絵をのぞき込んでいたリリィとスーナさんも声を上げた。
「確かに凄い絵」
「美しいな」
「あ、あのね、僕は昔から絵が好きで……今は、黄表紙の挿絵を担当されている先生のところに弟子入りして、小物とか背景なんかを描かせてもらってるんだけど……夢があるんだ。今の黄表紙は、文字が中心で、表紙とか挿絵にちょっと絵があるだけでしょ? そうじゃなくて、絵の中に文字があるような、絵が中心の物語――漫画っていうんだけど、それを描いて、刷って、たくさんの人に読んでもらいたいんだ! それでね、その、その主人公にノア君を描きたくて」
「オイラ!?」
「うん。ノア君は手習い処のヒーローだったから。その夢を、僕の絵が好きだって先生のとこまで訪ねて来てくれたシャリテさんに話したら、『絵の参考にノアちゃんの冒険を見させてあげる』って、色んなとこに連れてってくれてね。この国にも、シャリテさんが一緒だったから来られたんだ」
「シャリテ姉ちゃんが……って、そうか、シャリテ姉ちゃん、エスティのとこにも出入りしてたよね!? 黄表紙持って! 黄表紙……そっか、エスティも黄表紙好きだった……」
うわー、なんか分かった気がする。
なんで戦闘能力のなさそうなユウが、竜体のエスティを知っているのかと思ったけど。シャリテ姉ちゃんが絡んでるなら不可能じゃない。
「あ、火竜の女王様なら、僕の絵を気に入ってくれて、僕がいずれ作る漫画の黄表紙に強くかっこ良く登場させてくれるならって取材許可をくれたんだ。もちろん、火竜の領域に行くまでは、シャリテさんに同行してもらわなきゃたどり着けないんだけどね」
「あああ、言いそう。強くかっこ良く、ってとこがいかにもエスティ」
強さだけが価値観だった頃と比べると、職人の技とかも理解するようになったぶん、ちょっとだけ丸くなったんだろうか。
「たくさん練習して、いよいよノア君に許可を取りに行こうと思ってた矢先に、君が旅に出ちゃったって聞いて……戻って来るのを待とうとも思ったんだけど、女王様が行く先を教えてくれたし、シャリテさんが依頼ついでに同行してくれるって言うから、甘えちゃったんだ。それまで王都から出たことなんてなかったけど、本物のシーサーペイントも描けたし、来て良かった」
ハハハ、と笑うユウに、なんだか自分に重なる物を感じる。
好きな物のためなら、火竜のとこにも、違う国にも行っちゃうあたり。
「それで、ノア君? 僕は、君を主人公にした絵物語――漫画が描きたいんだ。出来ればこれからも、君の冒険を見て、絵にしたい。描いてもいいかな……?」
描くのにどれくらいかかったんだろう、分厚い絵の束を抱えて、遠慮がちに尋ねるユウに、オイラは苦笑した。
「いいに決まってるよ! ユウの絵、凄いもんね! エスティが気に入るはずだよ」
「本当!? うわぁ、良かった! せっかくここまで来たんだし、この先一緒に旅して冒険を描かせてもらって良い? 今回のシーサーペイント救出もかっこ良かった! デントコーン王国に戻ったら、ノア君の活躍を――うわぁ、どう描こう? どう描けば、一番魅せられるかな……構図は……さっきは横から描いたけど、上から? いや、下からの方が迫力があって……」
突然白い紙に鉛筆を走らせ始めたユウに、オイラは一応確認する。
「ユウ? オイラ達、これからスーナさんのお城に連れてってもらう予定なんだけど、一緒に行くつもり?」
「行きたいよ、もちろん!」
スーナさんが水竜だって、分かってるとは思うんだけど……きっぱりと言い切られた。
オイラはスーナさんに確認する。
「スーナさん、オイラの友だちも二人、連れてって良い? シャリテ姉ちゃんも――うん、行きたいよね」
深海にあるお魚天国に思いを馳せて、目をキラッキラさせているシャリテ姉ちゃんに、留守番してろとはとても言えない。
「構わないぞ。その少年の絵は美しいからな。それに……そのご婦人の筋肉も美しい」
「きんにく?」
そういう美しさもアリなんだ。
「ご婦人だなんて照れくさいんで、名前で呼んでください。あたしはシャリテです」
「僕は、ユウ! ユウ・アメリです!」
ユウは輝く笑顔でこう続けた。
「スーナさんもぜひ描かせてください! ノア君の漫画、もう題名も決めてるんです。『レベル596の鍛冶見習い』!」
オイラのレベルは、もう596じゃないんだけどなー、と思いつつも、オイラは笑ってユウに手を差し出した。
「それじゃあ行こうか、オイラ達の、新しい冒険に!」
◇◇◇
雨理先生、本当にありがとうございました!
勝手に登場させてすみません。
サイドストーリーとなる『虫ケラ令嬢と悪役オネエ』も本日公開です、読んでいただけると嬉しいです!
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