レベル596の鍛冶見習い

寺尾友希(田崎幻望)

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風竜編

番外編・風竜王の思い出2(青嵐視点)

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前回のあらすじ・春嵐を守れなかった薫は、火竜の領域へ修行に出ることに。


 火竜の領域は、風竜の領域とは全く違った。
 生きとし生けるもの全てが好戦的で、鍛錬を好み、負けても負けても懲りない薫を可愛がってくれた。
 中でも厄介なのがリムダという竜で――何故か火竜なのに治癒魔法が使え、薫がダウンする度に治癒してくれ、薫は何度も何度も戦うことが出来た。
 いや、治癒してくれるのは有り難いし、そのズルともいえる協力がなかったら、数年でレベル1000になんて到底到達出来なかっただろう。それでもあの数年は、地獄だったと思う。気を失いかけ、霞んだ視界に駆け寄ってくるリムダの姿が、地獄の番卒のように見えた。
 後で聞けば、彼は彼で、一頭で火竜全ての治癒を任され、治癒魔法だけでレベル1000以上になるほど酷使されて死にそうだったと言っていたが……


「春嵐様、帰って参りました、春嵐様」

 まるで知らぬ者を見るような春嵐さまに、薫はほの苦く笑った。
 約束をしたわけでもない。待っていると言ってもらったわけでもない。
 一方的に慕い、一方的に誓い、一方的に成し遂げただけのことだ。
 レベル1000以上となって帰ってきたものの、風竜の長老達の反応は思わしくなかった。風竜女王を支える王配候補がこんな若輩者では、難色を示されるのも無理はない。
 それを面白くない、と言ったのは火竜女王だった。
 手塩にかけた弟子に、もっと風竜を引っかき回して欲しかったらしい。執事竜があれやこれやと根回しすると見る間に旗色が変わり、次期女王竜を守れる強い伴侶を武闘会をもって選ぶこととなった。

「勝ってこい。まあ、春嵐はよくセバスを見ていたから年上好みかも知れぬが……おぬしとて良い男じゃ。何より我はその根性を買っておる。
 ひとつ、助言をやろう。風竜はな、何より速いが防御力が低い。また気分屋じゃ。故にの、戦いを諦めるのが異常に早いのよ。こいつには敵わない。こいつとの戦いは厄介だ。そう思わせればこちらの勝ちじゃ。正直おぬしより強い風竜もおるじゃろう。じゃが、諦めねばおぬしが勝つ。
 良いな? 火竜をも認めさせたおぬしの根性を見せてやれ」

 ま、いくら春嵐といえど、セバスはやれぬからのぉ、と火竜女王は笑った。

「いよいよ決勝だね」

 火竜女王の言うように、純粋な強さというより、半ば根性と執念で勝ち進み、残すはただ一頭――風竜最強の一頭、暴風あかしまさんだけとなったとき。闘技場の端で待機している薫に疾風さまが近づいてきた。

「君が火竜の領域へ行きたいと言ったとき、ここまでになるとは思っていなかった。
 正直に言おう。
 僕はね、まだ年若い君が春嵐の伴侶となるのを歓迎しない」

 薫は息を呑んだ。
 言われずとも分かっていた。無茶を通そうとしているのは薫だ。それでも。どこかで疾風さまは自分を応援してくれているような気がしていた。

「確かに、俺は未熟で若輩者で……」

 自覚はある。それでも、春嵐さまより後に産まれてしまったことは、もう薫自身の努力ではどうにもならない。
唇を噛む薫に、疾風さまは首を横に振った。

「そうじゃない。春嵐は君より先に死ぬよ」

「はっ!?」

「女王の伴侶となる意味を本当に分かっているかい? 女王竜の伴侶となるということは、この世で何よりも愛しい相手を、確実に先に失うということだ」

 薫は愕然と疾風さまを見た。
 毘嵐さまが亡くなって一年。やつれた。老け込んだ。今まで自分は、疾風さまを見ているつもりで全く見ていなかった。

「竜の敬愛は、先代が亡くなっても次代へと受け継がれていく。毘嵐が亡くなったことを、全ての風竜が悲しんでくれたけれど、彼らはそれを長くは引きずらない。彼らには次代の女王、春嵐がいるからだ。竜の愛も忠誠も、女王竜という種に向けられたものだ。
 真の意味で、毘嵐という個を愛していたのは、伴侶である僕だけなんだ。僕の悲しみも絶望も、誰に共感されることもない」

 疾風さまは静かに紺碧の空を見上げた。
 雲よりも遙かな高度にある風竜の領域には、雲一つかからない。そのどこかに思いを馳せるかのように、疾風さまはつぶやく。

「女王竜の寿命は千年。その伴侶の寿命は二千年。なんでだろうね。女王竜が亡くなった後、伴侶は千年もの孤独に耐えなければならない。死んでしまいたいと何度も思ったよ。死んで毘嵐だった力の源に戻れるならば、それもいいと。
 けれどね、残された伴侶は生きなければならない。何故かって? 女王竜は死の床で、必ずこう言うからだよ。伴侶の手をとって。『後を頼む』と。『子ども達を頼む』と。最愛の、至高の、唯一の相手の末期の頼みだ。叶えなかったら、男じゃないだろう?」

 例え、それがどんなに残酷な望みでも。
 静かに目をつむり、黙祷を捧げているかのような疾風さまの顔は、泣いているようでもあり微笑んでいるようでもあった。
 これほどの複雑な激情を、薫はまだ知らない。まだ。

「それほどに愛されていたのなら、同じ魂である春嵐さまを求めようとは思われないのですか」

 この、春嵐さまの伴侶を決定する武闘会に、疾風さまはエントリーしていない。いかに火竜女王の元で強化したといっても、疾風さまと当たったとしたなら、薫の勝てた目はおそらくない。薫の勝因が根性と執念だというのなら。
  竜種に他の生き物のような魂はない。同じ力を持つ存在=同じ魂を持つ相手だ。
 薫の問いに、疾風さまは淡い翡翠色の目を開けて、困ったように眉を寄せて笑った。

「そうだね。率直に言うなら、毘嵐が亡くなってから春嵐の卵が孵化したなら、誰にも渡さなかったと思うよ。名も毘嵐と呼んで、囲って囲って、誰も触れぬように、僕の他の誰も見ぬように。僕の毘嵐になるように、徹底して育てたさ。
 でもね。僕には、毘嵐と一緒に春嵐を育てた記憶がある。それは、とても大切なかけがえのない思い出なんだ。だから僕は、春嵐の父親だよ。伴侶にはならない」

 疾風さまは観覧席の一点へと目を向けると、そっとつぶやいた。妻と、娘と、共に育てた記憶もない、同じ魂を持つ赤子を前にして、かの方はいったいどのような想いでいるのだろうね……と。
 薫には何のことか良く分からなかったけれど。
 それから疾風さまは、何か苦いものでも飲み込んだように眉を歪め、そっと視線を伏せた。

「君も僕の大切な息子だよ。
 未だかつて、年下の竜が女王竜の伴侶になったことはない。女王竜の伴侶には二千年の寿命が与えられる。でもそれは、元々の寿命が二千年より短かった場合だけだ。三千年あった寿命が二千年に縮むわけじゃない。
 春嵐よりも大分年下の君が春嵐の伴侶となれば、君は、過去のあらゆる王配よりも遙かに長い間、唯一を失った孤独に苛まれ、生き続けることとなるだろう」

 薫は虚を突かれた。
 思いもしなかった。
 この苦渋の表情は、春嵐さまのためでなく、薫のためのものだったと?
 風竜の長老達も、疾風さまも、春嵐さまの伴侶候補には年かさの竜を推していた。年若い薫では駄目だと、頭ごなしに言われた。
 その真意が、薫の孤独を案じてのものだったと?

「千年――いや、もう春嵐は百歳。君が春嵐の伴侶になったとして、共にいられるのは九百年。春嵐を看取った後、君は春嵐のいないこの世で、二千年の永きを生きなければならない。これは、女王を失った王配である僕にしか分からない絶望だ。僕に残された千年とて狂いそうな年月なのに、その倍。
 春嵐と君は子どもの頃から仲が良かった。春嵐のためを思うなら、君は得がたい伴侶候補だとは思うよ。でも僕は、毘嵐が産んでくれた君に、敢えての茨の道を歩んで欲しくはない。
 引き返すのならば、これが最後の機会だ。
 だから僕は忠告に来た。棄権しなさい、薫」

 薫は、すぅっと目を細めた。
 疾風さまの思いは分かった。有り難いとも思う。しかし。
 薫の中に、フツフツと湧いてきたのは怒りだった。

「それならば、お聞きします、疾風さま。
 疾風さまは、毘嵐さまの伴侶となられたことを後悔しているのですか? 毘嵐さまを失った絶望を知るくらいならば、共にあらなかったほうが良かったと?」

 薫がそう言うのを分かっていたのだろう、疾風さまは困ったような顔になった。

「いいえ、疾風さまが後悔していたとしても構わない。俺は後悔しません。共にあれる時間が、九百年ではなく、九年でも、九ヶ月だとしても。春嵐さまによってもたらされるその絶望の一滴ひとしずくさえ、俺は他のヤツに渡したくはない」

「忠告は、遅かったようだね」

「ええ。春嵐さまという個を見ることもなく、ただ彼が寿命の残り年数で選ばれた伴侶候補だというのなら――春嵐さまを失った絶望を、孤独を、俺よりも味合わない男だというのなら。負けるわけにはいきません」

 闘技場の反対にいる暴風あかしまを見据える薫に、疾風さまはどこか諦めたような、しかし微かに満足そうな顔を浮かべていた。

「幸運を祈るよ、薫」


 そうして、薫は春嵐さまの伴侶となった。
 決勝を制した薫に、疾風さまは『青嵐』の名を贈ってくれた。
 それからの青嵐は、我武者羅にやってきたと思う。
 『春嵐は年上が好き』だという火竜女王の助言を入れ、大人びた口調に改め、言動も見直した。
 『祟り竜』が再び現れてもいいように、『風見』だけでなく、風竜の直接の警戒網を構築し、騎士団を作り、共に鍛錬をし、しのぎを削った。
 煩わしい職務をやりたくない、という春嵐さまのために、王配の業務だけでなく、女王の仕事まで代われる物は肩代わりした。
 けれど何故か、青嵐が頑張れば頑張るほど、春嵐さまの言動は幼くなっていった。
 弟と頼れる姉のようだった関係が、兄と気ままな妹のように。さらには父と我が儘な娘のように。
 いつしか青嵐は『風竜女王の王配』ではなく『風竜王』と呼ばれるようになり、『あんな我が儘娘の面倒を見させられて気の毒に』と言われるようになった。春嵐さまはめっきり竜体をとることすら少なくなり、気の移ろいやすい風竜たちは、あれほど純白で優美な女王然とした春嵐さまの姿を忘れてしまったかのようだった。
 春嵐さまが蔑ろにされることが不本意だった青嵐は、何度も春嵐さまに、女王らしくあってくれと懇願したが、聞き入れられることはなかった。
 頼みの疾風さまは、青嵐が王配業務も女王業務もつつがなくこなせるようになると、ふらりと風竜の領域を出て行ってしまっていた。傷心旅行、と言いながら、各地にいる友人達を尋ねて歩く旅らしい。未だに青嵐より風の扱いに長けた疾風さまの行方は、要として知れない。春嵐さまならば分かるのかもしれないが、春嵐さまが疾風さまについて語ることはなかった。

「青嵐は、火竜の影響を受けすぎでおじゃ!
 風竜とは自由気ままに生きるもの。根性もガッツもくそ真面目も、火竜の専売特許でおじゃる!」

 あっかんべー、と思いっきり舌を出して部屋を出て行った春嵐さまを、今日も青嵐はため息と共に見送る。
 青嵐が、一方的に慕い、一方的に望み、一方的に手に入れた春嵐さま。春嵐さまにとって、青嵐の想いは迷惑でしかなかったのだろうか。確かに、ペットのように可愛がっていた子どもが、突然強くなったので夫にしてください、と大きくなってやって来ても困惑するだけだろう。
 我ながら重すぎる。軽やかな風を愛する春嵐さまに厭われても仕方がない。
 青嵐が王配となって一年目、春嵐さまは青嵐と口づけを交わして卵を産んだ。
 二年、三年……百年。今では、春嵐さまはふらりとやってきて、青嵐をガジガジと噛んで、青嵐の知らない間に卵を産む。
 青嵐の頭によじ登り、ブチブチと毛をむしり、青嵐の羽根にぶら下がって遊んでいたかと思えば、執務机の上にベッタリとトリモチが塗りつけられていたりする。
 寒いと言って青嵐の羽毛に潜り込んでくると思えば、朝には顔一面に落書きされていたりする。
 何を考えているのかは分からない。
 けれど、春嵐さまがそんなことをするのは、青嵐にだけだ。
 だから青嵐は今日も、散らかされた書類を片付け、塗られた墨を拭き取り、トリモチの始末に関して側仕え達と頭を悩ます。それを扉の陰から見ていた春嵐は、青嵐に気づかれていることに気づくと、あっかんべー、とやってビュンと飛んでいく。
 「大変ですね、青嵐様も」苦笑と共にそう言われることにも、いつしか慣れた。


 鍛錬場にひとり佇み、青嵐は紺碧の空を見上げる。
 山もない、水平線もない。
 ただ雲海に消える紺碧の端は僅かに白み、反対の端では未だ太陽に負けぬ明星が力強く煌めく。光を失いつつある白い残月。城よりも高い位置にある浮島は、仄かな黎明を僅かに受けて。
 何故、日は輝くのか。何故、月に届かぬのか。何故、浮島はひとつところに浮かび続けるのか。そんなことすら、青嵐は知らない。
 何が、風竜王。
 何が、空の王。
 手の届かぬものが、これほどあるというのに。
 思いっきり、限界の速度を極めて飛ぶ修練が出来るのは、誰もいない朝のこの時間だけ。
 先だっての、強さを求め、鍛錬に明け暮れ、筋肉を付けすぎたのは失策だった。
 確かにパワーは増したが、重い筋肉に引きずられ、スピードは落ちた。
 青嵐は羽を広げる。
 いつか、いつか。
 春嵐さまよりも速く。
 どんな『祟り竜』さえも追いつけぬほどの速さで飛べるようになったら。
 緑に燃える、北の空を見に行こう。
 この空と同じ、紺碧の海を見に行こう。
 薔薇色の砂漠の谷を。氷の山に流れる血色の河を。生き物を石化させる緋色の湖を。海の中の滝を。
春嵐さまと共に、見に行こう。
 幼い日に、春嵐さまが語り聞かせてくれた景色を、風は伝えぬ五感で、味わいに行くのだ。

 熱量で圧倒的に勝る女王竜に、一介の竜が比肩するのは不可能かもしれない。
 けれど。
 いつか共に行けたなら、その時こそ伝えよう。
 この身にグルグルと渦巻く醜い執着を、独占欲を。青嵐の世界は、春嵐さまだけなのだと、薄汚い己の全てを、春嵐さまに。

 青嵐は、広げた羽を僅かに窄める。
 青嵐の周りに螺旋を描くように風が集まり、圧縮されてゆく。
 ドシュッ、と破裂するような音がこだました後。鍛錬場に、はや、青嵐の姿はなかった。
 


牛小話・牛乳を大鍋に一杯用意。火にかけて、沸騰する直前で酢を汁椀に一杯回し入れる。すると分離してくるので、数分沸騰させる。それをザルにザパッと空けて水分を切ると、酪農家謹製牛乳豆腐(通称チーズ、正しくはカッテージチーズ)の出来上がり!すき焼きによく合うので、豆腐のように切ってお試しあれ!
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