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11 side王弟
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◇◇◇
(現世・ベアトルト王弟side)
「まぁ、それでは、あの時の犠牲者は、みんなこっちの世界に転生しておりますの?」
僕の長い前髪をピンで留めていたルミカーラが、まん丸に目を見開いて、僕の顔をまじまじとのぞき込む。
僕のもっさりとした髪型と一週間は放置した無精髭は前世と変わらないが、毛で覆われた素顔は、圧倒的に今世のほうが上等だ。けれどルミカーラは、僕の顔の善し悪しになんてさほど興味はない。単に僕に絵を描かせるのに邪魔だと思ったらしい前髪を、無造作に避けてピンで固定している。絵以外には不器用なルミカーラがセットした髪型は前以上にボサボサで、僕付きの侍従が遠巻きに見てあわあわしているけれど、僕にはこんなことでルミカーラに抵抗するつもりはない。
未婚の男女ということで部屋には侍従や侍女が同席しているけれど、魔道具を発動しているので、会話を聞かれることはなく、前世の話もそれなりに出来る。
「そう。サイゼル子爵は、あのとき僕らに突っ込んできたバスの運転手だ。もっとも、前世の記憶はないだろうがね。他にも何人かいるが……リーシャ嬢が前世の記憶を取り戻したのは想定外だったな。おそらく、この『玲瓏たる悪役令嬢は華麗につまびく』の世界を知っているかどうかが関係しているんだろうね」
僕たちの車に突っ込んできた運転手に、悪意がなかったのは分かっている。
突然の心臓発作だと女神には聞いている。本人に避けられるものではなかった。
しかし僕らの死の原因になったことは確かだから、ルミカーラが許せないというなら、卒業パーティ後に預かった彼の身柄を好きにさせようと思っていたが、ルミカーラはあの男の目茶苦茶な絵を改善しようとしか思っていないようだった。
あの男の絵がデタラメなのは、何も彼のせいばかりではない。
何しろこの世界、絵と言えば宗教画か肖像画ばかりで、しかも一般人は絵を学ぶ機会が全くない。画家の息子が父に弟子入りして、肖像画の描き方を学ぶ。ある意味門外不出の家業のようなもの。
古代の召喚用魔法陣を今に伝える隣国にも似たようなことがいえる。彼の国は宗教国家である。召喚用魔法陣こそ現存しているが、それを用いて召喚しようとしているのは、召喚獣ではなく、神の御使い。
蒼花と試してみて分かったが、知能ある人型の者を召喚するのは、獣を召喚するよりはるかに難易度が高い。獣型ならば、サイゼル子爵が実践してみせたように、かなり適当な絵でもナニカが現れるが、プライドの高い知性体はよほど気に入った形代でないと応じてくれない。
隣国の始祖は御使いを召喚できたというから、よほどの天才絵師だったのだろう。
「さ、早く描いてくださいませ。もう十数年も先生の絵を拝見させて頂けなかったんですもの、一分一秒だって待てませんわ」
ルミカーラにペンを持たされ、僕は苦笑する。
前世でも現世でも、彼女は僕のことを『先生』と呼ぶ。憧れの絵師として、ゼミの講師として。
僕の招待をルミカーラに明かしてはならない。
女神の制約を守るために、僕は現世で身バレ確実である作画を行うことは出来なかった。
「この世界は、僕の絵を元にしているんだ。毎日僕の絵を見ているのと同じだろうに。それにしても、目印もなかったのに、よく僕が僕だと分かったね」
僕がルミカーラを蒼花だと認識出来たのは、彼女の絵を見たからだ。
彼女がこの世界に生まれてきたら、絶対に目指しそうな古代魔術ゼミ(数ある学問の中で唯一絵心が必要)の講師となり、彼女を捜し回っていた僕だったが、自身が適齢期を過ぎ、さらに三十を過ぎても見つからないとなるとかなり焦っていた。そんな中、たまたま王城で見かけた子どもの落書き。その落書きを描いた幼女を探し出すのに、さらに一年。それが、この世界の主人公、ルミカーラ・フォルゲンシュタイン公爵令嬢のものだと知ったときには笑いが止まらなかった。確かに女神よ、物語のヒロインとヒーローなら文句なしだ。けれど、年の差二十五! 僕は二十五年もの間、生まれてもいない彼女を捜し回っていたのだ!
「わたくしが好きな、先生の線がそのままでしたもの。絵でなくとも、魔法陣の線を見れば分かりましたわ。それに――先生はわたくしの絵をどう思っていて?」
「骨格や筋肉の構造を理解した、不可能な可動のないしっかりと基礎のある美しい絵だ」
クスリ、とルミカーラは笑った。
「では、わたくしが最初に好きだと申し上げたとき、何とおっしゃったか覚えていて?」
「そりゃあ、僕はこんなオジサンだから……」
ブッ、とルミカーラは吹き出した。
「ふふっ、以前の先生も、全く同じことをおっしゃってましたわ! 気付かない方がおかしいというものでしてよ。さぁ、先生、早く描いてみてくださいな」
「そうだねぇ、絵を描くのはもう四十年ぶりだから、まずは得意なものを」
前世で何度も描いたコンゴウインコを描き始めると、蒼花が「きゃあ」と無邪気な声を上げて喜んだ。
僕と蒼花は絵の構築の仕方が似ている。骨格を学び、筋肉の造りを学び、翼の構造を学ぶ。世の中には、基礎を学ばずとも見たままを正確に描ける天才も存在することを知ってはいるが、僕と蒼花は違う。
造りを理解したからこそ描けるリアリティが、僕と蒼花の絵を支えている。
そして、これは才能や絵心といった不明確なものとは異なり、人に伝えられる技術でもある。
この世界の人間は、絵の描き方を知らない。召喚術に対象の絵が必要となるこの世界、二十世紀の絵画技法はある意味異世界のチート技術だ。僕らだけが、僕らに師事する人間や、僕らの子どもに、この技術を伝えていける。
妻の死に顔を僕だけが覚えている。誰より守りたい者を守れずに、絶望した前世。けれどここでは、絵しか取り柄のない僕が、物理的に守りたい人を守ることが出来る。今の僕なら、例え大型トレーラーが全速力で突っ込んできたとて、ルミカーラを守ることが出来るだろう。
前世、あの絶望の淵で出会った女性は、やはり女神だった。
僕には容易すぎる賭け。
描いている絵が何事も無く完成したなら、最早女神の制約はないと言うこと。僕が賭けに勝ったという証明。さぁ、今度こそ妻に愛を告げよう。
ここはまさしく、僕が望んだ世界だ。
◇◇◇
(?side)
「あーあ。負けちゃったわぁ」
下界を見下ろし、私はため息をついた。
「結構な無茶振りだと思ったんだけどなぁ。魂、獲りそこねちゃった。でも、ま、二十年分の寿命は頂いたし、収支はトントンてとこかしらね。結構面白い展開だったし、痛み分けってとこかしらー?」
紅花とかいう男の絵は気に入っていたから、庭で飼うのもいいかと思っていたけれど、まぁ、あの男が私の造った世界にいて、召喚用魔法陣を手がけているなら、その内、私を実体で呼び出すこともあるかもしれない。自分好みに造った世界に降りられたら、こうしてただ上から眺めているよりずっと楽しい。
私を崇める宗教国家も近くにあるが、あんな奴らの設計図に添って実体を構成したら、不気味なモンスターの完成だ。私が造った美しい世界の中で、私だけが不細工なんて耐えられない。私の実体はあらゆるものの中で最も美しくなくては。
「楽しみー」
さて、こうしちゃいられない。賭けの行方も見届けたし、賭けの景品だった子ども達の魂もセットした。ここでやり残したことは何もない。来たる日に楽しく遊ぶためにも、エネルギーたる命を狩りに行かなくては。私は私好みの設計図を描いてくれそうな男にキスを一つ投げ、狩り場へと向かうべくその場から飛び立った。
「さぁて、喜んで寿命をくれそうな小羊君はどこにいるかなー?」
(現世・ベアトルト王弟side)
「まぁ、それでは、あの時の犠牲者は、みんなこっちの世界に転生しておりますの?」
僕の長い前髪をピンで留めていたルミカーラが、まん丸に目を見開いて、僕の顔をまじまじとのぞき込む。
僕のもっさりとした髪型と一週間は放置した無精髭は前世と変わらないが、毛で覆われた素顔は、圧倒的に今世のほうが上等だ。けれどルミカーラは、僕の顔の善し悪しになんてさほど興味はない。単に僕に絵を描かせるのに邪魔だと思ったらしい前髪を、無造作に避けてピンで固定している。絵以外には不器用なルミカーラがセットした髪型は前以上にボサボサで、僕付きの侍従が遠巻きに見てあわあわしているけれど、僕にはこんなことでルミカーラに抵抗するつもりはない。
未婚の男女ということで部屋には侍従や侍女が同席しているけれど、魔道具を発動しているので、会話を聞かれることはなく、前世の話もそれなりに出来る。
「そう。サイゼル子爵は、あのとき僕らに突っ込んできたバスの運転手だ。もっとも、前世の記憶はないだろうがね。他にも何人かいるが……リーシャ嬢が前世の記憶を取り戻したのは想定外だったな。おそらく、この『玲瓏たる悪役令嬢は華麗につまびく』の世界を知っているかどうかが関係しているんだろうね」
僕たちの車に突っ込んできた運転手に、悪意がなかったのは分かっている。
突然の心臓発作だと女神には聞いている。本人に避けられるものではなかった。
しかし僕らの死の原因になったことは確かだから、ルミカーラが許せないというなら、卒業パーティ後に預かった彼の身柄を好きにさせようと思っていたが、ルミカーラはあの男の目茶苦茶な絵を改善しようとしか思っていないようだった。
あの男の絵がデタラメなのは、何も彼のせいばかりではない。
何しろこの世界、絵と言えば宗教画か肖像画ばかりで、しかも一般人は絵を学ぶ機会が全くない。画家の息子が父に弟子入りして、肖像画の描き方を学ぶ。ある意味門外不出の家業のようなもの。
古代の召喚用魔法陣を今に伝える隣国にも似たようなことがいえる。彼の国は宗教国家である。召喚用魔法陣こそ現存しているが、それを用いて召喚しようとしているのは、召喚獣ではなく、神の御使い。
蒼花と試してみて分かったが、知能ある人型の者を召喚するのは、獣を召喚するよりはるかに難易度が高い。獣型ならば、サイゼル子爵が実践してみせたように、かなり適当な絵でもナニカが現れるが、プライドの高い知性体はよほど気に入った形代でないと応じてくれない。
隣国の始祖は御使いを召喚できたというから、よほどの天才絵師だったのだろう。
「さ、早く描いてくださいませ。もう十数年も先生の絵を拝見させて頂けなかったんですもの、一分一秒だって待てませんわ」
ルミカーラにペンを持たされ、僕は苦笑する。
前世でも現世でも、彼女は僕のことを『先生』と呼ぶ。憧れの絵師として、ゼミの講師として。
僕の招待をルミカーラに明かしてはならない。
女神の制約を守るために、僕は現世で身バレ確実である作画を行うことは出来なかった。
「この世界は、僕の絵を元にしているんだ。毎日僕の絵を見ているのと同じだろうに。それにしても、目印もなかったのに、よく僕が僕だと分かったね」
僕がルミカーラを蒼花だと認識出来たのは、彼女の絵を見たからだ。
彼女がこの世界に生まれてきたら、絶対に目指しそうな古代魔術ゼミ(数ある学問の中で唯一絵心が必要)の講師となり、彼女を捜し回っていた僕だったが、自身が適齢期を過ぎ、さらに三十を過ぎても見つからないとなるとかなり焦っていた。そんな中、たまたま王城で見かけた子どもの落書き。その落書きを描いた幼女を探し出すのに、さらに一年。それが、この世界の主人公、ルミカーラ・フォルゲンシュタイン公爵令嬢のものだと知ったときには笑いが止まらなかった。確かに女神よ、物語のヒロインとヒーローなら文句なしだ。けれど、年の差二十五! 僕は二十五年もの間、生まれてもいない彼女を捜し回っていたのだ!
「わたくしが好きな、先生の線がそのままでしたもの。絵でなくとも、魔法陣の線を見れば分かりましたわ。それに――先生はわたくしの絵をどう思っていて?」
「骨格や筋肉の構造を理解した、不可能な可動のないしっかりと基礎のある美しい絵だ」
クスリ、とルミカーラは笑った。
「では、わたくしが最初に好きだと申し上げたとき、何とおっしゃったか覚えていて?」
「そりゃあ、僕はこんなオジサンだから……」
ブッ、とルミカーラは吹き出した。
「ふふっ、以前の先生も、全く同じことをおっしゃってましたわ! 気付かない方がおかしいというものでしてよ。さぁ、先生、早く描いてみてくださいな」
「そうだねぇ、絵を描くのはもう四十年ぶりだから、まずは得意なものを」
前世で何度も描いたコンゴウインコを描き始めると、蒼花が「きゃあ」と無邪気な声を上げて喜んだ。
僕と蒼花は絵の構築の仕方が似ている。骨格を学び、筋肉の造りを学び、翼の構造を学ぶ。世の中には、基礎を学ばずとも見たままを正確に描ける天才も存在することを知ってはいるが、僕と蒼花は違う。
造りを理解したからこそ描けるリアリティが、僕と蒼花の絵を支えている。
そして、これは才能や絵心といった不明確なものとは異なり、人に伝えられる技術でもある。
この世界の人間は、絵の描き方を知らない。召喚術に対象の絵が必要となるこの世界、二十世紀の絵画技法はある意味異世界のチート技術だ。僕らだけが、僕らに師事する人間や、僕らの子どもに、この技術を伝えていける。
妻の死に顔を僕だけが覚えている。誰より守りたい者を守れずに、絶望した前世。けれどここでは、絵しか取り柄のない僕が、物理的に守りたい人を守ることが出来る。今の僕なら、例え大型トレーラーが全速力で突っ込んできたとて、ルミカーラを守ることが出来るだろう。
前世、あの絶望の淵で出会った女性は、やはり女神だった。
僕には容易すぎる賭け。
描いている絵が何事も無く完成したなら、最早女神の制約はないと言うこと。僕が賭けに勝ったという証明。さぁ、今度こそ妻に愛を告げよう。
ここはまさしく、僕が望んだ世界だ。
◇◇◇
(?side)
「あーあ。負けちゃったわぁ」
下界を見下ろし、私はため息をついた。
「結構な無茶振りだと思ったんだけどなぁ。魂、獲りそこねちゃった。でも、ま、二十年分の寿命は頂いたし、収支はトントンてとこかしらね。結構面白い展開だったし、痛み分けってとこかしらー?」
紅花とかいう男の絵は気に入っていたから、庭で飼うのもいいかと思っていたけれど、まぁ、あの男が私の造った世界にいて、召喚用魔法陣を手がけているなら、その内、私を実体で呼び出すこともあるかもしれない。自分好みに造った世界に降りられたら、こうしてただ上から眺めているよりずっと楽しい。
私を崇める宗教国家も近くにあるが、あんな奴らの設計図に添って実体を構成したら、不気味なモンスターの完成だ。私が造った美しい世界の中で、私だけが不細工なんて耐えられない。私の実体はあらゆるものの中で最も美しくなくては。
「楽しみー」
さて、こうしちゃいられない。賭けの行方も見届けたし、賭けの景品だった子ども達の魂もセットした。ここでやり残したことは何もない。来たる日に楽しく遊ぶためにも、エネルギーたる命を狩りに行かなくては。私は私好みの設計図を描いてくれそうな男にキスを一つ投げ、狩り場へと向かうべくその場から飛び立った。
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