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6話
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《な、なぁ主よ。妾の名前を決めてはくれぬか?ずっとフェンリルでは他人のように感じてな。》
うん、確かにずっとフェンリルだと可哀想だしな。みんなニックネームあるのに。
白い狼.......白.......ハク.......
「わかった!今日からお前の名前はハクだ!よろしくね!」
《ハク.......ハク.......素晴らしいぞ!主!本当に感謝する!》
喜びのあまり、俺の頭をそのおむね様に強制ダイブさせるハク。気持ちいいほんとこれ。いつまでも寝てられる.......
するとそこへ、荷造りを終えたツバキがやってきた。
《そういえば移動といえば馬ですよ馬!ペルルの他の愉快な仲間たちもいるのでそれに乗ってください!》
とは言われたものの、俺の身長的に馬は届かないし.......うーん。
《む?なんなら妾の背にでも乗るか?ふさふさもふもふで速いぞ~?》
俺は思わず耳を疑った。なぜなら、誇り高きプライドの塊のようなフェンリルが人間を背中に乗せるなんて行為は絶対にありえないからである。
「えっ、いい.......の?」
《うむ。助けてもらった恩もあるし。何よりそれくらい任せたまえ。少し待っててくれたまえ。》
すると、白い光に包まれたかと思うと、白いふさふさな狼に姿を変えていた。
《まぁこんなもんかの。さ》
「すげー!!もふもふだー!!」
きづいたころにはその毛並みに頭を埋め込んでいた。このシルクのようななめらかで高級感のある触り心地。そしてこの何もかもを包み込んで護ってくれるかのような包容感。たまりませんなぁ.......
《む、そんなにいい毛並みなのかね。まぁ主が喜んでるならそれはそれでいいが.......ほれほれ、はよ乗るがよい。》
ハクの半分呆れ半分嬉しさが混じった声にはっとなった俺は、ハクの背中によじ登る。
「んっしょ.......と。ハクー、どこに捕まればいいー?」
《振り落とされないように首に軽く腕を回しておいておくれ。そのうち両手を離して闘えるように訓練するまではの。》
《よいしょ.......っと。ふぃー、おい主ー!荷造り終わったぞー!そろそろいいかー?》
後ろの方からジャックの叫び声が聞こえる。今ここにいる魔物の数は約500頭ほどおり、改めて見渡してみると大規模ではないがそれなりの軍隊のように見える。
「ハク、目的地までどれくらいかかるか分かる?」
《ふむ、普段通りハイペースで向かえば1時間弱ではあるが.......この規模となると5時間ほどであるな。》
只今の時刻は朝の九時を回っている頃だから、3時頃には着くってこと.......かな?
「よしそんじゃみんな!出発!」
そんなこんなで、俺達の長い旅が始まったのである。
ダンジョンへ向かう最中、意外と向かい風で煽られまくるのかと思ってはいたがそうではなく、どうやらハクが風向を調整してくれているようだ。なんとも優しい。
《おい!前方に鎧兵と思われるものが見えるぞ!その数50!》
先頭を突っ走るジャックが俺たちの方に向かって叫ぶ。どうやら応戦するようだが.......
《お待ちを!我々にはあなた方と剣を交じわえる用などありません!》
すると、先頭にいた大柄な馬に跨る男が剣を前に突き刺し、跪いた。
そしてその様子を見兼ねた周りの部下と思われる者たちも次々と降伏し始めた。待て待てどういうことだ?
「お前達。少し待っていろ。そしてそこの方々。降伏とはどういうことだ?」
《はっ!私はデュラハン種の長を務めさせていただいておりますゼンと申します!この度は貴方様のその風貌に惹かれ、ぜひとも仲間に入れさせていただきたいと思い参った所存でございます!》
.......おいおいまた大変なことになる気しかしないのだが
うん、確かにずっとフェンリルだと可哀想だしな。みんなニックネームあるのに。
白い狼.......白.......ハク.......
「わかった!今日からお前の名前はハクだ!よろしくね!」
《ハク.......ハク.......素晴らしいぞ!主!本当に感謝する!》
喜びのあまり、俺の頭をそのおむね様に強制ダイブさせるハク。気持ちいいほんとこれ。いつまでも寝てられる.......
するとそこへ、荷造りを終えたツバキがやってきた。
《そういえば移動といえば馬ですよ馬!ペルルの他の愉快な仲間たちもいるのでそれに乗ってください!》
とは言われたものの、俺の身長的に馬は届かないし.......うーん。
《む?なんなら妾の背にでも乗るか?ふさふさもふもふで速いぞ~?》
俺は思わず耳を疑った。なぜなら、誇り高きプライドの塊のようなフェンリルが人間を背中に乗せるなんて行為は絶対にありえないからである。
「えっ、いい.......の?」
《うむ。助けてもらった恩もあるし。何よりそれくらい任せたまえ。少し待っててくれたまえ。》
すると、白い光に包まれたかと思うと、白いふさふさな狼に姿を変えていた。
《まぁこんなもんかの。さ》
「すげー!!もふもふだー!!」
きづいたころにはその毛並みに頭を埋め込んでいた。このシルクのようななめらかで高級感のある触り心地。そしてこの何もかもを包み込んで護ってくれるかのような包容感。たまりませんなぁ.......
《む、そんなにいい毛並みなのかね。まぁ主が喜んでるならそれはそれでいいが.......ほれほれ、はよ乗るがよい。》
ハクの半分呆れ半分嬉しさが混じった声にはっとなった俺は、ハクの背中によじ登る。
「んっしょ.......と。ハクー、どこに捕まればいいー?」
《振り落とされないように首に軽く腕を回しておいておくれ。そのうち両手を離して闘えるように訓練するまではの。》
《よいしょ.......っと。ふぃー、おい主ー!荷造り終わったぞー!そろそろいいかー?》
後ろの方からジャックの叫び声が聞こえる。今ここにいる魔物の数は約500頭ほどおり、改めて見渡してみると大規模ではないがそれなりの軍隊のように見える。
「ハク、目的地までどれくらいかかるか分かる?」
《ふむ、普段通りハイペースで向かえば1時間弱ではあるが.......この規模となると5時間ほどであるな。》
只今の時刻は朝の九時を回っている頃だから、3時頃には着くってこと.......かな?
「よしそんじゃみんな!出発!」
そんなこんなで、俺達の長い旅が始まったのである。
ダンジョンへ向かう最中、意外と向かい風で煽られまくるのかと思ってはいたがそうではなく、どうやらハクが風向を調整してくれているようだ。なんとも優しい。
《おい!前方に鎧兵と思われるものが見えるぞ!その数50!》
先頭を突っ走るジャックが俺たちの方に向かって叫ぶ。どうやら応戦するようだが.......
《お待ちを!我々にはあなた方と剣を交じわえる用などありません!》
すると、先頭にいた大柄な馬に跨る男が剣を前に突き刺し、跪いた。
そしてその様子を見兼ねた周りの部下と思われる者たちも次々と降伏し始めた。待て待てどういうことだ?
「お前達。少し待っていろ。そしてそこの方々。降伏とはどういうことだ?」
《はっ!私はデュラハン種の長を務めさせていただいておりますゼンと申します!この度は貴方様のその風貌に惹かれ、ぜひとも仲間に入れさせていただきたいと思い参った所存でございます!》
.......おいおいまた大変なことになる気しかしないのだが
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