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番外編
番外編4話 怒った湖遙 side真 R18
しおりを挟む僕達は今、僕の自宅ドア前に立っている。
あの後、ちゃんと事情を説明したら、湖遙からやっぱり僕の家に行こうと提案された。
自宅ドアの鍵を開け、ノブに手をかける。
僕は湖遙を愛している、湖遙しか考えられない。だからこそ、湖遙にはずっと笑っていてほしいし、心配なんてかけたくなかった。
こんな光景なんて見せたい訳がない……。
「おかえりなさい、真。あら、かわいい坊やのお客さん、こんな時間に何のご用かしら?」
「こんばんは。おばさんこそこんな時間に他人の家に上がり込んで恥ずかしくないの?」
僕は一人暮らし。本来なら誰もいないはずだし、帰ってすぐにキッチンから食事の匂いなんてするはずがない。数週間前にいきなりこの状態だった時には本当に驚いた。彼女の名は愛子。例のベッドシーンを見てしまった元カノである。
別れてから、あの時の男性と付き合っていたが、最近別れたらしく、またよりを戻さないかと言ってきた。あの事件が衝撃で返してもらうのを忘れていた合鍵を使い、毎晩の様に晩御飯を作って待っている。いくら鍵を返す様に言っても返してもらえず、今は将来を約束した相手がいると言っても諦めてもらえない。
警察に相談してもいい案件だが、一時でも真剣に付き合っていた相手だ。なるべく穏便に済ませたかった。
「おばっ!?なんて失礼な坊やかしら!」
ちなみに愛子は二十九歳。あまり年齢の事は触れてほしくないお年頃らしい。
見事に湖遙の言葉のアッパーが決まった。
「さ、こんなところで騒いでたらご近所さんに迷惑になるよぉ。さっさと中に入ろ?真さん」
僕の手を引き、愛子の横を何食わぬ顔ですり抜ける。湖遙は見かけによらず男前な性格をしているらしい。新たな発見に更に惚れ直してしまった。
「ちょっと!何なのよアンタ!」
リビングまで進んだ所で、後ろから追いかけてきた愛子がヒステリックに叫ぶ。
付き合っていた頃には見たことの無い一面。僕は本当に彼女の事も何も知らなかったんだな。
「俺?俺は真さんのお嫁さんだよ。これから二人で幸せになろうねって誓い合った仲なんだ」
僕の左手を取って指輪に軽くキスを落とし、自分の左手を僕に差し出してくる。湖遙の意図を汲んで、僕も手を添えて指輪にキスをした。
「なっ!何をバカな事っ……こんなの茶番だわ!騙されないわよっ!しかも男同士でしょ?そんなの女の私と一緒になった方が幸せに決まっているわ!」
にこやかに笑って見える湖遙の口の端がピクリと反応する。
これはまさか、怒っている……のか?
「へぇ?おばさん本当に何も知らないんだね。コレが原因で女の人の方から離れて行ったのに、今更何を言ってるの?」
「え……」
急に寒くなった下半身を見ると、いつの間にベルトを外していたのか、下着ごと全て下げられ、僕の僕が晒されている。
「きゃああっ!一体何をっ」
「見たかったんでしょ?ちゃんと見て。俺の旦那様、立派でしょ?通常時でコレなんだ。俺にはすごく魅力的に見えるけど、女性には違うんだよね?」
湖遙は僕を軽く押してソファに座らせる。
足に衣類が絡まっているせいで踏ん張る事もできず、簡単に押し倒されてしまった。
湖遙の顔はいつもと同じ柔らかな笑顔だが、目が笑っていない。
何をするつもりなんだ……。
僕のモノの前に屈んだかと思うと、手を添えて口を開き……まさかっ!?
「ちょっ、湖遙っ」
元カノが見ている状況でモノを咥えて念入りに愛撫されると言う衝撃的な光景が目の前で起こっている。
こんな状況でもムクムク成長する我が愚息には呆れて物も言えない。湖遙が咥えているのだから仕方ないけれど……。
「ぷは……こんなに正直でかわいいのに、捨てられてばかりでかわいそうな真さん。俺は真さんの全部受け入れるよ」
立派に成長した愚息を解放した湖遙は、自分のズボンと下着をハラリと脱ぎ捨て、僕の膝の上に跨ってきた。ソファ横にあるサイドテーブルの棚から慣れた様子でローションを取り出し、自らの後孔を解していく。
「ん……浮気なんてする暇があったら、その下品な孔で咥えてあげれば良かったじゃん。はぁ、できもしないくせに……おばさんと一緒の方が幸せ?ふざけないでほしいよねぇ」
湖遙は軽く息を上げながら自らの媚態を見せつけている。僕と愛子は、濃密な色香に指先一つも動くことができずにいた。
僕のモノが湖遙の手によって、解された後孔に導かれていく。
「そっちの孔がダメならこっちの孔で受け入れてあげれば良いのにね。そんな度胸もないくせに……俺と真さんの邪魔しないで。っ……あぁっ!」
僕のモノが湖遙の中に勢いよく包み込まれ、休む間もなくソファがギシギシと音をたてるほど、激しく何度も奥へと突き刺ささっている。
「あっ、あっ……真さん、大好きっ、んぁっ……愛してる」
「くっ……湖遙っ。愛してるよ……」
自重で始めからいつもより深く入り込んでいる。もう……全部飲み込まれそう……。
「真さんっ、全部っ、全部ちょうだいっ。真さんのっ、ほしぃ」
「はっ……湖遙も、奥まで全部僕のものだ」
添えているだけだった手で湖遙の腰を掴み、降ってくるタイミングで僕からも腰を突き上げ、根元まで全てを中に押し込んだ。
「いっ!あぁっ!はっあっ……気持ち、真さんの、おっきくて奥まで全部気持ちぃ……」
湖遙の口の端にきらりと唾液が光っている。
零れるのが勿体無くて、頭を掴んで引き寄せると、噛み付くように唇を重ねた。
もぅ見られている事は気にならない程に湖遙しか目に入らない。
お互い貪る様に舌を絡ませ、腰もバチバチと打ちつけ合う。
僕は湖遙しか知らないけど、体の相性もいいんじゃないだろうか。だってこんなにすぐ……。
「湖遙……ん、もう、出るよ。全部奥に出すから」
「はっあ……いいよっ、イって……あっ!あっあんっ、あぅ!」
「くっ……んっ」
当然の様にゴムをしていない僕のモノは、湖遙の最奥に白濁を注ぎ込んだ。
何度か往復して全てを中に吐き出す。
湖遙に包まれたままの僕は、萎えると言う事を知らない。
「はっ、はぁ……ん。あっ……」
クテンと僕にもたれ掛かってきていた湖遙は、ゆるゆると腰を動かし、片手で双丘を広げて、愛子に僕達の結合部を見せつけた。
僕のモノを、出した体液がゆっくりと伝う感覚がする。
「ほら、見える?真さんも俺に満足してくれてるんだよ。今更女性の出る幕なんてないんだし、とっとと合鍵置いて帰ったら?」
「……湖遙。出しちゃダメだ、全部奥で飲んで」
邪魔な上着を脱ぎ捨て、窮屈なネクタイをスルッと抜き、首元まで止めていたワイシャツのボタンを二つ外した。
ソファの座面に湖遙を押し倒し、膝裏を持ち上げて二つ折りにする。少しでも溢したくなくて、上から奥へ奥へ塗り込む様に抽挿を繰り返した。
もう気をつかうべき相手を間違えてはいけない。僕が大切にするのは湖遙ただ一人なんだから。
「っ!何なのよっ!置いていけばいいんでしょ!付き合ってられないわ!!」
バンッとテーブルに合鍵を叩きつけ、愛子はドタバタと家を出て行った。
「あっ、あっ!真さんっもっと……もっとちょうだいっ」
「んっ、湖遙っ湖遙……愛してる」
「はっ、あ、愛してる……真さん」
僕達はそこに元から二人だけしか居なかった様に、朝まで愛を確かめ合った。
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