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本編
3話 同じ事したら思い出す? side湖遙 R18
しおりを挟む今、俺の目の前で全裸の男が土下座している。
わぁお。こんな光景、普通に生きてて見るなんて思わなかったなぁ。
その場の勢いでセックスした後ってみんな色んな反応するけど、まさかの土下座って。ラグひいてるけどすごく寒そう。
「真さん、とりあえず服着ない?風邪ひいちゃうよ?」
巻きつけていた布団を脱ぐと、あまりの寒さに体がブルブルと震える。秋も中頃、そろそろ寒くなって来た頃合い。俺も風邪ひいちゃうよ。モソモソと下着を履いて、大き目サイズのパーカーを被った。
パーカーいいよねぇ。つい何枚も買っちゃうんだよなぁ。
真さんはベッドの下に散らばる自分の衣類をかき集める。そう言えばスーツ掛けてなかったね。
流石にしわしわのスーツを着せるのもしのびなくて、俺の服の中でも一番大きな服を取り出して真さんに渡した。寝巻だけど、まぁいっか。
俺が着る時は何度も折り返すズボンの裾を、伸ばした状態で着ているのにつんつるてん……。足首がガッツリ見えてしまっている。イケメンに加えてスタイルもいいとか……真さんの弱点はちんちんしかないのでは?
体つきもバッキバキの筋肉質とかじゃなくて、程よくムキムキと言うか……。一言で言うと最高である。
真さんはさっきから終始無言で、顔も心なしか青ざめている。
「ねぇ。そんなに嫌だった?後悔してる?別に酔った勢いだし、都合悪いなら忘れるよ?」
俺の信条は『セックスは後腐れなく』だ。せっかく気持ちよくなれたのに、後でグダグダして気分悪くなったら最悪でしょ。
やってしまったものは仕方ないんだし、うじうじ悩んだって何にもなんないんだから。
「いや……その。ごめん、僕達は……その、昨夜……最後までできたのかな……?」
「……へ?まさか覚えてないの?全く?」
「ごっごめん!昨日バーで話しをした所までは覚えてるけど、バーを出た記憶はない……。ここは湖遙くんの家?」
ひぇぇ……。この人本当にセックス関係は不憫だなぁ。まさか念願の童貞卒業を覚えてないなんて。か、かわいそう……。何だか奪っちゃって申し訳なくなってきちゃった。昨日、変なおじさんに絡まれて困ってた所に現れてくれた俺の救世主。何とか思い出させてあげられないだろうか。
「真さん……本当に覚えてないの?俺達いっぱい気持ちい事したんだよ?こうしてずっとひっついて、真さんのコレも全部奥まで俺の中に入れたんだよ。あんなに激しいの、俺も初めてだったのに……全部忘れちゃった?」
抱きついて腰の辺りをサラリと撫でる。同じ事したら思い出したりしないかなぁ。
真さんって背も高いよね。顔見ようと思ったら見上げないといけないんだもん。
「っ!本当にごめん!僕、責任取るから。いや、取らせてほしい!」
ガシッと両肩を掴まれ、バッチリと目を合わされる。何の責任?覚えてない事がそんなにショックだったかな。あぁ、気持ち良かったって言ったから、これからも責任持って相手してくれるって事?何だかよくわからないけど、セフレになろうって言ってるのかな。
「気にしなくていいのに。別に嫌なら……」
「嫌じゃない!」
「そ、そう?ならよろしく、ね?」
「っ!うん!ありがとう、こちらこそよろしく」
はわー。やっと笑顔になってくれたのはいいけど、イケメン眩しー。
ゆーしゃコハルはイケメンのセフレを手に入れた。テレレテーテーレーテッテレー。
これは早速セフレとしての出番では?お姫様の忘れた記憶を取り戻してあげなければ。
「真さん、昨日の事……覚えてないの悲しいよね?俺も自分の事みたいに悲しくなってきちゃった。一緒に思い出そ?同じ事したら思い出すかもしれないよ?」
真さんの手を引いてベッドに誘う。コロンと横になってパンツを脱ぎ捨てると、両手を広げて抱っこを強請った。
「っ!?でもそれは、湖遙くんの負担になるんじゃ……」
「大丈夫だよ?だって俺達そーゆー関係になったでしょ。責任、取ってくれるんじゃないの?」
ほれほれと軽く両手を揺らし、真さんを誘う。フラフラと近寄ってきた獲物を足を使って引き寄せ、両手を巻きつけて拘束した。
「ごっごめん!苦しくない!?」
「大丈夫だよぉ。そんなに消極的にされると逆に寂しくなっちゃう。昨日はお酒の力があったからできたのかなぁ?やっぱりシラフの今だと嫌になっちゃった?」
ドサリと覆い被さってきた重みは程よく安心感を与えてくれる。もっと欲しいけど、セフレはちゃんとギブアンドテイクじゃなきゃね。
ノンケなんだし、断られても別に気にしないのに。
「嫌な訳ない!むしろしたいと思ってるよ!でも、どうしても不安になって……」
なるほどー。かわいそうなお姫様。過去に囚われて抜け出せないんだね。ここはゆーしゃコハルの出番だなぁ。
「よしよし、こわいねぇ。でも大丈夫だよ、俺が吹き飛ばしてあげるから」
真さんの頭を抱きかかえてさわさわと撫でる。こわくなーい、こわくなーい。痛いの痛いの飛んでいけーっ。
んー?ちょっと違う?まあいっか。
「湖遙くん……」
胸元にスリスリと頬擦りされる。んむ、母性がくすぐられるとはこの事だな。無性にご飯をあげたくなちゃった。
顔をうまく避けてパーカーを捲る。胸が露出してちょっと寒い。
「ここ、昨日いっぱい吸ってくれたんだよ。今もスリスリするからちょっと尖っちゃった」
今度はこっちから尖ってしまった先っぽを口に擦り付ける。
少し躊躇う様な仕草をしたものの、真さんは俺のソレに齧り付いてきた。
「はんっ、あ……いい。こっちも……触って?」
真さんの手をもう片方の尖りに導くと、今度は躊躇う事なくきゅっと摘み上げる。
「ひぁんっ!じょ、ずぅ……あっ、気持ちぃ」
片方は舌先でぐりぐりと押し潰され、摘まれた先っぽは指ですりすりと撫でられる。下半身にダイレクトに響く刺激に、我慢できなくてお腹に軟く立ち上がったモノを擦り付けた。
数時間前まで何度も突かれていた所が疼く。早く欲しい……あの内臓が迫り上がるような強烈な圧迫感……。真さんのじゃなきゃ味わえないあの感覚。
あー、あんな大きいの一度入れられたら他じゃ物足りなくなるんじゃないの……?だから責任取るって言ったのかぁ。今になって納得してしまった。
足で真さんのモノをツンツンと刺激する。あ、おっきくなってくれてるじゃん。良かったぁ。
「う!?湖遙くんっ、そこはっ!」
「大きくなれたねぇ、えらいえらい。良い子だから早く中に欲しいなぁ」
サイドテーブルからローションを取り出して、自分の手のひらにこぼれない程度に中身を乗せる。後孔に塗り込めて二本の指で中を広げて見せた。まだ柔らかいそこはもう真さんを受け入れるのには充分解れている。
「なっ!?」
驚いてはいるけど、俺のソコから目が離せないみたい。記憶上では初めて見るし、びっくりするよねぇ。真っ赤になって凝視するなんて本当に童貞みたい。
「ここに真さんのが入ってたんだよ……。何度も激しくしてくれたから、まだ柔らかくて、もう入っちゃうよ」
腰に足を巻きつけ、真さんに後孔を擦り付ける。
「うっ……湖遙くん。本当にいいの?」
「俺からしたら今更過ぎるよ?真さん、昨日どれだけ俺の中に出したと思ってるの?あんなにめちゃくちゃしといて、俺から欲しがったらお預けしちゃうなんて酷ぉい」
わざとらしくしおらしい顔で泣き真似をする。早く入れてくんなきゃ俺から食べちゃうんだぞ。
足でズボンを引っ掛けて下ろそうとするがうまくいかない……。
焦ったくて本当に泣きそうになってきたところで、自分でズボンと下着をずらした真さんの大きいのが晒される。
期待に後孔が疼いてたまらない。早く早くぅ……。
「後悔するなよ……途中でやめてやれる気がしないからな」
俺に覆い被さって耳元で囁いたかと思ったら、ピアスの刺さった耳たぶにやわく噛みつかれる。
何それ……そんなかっこいい事も言えちゃうわけ?
きぅん……胸がキュッとする。なんだこれ。
背筋がゾクゾクして、俺のモノも最大級に膨れ上がる気配がした。
「しないよ、絶対。だからきて……あぁっ!あっ、んんっ……」
言い終わるや否や、後孔に大きな楔が穿たれる。グイグイと容赦なく押し込まれるソレは、最奥まで到達するとすぐに抽挿を開始した。
「あっあっ、んぅっ!いき、なりっ激しすぎっ、あぁっ!」
「思い出してきた……ここ、気持ちいいって言ってたよね?いっぱい擦ってあげる」
思い出した?良かった……。ゆーしゃコハルは無事お姫様の記憶を取り戻したのだ。
めでたしめでたし。
……その後?
「いぁっ、あっ、まっそんなっ、あぅ!あぁあんっ!」
記憶を取り戻し、王子様だった事を思い出したお姫様においしくいただかれましたとさ。
最っ高のハッピーエンドだね。
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