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本編
1話 必ず売れる例の物 side湖遙 R18
しおりを挟む夜のコンビニ。店の前で屯する悪ガキに、客は専ら残業でくたびれたおじさんばかり。よくある日常の光景。
駅から少し離れた場所にあるからか、客は見た事のある顔が多い。いつもホットスナックのチキンを買うお客さんに、鶏肉なんてあだ名付けたりしてないよ?ないない。
大学二回生の俺は週三回、月水金の十八時から二十二時までのアルバイトをしている。店長には、もう少し長く入ってほしいと言われてるけど、二十二時以降はお断り。
俺にもヤる事があるんだから。
今日ももうすぐ終わり。次の人の為に棚の補充をする。
早くしないと、もうすぐ来ちゃうなぁ。あ、やっぱり来た。
『よくある日常の光景』に見合わない、キッチリとスーツを着こなしたイケメンが入って来ると、スタスタと迷いなくアメニティの棚へ向かって行った。
俺がバイトをしている日は必ず売れる物がある。
『ポリウレタン製0.01ミリXL五個入り973円』
値段覚えちゃったよ。何のって?買ってる人には巨根ってあだ名が付くんじゃないかな?
毎回同じ客が買って、毎回俺がレジを打つ。
補充を中断し、レジで待ち構えていると、今日もソレがポトリと置かれる。
いつも千円を出してきて、二十七円のお釣り。
今日は十円玉が二枚と一円玉が七枚。
嫌がらせじゃないよ。これが俺からの返事。
一円玉が二枚ならノー、七枚ならイエス。
毎回迎えに来てくれるお知り合いとのお遊びだ。
イエスの返事を受け取った男は、ニッコリと眩しい笑顔になって、爽やかに去って行った。イケメンっていいよねー。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ふあっ、あんっ。すごっ、いいっ……まこ、とさんっ」
ダブルサイズのベッドがドンと置かれたラブホの一室。男二人で入ったが、ちゃんと正しい部屋の使い方をしている。
下半身からパンパンと音が鳴り、部屋中に響くその音が行為の激しさを物語っていた。
たまらず両手を伸ばし、男の背中にしがみつく。
「ん……僕もいいよ、湖遙くんの中、締め付けてきて。も、イきそ……」
「んぁっ、んっ、ほしっ……中、奥に……あっ、ああぁあぁっ!」
より一層打ち込まれる昂まりに、悲鳴をあげながら男の背中に爪を立てる。この部屋に来て既に三回、大きなモノで解されたそこは、入ってはいけないところまで男を飲み込んでいた。
「湖遙くん……すごいよ。僕のが全部入ってる。奥に出すから、全部受け止めて……」
「ぅんっ、真さんの……あっ、大きくて俺、好きだよ?きもち……っいぁあっ!」
グリグリと押し込まれていたモノが、急に抽挿を再開する。
気が遠くなる程の快楽に、中にいる真さんを締め付けながら腹の上に白濁を撒き散らした。
「うぁっ、きつ……もう、イく……んっ!」
すぐに真さんもイったみたい。激しかった動きがゆっくりになっていく。
「はぅ……は、はぁ、真さん……ちゅーして?」
軽くコテンと首を傾け、背中に回していた腕で引き寄せた。
すぐにかっこいい顔が降りてきて、俺の唇を塞いでくれる。潜り込んできた舌に俺の舌を差し出して絡めた。
「んん……ふっ、ん」
息が整わないうちに始めたせいで、段々と酸欠になってくる。鼻で息はできるけど、それじゃ足りない。でも、それがいい。頭をボーっとさせてくれて、俺の思考を更に溶かしていく。
あ、お尻きゅってしちゃった……。まだ真さんのが入ってるのに。
「くっ……湖遙くん、それしたらまた大きくなるんだけど……」
「あは。真さんだってすぐ抜かないから悪いんだよぉ。それに、お買い上げいただいたコレはまだお一つ残ってますから」
手を伸ばして、枕横に置いてあった『ポリウレタン製0.01ミリXL五個入り973円』の箱から最後の一つを取り出す。
コーヒーフレッシュを大きくして、ペタンと薄くしたような入れ物を軽くタンタンと指で弾いた。
少し高いけど、俺と真さんの要望に合い、尚且つちょうどいい個数の商品だ。
会う度に使い切るのが暗黙のルーティン。
金曜日にラブホを利用した日は、部屋の自販機から更に買い足して、俺が気を失うまで続けられる事もある。イケメン絶倫最っ高……。
気付けば俺の中で真さんが復活していた。
ふぁー……入ってるだけで気持ちい……。でもこのままでは次ができない。
名残惜しいがゆっくりと抜いて、真さんのと向き合う。先っぽには小さな水風船がぶら下がっていた。
四回目とは思えぬ量だなぁ。コレまでイケてるとは恐れ入る。
水風船を摘み、真さんの根元まで差し込まれたソレをパチンと外して、口を結んでポイっとゴミ箱に投げた。ナイッシュー。
「お客様、俺が付けして差し上げますねぇ」
ぴこっと尖った蓋の先を摘み、ペリペリと開けていく。
真さんは声には出さないが、あからさまに残念そうな顔をする。なんて正直な人。
初めてシた時の感覚が忘れられないんだって。酔った勢いと自宅でコレがなかった事もあって生だった。一度生を経験すると、もう二度とゴムを付けたくなくなるらしいけど、まだ童貞の俺には知らない話。あの時は途中でやめるなんて選択肢がなかったから仕方なくだけど、本来セフレはちゃんとマナーを守るべきだと思うんだよね。
たとえ男同士でも、良好な関係を続ける為には大事な事だよ。掻き出すのすんごい面倒くさいんだから。
そんな訳で0.01ミリは真さんの希望。俺が望んだのはポリウレタンの方。
取り出した透明な物体の先を口に咥える。ゴム特有の臭みがなくていい感じ。
真さんを手で支え、先端に添えると、口を沿わせながらくるくると伸ばして装着していく。大きすぎて中程までしか咥えられない。仕方なく残りは指で根元まで伸ばした。
「はい、でーきた。次は後ろからしてほしいなぁ」
真さんに背を向けて四つん這いになる。自分で双丘を広げ、先程までの激しい行為でグズグズに解けた後孔を見せつけた。
「っ!?わかったからあんまり煽らないでっ……すぐ出そうだから」
チラリと真さんを見ると、とんでもない大きさまで成長してビクビクと震えている。
いつまで経っても何回ヤっても初々しさが抜けない。そこが見た目とギャップがあっていいんだけどね。
思わず、乾いた自分の唇をペロリと舐める。
何でも卒なくこなすこの爽やかイケメンは、俺とこんな関係になるまで童貞だったと言うから驚きだ。大変おモテになったでしょうに。大き過ぎるのも考え物だね。
俺は元々性別は気にならない、好きになった人が好きと言うタイプのバイだ。まぁ好きな人なんてできた事ないですけど。される方が好きってのもあって、相手は専ら男性だった。
真さんはそんな世界がある事すら知らなかった生粋のノンケ。のはずだった。
そんな俺達は週に三回、お互いの家やラブホで致すセフレ。こんな関係になったのは二ヶ月程前。
始まりは、誕生日がきてお酒がのめるようになった俺が、初めて一人でバーに行った時。隣で突っ伏して泣いていた男、それが真さんだった。
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