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14 トゥオネタル族
304 トゥオネタル族の里6
しおりを挟む「まぁなんだ。イロナとの結婚は認めてやらんが、なかなかの猛者とだけは認めてやる」
決闘が終わり、皆からチヤホヤされまくったトピアスは、少しは柔らかい態度になってヤルモに手を差し出した。
「お義父さん……」
それでもヤルモは感激。頑なに拒否されていたのだから、一歩前進したので嬉しそうに手を伸ばした。
「誰がお父さんだ!!」
しかし、「お義父さん」と呼んだからには振り出しへ。ヤルモの差し出した手をドコンッと叩き落とし、トピアスは一人で帰って行くのであった。
トピアスとは違い、トゥオネタル族にはヤルモの受けはよく、近付いて来た者は必ず褒め言葉を送っている。どうも、トピアスとあれほどの殴り合いができる者は少ないようだ。
しかしヤルモは技を使って耐えていたので素直に受け取れない。苦笑いで「必死だった」と言うしかできなかった。
それからイロナとイチャイチャしながら歩いていたら、ヤルモの記憶のない場所に連れて来られていた。
「イロナん家って、こっちだっけ?」
「いや、ちょっと場所を変えようと思ってな」
「あ~……お義父さん、面倒だもんな」
ヤルモは酷いことを言っているが、それもある。それもあるが、イロナには別の狙いもありそうだ。
「ここだ」
「ここ??」
しばらく歩いていたが、ヤルモが遅いのでイロナに担がれて凄い速度で移動したら、岩石地帯の入り組んだ場所で下ろされた。
「なんもないぞ?」
「ちょっと待ってろ。明かりも用意しておけ」
イロナは出っ張った大岩に手を掛けると、軽々持ち上げてどかした。それから光のマジックアイテムを持ったヤルモを中へ入れ、大岩を力業でズラして出口を塞いだ。
「おお~。綺麗なところだな」
「フフン♪ 我の秘密基地だ」
中は広い空間。中央には泉が湧き出ており、その水は青白く輝いているので幻想的な場所だ。
「では、何か作ってくれ」
「あ、料理?」
「肉だけには飽きた」
「確かにな~」
ヤルモはてっきり観光地に連れて来てくれたものだと思っていたのに、イロナは料理をご所望。なので、いまある食材と携帯食を駆使して、そこそこの料理を作るヤルモであった。
「まぁまぁだったな」
「あの食材じゃな~。アレが限界だ」
「まぁ良しとしよう」
最近料理をするようになったヤルモは、習った料理なら美味しく作れるのだが、アレンジ料理はまだまだの腕前。イロナもそれはわかっているので、怒ることもなく満足した顔でお茶を飲んでいる。
「お腹もいっぱいになったし、もう戻るか?」
「いや、まだやることが残ってる」
「やること??」
「せっかく二人きりになれたのだ。やることなどひとつしかなかろう」
「……あっ! そういうこと!?」
てっきり第二弾。観光地でも食事でもなく、イロナの目的は合体。いまだ性奴隷感覚でいるので、昨日は休んだからこんなところまでヤルモを連れて来たようだ。
「でも、昨日からお風呂にも入ってないし……」
なのに、ヤルモは女子。というより、決闘二連荘のせいでHPが少ないから、イロナの拷問なんて喰らってはすぐ死ぬのでやりたくないのだ。
「体ならそこの泉で洗えばよかろう」
だがしかし、だからこそここへ連れて来たイロナ。早くもヤルモの言い訳は潰され、服もひんむかれて泉に投げ込まれたのであった。
「アレ? この泉って……ぶはっ」
ヤルモが泉から顔を出したら、裸になったイロナも飛び込んだので水しぶきが口に入った。
「なかなか気持ち良かろう? 人の温度と同じぐらいだから、いつまでだって入っていられるぞ」
「それもそうだけど、これって聖なる泉じゃないか??」
聖なる泉とは、名前の通り神聖な泉。ダンジョン内にたまに現れ、冒険者から神の如く崇められている泉だ。
聖なる泉の効能は、HPやMPの回復効果や解毒、解呪等々。様々な効果のある、掛けるも良し飲むも良しの最高アイテムのひとつなのだ。
「さあ? 我は気持ちいいから入っているだけだ」
「いや、めっちゃHP回復してんだけど……これをビンに詰めて売れば……」
なのに、イロナは興味なし。ヤルモは頭の中で金勘定してるな……
「ということは……ここでヤレば無限にできるってことか?」
しかし、イロナが妖しく微笑むので、そんな考え吹っ飛んじゃった。
「いや、出る量は決まってるから……」
「おっ! そうだ。栄養ドリンクも使えば無限にできるな」
「だから出る量は変わらないよ?」
ヤルモがいくらやんわり断っても、イロナは待った無し。
「喰らえ~~~!!」
「ぎゃああぁぁ~~~!!」
こうしてヤルモは超神聖な聖なる泉でイロナの性的暴力を受け続け、強制回復のおかげで死にはしないのであったとさ。
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