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37 元の世界に帰るにゃ~
しおりを挟む「もう! なんだって叶えてあげますよ!!」
アマテラスを脅したら逆ギレ。神様を怒らせてしまっているが、貰える物は貰っておいたほうがお得だ。
「それじゃあ、わしはにゃ~」
わしはニヤニヤしていたが、ジャンピング土下座。
「王妃が怒らないようにしてくれにゃ~!」
「はい??」
「こんにゃに無断外泊が続いたら、わしは殺されるにゃ~。お願いにゃ~」
殺されなくても、無断外泊が一日でもあれば説教案件。わしは涙目でお願いするしかないが、アマテラスはポカンとしている。
「そんなことでいいのですか? どうせ撫でられるだけじゃないですか」
「撫でられる前が怖いんにゃ~。ちゃんと説明して来てにゃ~」
「はあ……そんなのでいいのでしたら……」
「もちろんそれだけじゃないにゃよ?」
当然それで終わるわけがない。アマテラスが許可なく拉致って来たんだから、そんなに嫌そうな顔するなよ。
「わしの分はお安く済んだんにゃから、べティ達の願いを手厚く叶えてあげてにゃ~」
「フフフ……本当に欲がないのですね。わかりました」
アマテラスの顔が笑顔に変わったら、わしはべティとノルンを見る。
「というわけで、わしの権利の大半を譲るんにゃから、浮気の件、口が裂けてもリータとメイバイに言うにゃよ?」
「あ、なんでもくれるって言ってたヤツ……これで手を打てってこと?」
「そうにゃ。チートにゃ物が貰えるんにゃから、お釣りが欲しいぐらいにゃ~」
「プッ……どんだけ怒られたくないのよ。わかったわ。でも、何を要求したらいいのかわからないのよね~」
べティ&ノルンには、白銀の宝石の話をしてあげたが、安そうなのでもっと吹っ掛けてやれとアドバイスしてあげた。
その二人が考えている間に、先にコリスの処理をしよう。
「コリスはにゃにが欲しいんにゃ~?」
「モゴモゴモゴモゴ」
「にゃんて~~~??」
コリスはお菓子を頬張りすぎて何を言っているかわからないので、アマテラスが心を読んで教えてくれる。
「お菓子がいいそうなので、お菓子の花畑を用意しておいたのです。好きなだけお持ちになってください」
それも、言う前から先払い。さすがは神様と言いたいところだが、それならわしとの駆け引きもいらなかったんじゃね?
「夢から目が覚めたら、あの頬袋の物はどうなるにゃ?」
「残ったままですけど……喉を詰まらせて死なないかしら?」
「その結果も知ってるにゃろ~」
アマテラスがとぼけやがるので、コリスは大事を取ってドクターストップ。ここにあるお菓子を全て次元倉庫に入れることで納得していただいた。
そうでもしないと、いつまででも口に入れ続けるんじゃもん。
コリスが頬袋の物を処理していたら、べティ&ノルンの報酬も決まったようだ。なので、まずはべティから。
「白銀の宝石とですね……この変身アイテムも、もっとパワーアップできませんか? シラタマ君のアホ毛みたいに!」
「アレはアホ毛じゃなくて、角にゃ~」
べティのねだった物は、魔法少女変身グッズのパワーアップ。アマテラスは渋るかと思っていたが、「面白そうだからオッケー!」って、意外と軽かった。
アマテラスは何か呪文のような物を呟いて改造が終わったと言っていたので、あの魔法少女変身グッズは強くなっているのだろう。でも、見た目ではさっぱりわからん。
白銀の宝石は、宝石だけ貰ってあとはわしに加工しろとのこと。べティは付与する魔法に悩んでいるようだ。
最後のノルンも白銀の宝石をねだり、もうひとつ貰おうとしている。
「ノルンちゃんも人間みたいになりたいんだよ~」
それも、肉体を欲しいと超特大のおねだり。さすがにアマテラスは悩むかと思っていたが、すでに答えは用意されていた。
「ごめんなさい。それだけはできません。その代わりですね。魂に少し手を加えておきますから、頑張って徳を積んで、次の世に期待してください」
「残念なんだよ……」
ノルンは早くも諦めてしまったので、わしがアマテラスに質問する。
「てか、ノルンちゃんってゴーレムにゃのに、魂にゃんて持ってるにゃ?」
「ノルンちゃんさんの製作者は凄いですよ。疑似魂を作り出していたのです。ですので、少し手を加えれば本物と遜色が無い魂になりますから、愚弟では見分けが付かないのですよ」
「いちおう申し送りしておいてくれにゃ~」
もしも見分けが付いたらかわいそうすぎる。姉弟喧嘩のとばっちりで地獄に落とされそうなので、アマテラスにはひと手間入れてもらった。なんか魂に刻んだらしいけど、直に報告して欲しいもんだ。
「それにしても、ノルンちゃんって人間になりたかったんにゃ~」
「うんだよ。イチゴ食べたかったんだよ」
「……それだけにゃ?」
「時の賢者様の設定が活かせないのは悔しいんだよ」
「もっと美味しい物があるにゃ~」
高々「イチゴみっちゅ」のネタの為に人間になりたいとは驚かされたが、アマテラスが折衷案を叶えてくれた。
「イチゴ食べれるんだよ! 甘酸っぱいんだよ~!!」
「ウフフ。お気に召してくれてよかったです」
折衷案は、ノルンに味覚を与えること。イチゴみっつ分が入る胃袋も付いてあるらしい。
「ただし、出る物は出るから気を付けてくださいね」
「よけいにゃ機能付けるにゃよ~」
今まで食費も排泄も必要なかったゴーレムなのに、これでわしの手間が増えるのではやってらんない。
ちなみに排泄物は、噛み砕いた物がそのまま出て来るからミックスジュースとか作れるらしいけど、違う穴から出て来るから絶対に飲みたくない。
「そんじゃあ帰りはUFOに乗った時ってことでにゃ……こんにゃもんかにゃ?」
「「「アマテラス様、ありがとうございにゃした~」」」
貰う物を貰ったら、さっさと撤収。わし達は感謝の言葉を告げて夢の世界から現実に戻る。
「また頼る時があるので、その日まで待っていてくださ~い」
不穏なことを口走りながら手を振るアマテラスの笑顔を最後に……
「わしににゃにをやらす気にゃの!?」
わしが怒鳴りながら目覚めたら、そこにはアオイの顔。急にわしが飛び起きたからビックリしている。
「やるも何も、今日こそお城に来ていただかないと……」
「あ、ああ。わかってるにゃ……てか、この首輪に結んだ縄はにゃに?」
「逃亡防止のリードです」
「わしは猫にゃ~」
犬ならばリードをつけるのはわからんでもないが、猫には必要ないもの。アオイとしては「逃げない」と言質を取りたかったみたいだが、リードは許せないので引きちぎるわしであった。
そんな揉め事をしていたら、全員目覚めたので朝食。コリスの頬袋が膨らんだままなのでアオイが不思議がったりわし達もごはんはどこに入って行くのか不思議がったり。
ノルンが小さなお肉を飲み込んでいたのでアオイが驚いたり、急に催して来たとか言い出したのでべティにトイレに連れて行ってもらったり。
そんなことをしていたら宿屋のオーナーがおばけでも出たのかと部屋を覗きに来たり、めっちゃ謝って支払いしたり、城の使いがやって来たり。
わしは少しやることがあると言ってコリスと共に居残りしたり、夕方まで掛かっていたら怒られたり、実はお昼寝してたり……
さすがに夜のパーティーには拘束されて連れて行かれたので、わし達は正装に着替えて参加するのであった。
「「「「「勇者様にかんぱ~い!」」」」」
「「「「「かんぱ~い!」」」」」
「「「「「あははははは」」」」」
「「「「「わははははは」」」」」
町中も騒ぎが凄かったが、城のパーティー会場も笑顔が溢れて騒がしい。
いちおうわし達は、主役である勇者パーティと武闘王シンゲンに逃亡防止で挟まれているので、ここまでパーティー参加者が近付いて来ないからマシだが、その代わりハルトがうるさい。
「昨日からパレードとか舞踏会とか大変だったんですよ! それに邪神を倒したの僕じゃないのに、誰も信じてくれないんですよ~」
「にゃはは。それは御愁傷様にゃ~。そんにゃハルト君の為に、これを親展するにゃ~」
「これは……写真ですか?」
「いっぱい作ったから、みんにゃに回してあげてにゃ~」
「「「「「うわああぁぁ~」」」」」
わしが出した物は十冊のアルバム。先ほど現像して焼き増しは時間が掛かるので複写魔法を使って増やした物だ。それも、勇者パーティが大活躍している写真が山盛り貼られたアルバムなので、このテーブルに居る者は感動して捲っている。
勇者の剣を抜いたハルト、敵と戦う勇者パーティの勇姿、魔王と激闘を広げる勇者パーティ、皆を鼓舞するハルト、邪神を斬り裂いたハルト。さまざまだ。
「あたしたち少なくない?」
「ノルンちゃんも頑張ったんだよ~」
「主役は勇者パーティにゃ~」
マジカルべティ&ノルンやわし達もたまに出て来るが、勇者パーティと一緒の時にしか映っていないから意義申し立てて来てうるさい。
「ほれ? これでいいにゃろ」
「な~んだ。ちゃんとあるじゃな~い」
「このノルンちゃん、かっこいいんだよ~!」
追加で出したアルバムは、わしたち用。ついでに現像しておいたから、わしが仕分けした写真をコリスが貼り付けてくれたのだ。
「プププ。シラタマ君の写真、変なのばっかよ?」
「アフロとたんこぶ面白いんだよ~」
「わしはカメラマンだったからにゃ~」
そのアルバムはマジカルべティ&ノルンの活躍と、コリスのかわいい姿を激写した物と、アオイの戦闘シーン、あとはネタで撮った写真ばかり。わしがまともに写ってるのなんて、ベティに頼んだ写真と集合写真ぐらいだ。
「うぅぅ……こんなの出されたら、ますます僕が邪神を倒したことになってしまいますぅぅ」
「もう諦めろにゃ~」
勇者アルバムを最後まで見たハルトは、また苦情。わしが宥めていたら、アオイが魔法少女アルバムを握って会話に入る。
「こっちのアルバムも貰っていいですか?」
「うんにゃ。いちおうパーティメンバーだったからにゃ。アオイさんにあげる為に作っておいたんにゃ。たまに開いて、時々でいいからわし達のことを思い出してくれにゃ~」
「はい! 私の家宝にします!!」
「いや、家宝になるのかにゃ~??」
アオイも宥めてみたが、一向に話を聞いてくれないので今度はわしが諦めた。
それからも宴は続き、わしは酔いを冷まそうとバルコニーで涼んでいたら、サトミが隣の席に腰掛けた。
「ふぅ~。私も飲みすぎました」
サトミはそう言いながらテーブルに倒れ込んだので、水を出してあげたらゴクゴクと一気に飲み干した。
「はぁ~……おいしい」
「てか、主役がこんにゃところに居ていいにゃ?」
「最後にシラタマさんと話をしておきたくて……」
サトミは真面目な顔に変わった。
「神託はやはり正しかったですね」
「まだ言ってるにゃ~? 勇者は他に居たにゃろ~??」
「そうですけど、勇者様より強いのですから、外れたとは思えません。この出会いがあったからこそ、世界は救われたのです!」
「いや、サトミさんと出会わなくても、わしは同じことをしてたにゃよ?」
「そこは認めてくださいよ~」
サトミに情けない声を出されても、わしと神託は関係ない。わしはわしのやりたいようにしただけだ。
「それでもこれだけは言わせてください。この世界に来てくれてありがとうございました」
「うんにゃ。受け取ったにゃ。それより、これからハルト君とどうするにゃ~?」
「それはもちろん……ムフフ。お父様がネックですが、勇者様は私に惹かれていますから……」
ハルトとの結婚の話を持ち出したら、わしへの感謝はどこへその。サトミは何が何でもハルトと結婚する策をいくつも張り巡らせているので、わしは引き気味に聞いていたが、席を立つのであった……
それから二日後……
この世界でのやることを済ませたわし達はお城に顔を出し、昼食をゴチになって楽しく食べ終えたら、中庭に出したUFOの前で別れの挨拶をする。
「娘と勇者が世話になった。本来ならばシラタマの名前を大々的に出すのが筋だろうが、民衆には勇者が邪神を倒したと広まってしまっているから、いまさら言うと無駄な混乱が生じてしまう。すまないな」
シンゲンは邪神討伐の真相を聞き、納得して謝っているようだがわしにはどうでもいいこと。
「にゃに謝ってるんにゃ。わしはそうして欲しいから裏方に徹してたんにゃろ」
「フッ……そうか」
「それより、サトミさんとハルト君はお似合いにゃ~。二人が望むにゃらば結婚は許してやるんにゃよ?」
「それとこれとは別だ!」
やはり、娘はかわいいのだろう。いつか娘離れできる日が来ると信じて、わしはハルトに声を掛ける。
「にゃんかこれからのほうが大変になりそうだにゃ~」
「うぅ……田舎者の僕が貴族なんてできるわけないですよ~。王女様もなんだか怖いですし~」
「わしにゃんて、にゃにも無い森の生まれから王様やってるんにゃよ? 貴族や王族にゃんて、まだマシにゃ~」
「シラタマさんも苦労してるのですね。そんなふうにぜんぜん見えないのに……」
「一言多いにゃ~」
ハルトとの会話は愚痴になって長くなりそうだったので、ムリヤリ切って次はサトミに手紙を渡す。
「これは?」
「わしの口座を譲渡する書類にゃ。この世界に居る子供達が笑顔に暮らせるように使ってくれにゃ」
「本当に全て受け取っていいのですね?」
「もちろんにゃ。頼んだからにゃ」
「はい! サトミの名に懸けて、無駄に使わないと誓います!!」
最後に涙するアオイに抱きしめられてモフられて別れを済ませたら、UFOの前に整列したサトミ達に声を掛ける。
「それじゃあ世話になったにゃ。お互い苦難の時はあるだろうけど、諦めず頑張っていこうにゃ~。バイバイにゃ~ん」
「「「「「ありがとうございました~!!」」」」」
手を振る勇者パーティー、シンゲン、サトミ、アオイに見送られ、わし達を乗せた白銀のUFOは無音で空を舞う。
そうしてある程度の高度に到達すると、UFOはこの世界から消え去ったのであった……
「着いたのかにゃ??」
UFOの床が要塞都市の景色から真っ白に変わると、操縦士のノルンにわしは問うた。
「うんだよ。第四世界になってるんだよ。ピラミッドの中なんだよ」
「にゃんだかあっという間の半月だったにゃ~」
ノルンの答えに感慨深く思い、皆と思い出話をしていたら、べティ&ノルンの体に異変があるそうだ。
「なんか体がめっちゃ重いんだけど~? 旅の疲れが出たのかな??」
「ノルンちゃんもだよ~」
「レベルのせいじゃにゃい? こっちには無いんにゃから、元の体に戻ったんにゃろ。ちょっとした宇宙飛行士みたいだにゃ~」
「せっかく強くなったと思ったのに~」
「こんな体じゃ魔物と戦えないんだよ~」
「頼むからノルンちゃんは戦わないでくれにゃ~」
レベルはこちらの世界に持って来れなかったので、皆へのお土産が心配になったので全てを確認。いくつか使えなくなっていたアイテムはあったが、その中に苦労して手に入れた浮遊石があったので、わしも超ガッカリ。
わしのガッカリしている横では、ベティ&ノルンが変身グッズを使って魔法少女に変身したら、レベルマックスぐらいの強さになっていると言っていたので、二人して飛び跳ねてうっとうしい。
アマテラスがサービスで、ノルンの魔法少女変身グッズにもベティと同じ処理をしていたみたいだ。よけいなことをしやがって……
そうして一通り異世界の品を確認して騒いでいたら、ベティがあることに気付いた。
「そういえば、アマテラス様がUFOに魔力を注入してくれたのよね? このまま元の世界に行けちゃうんじゃな~い??」
「ホンマにゃ! べティは天才にゃ~!!」
「オホホホホ~」
わしがべティをチヤホヤして手を繋いで踊っていたら、ノルンが首を横に振る。
「それは無理なんだよ」
「「にゃんで~~~??」」
「またエネルギーはすっからかんになってるんだよ」
「「にゃんでにゃ~~~!!」」
超ガッカリ2。どうも行きと帰りで、アマテラスが注入した魔力を全て使い果たしていたようだ。その怒りはわしに集中し、どうして褒美に入れておかないのかとべティに頬を伸ばされた。
「アマテラスが気が回らないケチ神様にゃだけにゃ~……ぎゃっ!?」
なので責任転嫁したら、大きなタライが振って来て、わしの頭に「ガィィィン」と直撃。めっちゃ痛いし、ぷくーっとたんこぶまで膨らんだ。
「きゃはははは。アマテラス様の悪口を言うからよ~」
「また大きなたんこぶができてるんだよ。痛そうなんだよ~。きゃはははは」
「こんにゃお土産いらないにゃ~~~!!」
謎現象のせいで、魔力問題はうやむやに。わしはいつまたタライが降って来ないかとビクビクしながら猫の国に帰るのであった。
「ただいまにゃ~」
「シラタマさん!」
「シラタマ殿~!」
「パパ! お姉ちゃん!!」
キャットタワー10階、王族フロアにわし達が入ると、二人の王妃、エルフのリータと猫耳メイバイ、第二王女で角のあるオニヒメが出迎えてくれた。
「にゃ!? ゴロゴロ。は、激しい……ゴロゴロゴロゴロ~!!」
いや、抱き付かれて超絶技巧の撫で回しを受けたわしは気絶。わし達が居なくなったその日のうちに、アマテラスから事情は聞いていたらしいが、長期間離れていたから寂しかったみたいだ。
こうして初めての異世界旅行は、わしは覚醒と気絶を繰り返し、べティ&ノルンは魔法少女の変身を繰り返し、コリスはお土産のお菓子を頬袋に詰めながら終わりを告げるのであった……
* * * * * * * * *
それからうん十年後……
「ここってどこですか??」
「アマテラス! またやりやがったにゃ!! このアホ神にゃ~~~!! ぎゃっ!?」
UFOで家族旅行をしていたらどこだかわからない世界に飛ばされ、タライを落とされて大きなたんこぶを作るわしの姿があったとさ。
おしまい
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