忍チューバー 竹島奪還!!……する気はなかったんです~

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拾参 最終配信 其の二

78 忍チューバー無双の巻き

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『何処に行った!? 探せ~~~!!』

 隊列を組む韓国兵から一斉射撃を受けていた半荘の姿が消えると、隊長は探すように命令する。
 だが、すぐに答えがわかる事となる。

『あ、穴だと……』

 それが正解。
 人ひとり、通れるだけの穴が甲板に空いているのだ。

 隊長はゆっくりと前線を上げ、穴を確認するが、その後方で悲鳴があがる。

『『『ぎゃ~~~!!』』』

 半荘だ。
 半荘が隊列のド真ん中に現れ、何処から取り出したかわからない忍刀しのびがたなを右手に握り、峰打ちにて斬り倒したのだ。
 さらには左手に握ったクナイの腹を使い、殴り倒す。
 二刀流の半荘に、次々と韓国兵が倒れて行く。

『う、撃つな! 同士打ちするぞ! 捕まえろ! 倒せ! 数の優位はこちらにあるぞ~~~!!』

 数の優位は確かに韓国兵にあるのだが、相手は忍チューバーだ。
 自動小銃で殴り掛かる韓国兵も、素手で殴り掛かる韓国兵も、近付いた瞬間に二刀流で吹き飛ばされる。

『か、完璧な作戦が……何故、こうなったんだ~~~!!』

 自国の兵士が倒れ行く中、隊長は大声で叫ぶのであった。


  *   *   *   *   *   *   *   *   *


 時間は少し戻り、半荘が海を走っている映像が映し出されると、世界中の視聴者はネットの中で、熱く呟き続けていた。

「海を走ってる~」

「爽快な映像だ……」

「でも、大砲は邪魔だな」

「水しぶきが綺麗じゃね?」

「今度は機銃かな?」

「わ! いまのは危なかったわ!!」

 ネットでは、滅多に見れない映像に釘付けになるが、今までの半荘の行動で、心配する声は少ない。

「戦艦の真下に入った!」

「ここからどうする?」

「ん? 側面を登っているのかな?」

「韓国から攻撃が無いけど、見失っているのか?」

「どうやったかわからないけど、さすが忍チューバー!」

「でも黒い映像ばっかで、映えないな~」

 やや、視聴者が飽きた頃、半荘は甲板に降り立つ。
 そこで半荘は、韓国兵が多いとボヤいていた。

「あはは。多い多い」

「いやいや、笑ってる場合じゃないだろ」

「忍チューバーが撃たれてるぞ!」

「うわ! クナイで捌いてるよ」

「ゴエモンだ~~~!」

「カッケー!!」

 半荘が銃撃を受けている最中、それは起こる。

「なに??」

「落ちた??」

「室内みたいだな」

「何が起きたかわからないけど、室内を走ってる」

「行く手を阻む韓国兵も倒してるっぽい……」

「また外に出た!!」

「「「「「忍チューバー無双だ~~~!!」」」」」

 吹き飛ぶ韓国兵を見た視聴者は、ド迫力の映像に興奮するのであった。


  *   *   *   *   *   *   *   *   *


 さて、ふたつの視点だけでは、説明がつかないので補足しよう。

 半荘は銃撃を浴びてる最中、背中に隠した忍刀を抜いた。
 そして甲板を丸く切り抜き、船内に落下したのだ。

 この刀は、ファンからの贈り物。
 現代の刀鍛冶が、半荘のためだけに技術の粋を集めて打った銘刀だ。
 この刀と半荘の並々ならぬ身体能力で、鉄をも切り裂いたのだ。
 ちなみにクナイも、この刀鍛冶が打ったので、切れ味抜群なのだ。

 艦内に入った半荘は、刀に大きなつばをセットしてから走り出した。
 当然、艦内に居た韓国兵に邪魔をされたが峰打ちで斬り捨て、少し進んだところで両サイドの壁を飛び交い、天井を丸く切り抜いた。

 そして甲板に飛び出した半荘は、目に写る韓国兵を、刀の峰とクナイの腹を使い、吹き飛ばしているというわけだ。


  *   *   *   *   *   *   *   *   *


「ふぅ……次から次へとキリがないな」

 飛び掛かる韓国兵を、二刀流で吹っ飛ばしながら半荘は愚痴る。

「岸もかなり近づいたな……面倒だし、本丸に切り込むか! どけどけ~!!」

 こうして半荘は、韓国兵を吹き飛ばしながら、揚陸艦ようりくかんの後方に駆けて行くのであった。
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