忍チューバー 竹島奪還!!……する気はなかったんです~

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漆 開戦

41 忍チューバーVS韓国兵の巻き

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 高速船に乗る韓国兵から無数に放たれた凶弾に、半荘は蜂の巣にされた。
 それからしばらく後、銃声がやんだが、韓国兵から怒号があがる。

『待て! 忍チューバ―じゃないぞ!』

『どこに行った!?』

『探せ~!!』

 韓国兵は蜂の巣になった半荘を見失い、探し出そうとするが、そこかしこから悲鳴があがる。

『ぎゃ~~~!』

『な、なんだ!?』

『ぎゃ~~~!』

『何が起こっているんだ!?』

 悲鳴と共に次々と倒れる者が現れ、韓国兵はなかばバニック状態になった。

 この事態は、もちろん半荘が艦内を動き回っているからだ。

 デフンと話をしていた半荘は、突き飛ばすと同時に【空蝉うつせみの術】を使い、港を飛び降りた。
 そうと気付かず韓国兵は、黒い布を掛けただけの棒を蜂の巣にし、棒が倒れた時点で半荘を見失った事に気付く。
 その隙に、海を走っていた半荘は大きく回り込み、船をよじ登って艦内に潜入。
 目にも留まらぬスピードで動き、驚異的な動体視力で、目に写る韓国兵を手刀で倒し回ったのだ。

「思ったより多いな……」

『居たぞ!!』

「ヤバッ!」

『撃て! 撃て~~~!!』

 艦内を動き回っていた半荘は、ついに廊下で捕捉されてしまった。
 自動小銃から放たれた弾丸は、横にさっと避けたが、連続して放たれる。
 半荘は俊敏にかわしていくが、不幸な事に細い廊下だったため、動く場所に制限がある。

「チッ……くそ!」

 半荘は舌打ちすると、ちょうど目の前にあったドアを蹴破って飛び込んだ。

 半荘が部屋に飛び込んだ姿を確認した韓国兵は、発砲を止め、自動小銃を構えたまま前進。
 そうして部屋付近まで接近すると合図の後、「バッ」と入口から身を出して、自動小銃の銃口を向ける。

『………』

 しかし、狭い部屋の中には、備え付けの家具と、半荘が蹴破って吹き飛ばしたドアが転がっているだけであった。
 韓国兵は、自動小銃を構えたままハンドサインで意思を疎通し、部屋の外に数人残して、中の探索に取り掛かる。
 韓国兵は中に入ると隠れられそうな場所に目星をつけて自動小銃を向けたが、そこにも半荘の姿はない。

 半荘がどこに行ったか不思議に思った瞬間、部屋の壁に向かって、何かが飛んで行った。
 数人の韓国兵は目で追い、自動小銃を構えたが、音と共に煙が立ち込めて視界を奪われる。

『な、なんだ!?』
『『『ぎゃ~~~!』』』

 韓国兵の一人が声を出したと同時に、部屋の外から悲鳴があがった。

 半荘の仕業だ。

 半荘は、部屋に入ったと見せ掛けて、廊下の天井に張り付いていたのだ。
 韓国兵が部屋の中に入ると煙玉を投げ込み、視界を奪ってから外の韓国兵を倒した。
 そして、部屋の中の韓国兵は、煙の動きで予想を付け、全て意識を刈り取る事に成功する。

「いっちょあがり」

 パンパンと手を叩きながら部屋から出た半荘は、軽口を叩く。
 その瞬間、半荘の耳に銃声が響いた。

「まだ居るのか……」

 銃声の方向に目を向けると、韓国兵が次々と廊下に流れ込んで来た。

「もうひと踏ん張りしますか!」

 と言って、半荘は逆に走り出したのであった。


 もちろん韓国兵も追い掛け、廊下の端に着いたところで悲鳴をあげる。

 今回は、一網打尽。

 廊下の端まで来た韓国兵が曲がり角で固まったところに、罠で張っていたワイヤーを一気に引いて、十人ほどを同時に拘束。
 韓国兵はまだ拘束が甘かったので腕に自由はあるが、半荘はその集団の上にダイブしたからには自動小銃は使えない。
 そして半荘は、その上を転がるようにして、全員の脳を揺らして意識を刈り取るのであった。

「あと何人だ! かかって来~~~い!!」

 かなりの数が減ったと感じた半荘は、大きな声や音を出しながら船を動き回り、韓国兵の意識を刈り取って行くのであった。
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