499 / 755
第十八章 日ノ本編其の四 釣り大会にゃ~
492 エルフ総選挙にゃ~
しおりを挟む三ツ鳥居の制限時間は帰ってから正確に計る事となり、わしはエルフの里討論会に出席する。いちおうリータ達も誘ったのだが、訓練で忙しいとのこと……
なので、一人で討論会が行われる近くの屋根でカメラを設置してあぐらを組み、五人の代表候補者が居る壇上を眺め、やりとりをこっそり盗み聞く。エルフの里上げての討論会をするように命令しておいたので、もちろん全員参加だ。
討論会が始まれば、熱い論争が……起こりはせず、喋って居る者が二人しか居ない。
猫の国を乗っ取ろうと考えていたバカと、賄賂で懐柔しようとして一日で失敗した大バカだ。
う~ん……大バカのほう、ヂーアイに指名されたとか適当な事を言っておるな。選挙戦に復活できて嬉しいのか? やりたいなら、地道に選挙活動しておけよ。このお調子者!
あと喋っているのは、バカか~……代表は二人決まるのを知っているから、大バカとタッグを組む流れになってしまったな。やり手のように見えるけど、バカじゃからな~。
ヂーアイに念話を繋いで、他の代表候補にも喋らせてみようか。
わしの指示でヂーアイが司会をして、他の無理矢理立候補者にした人物に抱負を言わせるが、やりたくないのオンパレード。
なので、新しい指示。バカ供の政策はどう思っているのかを喋らせてもらった。
えっと……人望のあったイケメンは、シウインというのか。どっかで聞いた事のある名前じゃな。たしか、前回来た時に、候補者の資料を書き写したような……これこれ。あ、わしが推してた人じゃ。さすがはわし。見る目があるのう。
てか、シウインはやりたくないとか言っていたわりには、バカ供をめちゃくちゃ非難するな。すんごい正論で黙らせた。
バカ供も、もう少し頑張れよ~。これでは討論にならんじゃろ。チッ……他を頼ったほうが早いか。
またヂーアイを使って残りの候補者に喋らせるが、シウインのイエスマンになってしまったので、面白い討論にならない。ならば、もう一度バカ供を使ってみるが、畏縮してしまって話にもならない。
あ~……くそ! ここまでじゃな。
これでは討論にも選挙にもならないと感じたわしは、屋根から飛び降りて会場を横断する。すると、エルフの一部からざわざわと声があがり、その声に気付いたエルフ達の声が大きくなる。
そうして候補者が居る壇上に立ったわしは、念話と通訳を使って静かにするように言ってから話し始める。
「え~。みにゃさん久し振りにゃ~。実は、朝の演説から討論会まで見させてもらったにゃ~。それで、グエン君とか言ったかにゃ? ヂーアイ! 取り押さえろにゃ~~~!!」
わしがバカのグエンに話を振ると、顔を真っ青にして逃げ出したので、ヂーアイに回り込ませる。そして、ヂーアイは車イスに乗ったまま掌底。グエンをわしの足元まで吹っ飛ばした。
なのでわしは、痛そうにしているグエンに追い討ち。重力魔法を使いつつ、腹を踏んで動けなくする。
「にゃんで逃げるんにゃ~」
「あの……その……」
おそらくわしを倒すとほざいていたので、怖くなって逃げ出したとわかっているが、いちおう聞いてみてもモゴモゴ言うだけで答えてくれない。
「わしはグエン君を買ってるんにゃよ? シウイン君にゃんて、やりたくないクセに口だけ出して、君を貶めていたにゃ。それがどうにゃ? 君はこの里を想って立ち上がったにゃ。違うにゃ?」
「は、はい!」
「やっぱりにゃ~。わしの見込んだ男は、シウイン君とは違うにゃ~」
わしがグエンをよいしょしまくると、シウインはあからさまに機嫌の悪そうな顔をして立ち上がった。
「僕の言っていた事の何が間違いなんですか! こんな奴に任せていたら、里が滅んでしまいます!!」
シウインがわしに噛み付くと、ヂーアイが止めに入ろうとしたが、それを制止してわしはニヤリと笑う。
「じゃあ聞くけど、この里を一番発展させる方法は、どうしたらいいにゃ?」
「それは……シラタマ王に恭順の意を示して、外からの物資を貰えるように働く事です」
「違うにゃ」
「え……どこが違うのですか?」
「一番って言ったにゃろ? 一番だったら、わしを倒して猫の国を乗っ取る事にゃ。さすれば、好きにゃだけ物資を取れるし、この里の為に出来る事がなんでも出来るにゃ~」
「そ、そんな夢物語……勝てるわけがない……」
「そんにゃすぐに諦めるから出来ないんにゃ。グエン君にゃら、わしを倒す術を考えているにゃろ? 負けても、勝つ為の努力をするにゃろ?」
「え……いえ……む……ギャッ!? します!!」
モゴモゴ無理と言おうとしたグエンは、わしに強く踏み付けられて肯定しか出来ない。
「ほらにゃ~? まぁわしを倒すってのは方便で、それぐらいの覇気があるとグエン君は言いたかったはずにゃ。にゃ?」
「は、はひ!!」
「さすがはわしの見込んだ男にゃ~。これぐらい覇気がにゃいと、わしの国には手練れが多く居るから、エルフの里に物資が出回らなくなるにゃ~」
「………」
わしの言葉に、シウインは黙り込んでしまったので、最後に挑発めいた言葉で締める。
「人望にゃ? 好青年にゃ? 天才にゃ? そんにゃもん、グエン君の野心に比べれば、ゴミみたいなもんにゃ。それらを持ち合わせているシウイン君でも、野心がないのにゃらば、絶対にグエン君に任せたほうが里の為になるにゃ~。さあ、その事を踏まえて、最後に演説してくれにゃ~!」
わしが足を上げると、グエンはゴキブリのように地を這い、元の席に戻る。ぐうの音も出なかったシウインはというと、拳を強く握り締めて元の席に戻った。
わしはどうしたものかと思ってヂーアイを見たら、椅子を用意してくれていたのでその席に座り、成り行きを見守る。
さてと~……こんだけバカのグエンをよいしょして、シウインを落としたんじゃ。シウインも震い立つじゃろう。
わしがやっていた事は、何もグエンを代表にする応援ではない。人望があって優秀だが、やる気の無いシウインに立ち上がってもらうことだ。
こんなバカを、王様のわしが推したのだから、エルフ達の票の行方はグエンに集まるはず……そう思ったシウインが、こんなバカに代表を任せられないと、演説に力が入るように仕向けた。
もちろんわしだってシウインに代表になって欲しいから、祈るように演説を聞いている。
おい~? バカが売りのお前がまともな事を言ってどうするんじゃ。その恭順するって言葉、さっきシウインが言ってたじゃろう。今ごろ丸パクりするなら、もっと最初の頃からやっておけよ。
大バカも同じ事を言うな! これではお前達に票が入ってしまうじゃろう!! くっそ~……バカは扱いが難しい。
シウイン……お前だけが頼りじゃぞ? 頑張れ。頑張ってくれ! じゃないと、わしが楽できないんじゃ~~~!!
最後に立ち上がったシウインが壇上の中央に向かうと、エルフ達は何を言うか固唾を呑んで見守る。そうして軽く咳払いしたシウインは、真っ直ぐな視線を向けて語り始める。
「皆が僕を推薦してくれた事は、本当に感謝いたします。しかし、シラタマ王が言う通り、やはり僕では、この里の代表として相応しくない」
は? いやいやいやいや。待ってくれ!!
「だから僕は、グエンに一票を入れようと思う。皆もグエンを信じ、ついて行ってくれ!!」
わしの策略は大失敗。シウインはグエンを支持し、壇上を下りてしまった。なのでわしは……
「にゃ~~~!!」
ご乱心。大声をあげて頭を掻きむしるのであったとさ。
そんな中、討論会は閉幕してしまい、ヂーアイが解散を言い渡して、わしも神輿のような乗り物に乗せられてヂーアイの屋敷に運ばれる。
「本当にグエンでいいんさね?」
するといまだにご乱心中のわしに、ヂーアイが心配そうに声を掛けて来た。
「いいわけないにゃろ!」
「え……猫王が推してたんじゃないんさね?」
「シウインがよかったにゃ~。シウインがよかったから発破を掛けてたんにゃ~」
「どどど、どうするんさね! 明日には投票が始まるさね!!」
「もういいにゃ~。ヂーアイも、エルフの里は諦めてくれにゃ~」
「そんな無責任な事を言うな!!」
やる気のなくなったわしは、焦るヂーアイの言葉を聞き流し、「なるようになるさ。けせらせら~」と言いながら祠に帰るのであったとさ。
「わ! 毛並みがぐちゃぐちゃです!」
「何かと戦って来たニャー? 私も誘って欲しかったニャー」
リータとメイバイに迎えられたわしは、櫛で毛並みを整えてもらいつつ、討論会の失敗談を話す。
「それ……大丈夫なんですか?」
「もうシラタマ殿が、シウインって人を任命したほうが早いんじゃないかニャー?」
「選挙するって言ってしまったからにゃ~……ま、最悪、グエンを奴隷紋で縛って傀儡にしてやるにゃ。さてと、今日はどこで寝よっかにゃ~?」
選挙の事を考えたくないわしは、頭を切り替えて三ツ鳥居に向かう。しかしながら、呪文を唱えても開かなかったので、まだ開くほどの魔力が貯まっていなかったようだ。
なので、今日はエルフの里の別荘に泊まる事となり、リータ達とわいわい過ごすのであった。
翌朝は、リータ達もさすがに選挙の行方が気になったのか、わしについて来てくれた。
皆で選挙会場に向かっていると、肩で風を切るバカ二人を発見。しばらく後ろから見ていたら、もう代表に決まったと言わんばかりに、道行くエルフを怒鳴っていた。
「ちょっと酷すぎません?」
「土下座させようとしてるニャー」
「バカだからにゃ~。ま、好きにさせてあげるにゃ~」
「「いいわけないでしょ!」」
バカ二人のチンピラっぽい傍若無人の態度は、リータ達には看過できないようで止めるように言われたが、わしは断固として動かない。しかし、後ろで騒いでいたせいで、グエン達に気付かれてしまった。
「「これはこれはお猫様。今日も毛並みが……」」
そしてゴマを擦ってわしに近付く。なかなかの小悪党っぷりに、リータ達も呆れて怒る事はやめたようだ。
その二人のおべっかを聞きながら歩き、道を塞ぐエルフがいれば、二人が怒鳴り散らして道を開ける。まるでわしがやらしているように見えるが好きにさせて、ヂーアイが用意してくれていたであろう猫ファミリーの席に着く。
「お前達はあっちにゃろ~? シッシッ」
何故かわしの目の前で跪くバカ二人は面倒臭そうに追い払い、代表候補者や住人が全員揃うと、ヂーアイが壇上の中央に立った。
「では、投票方法を説明するさね」
エルフの里の住人は、全員百歳オーバーという事もあり、字を書けない者は居ないので記述式。しかし、木の板に墨で書くと嵩張るので、紙とえんぴつはわしが用意してあげた。
専用の記入場所で、候補者一人の名前を紙に書かせ、木箱に入れれば投票完了。その見張りにエルフの重鎮を立たせてあるが、そもそも紙は一人一枚しか配っていないので、不正をすること事態が不可能だから、必要なかったかもしれない。
その間、暇なわしは写真撮影。これは将来猫の国で行う選挙の資料にする予定だ。だが、メイバイにカメラを奪い取られたので、カメラマンは任せた。
そうこうしていたら、そこまで人口の多い里でもないので投票が終わっていた。
なので、一時解散。昼過ぎに発表すると言って、ヂーアイたち重鎮は集計を開始する。
わしは……ダラダラ。決まりきった結果を前もってわかってしまうと、さらにやる気が無くなるので、集計には参加したくない。
だから、全裸でリータ達に撫でられている。こうしておけば、お咎めはなし。多少恥ずかしいけど、怒られるよりましだ。
別荘でダラダラし、お昼も食べてダラダラしていたら、ヂーアイの使いがやって来たので、わし達は再び選挙会場に集合する。
壇上では、代表候補が座っているのだが、二人のバカは自信に満ち溢れた顔をして、大きく足を開いて座っている。その他はやる気がなさそうな顔。自分には関係のない事だと思っているようだ。
有権者のエルフ達は壇上を囲み、不安そうな顔で、ざわざわして待っている。初めての経験だから、皆、心配のようだ。
そんな中、壇上中央に現れたヂーアイは、静かに語り始めた。
「さて……国を持たぬ我々が初めて国に属する事となったわけだが、もう一度、皆に聞いておくさね。猫の国に属する事は、皆の総意さね?」
「「「「「はい!」」」」」
ヂーアイの確認に、エルフ達は力強く答える。わしは「いまさら何を言っているんだ?」と思ったが、司会はヂーアイに任せているので、口を挟む事はしない。
「では、誰に決まっても、恨みっこなしさね。やりたくないと言っていた者でも、この決定は絶対さね。猫の国に入りたいと望む皆が選んだんだ。その気持ちに応えて、里をより良い方向に導いておくれ」
ヂーアイは代表候補者に体を向けて、深くお辞儀する。その姿を見て、シウイン達は畏まってお辞儀を返すが、バカ二人はふんぞり返ったまま。もう代表のつもりでいるので、ヂーアイに敬意も払えないようだ。
「では、発表するさね」
ヂーアイは住人に向き直ると、木簡に書かれた集計結果の、一位と二位の名前を高らかに読み上げる。
「一位……シウイン! 二位……ユーチェン! エルフの里、代表の決定さね!!」
「「「「「わああああ!!」」」」」
ガタガタガタッ
まさかの発表に、エルフ達は割れんばかりの拍手を送り、三人ほど椅子から転がり落ちた。
その三人とは、バカと大バカと、バカではない猫だ。
シウインはわかるとして、ユーチェンって、だれ~~~!!
もちろんエルフ達は納得しているのだが、わしは納得できないのであったとさ。
0
お気に入りに追加
1,169
あなたにおすすめの小説
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革
うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。
優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。
家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。
主人公は、魔法・知識チートは持っていません。
加筆修正しました。
お手に取って頂けたら嬉しいです。
呪われた子と、家族に捨てられたけど、実は神様に祝福されてます。
光子
ファンタジー
前世、神様の手違いにより、事故で間違って死んでしまった私は、転生した次の世界で、イージーモードで過ごせるように、特別な力を神様に授けられ、生まれ変わった。
ーーー筈が、この世界で、呪われていると差別されている紅い瞳を宿して産まれてきてしまい、まさかの、呪われた子と、家族に虐められるまさかのハードモード人生に…!
8歳で遂に森に捨てられた私ーーキリアは、そこで、同じく、呪われた紅い瞳の魔法使いと出会う。
同じ境遇の紅い瞳の魔法使い達に出会い、優しく暖かな生活を送れるようになったキリアは、紅い瞳の偏見を少しでも良くしたいと思うようになる。
実は神様の祝福である紅の瞳を持って産まれ、更には、神様から特別な力をさずけられたキリアの物語。
恋愛カテゴリーからファンタジーに変更しました。混乱させてしまい、すみません。
自由にゆるーく書いていますので、暖かい目で読んで下さると嬉しいです。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる