上 下
444 / 755
第十六章 日ノ本編其の二 天下分け目の関ケ原にゃ~

437 相撲を取るにゃ~

しおりを挟む

 三役揃い踏みが終わると、行司の指示で東西に並んで座る。それからひとりひとり行司が名を呼び、最初の一番。西からは小兵キツネが土俵に上がる。
 小兵と言っても、わしより縦にも横にもデカイ。だが、東から土俵に上がったタヌキは、この場に居る力士の中で、一番デカイ。小兵キツネと比べると、二倍以上ありそうだ。

 数度の仕切り直しで、小兵キツネと巨大タヌキの呼吸が合えば、行司の「はっけよい」。小兵キツネの八艘飛はっそうとびは虚しく、巨大タヌキの突き出しで、あっけなく土俵から転がり落ちた。

 あらら。体重差がありすぎるからアレしかないんじゃろうけど、完全に読まれていたな。てか、先鋒でこの力量差では、わしまで回って来ないのでは? まぁそれならそれで、仕方ないか……ん?

 わしが二人を見ていると、小兵キツネは戻って来たのだが、巨大タヌキは土俵から降りない。なので、さっき名前を知ったばかりの、隣に座る巨漢タヌキ貴花田に質問してみる。

「にゃあ? にゃんであいつは残っているにゃ?」
「聞いてないのですか? 関ヶ原では、勝ち抜き戦になっているのです」

 勝ち抜きか~。てっきり、星取り戦じゃと思っていたわい。じゃあ、100パーセントわしに回って来るんじゃな。

「そうにゃんだ。てことは、どれだけ相手を疲れさせるかも、勝負の決め手となりそうだにゃ」
「そうですが……先ほどは疲れさせる事も出来ませんでしたね。次で頑張ってくれたら……あ!」

 わし達が喋っている間に二試合目が始まり、西軍の人間力士は猫だまし。巨大タヌキの顔の前で手を「パンッ!」と叩き、驚いている隙に足を取ろうと潜り込んだが、猫だましが効いていなかった巨大タヌキに押し潰されてしまった。

「あら~。また読まれてたにゃ~」
「もうあとがないぞ~! 勝ってくれ~!!」

 貴花田の願いは虚しく、中堅の丸タヌキは巨大タヌキと組み合って、電車道で寄り切られてしまった。

「くそ~! これで今回も負けてしまう……」

 あっと言う間に三敗か~。どうりで玉藻がわしを使おうとするわけじゃわい。東軍との差がありすぎる。
 しかも、貴花田の心も折れてしまった。まぁ残り五人も相手にしないといけないと思えば、スタミナの少ない力士にはキツイか。

 丸タヌキが土俵を降りると、貴花田は立ち上がるが、覇気がない。なので、わしも立ち上がってジャンプ。背中を叩いてやった。

「つっ……何するんですか!」

 貴花田の背中には、くっきりとわしの肉球が浮かび……毛の下に肉球が浮かび、痛みに驚いて怒鳴られてしまった。

「にゃはは。気合いが入ったみたいだにゃ」
「気合いが入ったところで、もう勝てるわけが……」
「それにゃ!」

 わしが貴花田の声を遮ると、目をパチクリする。

「にゃにを弱気になってるんにゃ……お前は大関にゃろ! 西一番の力士にゃろ! 違うにゃ!?」
「……はい」
「じゃあ勝てにゃ! 全員薙ぎ倒せにゃ! さすれば、西軍の勝ちにゃ~~~!!」
「あ……そうです! 僕が勝てばいいんです!!」
「その意気にゃ~」
「ごっちゃんです!」

 死んだ目をした貴花田だったが、わしの叱責を受けて目に炎が宿る。そうして行司の呼び出しで、鼻息荒く四股を踏み、数度仕切って待ったなし。巨大タヌキとぶつかった。

 あ……こりゃダメじゃな。

 貴花田は気合いが入りすぎて空回り。巨大タヌキは勝ちを急がず受けに撤し、長い相撲となってしまった。からくも下手投げで倒したものの、貴花田はゼーゼーと肩で息をしている。
 しかし、息が整う間もなく「はっけよい」。東軍次鋒、安産型タヌキの突っ張りに押され、顔を腫らし、また長い相撲となる。

 いけ! そこじゃ!!

 なんとかまわしを取った貴花田の上手うわて投げ。技ありの勝利を勝ち取ったが、もう立っているのも辛そうだ。
 そこに、行司に呼び出された見た事のある……おそらく、京で貴花田に負けた巨漢タヌキが歩み寄る。

「京での借りを返そうと思っていたが、その姿では勝負になりそうにないな」
「ゼーゼー……それはやってみないとわかりません。ゼーゼー……」
「フッ……ならば手加減はいらんな」

 巨漢タヌキと貴花田は少し話すと、数度仕切って、お互いゆっくりと手をつく。「はっけよい」と同時に、肉のぶつかり合う音が響くが、貴花田は押し負けて体がのけぞる。
 しかし、前みつを掴んで耐え、左四つ。がっしりと胸を合わせ、引き合い押し合い釣り合い……また長い相撲となり、観客は盛り上がっているようだ。

 お~。すぐに負けると思っておったが、頑張るのう。じゃが、時間の問題か。じりじりと押されておる。

 わしの見立て通り、巨漢タヌキは貴花田を押し込み、俵に足が掛かる。そこで巨漢タヌキは勝負に出てがぶり寄り。だが、貴花田はそれを狙っていた。

 起死回生のうっちゃりだ。

 二人は同時に土俵を割り、地面に倒れ込むのであった。


「に~し~……」

 結果は西に軍配が上がったが、勝負審判のタヌキ老人から物言いがつき、審議となった。

 わしの目では同体……取り直しじゃな。しかし、貴花田には取り直しをするほどの体力は残っていない。取り直しになったら棄権させるか。

 すぐに立ち上がった巨漢タヌキとは違い、貴花田はなかなか立ち上がれないでいる。そんな中、審議していたタヌキ老人達が席に戻ると、行司が軍配を勝者に向ける。

「ひが~し~……」

 残念ながら取り直しも無し。何が勝利に傾いたかは、わしはわかっているが、その事に一部の者しか気付かずに、東軍の勝利が告げられた。

「くそ~~~!!」

 悔しがる貴花田は、まだ立ち上がれずに地面を殴る。そんな貴花田にわしは歩み寄り、声を掛ける。

「よくやったと言いたいところだけどにゃ~……」
「いえ……敗者の僕が、褒められる言われもありません」
「それがわかっているならいいにゃ。でもにゃ。にゃんで負けたかわかるかにゃ?」
「……実力不足です」
「違うにゃ」
「違う??」
「いつまで寝てるつもりにゃ? お前は大関にゃろ? にゃら、足の裏以外、土をつけるにゃ」
「は、はい……う、うぅぅ」

 貴花田は涙をこらえて立ち上がり、ふらふらした足取りを必死に耐え、力強く下がって行った。貴花田とは違い、足取りの軽いわしはトコトコトと土俵に上がり、巨漢タヌキではなく、土俵の周りに座るタヌキ老人達を睨む。

「お前達が見間違う事があるとは思うにゃ。でもにゃ。どちらかに片寄った判定をするのは間違っているにゃ。相撲は神事にゃんだから、これからは、そんにゃ事はしないでくれにゃ」

 わしは気付いていた。勝負審判の中で一番重鎮であるだろうタヌキ老人が、一番近くで見ていたタヌキ老人の言葉を遮っていた事を……
 その鶴の一声で、審査が覆った事も気付いていたので口にしたのだが、タヌキ老人は「不敬」だとか「ふざけるな」だとか「これだから素人は」だとか、口々にわしを非難した。

「別に取り直しは要求してないにゃろ。それに、この事に気付いているのは、わしだけじゃないにゃ。お二人さん……にゃ?」

 わしが行司と巨漢タヌキに話を振ると、行司は目を逸らし、巨漢タヌキはわしをじっくり見つめるだけ。なので、タヌキ老人達の叱責は無視して、開始を促す。

「時間を取らせて悪かったにゃ。さあ、やりあおうにゃ~!」

 わしの開始の言葉を聞いて、行司は配置に就いたので、わしも下がって塩を握る。東軍の巨漢タヌキは塩を高々と投げ、わしはさらっと撒いてまわしをポンポンと叩く。
 そうして見よう見真似の仕切りをして腰を落としていると、巨漢タヌキと目が合った。

「すまなかったな」
「にゃ?」
「さっきの取り組みだ。あれは同体だった」
「ああ。もう終わったことにゃ」
「フッ……小さいが、なかなかのおとこだな。だが、相撲対決はこのまま俺で終わらせてもらうぞ」
「出来たらいいにゃ~」
「黙って、黙って~!」

 わし達が話をしていると、行司に注意を受けて元の場所に戻る。そして数度仕切りをして呼吸を合わせると、わしは両手をつけた。

「はっけよい!」

 同時にぶちかまし。いや、わしが遅れてぶちかまし。いやいや、ぶちかましに見せただけで、素早く横移動。からの、まわしを掴んでの下手出し投げ。
 巨漢タヌキは前進する力とわしの技に逆らえず、一回転して土俵に倒れるのであった。

 観客は、その呆気ない結果に言葉を失う。行司でさえも呆気に取られているのだから致し方ない。なので、軽く咳払いをしたら行司は「ハッ」として勝ち名乗りをあげてくれた。

「に~し~。猫の王~、猫の~王~~」
「「「「「わああああ~~~」」」」」

 行司の声で観客は我に返り、小兵が巨漢を投げたと沸き上がった。

「くっ……嘘だろ……」

 土俵の上で座ったままの巨漢タヌキは信じられないからか、その場を動こうとしない。

「そろそろ、そこを空けてくんにゃい? 手刀てがたなを切りたいんにゃけど……」
「あ、ああ。すまない……。それと、貴花田にも謝っていたと言ってくれ」
「にゃはは。漢だにゃ~。伝えておくにゃ~」

 それから腰を落としたわしは手刀を切り、土俵端に移動して待っていたら、巨漢タヌキより一回り大きいタヌキ力士が土俵に上がる。

「チッ……こんなチビ相手に、あいつは何をしてるんだか……」

 何やら独り言を呟いて仕切っているが、チビなのは否定できないし、さっき行司に怒られたので、わしはツッコまずに仕切り直す。
 そうして「はっけよい」。今回はわしは前に出ず、様子を見ようとしたが、タヌキ力士も同じだったようだ。

 あら? お見合いじゃ。ここからどうしたらいいんじゃろ? あちらも動かないし、わしから行くか。

 わしは力に気を付け、頭からタヌキ力士にぶつかる。背丈が倍は違うので、頭はお腹に減り込み、それと同時に前みつを両手で掴んだ。

「おいおいおい。なんだその当たりは。やっぱりさっきのはマグレだったんだな」

 タヌキ力士は愚痴りながら、わしのまわしを背中越しに掴み、持ち上げようとする。わしは魔法禁止と聞いていたから重力魔法を使っていないので、軽々と持ち上げられる……

「なっ……」

 ことはない。ぐっと腰を落とし、ぐっとまわしを引き付けているので、そうは簡単に持ち上がらない。

「これならどうだ!」

 それならばと、タヌキ力士はわしを押す。しかし、わしが持ち上がらないということは、タヌキ力士の力が上手く働いていないということ。元々小兵よりも小柄なわしでは、変な体勢になっているからなおさらだ。
 なので、逆に押してあげる。ゆっくり摺り足。タヌキ力士がまわしを持ち変えても、まわしを引き付けたまま進み、俵まで押し込む。

「く、くそ!」

 タヌキ力士は俵を回り込もうと移動するので、それに合わせて内無双。綺麗に内腿を払ったわしの手でタヌキ力士は宙を舞い、背中から土俵に倒れ込むのであった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

料理を作って異世界改革

高坂ナツキ
ファンタジー
「ふむ名前は狭間真人か。喜べ、お前は神に選ばれた」 目が覚めると謎の白い空間で人型の発行体にそう語りかけられた。 「まあ、お前にやってもらいたいのは簡単だ。異世界で料理の技術をばらまいてほしいのさ」 記憶のない俺に神を名乗る謎の発行体はそう続ける。 いやいや、記憶もないのにどうやって料理の技術を広めるのか? まあ、でもやることもないし、困ってる人がいるならやってみてもいいか。 そう決めたものの、ゼロから料理の技術を広めるのは大変で……。 善人でも悪人でもないという理由で神様に転生させられてしまった主人公。 神様からいろいろとチートをもらったものの、転生した世界は料理という概念自体が存在しない世界。 しかも、神様からもらったチートは調味料はいくらでも手に入るが食材が無限に手に入るわけではなく……。 現地で出会った少年少女と協力して様々な料理を作っていくが、果たして神様に依頼されたようにこの世界に料理の知識を広げることは可能なのか。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの? 人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。

転生社畜、転生先でも社畜ジョブ「書記」でブラック労働し、20年。前人未到のジョブレベルカンストからの大覚醒成り上がり!

nineyu
ファンタジー
 男は絶望していた。  使い潰され、いびられ、社畜生活に疲れ、気がつけば死に場所を求めて樹海を歩いていた。  しかし、樹海の先は異世界で、転生の影響か体も若返っていた!  リスタートと思い、自由に暮らしたいと思うも、手に入れていたスキルは前世の影響らしく、気がつけば変わらない社畜生活に、、  そんな不幸な男の転機はそこから20年。  累計四十年の社畜ジョブが、遂に覚醒する!!

呪われた子と、家族に捨てられたけど、実は神様に祝福されてます。

光子
ファンタジー
前世、神様の手違いにより、事故で間違って死んでしまった私は、転生した次の世界で、イージーモードで過ごせるように、特別な力を神様に授けられ、生まれ変わった。 ーーー筈が、この世界で、呪われていると差別されている紅い瞳を宿して産まれてきてしまい、まさかの、呪われた子と、家族に虐められるまさかのハードモード人生に…! 8歳で遂に森に捨てられた私ーーキリアは、そこで、同じく、呪われた紅い瞳の魔法使いと出会う。 同じ境遇の紅い瞳の魔法使い達に出会い、優しく暖かな生活を送れるようになったキリアは、紅い瞳の偏見を少しでも良くしたいと思うようになる。 実は神様の祝福である紅の瞳を持って産まれ、更には、神様から特別な力をさずけられたキリアの物語。 恋愛カテゴリーからファンタジーに変更しました。混乱させてしまい、すみません。 自由にゆるーく書いていますので、暖かい目で読んで下さると嬉しいです。

前世は婚約者に浮気された挙げ句、殺された子爵令嬢です。ところでお父様、私の顔に見覚えはございませんか?

柚木崎 史乃
ファンタジー
子爵令嬢マージョリー・フローレスは、婚約者である公爵令息ギュスターヴ・クロフォードに婚約破棄を告げられた。 理由は、彼がマージョリーよりも愛する相手を見つけたからだという。 「ならば、仕方がない」と諦めて身を引こうとした矢先。マージョリーは突然、何者かの手によって階段から突き落とされ死んでしまう。 だが、マージョリーは今際の際に見てしまった。 ニヤリとほくそ笑むギュスターヴが、自分に『真実』を告げてその場から立ち去るところを。 マージョリーは、心に誓った。「必ず、生まれ変わってこの無念を晴らしてやる」と。 そして、気づけばマージョリーはクロフォード公爵家の長女アメリアとして転生していたのだった。 「今世は復讐のためだけに生きよう」と決心していたアメリアだったが、ひょんなことから居場所を見つけてしまう。 ──もう二度と、自分に幸せなんて訪れないと思っていたのに。 その一方で、アメリアは成長するにつれて自分の顔が段々と前世の自分に近づいてきていることに気づかされる。 けれど、それには思いも寄らない理由があって……? 信頼していた相手に裏切られ殺された令嬢は今世で人の温かさや愛情を知り、過去と決別するために奔走する──。 ※本作品は商業化され、小説配信アプリ「Read2N」にて連載配信されております。そのため、配信されているものとは内容が異なるのでご了承下さい。

外れスキル「トレース」が、修行をしたら壊れ性能になった~あれもこれもコピーし俺を閉じ込め高見の見物をしている奴を殴り飛ばす~

うみ
ファンタジー
 港で荷物の上げ下ろしをしたり冒険者稼業をして暮らしていたウィレムは、女冒険者の前でいい顔をできなかった仲間の男に嫉妬され突き飛ばされる。  落とし穴に落ちたかと思ったら、彼は見たことのない小屋に転移していた。  そこはとんでもない場所で、強力なモンスターがひしめく魔窟の真っただ中だったのだ。 幸い修行をする時間があったウィレムはそこで出会った火の玉と共に厳しい修行をする。  その結果たった一つの動作をコピーするだけだった外れスキル「トレース」が、とんでもないスキルに変貌したのだった。  どんな動作でも記憶し、実行できるように進化したトレーススキルは、他のスキルの必殺技でさえ記憶し実行することができてしまう。  彼はあれもこれもコピーし、迫りくるモンスターを全て打ち倒していく。  自分をここに送った首謀者を殴り飛ばすと心の中に秘めながら。    脱出して街に戻り、待っている妹と郊外に一軒家を買う。  ささやかな夢を目標にウィレムは進む。   ※以前書いた作品のスキル設定を使った作品となります。内容は全くの別物となっております。

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

処理中です...