上 下
85 / 755
第四章 ハンター編其の二 怖い思いをするにゃ~

083 孤児院の子供の服を買いに行くにゃ~

しおりを挟む

 孤児院の子供達は食事の挨拶をし、食べ始める。それに続き、わしとリータもいつも通り、食事の挨拶をして食べ始める。

「「いただきにゃす」」

 夕食はレシピに載っていた肉じゃが風か。こりゃまたうまい! うまいけど肉じゃがと言うには、一味足りないかな? 何が足りないんじゃろう……醤油? なるほど。醤油がないから、違うもので似せているのか。

 わしが肉じゃが風の食べ物を懐かしみ、目に涙を溜めて噛み締めていると、不思議そうな顔をしたエミリが尋ねてくる。

「ねこさん?」
「どうしたにゃ?」
「食べる前に、なんで『いただきにゃす』って言うの? おかあさんみたい……」

 あ……エミリはこの言葉を知っていたか。どうしよう? 母親はエミリに転生者だと言って「いただきます」の意味を教えたのじゃろうか? う~ん……同郷だと言っても信じてもらえんじゃろうし、ここは……

「昔、誰かが食べる前に『いただきにゃす』って、言ってたからマネしてるにゃ」

 うん。無難な答えじゃな。

「おかあさんは『いただきます』って言ってたけど、他でも言っている人がいたんだ」
「猫さん! 食事の前に言ってる言葉って『いただきにゃす』じゃなくて『いただきます』だったのですか!?」

 リータには無難な答えじゃなかったみたいじゃ。

「そうにゃ。『にゃ』はわしの癖にゃ」
「それならそうと言ってくださいよ~」
「さっちゃんには言ったけど、リータには言い忘れていたにゃ」
「そう言えば、王女様も『にゃ』がついたままですね。どうしてですか?」
「『いただきにゃす』の方が、かわいいって言っていたにゃ」
「たしかに……」
「それじゃあ、今度から食事の挨拶は『いただきにゃす』にしようか?」

 横でわし達の話を盗み聞きしていた、ババアがいらない事を言い出した。

「ババアは黙ってるにゃ!」
「いいじゃないかい。この料理はエミリの母親のレシピだし、母親にも感謝できる」
「院長先生……ありがとう」
「それなら、『にゃ』は、いらないにゃ!」
「エミリが決めな」

 わしが「にゃ」を断固拒否すると、ババアがエミリに答えを振り、無情にも決定が言い渡される。

「『にゃ』があった方が、かわいいかも」

 わしの反対を他所に、この日を境にして、孤児院での食事の挨拶は『いただきにゃす』と『ごちそうさにゃ』に、なってしまった。


 食事も終わり、そろそろおいとますると言うと、マルタが感謝の言葉を述べる。

「猫ちゃん今日はありがとうね。食料をこんなに貰ったのに、家まで直してくれて、本当にありがとう」
「気にするにゃ」
「猫が気にするなと言っているんだから、気にすることないよ」
「ババアはもっと気にしろにゃ!」
「なんだと~」
「シャーーー!」
「猫ちゃん。院長は嬉しい時は、逆の事を言うのよ。本当はすっごく喜んでいるよ」
「よけいな事は言うんじゃないよ!」

 ババアのツンデレは、誰も萌えないはずじゃ。絶対にデレないで欲しい。

「なんか変なこと考えてないかい?」

 このババア……心まで読めるのか!

「ニャンデモナイにゃ」
「そうかい……まぁアレだ。ありがとよ」

 だからデレるな!

 わしがマルタの感謝を受け取り、ババアの感謝の言葉で気分が悪くなっていると、エミリが悲しそうな顔で声を掛ける。

「ねこさん、帰っちゃうの?」
「また食材を持って来るから、エミリの美味しい料理を食べさせてくれにゃ」
「うん! 待ってる!」


 わしとリータは、手を振る孤児院の子供達に、別れの挨拶を告げて帰路に就く。

「みんないい子でしたね」
「そうだにゃ。でも、ババアは気に食わないにゃ」
「猫さんは、やっぱり若い女の子が好きなんですか?」
「にゃんでそうなるにゃ?」
「猫さんの周りには、いつも女の子がいますから……今日もエミリちゃんを気に掛けていましたよね?」

 まさかリータは、わしをロリコンだと思っておるのか? そんなに若い女の子が、わしの周りにおったかな? うん。いっぱい居るな。若いにしても若すぎる。
 魂年齢百二歳のわしからしたら、孤児院のババアですら若い女の子に入るのかな? それはそれで気持ち悪い。

「それはエミリの料理が美味しかったからにゃ」
「本当に美味しかったですね。でも、エミリちゃんをお持ち帰りしちゃダメですからね?」
「にゃんでそうなるにゃ~」
「猫さんが怒った~」

 わしの訴えをリータは聞こうとせず、走って逃げて行く。わしは仕方なくリータを追い駆け、家に帰るのであった。


 翌日はハンターの仕事をして、次の日に、また孤児院に向かう。その道中で、リータに相談を持ち掛ける。

「安い服ですか?」
「リータは、どこで売っているか知らないかにゃ?」
「すみません。わからないです。フレヤさんに聞いてはどうですか?」

 餅は餅屋か……たしかにフレヤの方が詳しいな。前にも、リータに服の事を聞いたら、知らなかったもんな。

 リータの提案に乗り、孤児院に行く前に、フレヤの仕立屋に寄る事にする。

「邪魔するにゃ~」
「猫君! やっと来た。リータちゃんも久し振りね~」
「久し振りにゃ。でも、やっと来たとは、なんにゃ?」
「忘れてたの? 生地の染色を頼まれていたじゃない」
「あ~」

 すっかり忘れておった。大蚕の生地の染色を頼んでおったな。

「それでどうなったにゃ?」
「なんとか成功したわよ。でも、染色する素材と時間が掛かるから、ちょっと値は張るわね。どうする?」
「とりあえず、一着だけしてもらうにゃ」
「毎度あり~」

 わしは染めて欲しい色を伝え、予備の着流しと代金を手渡す。たしかに少し高かったが、着流しは白しか持っていないので迷わず支払う。ちなみに、パジャマに使う予定だ。

「今日は何か買いに来たの?」
「そうにゃ。ここって、安い中古の子供服は売っているかにゃ?」
「子供服? 猫君なら子供服じゃないと着れないか」
「わしじゃないにゃ。孤児院の子供達にプレゼントするにゃ」
「孤児院?」

 わしはフレヤに孤児院での出来事を話す。

「なるほどね。それで大量の服が欲しいのね」
「にゃんとかなるかにゃ?」
「どんなものでもいいなら、三十着ぐらいあるわ。足りないなら仕入れておくけど、どうする?」
「そうだにゃ~……今日はあるだけ貰っていくけど、もう三十着欲しいにゃ」
「オッケー。来週には用意出来ると思うから、また来てちょうだい」
「わかったにゃ。それと、リータに冬服も見繕みつくろってくれるかにゃ?」

 子供達の服の相談が終わり、リータの服を催促したら、焦ったリータが止めに入る。

「ね、猫さん! そんなの要りませんよ」
「そろそろ寒くなるから必要にゃ。リータが風邪を引いたら、わしが困るにゃ~」
「猫さんが私の心配をしてくれている……」

 リータは急にモジモジし始めたけど、なんじゃろう?

「わかりました。フレヤさん! 猫さんが気に入りそうな服を選んでください!」
「リータちゃんも乙女ね。とっておきのを出して上げるわ」
「宜しくお願いします!」

 わしは、フレヤとリータの服選びを待つ間、店の中を見て回る。すると、棚に飾られた、とんでもない物が目に入る。

 わしがおる……

 そこには、等身大の猫又(人型)ぬいぐるみが三体、ちょこんと座っていた。

 前にフレヤに体を測ってもらった事があったな。あの時は、また来た時に服でも作ってもらおうと思って測ってもらったが、まさかぬいぐるみになっているとは思いもよらんかった!
 思えば、耳の先から尻尾の先まで測っていたのは、この為じゃったのか。ここは絶対に阻止しなければならない!

 わしは固い決意を持ってフレヤを呼ぶ。

「フレヤさん? ちょっといいですかにゃ?」
「ちょっと待って~」

 わしは黙ってフレヤを待つ。そうしてしばらく待っていると、リータは試着室に入り、フレヤはわしの元へやって来る。

「はいはい。どうしたの?」
「こ、こ、これは、にゃんですかにゃ?」

 わしは猫又ぬいぐるみを指を差して尋ねる。

「あ、そうそう! これも販売許可が欲しかったのよ。売ってもいい?」
「それはまだ、売り物ではないって事かにゃ?」
「猫ちゃんの許可待ちだったからね」
「じゃあ、わしが全部買うにゃ! そして金輪際、作るにゃ!!」

 こんなもん、持っている人を見たら、わしのHPが削られてしまう。販売前に、ここに来れてよかった。

「それはダメよ。予約取っちゃったもん」
「いや……わしは許可しないにゃ。だから、作った分は買い取るから売らないでくれにゃ~」
「許可はもらええないか~。ティーサも欲しがっていたのにな。予約してくれた多くの子供達も悲しむだろうな~」
「うっ……」
「十人以上、予約してくれていたのにな~」
「うぅぅ……」
「ちゃんと猫ちゃんに、売上の一部も払うから、売らせてくれない? お願い!」

 お金はどうでもいいけど、子供達を悲しませるのは気が引ける……じゃが、この一線だけは引いてはならないと、野生の感が言っておる。断るぞ!

「やっぱり、ダ……」
「猫さん。どうですか?」

 わしが断ろうとしたその時、着替えを終えたリータが試着室から出て来た。

「にゃ……」
「私……綺麗ですか?」

 リータは頬を赤らめて、純白のドレス姿をわしに見せる。

 なんでドレスを着ておる? 冬服を頼んだはずなのに……

「やっぱり似合いませんか……しょぼ~ん」

 リータが言葉通りしょぼんとするので、わしは慌ててお世辞を口にする。

「似合っているにゃ! すっごく綺麗にゃ~!」
「本当ですか?」
「本当にゃ! でも、にゃんでドレスを着てるにゃ?」
「フレヤさんがこれを着れば、猫さんも気に入ってくれると、おっしゃいましたから……」
「フレヤ~! 冬服を頼んだにゃ。やっぱりぬいぐるみは売らせないにゃ!」
「そんなに怒らないで。ちょっとしたサプライズよ。リータちゃんが乙女の顔をしていたから、遊び心が出てしまったの」

 まったく。リータも断ればいいのに、なんでわしに見せたがるんだか……

「ぬいぐるみって、なんですか?」
「これよ。リータちゃんも欲しいでしょ?」
「は、はい! すっごく欲しいです。いくらですか?」
「それが猫ちゃんは、売りたくないみたいなの。一緒に猫ちゃんを説得してくれたら、プレゼントしちゃおっかな~?」
「猫さん!」

 リータの目の色が変わっておって、ちょっと怖い。

「ダ、ダメにゃ」
「そんな~。お願いしますよ~」

 リータがさっちゃんみたいに駄々をこねておる。こんな子じゃったか? さっちゃんと違って、力が強いから揺さぶりが尋常じゃない。酔いそうじゃ。

「じゃあ、こうしない? 猫ちゃんの売上以外に、私も孤児院に寄付をするわ。中古の服を毎月二着寄付するから……お願い!」

 うっ。嫌な取引を持ち掛けよる。こんなのわしが断れば、孤児院の寄付は無くなって、わしが悪者みたいじゃ。
 この世界の一年も十二ヶ月。二十四着か……一年で孤児院の子供達全員に行き渡る。それが毎年続くなら、服に掛けるお金も減るな。うぅぅ……

「……わかったにゃ」
「「え?」」
「わかったと言ってるにゃ!」
「「やった~!」」
「じゃあ、さっそく契約書、書いて! リータちゃんはこの服を着てみて」

 結局、わしのぬいぐるみ販売は阻止できず、多くの猫又ぬいぐるみが街を歩く姿が見られるようになるのは、まだ少し先のお話……




「似合ってますか?」
「似合っているにゃ」

 フレヤの仕立屋を後にして、孤児院に向けて歩いていると、リータが新しい服について意見を求めてくる。わしは少し面倒くさそうに、無難な答えを返している。

 何回目の質問じゃ……新しいコートに喜ぶなんて、リータも女の子だったんじゃな。出会った頃なんて、ボロボロで汚い服を着ておったのに。

「えへへ~」
「ほれ。もう着くにゃ」

 フレヤの店を出て、リータの質問に六回答えたところで孤児院に辿り着いた。わしはノックもせずに扉を開けて、声を掛ける。

「邪魔するにゃ~」
「邪魔するなら帰りな」
「ほな、さいにゃら~」
「本当に帰る奴があるかい!」

 わしの渾身のノリツッコミ……ババアに取られた! 悔しい!!

 わしの言葉に応えていた院長のババアは、玄関に出て来て質問をする。

「今日は何の用だい?」
「少ないけど、子供達に服を持って来たにゃ」
「有り難いんだけど……なんでそこまでしてくれるんだい?」
「ただの偽善者にゃ。いや、偽善猫かにゃ?」
「どっちでもいいよ。感謝する」
「ババアに感謝されると気持ち悪いにゃ!」
「なんだと! もう感謝なんてしてやらんわ。バカ猫!」
「誰がバカ猫にゃ! バカって言う奴がバカなんにゃ! バーカバーカ!」
「院長……」
「猫さん……」
「「あ……」」

 わし達がケンカしていると、リータとマルタに、冷ややかな目で見られてしまった。このままケンカを続行するのもばつが悪いので、軽く咳払いすると、真面目な話に戻す。

「ゴホンッ……とりあえず、子供達を綺麗にしようにゃ」
「そうだね。せっかく綺麗な服を持って来てくれたんだ。それに、今日は体を拭く日だったね。マルタ、お湯を用意してくれるかい?」
「はい。わかりました」
「ちょい待つにゃ」
「猫ちゃん。なに?」

 そうじゃったな。お風呂の設備は高いから、孤児院なんて施設にあるはずがない。かと言って、体を拭くだけってのもかわいそうじゃな。
 う~ん……ここは庭も広いし、ちょっとぐらい増設しても大丈夫じゃろう。

「わしが作るにゃ」
「作る?」
「そんな事、出来るわけないだろう」
「ちょっと待ってるにゃ」

 わしは勝手口から出て、土魔法でちょちょいのちょいでお風呂場を作って、話をしていた食堂に戻る。
 そして、ババア達を連れて風呂場に入るとババアとマルタは目を見開き、お互いに目で語り合ってから、わしを見て叫ぶ。

「「なんでもう出来てる(のよ!)んだ!」」

 よかれと思って作ったのに、怒鳴られるわしの姿があったとさ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの? 人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。

外れスキル「トレース」が、修行をしたら壊れ性能になった~あれもこれもコピーで成り上がる~

うみ
ファンタジー
 港で荷物の上げ下ろしをしてささやかに暮らしていたウィレムは、大商会のぼんくら息子に絡まれていた少女を救ったことで仕事を干され、街から出るしか道が無くなる。  魔の森で一人サバイバル生活をしながら、レベルとスキル熟練度を上げたウィレムだったが、外れスキル「トレース」がとんでもないスキルに変貌したのだった。  どんな動作でも記憶し、実行できるように進化したトレーススキルは、他のスキルの必殺技でさえ記憶し実行することができてしまうのだ。  三年の月日が経ち、修行を終えたウィレムのレベルは熟練冒険者を凌ぐほどになっていた。  街に戻り冒険者として名声を稼ぎながら、彼は仕事を首にされてから決意していたことを実行に移す。    それは、自分を追い出した奴らを見返し、街一番まで成り上がる――ということだった。    ※なろうにも投稿してます。 ※間違えた話を投稿してしまいました! 現在修正中です。

料理を作って異世界改革

高坂ナツキ
ファンタジー
「ふむ名前は狭間真人か。喜べ、お前は神に選ばれた」 目が覚めると謎の白い空間で人型の発行体にそう語りかけられた。 「まあ、お前にやってもらいたいのは簡単だ。異世界で料理の技術をばらまいてほしいのさ」 記憶のない俺に神を名乗る謎の発行体はそう続ける。 いやいや、記憶もないのにどうやって料理の技術を広めるのか? まあ、でもやることもないし、困ってる人がいるならやってみてもいいか。 そう決めたものの、ゼロから料理の技術を広めるのは大変で……。 善人でも悪人でもないという理由で神様に転生させられてしまった主人公。 神様からいろいろとチートをもらったものの、転生した世界は料理という概念自体が存在しない世界。 しかも、神様からもらったチートは調味料はいくらでも手に入るが食材が無限に手に入るわけではなく……。 現地で出会った少年少女と協力して様々な料理を作っていくが、果たして神様に依頼されたようにこの世界に料理の知識を広げることは可能なのか。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

王宮を追放された俺のテレパシーが世界を変える?いや、そんなことより酒でも飲んでダラダラしたいんですけど。

タヌオー
ファンタジー
俺はテレパシーの専門家、通信魔術師。王宮で地味な裏方として冷遇されてきた俺は、ある日突然クビになった。俺にできるのは通信魔術だけ。攻撃魔術も格闘も何もできない。途方に暮れていた俺が出会ったのは、頭のネジがぶっ飛んだ魔導具職人の女。その時は知らなかったんだ。まさか俺の通信魔術が世界を変えるレベルのチート能力だったなんて。でも俺は超絶ブラックな労働環境ですっかり運動不足だし、生来の出不精かつ臆病者なので、冒険とか戦闘とか戦争とか、絶対に嫌なんだ。俺は何度もそう言ってるのに、新しく集まった仲間たちはいつも俺を危険なほうへ危険なほうへと連れて行こうとする。頼む。誰か助けてくれ。帰って酒飲んでのんびり寝たいんだ俺は。嫌だ嫌だって言ってんのに仲間たちにズルズル引っ張り回されて世界を変えていくこの俺の腰の引けた勇姿、とくとご覧あれ!

呪われた子と、家族に捨てられたけど、実は神様に祝福されてます。

光子
ファンタジー
前世、神様の手違いにより、事故で間違って死んでしまった私は、転生した次の世界で、イージーモードで過ごせるように、特別な力を神様に授けられ、生まれ変わった。 ーーー筈が、この世界で、呪われていると差別されている紅い瞳を宿して産まれてきてしまい、まさかの、呪われた子と、家族に虐められるまさかのハードモード人生に…! 8歳で遂に森に捨てられた私ーーキリアは、そこで、同じく、呪われた紅い瞳の魔法使いと出会う。 同じ境遇の紅い瞳の魔法使い達に出会い、優しく暖かな生活を送れるようになったキリアは、紅い瞳の偏見を少しでも良くしたいと思うようになる。 実は神様の祝福である紅の瞳を持って産まれ、更には、神様から特別な力をさずけられたキリアの物語。 恋愛カテゴリーからファンタジーに変更しました。混乱させてしまい、すみません。 自由にゆるーく書いていますので、暖かい目で読んで下さると嬉しいです。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断

Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。 23歳の公爵家当主ジークヴァルト。 年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。 ただの女友達だと彼は言う。 だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。 彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。 また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。 エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。 覆す事は出来ない。 溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。 そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。 二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。 これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。 エルネスティーネは限界だった。 一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。 初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。 だから愛する男の前で死を選ぶ。 永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。 矛盾した想いを抱え彼女は今――――。 長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。 センシティブな所へ触れるかもしれません。 これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。

処理中です...