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第二章 王都編 友達が出来たにゃ~

030 涙の再会のはずにゃ~

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 駆けつけた三人の帝国兵。
 一秒後には正確に脳天を撃たれて、倒れているが。

 まだ、駆けつけてくる帝国兵の足音がする。
 私は死体の束からナイフを奪い、その場を遁走した。

 とは言っても、戦略的撤退を施しただけ。
 私には、行くべきところがある。

 帝国軍兵駐屯地。
 そこに向かいながら私は、必要な食料などを、街を走り去りながら購入していく。

 そして着く。駐屯地に。
 そこで私は、建物裏から話を盗み聞きしていた。

「──────兵が、数人か撃ち殺されてるみたいだな」
「みたいだな。市民の謀反か何かだと思ったが……」
「が?なんかあんのか?」
「ああ。上からの報告で───犯人は、エクセルかも知れないって」
「ほーう。それは───面白そうだな」

 そこまで情報が回っているとは。
 見られないようにしたつもりなのだが。

 溜息を吐いた私は、近くを見回して馬車を発見した。
 荷馬車の様だ、事実好都合でもある。

 だが先程の帝国兵が邪魔である。
 ならば。

「……うおっ!?敵へ───」

 話し合っていた二人の喉を掻っ切り、馬車に向かって走り抜ける。
 近くに敵兵は居ない。

 この駐屯地も、かなり規模が小さいモノだ。
 帝国兵も、私の捜索の為に出払っていた。

 しかし巡回兵はいる。
 仕方ないので、私はプライドを捨てることにした。

 先程殺した帝国兵から軍服を盗み、着込む。
 フードを深く着込み。声音を変えて馬車を走らせる。

「どこへ行く?」
「───上からの伝令でな。物質補給をしに行くんだ」
「ほう」

 帝国兵が馬車の周りを見回す。
 そして頷いた。

「……確かに物質を運べと言われていたな。行っていいぞ」
「感謝する」

 道を開けた帝国兵に上っ面の感謝を述べつつ、私は駐屯地を抜ける。
 追手はない。

 購入した物質と積まれた物質もあり、関所などの危険を度外視すれば生活は安泰に。
 しかし……。

 街を抜け、木で囲まれた道の中で、私は馬車を止めた。
 少し、気がかりなことがあったからだ。

「地方の比較的小さい駐屯地から、これ程までの武器が運ばれるとは……」

 積荷だ。
 そこには、数十艇にも登る銃器の数々が、乗せられていた。

 何故ここまでの銃を必要とするのか。
 確かにここには銃器生産工場もあったと見受けるが……。

 一度に要求する量を大幅に度外視している。
 本土は、何故そこまでの銃器を必要とするのか。

 ……とにかく、この銃器を望み通り与えるわけには行かない。
 少しそこから銃器と新品の帝国軍軍服を拝借して、森の中に埋まって貰うとしよう。

 壊す必要はない。
 ここに帝国軍兵は来ない。

 いるかもしれないレジスタンスなどが拾ってくれたら万々歳だと。
 私は馬車から馬を取り外し、騎乗して帝国本土に向かうことにした。

 そして見える関所。
 溜息を吐いてしまうが……強行突破で、行こう。

 回避する術はない。
 帝国領地は隅々まで壁に囲まれているから。

「えいやッ!!」

 掛け声を上げ、馬に鞭を打つ。
 腰を上げて銃を構え、そして撃つ。

 命中。
 撃つ。
 命中。
 撃つ。
 命中。

 兵が狙撃に困惑する様子が見える。
 そうか、君たちはまだ経験していないのだな。

 甘い。
 そんな防衛だと、すぐに敵の突破を許してしまうぞ。

「敵兵ッ───!!!」
「だが軍服を着ているぞ!!」
「撃って来てるのが見えんのか!?アレは敵だ!!」
「分かりまし───」

 戦場で躊躇する者はすぐに死んでいく。
 七人目だ。これなら問題なく突破出来る。

「ジルド!!……ッ殺す!!!!」

 将校と見られる男が銃を向ける。
 しかし遅すぎる。
 私は横を過ぎ去ると同時に、男の首を掻っ切った。

「が───」

 跳ね飛ぶ敵兵の首。
 関所は陥落した。全ての駐屯兵は死体となったのだ。

 それを背に、私は淡々と走り去っていった。
 帝国への復讐が、実り始めていくのを感じる。

 気づけば私は、それに口角を上げていた。
 不気味だと笑うか?───いや、最初からこうだったわけではない。

 全ては。


 ──────帝国が、私をここまで変えたのだ!!







明日は三本投稿しますね。
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