83 / 147
第3.5章 小話3
各国壁ドン事情 橙の国編
しおりを挟む
リアンジュナイルで武勇に名高い国と言えば、軍神とも称される赤の王が治める赤の国だが、実は橙の国も負けず劣らず戦士の多い国である。
そんな橙の国では、男女ともに己の力を磨くことに余念がなく、それ故に筋肉質でがっしりとした身体つきの民が多い。お陰で薄紅の王からは美しくないだの野蛮人だのと散々に言われているが、それは横に置いておこう。
そんな野蛮人の筆頭である橙の王は、今日も今日とて自国の兵たちと訓練に臨んでいた。と言っても、訓練しているのは兵たちで、王はもっぱら兵に対して稽古をつけてやる側である。
彼らの訓練はとにかく豪快で、ところかまわず破壊し尽くしてしまうのが特徴だ。そんなことだから、訓練場らしい訓練場を建設してもすぐに駄目にしてしまうため、もっぱら王宮近くにある荒野を訓練場代わりにしている。ちなみにこの荒野は、初代の橙の王が訓練場所にと地霊魔法で地形を変形させて作ったものらしい。どうやら、破壊癖は先祖代々から続くお家芸のようだ。
そんな訓練場にて、複数掛かりで向かってくる兵たちを蹴散らし薙ぎ倒し雄叫びを上げていた王は、一区切りついたところで、全体に向かって休憩の号令を掛けた。それに従った兵たちが、その場にどさりと腰を下ろす。王は未だに元気が有り余っているようだったが、兵の方は大分限界が来ていたようだ。
そんな束の間の休憩中、一人の若い兵が、王の傍に歩み寄った。
「そういや陛下、壁ドンって知ってますか?」
王に対して随分と気さくな話し方だが、橙の国はそのあたりも豪快というか大雑把なので、咎める者は誰もいない。
「ん? 壁ドン? なんだぁそりゃ」
「なんか今、リアンジュナイル中で流行ってるらしいんですよ」
若い兵がそう言えば、近くにいた別の兵たちからも声が上がる。
「俺も聞いたことあるぞそれ」
「私もあるな。確か、流行の本に書いてあるんだったか?」
「あー、うちの女房がその本読んでたような気がするな」
口々に話す兵たちを見てから、王が若い兵に視線を戻す。
「それで、その壁ドンとやらは一体なんなんだ?」
問われた若い兵は、いやぁそれが、と笑った。
「彼女から聞いただけで、よく知らないんですよねー。その彼女も、なんか知り合いの女の子から聞いたってだけで、あんま詳しくは知らないみたいで。ただ、めちゃくちゃ良いものらしいですよ?」
そう言った若い兵に続いて、他の兵たちもあーだこーだと言い始めた。
「私は……、なんだっけかな。ああ、気分上がるだかテンション上がるだかって聞いたな」
「よく判んねーけど、なんかとにかく凄いんだよな」
「そうそう。凄くてやばくてうひょーって感じなんだってな」
わいわいと話しているうちに、なんだなんだと他の兵まで集まってくる。そうして大所帯になったのは良いが、それでもなお壁ドンの正体を知る者は現れず、ただふわふわとした情報だけが飛び交うせいで、より一層混迷を極めるだけだった。
だが、それも仕方がないことだ。なにせここに居るのは、読書に割く時間があれば全てを鍛錬に費やすような鍛錬馬鹿ばかりである。故に、どいつもこいつも右から左に流した他人の話しか情報源がないのだ。
そんな状態なので、結局のところ壁ドンとはなんぞや、と大勢で首を傾げることになる。
朧気ながら判ったことがあるとすれば、なんだか良いものらしい、気分が上がるらしい、とにかく凄いらしい、憧れる人が多いらしい、といった、大変曖昧な情報ばかりだ。
だがそんな僅かな情報を繋ぎ合わせて、偉大なる橙の王はひとつの答えを見出した。
「よぅし! 判ったぞお前ら!」
突然そう叫んだ橙の王に、全員の視線が集中する。
「えっ!? この情報だけで!?」
「マジですか!?」
「いやいや流石の陛下でもそれは難しいっしょ!」
好き勝手に詰め寄ってくる兵たちに対し、王はすっくと立ち上がった。
「いいや、確かに儂は判ったぞ! 今ここで、お前たちに見せてやろう!」
自信満々に仁王立ちする王には、流石の威風があり、兵たちは思わず黙り込んでしまう。いや、威圧された訳ではない。もっと単純に、俺たちの王陛下カッケェ……と感動しただけである。
そんな兵たちが固唾を呑んで見守る中、橙の王はばっと片手を天に向かって振り上げ、大声で叫んだ。
「行くぞォオオオッ、地霊ィイイイイッ!!」
王の叫びを受け、凄まじい地響きと共に大地が揺れた。鍛え抜かれた兵たちが思わずよろけるほどの揺れの中、微動だにせず大地を踏みしめてる王は、流石と言うべきか。
そして次の瞬間、王の足元の地面が、ドォォォォンという地鳴りを響かせて隆起した。
それはもう目を瞠るほどの勢いで天高く大地が伸び上がっていき、その大地の上に立っている王の姿が、あっという間に豆粒のようになる。こうして生まれた土の壁は、壁と言うにはあまりにも分厚く、高く、範囲もやたらと広いので、最早ものすごく高い台地が生成されたと言っても過言ではなかった。
兵たちが呆気に取られるなか、遥けき高みより下を見下ろした王が、ぐっと拳を突き上げた。
「どうだぁお前たち! 儂の壁ドンに勝るものはおらんだろう!!」
わっはっは、と、物理的な距離をものともしない声量で、王が豪快に笑う。そんな自国の王を見て少しの間呆けていた兵たちは、はっとするや否や、ふるふると肩を震わせた。
そして、
「す、すっげぇええええ!! 流石はライオテッド王!! 超すっげぇ!!!!」
「やべぇ!! マジではんぱねぇ!!」
「かっけぇええ!!」
「うぉおおお!! 陛下ァ!! 最ッ高ですぅうう!!」
「陛下ああああああっ!!」
「ばんざい!! ばんざい!!」
「ライオテッド王!! ばんざーい!!!」
その場の兵と言う兵が全員立ち上がり、拳を突き上げ、偉大なる王へと惜しみない歓声を飛ばす。なにせ一人当たりの体積が大きい上、筋肉と筋肉とそして筋肉という状況では発生する熱量も大変多いので、なんというか、むさ苦しい光景である。
だが、そんな光景を非常に好ましいと感じる王は、浴びる歓声の嵐に一際大きな笑い声を上げ、天高らかに吠えてみせた。
「わっははははははは!! これが儂の壁ドンだああああああッ!!!」
橙の王が隆起させたこの壁もどきは壁ドンとして民に広く親しまれることになるのだが、咎める者が誰もいないどころか、こぞって真似をし始める、という国家の現状を憂いた橙の王獣が、後日こっそりと元の地形に戻したそうである。
そんな橙の国では、男女ともに己の力を磨くことに余念がなく、それ故に筋肉質でがっしりとした身体つきの民が多い。お陰で薄紅の王からは美しくないだの野蛮人だのと散々に言われているが、それは横に置いておこう。
そんな野蛮人の筆頭である橙の王は、今日も今日とて自国の兵たちと訓練に臨んでいた。と言っても、訓練しているのは兵たちで、王はもっぱら兵に対して稽古をつけてやる側である。
彼らの訓練はとにかく豪快で、ところかまわず破壊し尽くしてしまうのが特徴だ。そんなことだから、訓練場らしい訓練場を建設してもすぐに駄目にしてしまうため、もっぱら王宮近くにある荒野を訓練場代わりにしている。ちなみにこの荒野は、初代の橙の王が訓練場所にと地霊魔法で地形を変形させて作ったものらしい。どうやら、破壊癖は先祖代々から続くお家芸のようだ。
そんな訓練場にて、複数掛かりで向かってくる兵たちを蹴散らし薙ぎ倒し雄叫びを上げていた王は、一区切りついたところで、全体に向かって休憩の号令を掛けた。それに従った兵たちが、その場にどさりと腰を下ろす。王は未だに元気が有り余っているようだったが、兵の方は大分限界が来ていたようだ。
そんな束の間の休憩中、一人の若い兵が、王の傍に歩み寄った。
「そういや陛下、壁ドンって知ってますか?」
王に対して随分と気さくな話し方だが、橙の国はそのあたりも豪快というか大雑把なので、咎める者は誰もいない。
「ん? 壁ドン? なんだぁそりゃ」
「なんか今、リアンジュナイル中で流行ってるらしいんですよ」
若い兵がそう言えば、近くにいた別の兵たちからも声が上がる。
「俺も聞いたことあるぞそれ」
「私もあるな。確か、流行の本に書いてあるんだったか?」
「あー、うちの女房がその本読んでたような気がするな」
口々に話す兵たちを見てから、王が若い兵に視線を戻す。
「それで、その壁ドンとやらは一体なんなんだ?」
問われた若い兵は、いやぁそれが、と笑った。
「彼女から聞いただけで、よく知らないんですよねー。その彼女も、なんか知り合いの女の子から聞いたってだけで、あんま詳しくは知らないみたいで。ただ、めちゃくちゃ良いものらしいですよ?」
そう言った若い兵に続いて、他の兵たちもあーだこーだと言い始めた。
「私は……、なんだっけかな。ああ、気分上がるだかテンション上がるだかって聞いたな」
「よく判んねーけど、なんかとにかく凄いんだよな」
「そうそう。凄くてやばくてうひょーって感じなんだってな」
わいわいと話しているうちに、なんだなんだと他の兵まで集まってくる。そうして大所帯になったのは良いが、それでもなお壁ドンの正体を知る者は現れず、ただふわふわとした情報だけが飛び交うせいで、より一層混迷を極めるだけだった。
だが、それも仕方がないことだ。なにせここに居るのは、読書に割く時間があれば全てを鍛錬に費やすような鍛錬馬鹿ばかりである。故に、どいつもこいつも右から左に流した他人の話しか情報源がないのだ。
そんな状態なので、結局のところ壁ドンとはなんぞや、と大勢で首を傾げることになる。
朧気ながら判ったことがあるとすれば、なんだか良いものらしい、気分が上がるらしい、とにかく凄いらしい、憧れる人が多いらしい、といった、大変曖昧な情報ばかりだ。
だがそんな僅かな情報を繋ぎ合わせて、偉大なる橙の王はひとつの答えを見出した。
「よぅし! 判ったぞお前ら!」
突然そう叫んだ橙の王に、全員の視線が集中する。
「えっ!? この情報だけで!?」
「マジですか!?」
「いやいや流石の陛下でもそれは難しいっしょ!」
好き勝手に詰め寄ってくる兵たちに対し、王はすっくと立ち上がった。
「いいや、確かに儂は判ったぞ! 今ここで、お前たちに見せてやろう!」
自信満々に仁王立ちする王には、流石の威風があり、兵たちは思わず黙り込んでしまう。いや、威圧された訳ではない。もっと単純に、俺たちの王陛下カッケェ……と感動しただけである。
そんな兵たちが固唾を呑んで見守る中、橙の王はばっと片手を天に向かって振り上げ、大声で叫んだ。
「行くぞォオオオッ、地霊ィイイイイッ!!」
王の叫びを受け、凄まじい地響きと共に大地が揺れた。鍛え抜かれた兵たちが思わずよろけるほどの揺れの中、微動だにせず大地を踏みしめてる王は、流石と言うべきか。
そして次の瞬間、王の足元の地面が、ドォォォォンという地鳴りを響かせて隆起した。
それはもう目を瞠るほどの勢いで天高く大地が伸び上がっていき、その大地の上に立っている王の姿が、あっという間に豆粒のようになる。こうして生まれた土の壁は、壁と言うにはあまりにも分厚く、高く、範囲もやたらと広いので、最早ものすごく高い台地が生成されたと言っても過言ではなかった。
兵たちが呆気に取られるなか、遥けき高みより下を見下ろした王が、ぐっと拳を突き上げた。
「どうだぁお前たち! 儂の壁ドンに勝るものはおらんだろう!!」
わっはっは、と、物理的な距離をものともしない声量で、王が豪快に笑う。そんな自国の王を見て少しの間呆けていた兵たちは、はっとするや否や、ふるふると肩を震わせた。
そして、
「す、すっげぇええええ!! 流石はライオテッド王!! 超すっげぇ!!!!」
「やべぇ!! マジではんぱねぇ!!」
「かっけぇええ!!」
「うぉおおお!! 陛下ァ!! 最ッ高ですぅうう!!」
「陛下ああああああっ!!」
「ばんざい!! ばんざい!!」
「ライオテッド王!! ばんざーい!!!」
その場の兵と言う兵が全員立ち上がり、拳を突き上げ、偉大なる王へと惜しみない歓声を飛ばす。なにせ一人当たりの体積が大きい上、筋肉と筋肉とそして筋肉という状況では発生する熱量も大変多いので、なんというか、むさ苦しい光景である。
だが、そんな光景を非常に好ましいと感じる王は、浴びる歓声の嵐に一際大きな笑い声を上げ、天高らかに吠えてみせた。
「わっははははははは!! これが儂の壁ドンだああああああッ!!!」
橙の王が隆起させたこの壁もどきは壁ドンとして民に広く親しまれることになるのだが、咎める者が誰もいないどころか、こぞって真似をし始める、という国家の現状を憂いた橙の王獣が、後日こっそりと元の地形に戻したそうである。
0
お気に入りに追加
443
あなたにおすすめの小説
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
傷だらけの僕は空をみる
猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。
生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。
諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。
身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。
ハッピーエンドです。
若干の胸くそが出てきます。
ちょっと痛い表現出てくるかもです。
なんか金髪超絶美形の御曹司を抱くことになったんだが
なずとず
BL
タイトル通りの軽いノリの話です
酔った勢いで知らないハーフと将来を約束してしまった勇気君視点のお話になります
攻
井之上 勇気
まだまだ若手のサラリーマン
元ヤンの過去を隠しているが、酒が入ると本性が出てしまうらしい
でも翌朝には完全に記憶がない
受
牧野・ハロルド・エリス
天才・イケメン・天然ボケなカタコトハーフの御曹司
金髪ロング、勇気より背が高い
勇気にベタ惚れの仔犬ちゃん
ユウキにオヨメサンにしてもらいたい
同作者作品の「一夜の関係」の登場人物も絡んできます
はじまりの恋
葉月めいこ
BL
生徒×教師/僕らの出逢いはきっと必然だった。
あの日くれた好きという言葉
それがすべてのはじまりだった
好きになるのに理由も時間もいらない
僕たちのはじまりとそれから
高校教師の西岡佐樹は
生徒の藤堂優哉に告白をされる。
突然のことに驚き戸惑う佐樹だが
藤堂の真っ直ぐな想いに
少しずつ心を動かされていく。
どうしてこんなに
彼のことが気になるのだろう。
いままでになかった想いが胸に広がる。
これは二人の出会いと日常
それからを描く純愛ストーリー
優しさばかりではない、切なく苦しい困難がたくさん待ち受けています。
二人は二人の選んだ道を信じて前に進んでいく。
※作中にて視点変更されるシーンが多々あります。
※素敵な表紙、挿絵イラストは朔羽ゆきさんに描いていただきました。
※挿絵「想い03」「邂逅10」「邂逅12」「夏日13」「夏日48」「別離01」「別離34」「始まり06」
異世界転移で、俺と僕とのほっこり溺愛スローライフ~間に挟まる・もふもふ神の言うこと聞いて珍道中~
戸森鈴子 tomori rinco
BL
主人公のアユムは料理や家事が好きな、地味な平凡男子だ。
そんな彼が突然、半年前に異世界に転移した。
そこで出逢った美青年エイシオに助けられ、同居生活をしている。
あまりにモテすぎ、トラブルばかりで、人間不信になっていたエイシオ。
自分に自信が全く無くて、自己肯定感の低いアユム。
エイシオは優しいアユムの料理や家事に癒やされ、アユムもエイシオの包容力で癒やされる。
お互いがかけがえのない存在になっていくが……ある日、エイシオが怪我をして!?
無自覚両片思いのほっこりBL。
前半~当て馬女の出現
後半~もふもふ神を連れたおもしろ珍道中とエイシオの実家話
予想できないクスッと笑える、ほっこりBLです。
サンドイッチ、じゃがいも、トマト、コーヒーなんでもでてきますので許せる方のみお読みください。
アユム視点、エイシオ視点と、交互に視点が変わります。
完結保証!
このお話は、小説家になろう様、エブリスタ様でも掲載中です。
※表紙絵はミドリ/緑虫様(@cklEIJx82utuuqd)からのいただきものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる