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第3章 虚ろの淵より来たるもの

共鳴

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 ゆっくりと意識が浮上する。ふわふわと揺蕩うような心地の中で、珍しく良い夢を見ていたことを認識した。
 緩やかな覚醒に至った時点で夢の内容は霧散していたが、その残滓はあたたかなものだった。
 普段見るような幼少期の悪夢ではなく、ただただ優しいだけの夢だ。少年の夢にしては不思議なくらい穏やかなそれは心地が良く、彼はその残滓にしがみつきたいような気持ちになったが、それに反し、敢え無く少年の意識ははっきりとしてきた。
「……っ、」
 目を開けたその先にあったものに、少年はがちりと全身の動きを止めた。悲鳴を上げなかったのは、単に驚きすぎて声が出なかっただけである。
(…………へー、か……)
 たっぷりの間を置いてから、少年はようやく眼前のものを認識した。それから更に一拍置いて、はっと焦った少年だったが、すぐに自身の視界が半分しか開けていないことに気づいて、身体の力を抜く。
 少しだけ落ち着きを取り戻した少年は、どうやら自分は赤の王に抱き締められて眠っていたらしい、ということを把握する。視線だけで周囲を探れば、ここが少年に与えられている黄の王宮の一室であることが判った。
 デイガーを退け、謎の空間からいつの間にやら脱出していた少年は、その後間もなく意識を飛ばしてしまったのだ。きっと緊張の糸が切れたことで、諸々の心労が押し寄せてきたのだろう。そして、それから誰かが部屋に運び込んでくれたようだった。
 まあ、そこまではいい。一応客人の立場である少年を、まさか外に転がしておくわけにもいかないだろうから。だが、
(……なんで、この人まで一緒に……)
 仮にも王を、庶民である自分と同じ部屋どころか同じベッドに突っ込んでおいて良いのだろうか。いや、もしかすると、急なことで部屋の用意ができなかったのかもしれない。“アグルム”が使っていた部屋が隣にある筈だが、あれは兵士の部屋だから、王を寝かせるわけにはいかなかった、のではないだろうか。
 そんなことを考えた少年だったが、実際のところは、まあ恋人同士なんだから同じ部屋に放り込んでおいても問題ないだろう、掃除の手間も省けるし、と考えた黄の王の指示によるものである。勿論そんなことを知る由もない少年は、それなら自分を床に転がしておいてくれて良かったのに、などと思った。
 そんなどうでも良いことを考えていたせいか、すっかり落ち着いた少年は、なんとなく赤の王の顔に目を向けた。他に見るところがないのだ。
(……寝顔、見るの初めてだな)
 別に望んでのことではないが、成り行きで王と寝所を共にした経験は何度かある。だがそのいずれも、少年が目覚めたときには既に王も起きていて、慈しむような目をして少年のことを見つめているのだった。寝入るのもいつも少年の方が先なので、これまで王の寝顔を見る機会は一度もなかった。
 瞼を下ろしているため、当然ながらその特徴的な金の瞳は隠されている。これなら、少年が真正面から王の顔を見ても動揺することはない。
 安らか、というよりも、なんというか人形然とした表情だった。眉間にしわが寄っているだとか、苦しそうな表情を浮かべているだとか、そういうことはないのだが、安らいでいるようにも見えない。ただ目を閉じている、という表現が一番近いだろうか。こんなに近くにいるのに、寝息の一つすら聞こえてこないから、そう感じるのかもしれない。余りの静けさに、一瞬、本当に生きているのだろかと疑ってしまったほどだ。
 だが、落ち着いてみれば、呼吸に合わせて小さく胸が動いているのを感じるし、そもそも死体ではありえないくらい、触れ合う身体は温かい。だから、死んでいるだなんてことは有り得ないのだが、それでも本当に僅か一瞬だけ、少年は胸が冷えるのを感じた。
(疲れてるん、だろう、な……)
 そういえば黄の王が、赤の王が意識を飛ばすところなど初めて見た、と言っていたような気がする。少年も何となく、この王が気絶するというのは想像し難いものがあった。そんな想像し難いような事態に陥ってしまうほど、少年よりも目覚めが遅くなってしまうほどに、赤の王は尽力してくれたのだ。
 己の国のため。この大陸のため。
 ……それからもしかすると、少しは、少年のために。
 また迷惑をかけてしまったと思うと、暗澹たる気持ちになる。エインストラの血、という特殊な血脈を引いていたところで、少年自身は何もできず、ただ守ってもらうしかない。自身の身を守ることなど求められておらず、期待されていないことは承知の上だが、それでも己のせいで多くに負担をかけていると思うと、つのる罪悪感を止めることはできなかった。
 抱き締める腕の緩さを良いことに、少年はそろっと手を持ち上げる。今までなら、この腕はもっとしっかりと少年を抱き締めていた。少年が離れることを拒むように、やんわりと逃げ道を塞いでいた。けれど、今日に限っては、その腕も半ば投げ出すように力ない。それに気づいて、少年は少しだけ息の塞ぐ心地がした。
 持ち上げた手で、そっと王の頬に触れる。人形じみた表情だが、触れた先は温かく、当たり前だが肉は柔らかい。離した指先を、次いで目元に触れさせる。まなじりを数度撫でながら、健康的に日に焼けた肌に隈の影が見受けられないことを確認して、ほっと息をついた。
(……綺麗なひとだ)
 思わず、といった風に、心の中でそう呟いた。
 今までも散々に美しいと思ってきた男だが、どうしてか、今までよりも更に美しくなったように見える。あの炎の瞳が見えている訳でもないのに、なんとなくきらきらした輝きが見えるような、見えないような。
 何故、なのだろう。特段、王に変わった様子は見られない。だがそれでも、少年の目に映るその姿は、これまでとは違って見えるのだ。
(……アグルムさんになっていた影響、とか……?)
 不可思議な現象に対する答えを求め、少年は思考の海に沈みこむ。
 こうして一つのことに集中すると周りが見えなくなるのが少年の悪い癖なのだが、それ故に、少年は自身の手がぎゅっと掴まれるまで、見えていたはずの変化に一切気づくことができなかった。
 はっとした少年の目の前に、柔らかく細められた世にも美しい炎が二つ揺れている。
「――……、ッ!?」
 一瞬忘我したのもつかの間、赤の王の瞳なのだと認識が追いついたとたん、少年は反射的にそこから目を逸らした。
 いつの間にやら、王が目を覚ましていたのである。
「おはよう、キョウヤ」
「え、あ、ぁ……」
 しどろもどろになって言葉が続かない少年に、王が小さく首を傾げた。
「どうした? そんなにこの顔が気に入ったのならば、ずっと見ていてくれても構わんぞ?」
 素っ頓狂なことを言い出した王に、ようやく少年が言葉を吐き出す。
「あ、いや、えっと……貴方、いつの間に、起きて、」
 取り敢えず王の発言は無視して目下の疑問を口にすれば、王はにこにこと機嫌の良さそうな表情を浮かべた。
「つい先ほどだ。お前の方から私に触れることなど滅多にないだろう? そんなときに寝てばかりいては勿体ないではないか」
 つまりこれは、少年が触れたせいで目が覚めてしまった、ということだ。
 ざっと顔から血の気を引かせた少年は、王の胸元辺りを見つめながら謝罪した。疲れ果てているだろうに、なんてことをしてしまったのか。
 自身の余りの浅慮さに落ち込む少年を見て、ゆるりと微笑んだ王は、小さな額にそっと口づけを落とした。
(ひえっ)
 何度されても慣れない感覚に、少年が胸の内で悲鳴を上げる。そんな彼の反応に、やはり盛大に何かを勘違いしたらしい王は、微笑んだまま口を開いた。
「何も気にすることはないぞ、キョウヤ。お前から私に触れてくるのは、私にとってはこの上なく喜ばしいことなのだから」
 だからもっと触れてくれ、などと言いつつ少年をしっかりと抱き締めた王は、彼の顔に繰り返しキスを落とし始めた。
(…………あつい)
 密着度が増したからか、暖かいというよりも、少し暑いくらいである。
 少年は寒暖差に鈍いからか、多少の暑い寒いは気にならないし、あまり汗をかくこともない。だが、今は心なしか顔が熱を持って、首の後ろ辺りにじんわりと汗が滲んできているような気がした。
(……こんなに暑くなるものだっけ……?)
 そんなことを思いつつ、ならば目の前の身体から逃れればいいだけだ、と考えはしたのだが、困ったことにこの王は、はいそうですかとすんなり離れてくれる相手ではない。経験上、あの手この手でくっつき続けるはずだ。
 それに、起こしてしまったのは自分である、という負い目もある。疲れている相手を起こしてしまった以上、ある程度我侭に付き合うのが筋なような気もした。
 というか、そもそも、
(……そういう、感じじゃ、ない……)
 そうなのだ。何故か、そんなに離れたいという気持ちが湧いてこないのだ。いつだかに覚えた、胸の底を冷やすような不可思議な感覚はなんとなくあるし、それ以上に、なんだか尻の座りが悪いような、むず痒いような、如何ともしがたい感覚もあるのだが。
(何だろう。……なんか、変な感じがする)
 王の行動を厭わしいと感じなくなったのは、恐らく、自分が彼に好意を抱いているからなのだろう。だが、それではこの落ち着かない感じは、一体なんなのだろうか。
「キョウヤ?」
 少年の様子がおかしいことに気づいたらしい王が、再び首を傾げて彼を見る。
「っぁ、いや、ええと」
 うまい言葉が見つからなくて言いよどむ少年を見て、王は少し申し訳なさそうな顔をした。
「ああ、すまない。まだ疲れが抜けきっていないだろうに、そう長く会話を強いるものではなかったな」
「え、ええと、……あの、そんなに疲れてはいない、し、……そもそも、別に貴方が謝るようなことは、何もないと思うんだけど……」
 確かに謎の倦怠感はあるが、会話ができないほどに疲れている訳ではない。本当に、ただ丁度良い返事の言葉が見つからなかっただけだ。それに、たとえそれが疲労によるものだったとしても、王は何も悪くないのだから、謝罪を受ける謂れはない。
 ところが王は、小さく首を横に振って少年の言葉を否定した。
「あの時も言ったが、私は肝心なときに遅刻をしてばかりだ。そのせいで、お前に掛けなくても良い心労を掛けてしまっている。……たった一人も守れないような、不甲斐ない王ですまない」
 そう言った王の表情に、少年は思わず口を開いていた。
「そ、そんなこと、ない……!」
 少年にしては珍しく大きな声だ。自分で自分の声の大きさに驚いてしまった少年だったが、ここで言葉を止める訳にはいかないと、何故だか強く思った。
「あなた、が、不甲斐ない王だなんて、」
 こんなにも王である人など、きっと存在しない。円卓の王は総じて優れた王なのだろうけれど、少年からすれば、赤の王こそがその最たるものだった。
 どうしてなのだろう。どうして、こんなにもこの王が最良の王であると強く思うのだろう。少年は赤の王のことをそこまで詳しくは知らないし、他の王のことなどもっと知らない。それでも、この人が不甲斐ない王ならば、この世に真の王はいないとさえ思った。
(……あ、)
 己を無機質な存在だとする王の表情に、僅かに見えた翳り。それはきっと真実だ。少年の前でだけ現れる、王の心の欠片だ。
(そうか……)
 ふと降りてきたひとつの答えに、少年はぱちりと瞬きをした。
 きっと、それだけがこの人の唯一の意志なのだ。だからこそ、少年は彼を最良の王であると信じるのだ。
 何も知らないくせに、思い至ったこの考えが真実であると、どうしてか確信できた。だからこそ、少年の唇が開かれる。
「…………こわい、の……?」
 ぽとりと落ちた音は、言おうと思っていた言葉ではなかった。けれど、きっと何よりも正しい言葉だったのだろう。
 少年の唇から零れたその声に、王が僅かに目を瞠る。そして彼は、誰も、少年さえも見たことのない表情で笑った。
「……ああ、怖いな」
 素直に紡がれた声は、常と変らない柔らかな音だ。そんなことにさえ、少年の胸が締め付けられる。
「お前はすごいな、キョウヤ。言われて初めて気づいたぞ。私はずっと、怖かったのだな」
 まるで新しい玩具を与えられた子供のように、王が邪気のない顔で笑う。
 どうすれば良いだろうか。どうすれば、彼をその恐怖からすくってあげられるのだろうか。
 少年の足りない頭では、その答えを出すことができない。けれど、王の恐怖は少年のそれととても似ている。だからこそ、その恐怖に晒されてもなんでもないことのように笑う彼を、このままにしておくのは嫌だった。だってその苦しみを、少年は嫌と言うほど知っているのだ。
「……あの、ね、」
 果たして、少年の言葉にはどれほどの価値があるのだろう。もしかすると、ただの音の羅列にしかならないかもしれない。けれど、あのとき言えなかったことを言うべき時があるのだとしたら、それはきっと、今この瞬間だ。
 そっと伸ばされた少年の手が、王の指先に触れる。自分よりもずっと大きなその手を包んで、少年は王の瞳を見た。

「王様じゃなくったって、あなたは綺麗だよ」

 瞬間、少年の目の前で炎が弾けた。
 驚いた少年が見つめる先で、信じられないものを見るような目をした王の瞳が揺れている。激しく燃える炎のようにその髪が輝き、毛先から色を変えていく。まるでタガが外れたかのような勢いで変化するその色彩に、少年は思わず王の手を強く握った。何故だかは判らないが、そうしなければいけない気がしたのだ。
 普段であればとうに我を忘れて見惚れていただろう少年は、その謎の義務感だけで己を保っていた。
「あ、あの、あなた、お、落ち着いて」
 何が落ち着けなんだかは判らなかったが、そう言うのが一番正しいような気がしたので、やはり訳が判らないまま取り敢えず言葉を発する。一方の王は、子供のような顔をしてぱちぱちと瞬きをし、不思議なものを見る目を少年に向けていた。
「ね、落ち着いて、ええっと、そう、深呼吸、して、みる……?」
 言われ、王は素直に大きく息を吸って、そして吐き出した。そうすると少しだけ王の輝きが鈍った気がしたので、少年は引き続き深呼吸を勧める。何度かそんなことを続けると、ようやく王の身体から溢れていた輝きが消えたので、少年はほっと息をついた。
 あの光はそれはそれは美しいものだったけれど、なんとなくあのままではいけない気がしたのだ。
「良かった。戻った、ね」
 なんだったんだろうね、と問いかけてみたが、答えはない。もしかすると、王には自覚がないのかもしれない、と少年は思った。
 そんな少年の頬に、王の手が伸ばされる。そのまま頬を包み込んだ掌に少年が動揺していると、そこでようやく王が口を開いた。だが、そこから言葉が発されることはなく、何度か開いては閉じてを繰り返したあと、結局彼は押し黙ってしまった。
 珍しいを通り越して初めて見るその様子に少年は驚いたが、同時に身体の奥底がむずむずするような不思議な気持ちになった。
 なんだかいたたまれなくなった少年がそっと視線を落としたが、それでも王は何も言わない。何も言わずに、ただ少年を抱き締めた。こんなにも強く抱き締められるのは初めてだったので、少年はまた少しだけ驚いてしまった。
 そして、ただただ自分を抱き締めて離さない腕に、あつい、と胸中だけで呟く。とてもあつい。耐えられないほどに。けれど、不思議と心地は悪くなかった。
 大きな身体に、そっと頬を摺り寄せる。手の自由が効けば良かったのだが、王の腕がそれを許さなかったのだ。
 そんなことをしながら、少年は目を閉じてゆっくりと全身の力を抜いていった。まだ、疲労が抜けきっていないのだろう。目覚めたときに感じていた気怠さは色濃く残っている。そこにこの体温を与えられてしまうと、気を抜いた心が一気に睡眠を求めるのも仕方がないことだった。
 この王と出逢うまでは、他人の温もりなど忌避すべきものでしかなかったというのに、よくもまあここまで変わったものだ、などとひとりごちながら、少年は少しだけ笑った。今ならば、さっきの夢の続きが見られそうだ。
 優しい微睡に沈んでいく意識の中で、そして少年は願う。
 どうかこの人にも、同じ夢が訪れますように、と。
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