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令嬢と攻略作戦 2
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「……それにしても、貴方たちがそんなに親しい間柄だなんて知らなかったわ。てっきりただの上司と部下だと思っていたのだけれど、一体どういう関係なの?」
そう問うてきた彼女に対し、アトルッセはあからさまに嫌そうな顔をしてそっぽを向いたが、そんな彼の脇腹をゴッと殴ったノイゼが、小さく上がった呻き声を無視してアルマニアに微笑んだ。
「彼とは幼馴染なのです。賢人や魔法師団の一員という立場になる前は、対等に話をしたり喧嘩をしたりするような関係でした。立場が変わってからは、主にアトルッセが私との距離を置いてしまったせいで、少々疎遠にはなっていましたがね」
言葉の端々に嫌味を乗せて言われたそれに、アトルッセは僅かに顔を顰めたが、抗議の声を上げたりはしなかった。おおよそ、ノイゼの言葉が正しいということなのだろう。
「幼馴染で揃って国の中枢を担うことになったの? それはまた、すごい縁ね」
「ああ、いえ、偶然こうなったというよりは、私が賢人になったのを受けてアトルッセは魔法師団に入ることを決めた、というのが正しいです。アトルッセは元々優れた空間魔法の使い手でしたが、魔法師団には興味がなかったようで、本来はもっと別の側面から国を支えるつもりだったそうで」
それが、十六のときにノイゼが幻夢の賢人として召し上げられたのを機に、彼を追う形で魔法師団の入団試験を受けたらしい。そして、生真面目な性質も相まってか、入団したからにはと日々研鑽を積み続けた彼は、魔法に加えて武術にも優れた人物となり、三十という若さで魔法師団の団長にまで昇りつめたそうだ。
年齢に関わらず実力がある者が上に立つ、というのは、帝国や王国ではなかなか有り得ない、魔法国家特有のものだ。そういう意味では、アトルッセのようなタイプの人間は、この国に生まれて正解だったのだろう。
それにしても、元々魔法師団に興味がなかったというアトルッセが、ノイゼが賢人になったことでその道に進もうと決めたというのだから、二人の関係性をろくに知らないアルマニアでも、彼らの間にある絆の深さを窺うことができた。
そしてそれ故に、彼女はノイゼを見る目をすっと細めた。
「……ノイゼ、貴方の進言には、私情が含まれていたのかしら?」
王位簒奪に役立つ人材だから救えと言ったのではなく、大切な人間だから救って欲しいと言ったのかと、そんな意が込められた言葉に、ノイゼは一度だけ瞬きをしたあとで、いいえと首を横に振った。
「誓って、この件に私情を挟むような真似はしていません。民の未来がかかった問題に個人的な感情を持ち込むほど、落ちぶれてはいないつもりですので。…………しかし、彼の無事を確認して、個人的な安堵の気持ちを抱いたことは事実です。それを思うと、私はまだまだ公人にはなりきれていないのでしょうね」
恥じ入るように言ったノイゼに、アルマニアが僅かな沈黙のあとで口を開いた。
「別に、思うくらいは良いのではないかしら。公人だって所詮は人間なのだから、個人的な感情の一切を消し去ることなんてできないわ。人によっては、個としての己と公としての己はきちんと切り分け、僅かも混じってはいけないと考える人もいるのでしょうけれど、そこまでいくと、それこそ個人の主義の問題だと思うの。すべきことをできているのであれば、心の内で何をどう思おうと、それは個の権利だわ。……まあ、これも私の個人的な主義なのだけれど」
彼女らしくない、少々回りくどく曖昧な言葉選びを以って発されたそれに、ノイゼは僅かな驚きを滲ませる表情を浮かべ、アトルッセはなんとも言えないような顔をした。
それからノイゼは、アルマニアに向かってどこか子供を慈しむのにも似た微笑みを浮かべた。
「ありがとうございます、アルマニア嬢」
「……別に、お礼を言われるようなことは何も言っていないと思うのだけれど」
「気にするなと、言葉を尽くしてそう言ってくださったのでしょう? ですからこれは、貴女が私に向けてくださった優しさに対してのお礼です」
あまりに直球な言葉に、アルマニアが一瞬呆けたような顔をしたあとで、その頬をぶわりと紅潮させる。
「なっ、べ、別に! そんなつもりではなかったわ! ただ私は、私が思うことを口にしただけで、」
「え、ちょっと待ってくれ公爵令嬢! その顔! その顔もうちょっとしっかり俺に見せてくれよ!」
「ッ、お黙りヴィレクセスト!」
何故か興奮気味に顔を覗き込んでこようとしたヴィレクセストの頬を、更に顔を赤くしたアルマニアが思いっきり引っぱたく。それから彼の顎を両手でぐいぐいと上に押し上げ、力づくで顔を逸らさせた彼女は、あまり淑やかとは言えないその格好のままでノイゼを振り返った。
「そんなことはどうでも良いのよ! それよりも、早く今後のことについて話し合いましょう!」
「いだ、いだだだだだ! もげる! 頭がもげるって!」
情けない悲鳴を上げるヴィレクセストと、それを無視して尚もぐいぐいと彼の顎を押し上げるアルマニアとを交互に見たノイゼは、小さく苦笑してから後方にある席を手で示した。
「それでは、あちらに座ってゆっくり作戦を練りましょうか」
実は私もアルマニア嬢が不在の間に色々と考えてみたのですよ、と言って席に向かったノイゼの背を、アトルッセが無言で追う。それに少し遅れて、ヴィレクセストを解放したアルマニアが続いたが、数歩を進んだところで振り返った彼女は、ヴィレクセストを見て小さく首を傾げた。
「ヴィレクセスト?」
自分の後をついて来ようとしない彼を不思議に思った彼女が名を呼べば、ヴィレクセストは少し思案するような顔をしたあとで、ひらりと手を振った。
「あー、これから作戦会議をするってんなら、俺はちょっと野暮用を済ませてくるわ」
「野暮用?」
「そう、野暮用。つってもそんなに時間は掛からねぇよ。すぐ戻ってくるから、先に始めといてくれ」
「……判ったわ」
アルマニアの答えを聞いたヴィレクセストが隠れ家の外へと出ていくのを見送ってから、彼女はノイゼとアトルッセが待つ卓に向かって再び歩き出した。
「待たせてごめんなさい。ヴィレクセストは少し席を外すそうだから、先に始めましょうか」
そう問うてきた彼女に対し、アトルッセはあからさまに嫌そうな顔をしてそっぽを向いたが、そんな彼の脇腹をゴッと殴ったノイゼが、小さく上がった呻き声を無視してアルマニアに微笑んだ。
「彼とは幼馴染なのです。賢人や魔法師団の一員という立場になる前は、対等に話をしたり喧嘩をしたりするような関係でした。立場が変わってからは、主にアトルッセが私との距離を置いてしまったせいで、少々疎遠にはなっていましたがね」
言葉の端々に嫌味を乗せて言われたそれに、アトルッセは僅かに顔を顰めたが、抗議の声を上げたりはしなかった。おおよそ、ノイゼの言葉が正しいということなのだろう。
「幼馴染で揃って国の中枢を担うことになったの? それはまた、すごい縁ね」
「ああ、いえ、偶然こうなったというよりは、私が賢人になったのを受けてアトルッセは魔法師団に入ることを決めた、というのが正しいです。アトルッセは元々優れた空間魔法の使い手でしたが、魔法師団には興味がなかったようで、本来はもっと別の側面から国を支えるつもりだったそうで」
それが、十六のときにノイゼが幻夢の賢人として召し上げられたのを機に、彼を追う形で魔法師団の入団試験を受けたらしい。そして、生真面目な性質も相まってか、入団したからにはと日々研鑽を積み続けた彼は、魔法に加えて武術にも優れた人物となり、三十という若さで魔法師団の団長にまで昇りつめたそうだ。
年齢に関わらず実力がある者が上に立つ、というのは、帝国や王国ではなかなか有り得ない、魔法国家特有のものだ。そういう意味では、アトルッセのようなタイプの人間は、この国に生まれて正解だったのだろう。
それにしても、元々魔法師団に興味がなかったというアトルッセが、ノイゼが賢人になったことでその道に進もうと決めたというのだから、二人の関係性をろくに知らないアルマニアでも、彼らの間にある絆の深さを窺うことができた。
そしてそれ故に、彼女はノイゼを見る目をすっと細めた。
「……ノイゼ、貴方の進言には、私情が含まれていたのかしら?」
王位簒奪に役立つ人材だから救えと言ったのではなく、大切な人間だから救って欲しいと言ったのかと、そんな意が込められた言葉に、ノイゼは一度だけ瞬きをしたあとで、いいえと首を横に振った。
「誓って、この件に私情を挟むような真似はしていません。民の未来がかかった問題に個人的な感情を持ち込むほど、落ちぶれてはいないつもりですので。…………しかし、彼の無事を確認して、個人的な安堵の気持ちを抱いたことは事実です。それを思うと、私はまだまだ公人にはなりきれていないのでしょうね」
恥じ入るように言ったノイゼに、アルマニアが僅かな沈黙のあとで口を開いた。
「別に、思うくらいは良いのではないかしら。公人だって所詮は人間なのだから、個人的な感情の一切を消し去ることなんてできないわ。人によっては、個としての己と公としての己はきちんと切り分け、僅かも混じってはいけないと考える人もいるのでしょうけれど、そこまでいくと、それこそ個人の主義の問題だと思うの。すべきことをできているのであれば、心の内で何をどう思おうと、それは個の権利だわ。……まあ、これも私の個人的な主義なのだけれど」
彼女らしくない、少々回りくどく曖昧な言葉選びを以って発されたそれに、ノイゼは僅かな驚きを滲ませる表情を浮かべ、アトルッセはなんとも言えないような顔をした。
それからノイゼは、アルマニアに向かってどこか子供を慈しむのにも似た微笑みを浮かべた。
「ありがとうございます、アルマニア嬢」
「……別に、お礼を言われるようなことは何も言っていないと思うのだけれど」
「気にするなと、言葉を尽くしてそう言ってくださったのでしょう? ですからこれは、貴女が私に向けてくださった優しさに対してのお礼です」
あまりに直球な言葉に、アルマニアが一瞬呆けたような顔をしたあとで、その頬をぶわりと紅潮させる。
「なっ、べ、別に! そんなつもりではなかったわ! ただ私は、私が思うことを口にしただけで、」
「え、ちょっと待ってくれ公爵令嬢! その顔! その顔もうちょっとしっかり俺に見せてくれよ!」
「ッ、お黙りヴィレクセスト!」
何故か興奮気味に顔を覗き込んでこようとしたヴィレクセストの頬を、更に顔を赤くしたアルマニアが思いっきり引っぱたく。それから彼の顎を両手でぐいぐいと上に押し上げ、力づくで顔を逸らさせた彼女は、あまり淑やかとは言えないその格好のままでノイゼを振り返った。
「そんなことはどうでも良いのよ! それよりも、早く今後のことについて話し合いましょう!」
「いだ、いだだだだだ! もげる! 頭がもげるって!」
情けない悲鳴を上げるヴィレクセストと、それを無視して尚もぐいぐいと彼の顎を押し上げるアルマニアとを交互に見たノイゼは、小さく苦笑してから後方にある席を手で示した。
「それでは、あちらに座ってゆっくり作戦を練りましょうか」
実は私もアルマニア嬢が不在の間に色々と考えてみたのですよ、と言って席に向かったノイゼの背を、アトルッセが無言で追う。それに少し遅れて、ヴィレクセストを解放したアルマニアが続いたが、数歩を進んだところで振り返った彼女は、ヴィレクセストを見て小さく首を傾げた。
「ヴィレクセスト?」
自分の後をついて来ようとしない彼を不思議に思った彼女が名を呼べば、ヴィレクセストは少し思案するような顔をしたあとで、ひらりと手を振った。
「あー、これから作戦会議をするってんなら、俺はちょっと野暮用を済ませてくるわ」
「野暮用?」
「そう、野暮用。つってもそんなに時間は掛からねぇよ。すぐ戻ってくるから、先に始めといてくれ」
「……判ったわ」
アルマニアの答えを聞いたヴィレクセストが隠れ家の外へと出ていくのを見送ってから、彼女はノイゼとアトルッセが待つ卓に向かって再び歩き出した。
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