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2023年4月
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4月6日 抱きしめる 真夜中 嗤う
真夜中に泣き腫らした顔をした彼を迎え入れた。彼氏に振られたと泣きながら話す彼に「俺じゃだめかな」と抱き締めながら告げる。でも、こうなったのは俺がそう仕向けたから。このことは死んでも隠し通すよ。震えながら抱き締め返す可愛い彼の反応を見て、俺はやっと手に入ったと昏く嗤った。
4月7日 水槽 繋ぐ 仕草
水槽の中で眠る彼を見つめ、透明な隔たり越しに手を重ねて繋ぐ仕草をする。真っ白な顔が浮かべる表情は穏やかだ。早く目を開けて、僕に笑いかけて。願いを込めて僕は彼の紫色の唇に冷たいキスを落とす。「必ず君を生き返らせるよ」培養液がこぽりと泡を浮き上がらせ、まるで返事をしているようだった。
4月8日 ドレス 追わないの? 指
「信じられない!」赤いドレスを翻した彼女の後ろ姿が遠ざかる。「追わないの?」彼女に平手打ちされた彼に目線をやると、彼は不敵に笑った。「追うもんか」伸ばされた節くれだった指が涙が滲んだ俺の目元を撫でる。「お前さえいれば何もいらない」誰もいないバルコニーで、俺たちはそっと唇を重ねた。
4月9日 炭酸 ぎゅっと あの日
入道雲を眺めながら隣に並んで炭酸を飲んだあの日。「お前がいるなら彼女とかいらねえ」と笑って言った君を思い出してぎゅっと胸が苦しくなる。今も独り身の僕たち。酒に酔うと同じ言葉を繰り返す君はどこまで本気なんだ?臆病な僕は拒絶されるのが怖くて、まだ一度も同意できずにいる。
4月12日 宝石 掠れる 戸惑い
なぜか幹也に壁際に追い詰められた俺は、戸惑いを隠せない。「幹也?」喉はカラカラで、彼を呼ぶ声は掠れていた。宝石みたいなヘーゼルの瞳が近付いてくる。なぜか俺は動かなくて、重なる唇の柔らかさに慄いた。夢にまでみたこの瞬間なのに、絶望で涙が滲む。ああ、もうこれで元の関係には戻れない。
4月19日 変態 絡める 靴音
嫌味なくらいにゆっくりと迫る靴音。それを背後に俺は必死に走った。逃げきれなければ、またあの変態に捕まる。「みーつっけた」曲がろうとした路地の先に奴がいた。踵を返すとその先にまた奴の姿が。「なんで」「逃すわけないじゃん」伸ばされた手に抗えないまま、俺は再び奴に絡め取られた。
真夜中に泣き腫らした顔をした彼を迎え入れた。彼氏に振られたと泣きながら話す彼に「俺じゃだめかな」と抱き締めながら告げる。でも、こうなったのは俺がそう仕向けたから。このことは死んでも隠し通すよ。震えながら抱き締め返す可愛い彼の反応を見て、俺はやっと手に入ったと昏く嗤った。
4月7日 水槽 繋ぐ 仕草
水槽の中で眠る彼を見つめ、透明な隔たり越しに手を重ねて繋ぐ仕草をする。真っ白な顔が浮かべる表情は穏やかだ。早く目を開けて、僕に笑いかけて。願いを込めて僕は彼の紫色の唇に冷たいキスを落とす。「必ず君を生き返らせるよ」培養液がこぽりと泡を浮き上がらせ、まるで返事をしているようだった。
4月8日 ドレス 追わないの? 指
「信じられない!」赤いドレスを翻した彼女の後ろ姿が遠ざかる。「追わないの?」彼女に平手打ちされた彼に目線をやると、彼は不敵に笑った。「追うもんか」伸ばされた節くれだった指が涙が滲んだ俺の目元を撫でる。「お前さえいれば何もいらない」誰もいないバルコニーで、俺たちはそっと唇を重ねた。
4月9日 炭酸 ぎゅっと あの日
入道雲を眺めながら隣に並んで炭酸を飲んだあの日。「お前がいるなら彼女とかいらねえ」と笑って言った君を思い出してぎゅっと胸が苦しくなる。今も独り身の僕たち。酒に酔うと同じ言葉を繰り返す君はどこまで本気なんだ?臆病な僕は拒絶されるのが怖くて、まだ一度も同意できずにいる。
4月12日 宝石 掠れる 戸惑い
なぜか幹也に壁際に追い詰められた俺は、戸惑いを隠せない。「幹也?」喉はカラカラで、彼を呼ぶ声は掠れていた。宝石みたいなヘーゼルの瞳が近付いてくる。なぜか俺は動かなくて、重なる唇の柔らかさに慄いた。夢にまでみたこの瞬間なのに、絶望で涙が滲む。ああ、もうこれで元の関係には戻れない。
4月19日 変態 絡める 靴音
嫌味なくらいにゆっくりと迫る靴音。それを背後に俺は必死に走った。逃げきれなければ、またあの変態に捕まる。「みーつっけた」曲がろうとした路地の先に奴がいた。踵を返すとその先にまた奴の姿が。「なんで」「逃すわけないじゃん」伸ばされた手に抗えないまま、俺は再び奴に絡め取られた。
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