異能少女〜私と母と菖蒲さん〜

練習内容変更！

テスト

あれから二ヶ月半くらい過ぎて、今は常に暑い、熱帯のような状態が続く夏になろうとしていた。だが、まだ雨の日が多い。今日も、むしむしとした暑さだ。だけど、練習用の部屋は、外との接点が無いため、年中過ごしやすくなっている。今も、とても涼しい。
「それじゃあ、ラストにテストとして一番小さいガラスを使うから、割らなかったら合格だね。正直、こんなに早く制御ができるなんて思ってなかったよ。」
なんと、既に私は殆ど制御ができるようになっていたのだ。まぁ、大分根詰めてやったから今はだいぶヘトヘトなんだけど…
「はい。ついにテストですか。ここまで長かったような、短かったような感じです。」
このテストに合格したら、ある意味あとは楽だそうだ。なぜなら、気絶する確率が著しく減るからだ。自分の夢までの道は、時間的にも、制御力的にも近づきてきた。だんだん気持ちがはやってくるが、なんとか抑えた。失敗したらまたやり直しだから。
「でも、これで成功しなかったら、また練習になるから気をつけてね。」
「うっ」
見事に図星だ。この人は、人の考える事を本当に読み取っているのではないかと思ってしまう。
　そう思ったとき、周りの空気が変わった。いや、菖蒲さんから能力を使わないで読み取れる、雰囲気や、見た目から真剣さが出てきた。
「でも、最終的な目標は対人だから、まだまだ通過点に過ぎないんだけどね。それじゃあ、始めよっか。ここからは自分の好きなタイミングでいいよ。」