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「私」

異能と相性

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急に顔を耳に寄せてきた。
「本当の異能は…自らの情報を隠す事。君の異能の真逆だよ。相性いいでしょ。ちなみに、情報は感情もそうだし、記憶さえも隠すことができるんだ。」
なぜ耳元でそれを言うのだろう?それにしても、私の異能の真逆か…たしかに相性がいい。これなら他の人と比べていくらかは安心できる。
「あと、菖蒲と呼んでよ。これから少しの間、付き合う仲になるんだからさ。」
「はぁ…分かりました。」
そして、とてもフレンドリーだ。初見知りなのに、いきなり名前で呼んでくれなんて。
「じゃあ、早速練習に入ろっか。周りに何かあっては困るので、二人きりにしてください。一応、緊急用の睡眠薬は持っていますし、武道もいくつかは修めています。」
早速か…本当に制御できるようになるのだろうか。と言うか何だろう。睡眠薬って。
「それなら、菖蒲さん。私の部屋はどうでしょう。」
別に部屋に他人を入れることは特に抵抗は無い。今までやったことがないから。見られて減るもんじゃないし。睡眠薬が必要な事になっても多分特に何もないから大丈夫だし。それこそ、ここで練習して、もし暴走してしまったら、壊れるものが多すぎる。物だって、唯一の大切な人も。
「なら、そうしよっか。」
 菖蒲さんを二階の私の部屋に連れて行く。
「早速名前で呼んでくれて嬉しいわ。ところで、好きな食べ物って何なの?」
少しでも親睦を深めるためか、基本的な事を聞いてくる。
「…フレンチトーストとコーヒー。」
私がずっと食べているものだ。朝は絶対これと決まっている。
「そうなの。私が得意なものだ!昔にバイトをしていたんだ。今度持ってきてあげるよ。」
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