25 / 39
やってやろうじゃないですか!(ヤケ
しおりを挟む
「ただいま」
家に帰った私はまず母さん思いっきりハグされた。次にロアをぎゅ!大きくなったね~。白いふわふわの髪がとってもキュート。
「僕ね、春からガッコ行くの~」
そうか、もうそんな歳になったのね。キトンブルーだった眸はややグリーンを帯びた大人猫の瞳に変化していた。ロアは母さんに似て可愛い長毛種だからきっとモテモテだね。
「兄ちゃん、お帰り」
「ちゃむ~ただいま。会いたかったよー」
ちゃむにもぎゅっとハグ。あれ、あんた随分、背が伸びてない?もしかして、私より身長高い?腕も太くなって.....えぇーっ!あの可愛かったちゃむが、めっちゃ男臭くなってるうぅ.....ショック。
「ちゃむは俺の親父に似たらしい。俺よりも逞しい山猫になるぞ」
えーっ、そんなあぁ......。一番、父さんに似てるのは私だと思ってたのに。ショボン。
「イツキは曾祖母ちゃんに似たんだよ。山猫でも美人さんで有名だったらしいよ。強くて、何人も求婚してきたけど、唯一、曾祖母ちゃんに勝ったのが曾祖父ちゃんだったんだって」
じゃあ私も強くならなきゃ、強くなってルノアにバトルで勝利して婚約解消させるんだ。
「まぁ、ルノア君に勝つのは無理だな」
なんでよ、父さん。
「決着は獣体でするものだからな」
ルノアの獣体.....見たこと無い。今でさえデカいのに、灰色狼の獣体ってどんだけよ。......溜め息。
「そう言えば、お前の言っていた爬虫類の野郎達に荒らされた被災地の復興な。王様に明日、上申してみようと思う」
「本当?」
「ああ、明日は鳥人国の将軍達も帰国前の挨拶に立ち寄られるそうだ」
父さんの言葉に私、目をキランっ!
「私も行きたい!火喰鳥将軍って見てみたい」
何てったって、鳥人国最強で、獣人の国の兵隊もこぞってビビるという噂のお方。
「しょうがないなぁ.....」
翌日、父さんについてお城に行って.....後悔しました。
噂の火喰鳥将軍...怖い。とっても綺麗な青い髪をしていて、何故かお髭は真っ赤。漆黒のボディは文字通りのガチムチ。でも、何より、目が、眼光鋭すぎるその目が......。前世で言えば道極めちゃってる方々のトップのごとき眼。
ー絶対目を合わせちゃいけない人だ、これ。ー
そのお隣にいらした副官の白鶴様......綺麗な赤い髪に真っ白なお肌に黒い瞳。火喰鳥将軍と真逆な細面のスラリとしたイケメンなんだけど、えげつないくらいお強い。容赦なく攻撃魔法使いまくっていたという戦闘狂。鳥さん怖い.....。
「まぁ先祖代々、我らは蛇どもとは不仲だからねぇ.....」
涼しい顔をして殲滅したいとか怖いこと言わないとでください、白鶴さま。
で、お二方の謁見が終わり、父さんが被災地復興のお願いの上申書を王様に奏上してくれた。
「頑張っているようだね、イツキくん」
王様の言葉に侍従長さんも、にっこり。はい、頑張ってます。
「しかし、復興には予算が必要です。資材も人手も足りておりません」
言うと思ったわよ、マーシー財務長官。太い尻尾を優雅にヒラヒラさせてのたまう。
「もう少し、産業振興を勧めませんと.....。キャネット・シティ近くのツヴェル湖の辺りには貴重な薬草が生えていると聞きます。それを近隣の国に売って資金に出来れば.....」
「しかし、あの近辺の森には魔物がおると聞いておるが......」
王様と近衛隊長さんが眉をひそめる。
「ここにいるイツキ君は大層、有能なようですから、なんとか事態を解決してくださるのではないかと......近衛隊きっての辣腕、ルノア・シャスターも近くの辺境警備隊を取り仕切っているようですし......」
チラリと細い目がこちらを窺う。あからさまな嫌がらせよね、これ。お誘い断った仕返し、こんなとこでするわけ?大人げ無さすぎないか?
でも、こんなとこで退いてはいられない。
「分かりました。全集中して事態解決に当たらせていただきます」
やっちまった.....。キッパリ言い切ってから私はちょっと後悔した。だって冒険なんてバトルなんてしたことないんだもん。
でも、私も男、カッコ今世は。男に二言は無いのです。やったろうではありませんか!
ルノア、ごめん......。
家に帰った私はまず母さん思いっきりハグされた。次にロアをぎゅ!大きくなったね~。白いふわふわの髪がとってもキュート。
「僕ね、春からガッコ行くの~」
そうか、もうそんな歳になったのね。キトンブルーだった眸はややグリーンを帯びた大人猫の瞳に変化していた。ロアは母さんに似て可愛い長毛種だからきっとモテモテだね。
「兄ちゃん、お帰り」
「ちゃむ~ただいま。会いたかったよー」
ちゃむにもぎゅっとハグ。あれ、あんた随分、背が伸びてない?もしかして、私より身長高い?腕も太くなって.....えぇーっ!あの可愛かったちゃむが、めっちゃ男臭くなってるうぅ.....ショック。
「ちゃむは俺の親父に似たらしい。俺よりも逞しい山猫になるぞ」
えーっ、そんなあぁ......。一番、父さんに似てるのは私だと思ってたのに。ショボン。
「イツキは曾祖母ちゃんに似たんだよ。山猫でも美人さんで有名だったらしいよ。強くて、何人も求婚してきたけど、唯一、曾祖母ちゃんに勝ったのが曾祖父ちゃんだったんだって」
じゃあ私も強くならなきゃ、強くなってルノアにバトルで勝利して婚約解消させるんだ。
「まぁ、ルノア君に勝つのは無理だな」
なんでよ、父さん。
「決着は獣体でするものだからな」
ルノアの獣体.....見たこと無い。今でさえデカいのに、灰色狼の獣体ってどんだけよ。......溜め息。
「そう言えば、お前の言っていた爬虫類の野郎達に荒らされた被災地の復興な。王様に明日、上申してみようと思う」
「本当?」
「ああ、明日は鳥人国の将軍達も帰国前の挨拶に立ち寄られるそうだ」
父さんの言葉に私、目をキランっ!
「私も行きたい!火喰鳥将軍って見てみたい」
何てったって、鳥人国最強で、獣人の国の兵隊もこぞってビビるという噂のお方。
「しょうがないなぁ.....」
翌日、父さんについてお城に行って.....後悔しました。
噂の火喰鳥将軍...怖い。とっても綺麗な青い髪をしていて、何故かお髭は真っ赤。漆黒のボディは文字通りのガチムチ。でも、何より、目が、眼光鋭すぎるその目が......。前世で言えば道極めちゃってる方々のトップのごとき眼。
ー絶対目を合わせちゃいけない人だ、これ。ー
そのお隣にいらした副官の白鶴様......綺麗な赤い髪に真っ白なお肌に黒い瞳。火喰鳥将軍と真逆な細面のスラリとしたイケメンなんだけど、えげつないくらいお強い。容赦なく攻撃魔法使いまくっていたという戦闘狂。鳥さん怖い.....。
「まぁ先祖代々、我らは蛇どもとは不仲だからねぇ.....」
涼しい顔をして殲滅したいとか怖いこと言わないとでください、白鶴さま。
で、お二方の謁見が終わり、父さんが被災地復興のお願いの上申書を王様に奏上してくれた。
「頑張っているようだね、イツキくん」
王様の言葉に侍従長さんも、にっこり。はい、頑張ってます。
「しかし、復興には予算が必要です。資材も人手も足りておりません」
言うと思ったわよ、マーシー財務長官。太い尻尾を優雅にヒラヒラさせてのたまう。
「もう少し、産業振興を勧めませんと.....。キャネット・シティ近くのツヴェル湖の辺りには貴重な薬草が生えていると聞きます。それを近隣の国に売って資金に出来れば.....」
「しかし、あの近辺の森には魔物がおると聞いておるが......」
王様と近衛隊長さんが眉をひそめる。
「ここにいるイツキ君は大層、有能なようですから、なんとか事態を解決してくださるのではないかと......近衛隊きっての辣腕、ルノア・シャスターも近くの辺境警備隊を取り仕切っているようですし......」
チラリと細い目がこちらを窺う。あからさまな嫌がらせよね、これ。お誘い断った仕返し、こんなとこでするわけ?大人げ無さすぎないか?
でも、こんなとこで退いてはいられない。
「分かりました。全集中して事態解決に当たらせていただきます」
やっちまった.....。キッパリ言い切ってから私はちょっと後悔した。だって冒険なんてバトルなんてしたことないんだもん。
でも、私も男、カッコ今世は。男に二言は無いのです。やったろうではありませんか!
ルノア、ごめん......。
0
お気に入りに追加
129
あなたにおすすめの小説
《うちの子》推し会!〜いらない子の悪役令息はラスボスになる前に消えます〜お月見編
日色
BL
明日から始まる企画だそうで、ぜひとも参加したい!と思ったものの…。ツイッターをやっておらず参加の仕方がわからないので、とりあえずこちらに。すみませんm(_ _)m

平凡ハイスペックのマイペース少年!〜王道学園風〜
ミクリ21
BL
竜城 梓という平凡な見た目のハイスペック高校生の話です。
王道学園物が元ネタで、とにかくコメディに走る物語を心掛けています!
※作者の遊び心を詰め込んだ作品になります。
※現在連載中止中で、途中までしかないです。

乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました
西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて…
ほのほのです。
※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
乙女ゲームが俺のせいでバグだらけになった件について
はかまる
BL
異世界転生配属係の神様に間違えて何の関係もない乙女ゲームの悪役令状ポジションに転生させられた元男子高校生が、世界がバグだらけになった世界で頑張る話。

僕のユニークスキルはお菓子を出すことです
野鳥
BL
魔法のある世界で、異世界転生した主人公の唯一使えるユニークスキルがお菓子を出すことだった。
あれ?これって材料費なしでお菓子屋さん出来るのでは??
お菓子無双を夢見る主人公です。
********
小説は読み専なので、思い立った時にしか書けないです。
基本全ての小説は不定期に書いておりますので、ご了承くださいませー。
ショートショートじゃ終わらないので短編に切り替えます……こんなはずじゃ…( `ᾥ´ )クッ
本編完結しました〜

完結·助けた犬は騎士団長でした
禅
BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。
ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。
しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。
強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ……
※完結まで毎日投稿します
【短編】乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。
桜月夜
BL
前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。
思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる