上 下
63 / 136
第一章 トゥインク王国改造編

第58話 過去から逃げ出したいフィニー

しおりを挟む
 フィニーは、。ああ、もうのか・・・。もう何も思い出したくない。

 母が死んだことなんて嫌だああああああああ。もう何も思い出したくない。もう、もう全て壊れて私死ねばよかったんだ。に・・・・。

 もう、フィニーは何も知りたくない。完全にふさぎこんでしまった・・・。これを助ける存在がいた。それを忘れるために、メイドがいた、そんな彼女とも会えていない。どうしよう・・・・。

「あああああああ、もう何もしたくない、死にたい。死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい。」

 もう、彼女にはが広がっていた。

 そして彼女はうずくまりが彼女を包み込む。

 どうやっても無理な気がする。

 助かるそんな彼女を救ってくれるのは・・・、やはりであった。そのメイドは助けを求めに駆け出した。一番のメイドであった。それも、とまではいかなくてもとても頼りになる存在であった。その彼女に声が届く。

「ねえ、もしかして自分のことで少し怒っていたりするの自分はなんて馬鹿なんだろうって」

 それを言った瞬間、フィニーはその声の主を見る。

「えっ、今なんで来るの」

「少し回復のために休んでいました。けど、助けてもらったんでしょ、後あなたの中には大切な仲間が眠っているのに何呑気にやみに飲み込まれようとしているのよ」

 とメイドは語る。実際には助けてもらったということに何も嘘偽りはない。しかし、自分は何かが許さないのだ。自分の中にある何かがそう何かが許さない・・・。それをはわかっていたように、

「もしかしてですけど、。もしくは思い出してしまった。そう言うことですよね。」

 フィニーの脳内にその私たちを殺そうとした人物がよみがえってくる。その人たちはまるで人ではないような雰囲気がしていた。そして、とても怖かった。私が私じゃなくなるそんな気がして恐怖でおののいてしまった。そんな気分にさせられたのはまぎれもなくあいつだ。

「そう、あいつさえいなければと思っているのではないですか? 」

 というと、彼女は怖くて怖くて仕方なかったかのように、

「もちろん、そうなってほしくなかった、絶対にそうなってほしくなかった」

 とだけ答える。それに、メイドは

「終わってしまったことをずっと悩んでいるぐらいでしたら私でしたらそんな終わってしまったことにずっと見つめている人が鹿だと思いますね」

「あああああああああああああああああああああああ、もうこっち来ないで」

「はあ、それでは本当のこと言いますけど、生きているものは死んでしまったらもうん全員が悲しむに決まっています。ですが、フィニーは感じなかったのですか。彼らを見ていたら私たちの国の復興以上に栄える国を作ってくれることを・・・。私は、確信しています。この全員で、頑張って国を作ることができると私は信じています。それを、フィニーも信じないのですか」

「信じられるのは、わかっている。けど・・・、まだわからない。最後に裏切られるかもしれないし・・・」

 とまだ、決めきれない様子そこに最後のをメイドが言う。

「えっとね、裏切られたら裏切られたときでいい。あいつら、あの私の父と母を屠ったあいつらはあの世、この世界から消滅させる。これからの予定によって変わっていく」

「うん」

 今はこれでいい。そう言われた。確かに、そうだろう。そのまま自らの殻を閉じ困っていたら何事にも取り組まなくなって見捨てられているかもしれないと思うと、繭がなぜか消えていく。

 それに驚いていると、そこにティナがやってきて

「やっほお、決まったね。仕事はたくさんあるからよろしくね。後は、竜人って君とか少ないから教えてほしい。そしてこれからのために残しておきたいからね。君の祖先、君の国、そして世界中を平和にする。絶対にできるわけではない、一つが終わればまた別のところで戦争が起きる。それは本当に仕方がない・・・。けどね、私はできるだけ平和に暮らしたいわけなのよね」

「うん」

「確実に守弘はあなたの国を滅ぼしたやつらを絶対に許さない。そして確実に潰して粉々にしてくれるはずよ、いや確実につぶすからの」

 そうなので、ということであるらしい。ならば、言葉に甘えて・・・、

「うん、絶対にそのことに期待するね」

 とフィニーの顔が明るくなった。それを見ていた。メレが、

「じゃあ、そろそろ行くから、二人とも大広場に来てね」

 とメレが行ってからすぐにそっちに向かうのであった。

 それに、遅れて二人は確かな確実に明るい未来自分たちが幸せになることを夢見て二人は言った。けれども、全員が思ったことだろう。あのメイドは誰だ・・・と。

 彼女は、フィニーを裏から支えるメイド誰の心配もいらない。彼女は隠密、一人に使いそしてこれからも一人そして周りにはたくさんの人がいる。彼女はメイドでもあり人型妖精の偵察妖精スピーのリーダである。

 そして、フィニーは竜になりその上にメレ、ティナが乗る。そして、メレの命令に従うように、彼らは移動を始めるのであった。
しおりを挟む
感想 867

あなたにおすすめの小説

サメに喰われた人魚

猫パンダ
恋愛
アスティル王国の王女、セレニティは昔から海に近付くことを禁止されて育った。 ある日、義母の企みにより、セレニティは禁止されていたはずの海へ、置き去りにされてしまう。どうやって、城に戻ろうかと途方に暮れていたところ、彼女は海の生き物の言葉が理解出来ることに気付いた。 人懐っこく話しかけてくる魚達の相手をしていると、銀色に輝くボディを持つサメが、セレニティの前に顔を出す。 「お前、俺達の言葉がわかるのか?」 これは、サメの王子と人魚姫の娘である王女のお話ーー。

騙されて異世界へ

だんご
ファンタジー
日帰りツアーに参加したのだが、気付けばツアー客がいない。 焦りながら、来た道を戻り始めるが、どんどん森が深くなり…… 出会った蛾?に騙されて、いつの間にか異世界まで連れられ、放り出され…… またしても、どこかの森に迷い込んでしまった。 どうすれば帰れるのか試行錯誤をするが、どんどん深みにハマり……生きて帰れるのだろうか?

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

神に同情された転生者物語

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。 すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。 悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

真☆中二病ハーレムブローカー、俺は異世界を駆け巡る

東導 号
ファンタジー
ラノベ作家志望の俺、トオル・ユウキ17歳。ある日、夢の中に謎の金髪の美少年神スパイラルが登場し、俺を強引に神の使徒とした。それどころか俺の顔が不細工で能力が低いと一方的に断言されて、昔のヒーローのように不完全な人体改造までされてしまったのだ。神の使徒となった俺に与えられた使命とは転生先の異世界において神スパイラルの信仰心を上げる事……しかし改造が中途半端な俺は、身体こそ丈夫だが飲み水を出したり、火を起こす生活魔法しか使えない。そんな無理ゲーの最中、俺はゴブリンに襲われている少女に出会う……これが竜神、悪魔、人間、エルフ……様々な種族の嫁を貰い、人間の国、古代魔法帝国の深き迷宮、謎めいた魔界、そして美男美女ばかりなエルフの国と異世界をまたにかけ、駆け巡る冒険の始まりであった。

世界⇔異世界 THERE AND BACK!!

西順
ファンタジー
ある日、異世界と行き来できる『門』を手に入れた。 友人たちとの下校中に橋で多重事故に巻き込まれたハルアキは、そのきっかけを作った天使からお詫びとしてある能力を授かる。それは、THERE AND BACK=往復。異世界と地球を行き来する能力だった。 しかし異世界へ転移してみると、着いた先は暗い崖の下。しかも出口はどこにもなさそうだ。 「いや、これ詰んでない? 仕方ない。トンネル掘るか!」 これはRPGを彷彿とさせるゲームのように、魔法やスキルの存在する剣と魔法のファンタジー世界と地球を往復しながら、主人公たちが降り掛かる数々の問題を、時に強引に、時に力業で解決していく冒険譚。たまには頭も使うかも。 週一、不定期投稿していきます。 小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+でも投稿しています。

処理中です...