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第三章:

精霊花の守り人⑦

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 (……よし、いつもの調子に戻ったな? ふつーにしゃべってるし、もう大丈夫だな??)

 いたって真面目に説明してくれている横顔を伺いつつ、内心ほっと胸をなでおろす。だって、さっきみたいに急にからかってこられると心臓に悪いじゃないか。

 いや、別に嫌じゃなかったんだけども、普段から落ち着いてて冗談もあんまり言わないタイプの人だと思ってたからびっくりしたというか。軽口を言うことはあっても、それはほかの『紫陽花』メンバーとか、前から知り合いだった気心の知れてる相手だけって感じで、見ていてちょっぴりうらやましかったというか。

 だから、わたしにもそういう感じで話しかけてくれるようになったというのは、ああやっと慣れて仲間っぽくなってきたのかなー、うれいしいなーと思わなくもない。……ないんだけど、

 (それはそれとして、なんか照れくさい! リーダーがかっこいいからなおさらハズい……!!)

 『ご主人、なんかほっぺ赤いよ? どしたの?』

 ぎくー!!

 「えっうそ、そんなに⁉ さっきから歩きっぱなしだからかな! みんなもがんばったねーえらいよ~~」

 『わあーい♪』『ふぃっ♪』『ままま~~』

 足元をちょこちょこ先導する小動物さんたちに指摘されてしまい、あわててしゃがみこんでもふもふしてごまかす。ふう、やれやれ……

 こっそり盛大にため息をついたとき、すぐそばで覚えのある甘い香りがした。見渡すと、霧の中でまわりの草からひょこん、と飛び出しているような花が目に入る。

 茎が細くて長くて、その周りを包む葉っぱも細長い。花は先端にまとまって咲いているんだけど、真っ白な花びらが六枚あって、それがたくさん房になっているのがわかった。ひとつひとつの花を真上から見ると、ちょうど六芒星みたいな形をしている。
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