67 / 372
第五章:
恋(と商い)は戦争⑤
しおりを挟む
――許可がもらえたので、ぜひヴァイスブルクまで行ってみたいです。
星送りでお世話になりまくりだったスコールくんからそんな手紙が届いたのは、ダンジョン挑戦の翌朝一番だった。もっともわたしはまだ眠っていたので、実際には起きてから他のみんなに教えてもらったんだけど。
もちろん即OKのお返事を送って、じゃあこの日にギルドで待ち合わせしようと決めて、楽しみに待っていた――ハズだったんだけど、初売り騒動のダメージが思いのほか深刻だったらしい。それはみんなだって同じだが。
「アニキ、いま何時ー!?」
「居間の時計だと昼ちょっと前だったぞ!」
「まずいな、あそこの置時計って五分遅れてるのよ!」
あの真面目なスコールくんのことだ、十分前集合を実行してる可能性はかなり高い。今日に関してはもっとゆったりしてていいよ! 猛ダッシュすればたぶん、お昼の鐘が鳴る前には着くから!
そんなやり取りをしつつみんなで母屋からドタバタお店へ戻る。いつ出て行ったか分からないので、正面の店舗からお出かけするのがシェーラさんとのお約束だ。
店内にはたくさんの棚が並んでいて、向かって右側が武防具スペースで布とか金属とかの見本がずらり、左側が魔法薬スペースで大きなガラス瓶に入った薬種が所狭しと並べられている。間にあるテーブルはお客さんの相談とか、見本を広げたりとか、簡単な調合をしてみたりとかに使うらしい。明るくて広々としてて、毎朝焚いてるハーブの爽やかな香りがいい感じだ。こんな素敵なお店で働ける人たちがちょっとうらやましい。
そんな店内はさっきよりは落ち着いてて、数名のお客さんが棚を見てる以外に人影はない。でもそんな中、店員さんたちがしきりに外を気にしてるのが目についた。特に、比較的若い人たちが。
「ねー、なんかお姉さんたち、そわそわしてない?」
「うん、確かに」
「ねえ、なんかあった? みんな気もそぞろだけど」
「あっ、お嬢様! お疲れ様ですっ」
フィアメッタに聞かれてあわててお辞儀する売り場のお姉さん、確か名前はルカさんて言ったか。栗色の巻き毛に同じ色の目の可愛いひとで、歳はたぶん二十歳くらいかな? 開け放してあるドアの向こうをちらちら横目で見ながら、
「いえ、大したことじゃないんですけど……さっきから、お店の外でお話しされてる方たちがいまして」
「なんだ、冷やかしってこと?」
「そう……なんですかね? なんだかご用があるような、ないような感じです」
なんだかはっきりしないお返事だ。とりあえずこっそりドアの陰から耳を澄ますと、外のざわざわに混ざってやり取りが聞こえてくる。
「――だぁから、ついでに顔出していきゃいいだろ。道すがらなんだからよ」
「で、でもあの、まだ出かけてなかったら急かしたみたいになるんじゃ……」
「ったく、思い切りが良すぎる割に気にしいだよなぁお前さん」
聞き覚えのある声に、真っ先に動いたのはリラだった。覗き込んだ顔がぱあっと明るくなる。
「あっやっぱり! スコールくん、こないだぶりー!」
「あらホント。わざわざうちに来てくれたの? なんかごめんね」
「い、いいえっとんでもない! あの、お久しぶりです!!」
女の子二人にあいさつされて、ぶわっと尻尾が逆立ってるのは間違いなく天狼族の男の子だった。別れた時に比べて大分元気そうで安心する。
しかし、あいさつしようとしたところで、わたしはぴしっと固まってしまった。なぜなら、スコールくんのすぐ後ろに立ってるひととばっちり目が合ったからだ。
たぶん百八十センチ台の後半だろう、おっそろしい長身でガタイもかなり良い。渋い銀髪に赤ワインみたいな色の目をした、野性味のあるなかなかの男前さんだ。服装はすっかり見慣れた、盗賊ジョブの典型……っていうか、このひと以上に似合う人物をわたしは知らない。数日前に引き続いてマジですか。
妙なデジャヴを覚えつつ立ちすくんでいたところ、いつの間にか近づいてきていた相手ががしっ! とものすごい勢いで両肩を掴んだ。これまたすさまじい真顔で口を開く。
「――おい。ちょっとつねれ」
「は?」
「いーから。鼻でも口でも頬でもいい、オレの顔をどこかしらつねってくれ」
「……ええっと、はい」
「いっ!?」
訳が分からないまま、とりあえず無難にほっぺをむぎゅっとやる。あっちは一瞬顔しかめたけど、すぐに泣き笑いみたいな表情になって、ひょいっとわたしを抱え上げた。小さい子がよくやってもらってる、片腕に座らせるような体勢のあれだ。
「ぶわあ!?」
「よしっ、てことは夢じゃねぇな! 良く生きてた、アンリ!」
「いやあのちょっと待って! ていうか重くないですか!?」
「姫さん一人くらいどうってことねえよ。……ったく、こっちは大丈夫とか大口叩きやがって。出先であんな知らせ受け取ってどんだけ驚いたか」
「う、……ご、ごめんなさい」
「謝るな、お前のせいじゃねえだろ。……アンリが無事だったんなら、それでいい」
「…………う、うわあああんお父さん~~~~~!」
「おとーさん言うな! オレはまだ二十二だっての、せめて兄貴にしてくれっ」
たぶん覚えてる限り、実の両親にもここまで心配されたことはない。そんな心のこもった言葉を涙声で言われて、代理のわたしですらじんと来てしまった。しがみ付いてべそをかきだしたところ、しっかりツッコミを返しつつ背中をぽんぽん叩いてくれる。良い人だなぁホント。
すっかり置いてけぼりをくらったみんなの後ろから、ふいに軽く咳払いが聞こえた。まだ涙目のままで振り返ると、話しかけたくないなーという顔で頭をかいているうちの盗賊さんが見える。
「……ええっとな、出来れば口をはさみたくないんだけど、ちょっとこれだけ言わせてくれ。イブマリー、その人って」
「あ、うん。あっちでいっしょに戦ってくれたひとでね」
「盗賊のアルバス・ラウルス・ノビリス、だろ?」
「、へっ? 何で知ってるの!?」
「うーん、それはなあ。いまイブマリーを抱き上げて真っ赤になってる人に聞いた方が早いと思うぞ? な、兄貴」
「~~~~~っ、てめぇなぁ! よりにもよって何でここにいやがる愚弟!!」
「「「「「「えええええええ!?!」」」」」」
ダブルかと思いきや、まさかのトリプル再会劇だったというオチに、居合わせた全員の叫びが表通りに響き渡った。
星送りでお世話になりまくりだったスコールくんからそんな手紙が届いたのは、ダンジョン挑戦の翌朝一番だった。もっともわたしはまだ眠っていたので、実際には起きてから他のみんなに教えてもらったんだけど。
もちろん即OKのお返事を送って、じゃあこの日にギルドで待ち合わせしようと決めて、楽しみに待っていた――ハズだったんだけど、初売り騒動のダメージが思いのほか深刻だったらしい。それはみんなだって同じだが。
「アニキ、いま何時ー!?」
「居間の時計だと昼ちょっと前だったぞ!」
「まずいな、あそこの置時計って五分遅れてるのよ!」
あの真面目なスコールくんのことだ、十分前集合を実行してる可能性はかなり高い。今日に関してはもっとゆったりしてていいよ! 猛ダッシュすればたぶん、お昼の鐘が鳴る前には着くから!
そんなやり取りをしつつみんなで母屋からドタバタお店へ戻る。いつ出て行ったか分からないので、正面の店舗からお出かけするのがシェーラさんとのお約束だ。
店内にはたくさんの棚が並んでいて、向かって右側が武防具スペースで布とか金属とかの見本がずらり、左側が魔法薬スペースで大きなガラス瓶に入った薬種が所狭しと並べられている。間にあるテーブルはお客さんの相談とか、見本を広げたりとか、簡単な調合をしてみたりとかに使うらしい。明るくて広々としてて、毎朝焚いてるハーブの爽やかな香りがいい感じだ。こんな素敵なお店で働ける人たちがちょっとうらやましい。
そんな店内はさっきよりは落ち着いてて、数名のお客さんが棚を見てる以外に人影はない。でもそんな中、店員さんたちがしきりに外を気にしてるのが目についた。特に、比較的若い人たちが。
「ねー、なんかお姉さんたち、そわそわしてない?」
「うん、確かに」
「ねえ、なんかあった? みんな気もそぞろだけど」
「あっ、お嬢様! お疲れ様ですっ」
フィアメッタに聞かれてあわててお辞儀する売り場のお姉さん、確か名前はルカさんて言ったか。栗色の巻き毛に同じ色の目の可愛いひとで、歳はたぶん二十歳くらいかな? 開け放してあるドアの向こうをちらちら横目で見ながら、
「いえ、大したことじゃないんですけど……さっきから、お店の外でお話しされてる方たちがいまして」
「なんだ、冷やかしってこと?」
「そう……なんですかね? なんだかご用があるような、ないような感じです」
なんだかはっきりしないお返事だ。とりあえずこっそりドアの陰から耳を澄ますと、外のざわざわに混ざってやり取りが聞こえてくる。
「――だぁから、ついでに顔出していきゃいいだろ。道すがらなんだからよ」
「で、でもあの、まだ出かけてなかったら急かしたみたいになるんじゃ……」
「ったく、思い切りが良すぎる割に気にしいだよなぁお前さん」
聞き覚えのある声に、真っ先に動いたのはリラだった。覗き込んだ顔がぱあっと明るくなる。
「あっやっぱり! スコールくん、こないだぶりー!」
「あらホント。わざわざうちに来てくれたの? なんかごめんね」
「い、いいえっとんでもない! あの、お久しぶりです!!」
女の子二人にあいさつされて、ぶわっと尻尾が逆立ってるのは間違いなく天狼族の男の子だった。別れた時に比べて大分元気そうで安心する。
しかし、あいさつしようとしたところで、わたしはぴしっと固まってしまった。なぜなら、スコールくんのすぐ後ろに立ってるひととばっちり目が合ったからだ。
たぶん百八十センチ台の後半だろう、おっそろしい長身でガタイもかなり良い。渋い銀髪に赤ワインみたいな色の目をした、野性味のあるなかなかの男前さんだ。服装はすっかり見慣れた、盗賊ジョブの典型……っていうか、このひと以上に似合う人物をわたしは知らない。数日前に引き続いてマジですか。
妙なデジャヴを覚えつつ立ちすくんでいたところ、いつの間にか近づいてきていた相手ががしっ! とものすごい勢いで両肩を掴んだ。これまたすさまじい真顔で口を開く。
「――おい。ちょっとつねれ」
「は?」
「いーから。鼻でも口でも頬でもいい、オレの顔をどこかしらつねってくれ」
「……ええっと、はい」
「いっ!?」
訳が分からないまま、とりあえず無難にほっぺをむぎゅっとやる。あっちは一瞬顔しかめたけど、すぐに泣き笑いみたいな表情になって、ひょいっとわたしを抱え上げた。小さい子がよくやってもらってる、片腕に座らせるような体勢のあれだ。
「ぶわあ!?」
「よしっ、てことは夢じゃねぇな! 良く生きてた、アンリ!」
「いやあのちょっと待って! ていうか重くないですか!?」
「姫さん一人くらいどうってことねえよ。……ったく、こっちは大丈夫とか大口叩きやがって。出先であんな知らせ受け取ってどんだけ驚いたか」
「う、……ご、ごめんなさい」
「謝るな、お前のせいじゃねえだろ。……アンリが無事だったんなら、それでいい」
「…………う、うわあああんお父さん~~~~~!」
「おとーさん言うな! オレはまだ二十二だっての、せめて兄貴にしてくれっ」
たぶん覚えてる限り、実の両親にもここまで心配されたことはない。そんな心のこもった言葉を涙声で言われて、代理のわたしですらじんと来てしまった。しがみ付いてべそをかきだしたところ、しっかりツッコミを返しつつ背中をぽんぽん叩いてくれる。良い人だなぁホント。
すっかり置いてけぼりをくらったみんなの後ろから、ふいに軽く咳払いが聞こえた。まだ涙目のままで振り返ると、話しかけたくないなーという顔で頭をかいているうちの盗賊さんが見える。
「……ええっとな、出来れば口をはさみたくないんだけど、ちょっとこれだけ言わせてくれ。イブマリー、その人って」
「あ、うん。あっちでいっしょに戦ってくれたひとでね」
「盗賊のアルバス・ラウルス・ノビリス、だろ?」
「、へっ? 何で知ってるの!?」
「うーん、それはなあ。いまイブマリーを抱き上げて真っ赤になってる人に聞いた方が早いと思うぞ? な、兄貴」
「~~~~~っ、てめぇなぁ! よりにもよって何でここにいやがる愚弟!!」
「「「「「「えええええええ!?!」」」」」」
ダブルかと思いきや、まさかのトリプル再会劇だったというオチに、居合わせた全員の叫びが表通りに響き渡った。
0
お気に入りに追加
230
あなたにおすすめの小説
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
別に構いませんよ、離縁するので。
杉本凪咲
恋愛
父親から告げられたのは「出ていけ」という冷たい言葉。
他の家族もそれに賛同しているようで、どうやら私は捨てられてしまうらしい。
まあいいですけどね。私はこっそりと笑顔を浮かべた。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
妹に婚約者を取られましたが、辺境で楽しく暮らしています
今川幸乃
ファンタジー
おいしい物が大好きのオルロンド公爵家の長女エリサは次期国王と目されているケビン王子と婚約していた。
それを羨んだ妹のシシリーは悪い噂を流してエリサとケビンの婚約を破棄させ、自分がケビンの婚約者に収まる。
そしてエリサは田舎・偏屈・頑固と恐れられる辺境伯レリクスの元に厄介払い同然で嫁に出された。
当初は見向きもされないエリサだったが、次第に料理や作物の知識で周囲を驚かせていく。
一方、ケビンは極度のナルシストで、エリサはそれを知っていたからこそシシリーにケビンを譲らなかった。ケビンと結ばれたシシリーはすぐに彼の本性を知り、後悔することになる。
断罪された公爵令嬢に手を差し伸べたのは、私の婚約者でした
カレイ
恋愛
子爵令嬢に陥れられ第二王子から婚約破棄を告げられたアンジェリカ公爵令嬢。第二王子が断罪しようとするも、証拠を突きつけて見事彼女の冤罪を晴らす男が現れた。男は公爵令嬢に跪き……
「この機会絶対に逃しません。ずっと前から貴方をお慕いしていましたんです。私と婚約して下さい!」
ええっ!あなた私の婚約者ですよね!?
追放された聖女の悠々自適な側室ライフ
白雪の雫
ファンタジー
「聖女ともあろう者が、嫉妬に狂って我が愛しのジュリエッタを虐めるとは!貴様の所業は畜生以外の何者でもない!お前との婚約を破棄した上で国外追放とする!!」
平民でありながらゴーストやレイスだけではなくリッチを一瞬で倒したり、どんな重傷も完治してしまうマルガレーテは、幼い頃に両親と引き離され聖女として教会に引き取られていた。
そんな彼女の魔力に目を付けた女教皇と国王夫妻はマルガレーテを国に縛り付ける為、王太子であるレオナルドの婚約者に据えて、「お妃教育をこなせ」「愚民どもより我等の病を治療しろ」「瘴気を祓え」「不死王を倒せ」という風にマルガレーテをこき使っていた。
そんなある日、レオナルドは居並ぶ貴族達の前で公爵令嬢のジュリエッタ(バスト100cm以上の爆乳・KかLカップ)を妃に迎え、マルガレーテに国外追放という死刑に等しい宣言をしてしまう。
「王太子殿下の仰せに従います」
(やっと・・・アホ共から解放される。私がやっていた事が若作りのヒステリー婆・・・ではなく女教皇と何の力もない修道女共に出来る訳ないのにね~。まぁ、この国がどうなってしまっても私には関係ないからどうでもいいや)
表面は淑女の仮面を被ってレオナルドの宣言を受け入れたマルガレーテは、さっさと国を出て行く。
今までの鬱憤を晴らすかのように、着の身着のままの旅をしているマルガレーテは、故郷である幻惑の樹海へと戻っている途中で【宮女狩り】というものに遭遇してしまい、大国の後宮へと入れられてしまった。
マルガレーテが悠々自適な側室ライフを楽しんでいる頃
聖女がいなくなった王国と教会は滅亡への道を辿っていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる