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第一章:

うちの家主が言うことには②

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9.貯めたGPの使い道

















「ふぅー。あー疲れたぁ……」



お風呂で湯舟に浸かり、疲れた体を癒す。暖かいお湯がじんわりと体に沁み込んでいきダンジョン探索で傷んだ体をほぐしていく。



あの後ボス『一角兎』を何回か周回してGPを貯めていった。そのおかげで今は300GPほどまで貯まっている。



考えるべきことは貯めたGPの使い道。今の所、武器と防具に関しては十分通用しているし問題はない、ただこの先ダンジョンのランクが上がっていくと今のままの武器じゃダメだと思うし防具も安全面を考えるといい物を使いたい。



さらに【野営地】スキル内で使うGPも確保したい。家なんかも気になるし、地面はできれば芝生にしたい。



「GPが足りないなぁ~」



ちょっと前までは少し高い武器を買えば弾なんてすごく安かったからGPは余るようになると思っていた。だけれど【野営地】スキルを手に入れて【GunSHOP】スキルで商品が増えて。欲しい物が次々と増えていっている。



ここらでいっちょGP貯め、してみるかなぁ?



GPはいくらでも欲しいから貯めだしたらきりがないが、目標GP額を決めて集めるのはいい考えじゃないか?

貯めるとしていくつ貯めよう?きりよく500?1000?



う~ん。何だかぽわぽわしてきたな。



「はっ!?やべぇ、のぼせてきたか」



お風呂で考え事をしすぎたのか軽くのぼせてきていたので慌ててお風呂からあがる。



「取り合えず明日からちょっとGP貯めするか!」



脱衣所で体を拭きながらそう高らかに宣言する。









◇  ◇  ◇  ◇









「よし、今回もうまい事倒せたな」



パシュっと気の抜けた音が聞こえてボスである『一角兎』が倒れるのが見える。



【静寂の森】ダンジョンのボス『一角兎』を周回しはじめてはや5日目。毎日毎日飽きることなく倒し続けていき、途中から自分で倒すまでにどれだけ手数を減らせるかみたいなこともしてみたり。



おかげで?今ではボスフィールドに入って数秒でボスを倒せるようになったほどだ。



「これで何体目だっけ?え~っとGPは650か。結構な数を倒してるな」



【GunSHOP】のスキル画面に表示されているGPを見つめて考える。ボス『一角兎』は安定して狩れるようになってきた。それにGPを貯めるついでにレベルもちょっとづつ上がってきた、一石二鳥な状態だ。

更にさらに、新しいスキルを覚えた。







名前:神薙 響  年齢:15



レベル:5 → 8



STR:13 → 15

VIT:9 → 10

AGI:11 → 15

DEX:21 → 35

INT:8

MND:7



≪スキル≫

<ユニーク>【GunSHOP】Lv:2 ▽

<上級>【空間庫】Lv:1

<スキルリンク>【野営地】Lv:1

NEW<初級>【射撃】Lv:1







ずっと銃を使って戦っていたから【射撃】スキルを覚える事ができた。効果はDEXの数値にボーナスがついて射撃を行う際に補正を得るって感じだ。

遠隔射撃系の武器を持っている人ならほぼ全員が持っているスキルで特に珍しくもないスキルだが【射撃】スキルはパッシブスキルなので持っているだけで効果があり、あるのとないのとでは大きく違ってくる。



スキルレベルが上がると効果も当然あがる、さらに【射撃】スキルなどの一部スキルはレベルが上がると進化していく、初級、中級、上級。そこからさらに上位スキルに進化するのもある。



まぁ初級のうちは気のせいかも?レベルの補正しかないらしいから気長に育てていこう。いつかはっきりと実感する時がくるだろう。





「よし、もうちょっとGP稼ぐぞー!」



休憩を終えて再度ボス狩りへと戻る。目指せ1000GP!











◇  ◇  ◇  ◇











「よし、やるかー!」



ボス『一角兎』狩りを始めて1週間ちょっと、無事に1000GP貯まったので今日はダンジョンは休みにして【野営地】スキル内を改造していくつもりだ。



「最初にするのはこの荒野を草原に変更しよう」







ピッ



Lv:1【野営地】▼

 環境:▼

   〝現在所有している土地の指定された範囲を草原へ変更する〟30GP~▽

   〝現在所有している土地の指定された範囲を荒野へ変更する〟30GP~▽

   〝現在所有している土地の指定された場所へ池を追加する〟50GP~▽

   〝現在所有している土地に山を追加する〟100GP~▽

   〝異空間の天候を変更する〟20GP~▽

              ・

              ・

              ・

  家:▽











【野営地】にあるパネルに触って起動する。うむ、草原へ変更があるなこれを選択してっと。



これ、どうやって草原にする場所を指定するんだ?ん~?あ、こうか。



タッチパネルで草原を選んでから変更する場所を指定する方法がわからず少し手間取ったが、どうやらタッチパネル内に表示されている【野営地】のミニマップをタッチして選択すると30GPで変更できる範囲が表示されるみたいだ。



なるほど?30GPで指定できる範囲はそこまで広くないな、これ今いける直径50メートルの範囲全てに適応するとGPいくつかかるんだ?試してみるか。



ミニマップに表示されている【野営地】の範囲を次々にタッチして選択していく。



「全部で450GPか……思ったよりかかるな」



今現在の【野営地】の範囲全てを草原へ変更すると450GPかかる。ボス『一角兎』約20匹分だ。



20匹って聞くと少なく感じるがダンジョンにいった日数にすると3~4日分だ。



「まぁ使っちゃうんだけどね」



GPはまた貯めればいいからね。草原へ変更しますか?決定っと。



「おぉ~」



一瞬地面がぽわっと光ったかと思うと次の瞬間には荒野だった【野営地】が全面草原へと変更された。



草の長さはくるぶしを越えるかどうかのちょうどいい長さ。思わず寝転がる。



「これは………寝れるな……………」



【野営地】スキル内は変更しなければ常に晴れていて寒くならない程度のちょうどいい風も吹いている。後はここに木でもあって日陰があれば……生やすか。



たしか環境の項目の下の方に木々の欄があったはずだ。立ち上がりタッチパネルの所まで歩く。



「え~っと確か下の方に、あったあった安いな買っちゃおう」



画面をスクロールしていくと木々の欄があったのでタッチしてみると色々表示された。







Lv:1【野営地】▼

 環境:▼

    木々:▼

      〝指定された場所へ木を生やす〟10GP~▽

      〝指定された場所へ果物のなる木を生やす〟15GP~▽

              ・

              ・

              ・

  家:▽







日陰にするだけなので普通の木の方を選択する、すると視界内に恐らくここに木が生えますよ~っていう感じで緑色の点滅している木の形の表示が見える、これは仮設置みたいな感じかな?10GPの消費で高さが2メートルぐらいの小さな木が出来るみたいだ。



「大きさの変更は………出来るみたいだな」



タッチパネルに木が表示されていたので、何となく直観で木の上の方をタッチして伸ばしてみると指の動きに合わせて表示されている木が伸びていく。

木が伸びていくのと同時に消費予定のGPも増えていく。およそ1メートルで1GP増えるみたいだ。



木を伸ばして10メートルほどの物にする。そしてミニマップで生やす位置を選択して決定っと。



「うむうむ、いい感じだな」



草原に生えるそこそこの高さの木、ちょうどいい感じに日陰が出来ておりゆっくりと昼寝が出来そうだ。

ここ【野営地】スキル内では自分自身以外の生命がいない、つまり虫が出てきたりしないので安心して昼寝できる。



「次は家を建ててみようかな?」







Lv:1【野営地】▼

 環境:▽

  家:▼

   〝指定された場所へプレハブ小屋を建てる〟500GP~▽

   〝指定された場所へ木造の家を建てる〟750GP~▽

   〝指定された場所へ鉄筋の家を建てる〟900GP~▽

              ・

              ・

              ・





「たっっっっかぁ!」



びっくりした、いきなり消費するGP大きくなりすぎだろ!めちゃくちゃ高いじゃん!



残りGPは500ちょっとで建てれたとしてもプレハブ小屋だ。一応確認のため仮設置の状態にまでもっていってみる。



「この大きさで500GPか………」



仮設置状態のプレハブ小屋の大きさは多分6畳ほどの広さ。500GPもかかるわりには小さい気がする。ただのプレハブ小屋なのに……



もうちょっとGP貯めて木造の家とかにするべきか?ボス『一角兎』を狩り続ければいつかGPは貯まるだろうけどそれだと飽きてくるし………うむ、そろそろ次のダンジョンへ行くべきか。

それまで家はお預けだな。











◇  ◇  ◇  ◇











「ん?」



携帯に何か通知が来ている、お祖父ちゃんかな?

【野営地】内では携帯が通じないので外へ出るとこうやって通知が来ることがある。この間もネット注文した商品がドローンで配達完了しましたよの通知が【野営地】の外にでた瞬間来ていた。





「え~っと?探索者交流会?あ~、あれか………」



携帯を開くと来ていたメールは探索者による交流会の案内、それが今からちょうど1か月後にあるようだ。



探索者交流会とは、ダンジョン協会が主催するその年に探索者のライセンスを手に入れた人達を集めて一緒に何人かでダンジョンへ行ってもらうという物だ。



そう、この時代になっても存在するのだ。「は~い、それじゃぁ友達と班を作ってね~!」っていうアレが。



一応ダンジョン協会側が事前にランダムでPTを決めてくれるとはいえ今から気が重い、しかもこれ強制参加なのだ。





実際には一応、参加を辞退する事も出来るのだが。もし参加しなかった場合探索者内で「あいつは仲間意識もない奴だ」という後ろ指をさされる。



探索者はダンジョンと言う場所を自分の命をチップに攻略していくいわば命知らずだ。そんな彼らは何よりも仲間を大事にする。PTの仲間、クラン仲間はもちろん同じ探索者なら危険なときには手を取り合い一緒に困難に立ち向かう、そういった理由から仲間意識が何となく存在する。



その想いの強さは人それぞれだが。

俺自身は、目の前でもし同じ探索者が危険な目にあっていたら助けるとは思う。それは探索者仲間としてとよりかは同じ人間として助け合うって意味合いの方が強いけれど。



そういった理由で、もし今後ソロで活動するつもりでも多少はこういった交流会に参加しなければならない。



「あ~やだなぁ」



言っても仕方のない事だとは思うが言いたい。









「行きたくねぇぇぇぇぇぇぇ!」











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