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陵辱(3)

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 両腕を後ろから引っ張られ、上半身が浮く。
 体を這うようにスライムが腕ぐらいある触手を伸ばし、ノインの口を開かせて無理矢理入ってきた。
 
「んっぶふっ……ぅんぐ、うう、んく、ぁ、ジュ……うぶううぅ」
 
 舌を掴まれ、口の中を這い回られる。
 粘液と唾液が咥内にいっぱいなり、混じり合って甘くなった液体を喉が嚥下してしまう。
 美味しい、と感じる。
 散々泣かされて、叫ばされて、喉がカラカラだったことにその時気づいた。
 それが嬉しかったのか、咥内に入ったスライムの動きが速くなる。
 舌を掴んだまま、喉の奥へズポズポと前後し始めた。
 尻に入っているものと動きが合う。
 
(なんか、串刺しにされてるみたい……)
 
 涙を溢しながら動きの速くなるスライムに、口と尻穴を一緒に貫かれた。
 
「ぁ……ぶっ……ァァッ……ごっ……ぷ……ン、グ、ウゥ……んー……っ!」
 
 あの“弱いところ”を擦られすぎて、目の前が真っ白になる。
 咥内も散々蹂躙されたが、ノインが達した途端に出ていってしまった。
 ベッドに倒れ込む。
 下の上が甘くてピリピリとする。
 細い触手が胸に伸びてきて、今度は乳首を執拗に揉みしだき始めた。
 そういえば、ここもずっと弄られている。
 口からは出て行ったけれど、尻の中にスライムの存在はまだ健在。
 また緩やかな動きになり、しかし最初の時のようにゴポン、とかなりの質量が奥を広げるように入ってくる。
 
「あ……いっあぁ……ぁ、あ……! い、いや! そ、それ、くる、しいから……やめて……!」
 
 手を後ろに伸ばそうとするが、スライムの中に取り込まれて動かせなくなる。
 腹が少し、膨れ始めた。
 脂汗が滲む。
 乳首を弄られすぎて、変な感覚を覚え始める。
 
「はあ……はあっ、はぁ、はっ、はぁ……はあっ、うぅ、あ……く、るし……っ」
 
 目の前がまた、点滅して朧げになってきた頃、スライムの質量がゆっくりと外へ出て行き始めた。
 その頃には、もう胸全体がスライムに覆われ、揉みしだかれている。
 しっかりと鍛え上げて、柔軟性のある胸筋はスライムにも揉みやすいのだろうか。
 それとも、まだ成長の余地のある少年の体が珍しいのだろうか。
 背中から脇の下、鎖骨のあたりまで入念に揉まれている。
 いったいどんな意味があるのか。
 乳首なんて、ある理由もよくわからないのに、とぼんやり考えているとスライムの触手に先端を強く引っ張られた。
 
「あ……っ! ……!?」
 
 ピリッと、乳首全体が尻の“弱点”を突かれた時のような痺れに襲われる。
 その瞬間、頭から血の気が引いた。
 体は勝手にその感覚を“気持ち良いもの”として捉え、悦ぶ。
 だが頭と心は冷静に「まずいことになった」と理解した。
 ずっと弄られていたここもまた、尻の中と同じく“気持ちよくなるところ”だったのだ。
 急から、呼吸が短く、速くなる。
 だがスライムは容赦なんてしてくれない。
 
「や、やだ、ヤダヤダやめて……やめて、やめて! お願い! これ以上ボクの体おかしくしないで!」
 
 涙が一気に溢れ出た。
 叫んで、後ろを振り返る。
 けれどそれがまずい。
 仰け反る形になり、乳首を突き出すようになってしまった。
 スライムの執拗な乳首への攻めはここぞとばかりに強くなる。
 擦り上げられ、潰され、引っ張られ、吸い上げられ、胸全体を一緒に揉まれた。
 尻からスライムが全部抜けたからこそ、乳首への刺激を意識してしまい、首を必死に横に振る。
 
「あっ、アァ! いやぁ! ヤダヤダヤダ! ンン、っうう! だめぇ、だめ……す、吸われるのやだぁ……! ッうううううー!」
 
 乳輪ごと、吸い上げられるのが本当にまずかった。
 乳首の飾りを舌状のものでペチペチと叩かれたあと、吸いつかれて吸い上げられると胸から背中にかけて電流が走る。
 その刺激に背を仰け反らせてしまうから、ますます胸を突き出すようになり、繰り返し。
 乳首の奥がじわじわあたたかくなり、また触られるとまたピリピリと電流が走って気持ちがよくなる。
 尻の“弱点”をされている時とは違うが、間違いなく同系統のなにか。
 あれが強い絶頂であるなら、これは意識を保ったままの弱い絶頂というべきか。
 厄介なのは、されればされるほど間隔が短く、強くなっていくこと。
 
「んっ!? ヒィ!」
 
 尻に、またスライムが入ってきた。
 今度は乳首を引っ張るもののような、細い触手。
 それでもしっかりと存在は感じられる質量。
 それが入り口の部分を、ゆるゆると出たり入ったりしている。
 どういうつもりなのだろう。
 けれど、今までの行為にもだいたい意味はあった。
 ろくでもない理由だが、その結果が今のこの状態。
 まだ理由がわからないことだらけだが、少なくともノインの体をさらに変化させようとしている行為なのは間違いない。
 
「イッ――イヤ、イヤ! これ以上はやめて、許して……! 本当に……本当にヤダ!」
 
 頭と心は拒絶する。
 けれど体はまったく拒絶しない。
 なすがまま。
 本当に、苦しかった。
 自分の体なのに、なにも自分の思い通りにならない。
 
「あ……」
 
 抜かれてしまった。尻に入っていた触手が。
 その時自分の口から漏れた、なんとも残念そうな声。
 シーツに涙の染みが増える。
 
「あっ! あっ!」
 
 乳首を乱暴に抓られて、首を仰け反らせた。
 また、尻の中に細い触手が入ってくる。
 浅い部分を出たり入ったり……。
 
「ふ、ふううぅーーー……フゥーッ……フーッ……」
 
 息を整えようと試みるが、胸の痛みがだんだんと心地よく感じてきてしまう。
 解放された瞬間の、ジクジクという熱。
 そのまま、吸い上げられる。
 上半身どころか腰まで跳ね上がり、頭が真っ白になった。
 
「あぁーーーー……ッ」
 
 今まで一番強い絶頂だ。
 上半身がカタカタ痙攣する。
 人の指くらいの触手が口の中に入ってきて、舌を引っ張り出す。
 上半身を持ち上げられると、自然に尻穴が締まった。
 
「っうう!?」
 
 締まった途端、中の細い触手を強く感じる。
 細い触手の動き。
 今どのあたりまで入っていて、出て行って、また入ってきているのか、を。
 乳首を細い紐で絡められるようにされ、引っ張られる。
 その痛みでまた、尻が締まった。
 
(あ、あぁ……! 細いの……細いのに……っ)
 
 尻穴が思い出している。
 先程の、あのズボズボとノインの中を蹂躙していた質量を。
 その質量がノインの“弱いところ”をどんなふうに擦り、どんなふうに絶頂させたのかを。
 こんな細いものでは物足りない。
 あの、腹の奥の奥まで――腹が膨れるほどに無理やり注がれた質量の苦しみ。
 あれが――欲しい。
 あれで“弱いところ”を擦られて、奥まで苦しくなるくらい注がれたい。
 
(なんなの……これ、やだ……頭まで……ボク……嫌だ……)
 
 心と同じ場所にいたはずの頭が、そんなことを望む。
 その時、舌を引き摺り出していた触手の質量が増して喉奥まで無理やり入ってきた。
 
「ぉ、グゥ……ォ……!」
 
 息ができない、苦しい。
 真上から貫かれる。
 出し入れされ、尻のように喉を激しく擦られて目を剥いた。
 
「お、っぶ……ッ、ぐ、ぅ、ウブッ、ゥ! ゥ、グ! ん、が、ぉぶぅぅぅ……!? がはぁ!」
 
 本当に窒息する――と思った瞬間、スライムの触手が出て行った。
 ゲホ、ゲホッと咳き込みながら必死に酸素を求める。
 口からピンクの液体が大量に垂れ流しになった。
 
「あ……いっ……あっ、あっ」
 
 今度はノインの放置されていた性器に、触手が巻きつく。
 知らないうちにすっかりと立ち上がったそれ。
 乱暴に扱き上げられて、同時に乳首まで吸い上げられると簡単に快感に支配される。
 
「い……いや、ぁああああぁっ!」
 
 まるで溜まっていたものを、一気に吐き出すかのようにあっさりと、ノインの性器がまた白濁の液を吐き出した。
 乳首への刺激による絶頂と、ほぼ同時だったように思う。
 その上、尻の中をゆるく這っていたあの細い触手を強く締め上げたことで“気持ちがよかった”ことにも気づいてしまった。
 
「は、はあ、はあっ……はあっ、はあっ、はあっ、はっ……」
 
 愕然としてまた涙が溢れる。
 あんな、指よりも細いものを――“気持ちいい”なんて……。
 
『――おかしい。どうして誰も来ないの?』
「……っ?」
 
 呼吸を整えていると、部屋の外にあのカプセルの女がいた。
 ノインの方を見ながら、不満そうに呟いた声。
 涙で歪む視界をそちらに向けると、女はノインをジッと見つめる。
 
『……っ? フローラにアクセスできない。なに? ……ねえ、あなたはハロルドが連れてきたのよね? どうして研究員が誰も来ないの? なにか知っている?』
「え……あ……な、に?」
 
 なんて言っている?
 思考が上手くまとまらずに聞き返すと、女はやや苛立ったように『ハロルドはっ? ハロルド・エルセイドは!?』と叫ぶ。
 ハロルド。ハロルド・エルセイド。
 
(エルセイド……)
 
 ノインの脳によぎったのは、透ける金の髪の――。
 
『っ!?』
 
 その時、女のいる部屋の天井がなにかにぶち割られた。
 白い光を纏った雷の天使のようなものが、部屋の中に降りてくる。
 ついに死んだのか? とぼんやりと思っていると、一瞬だけ、時間が止まったかのように女と天使が見つめ合う。
 しかしすぐに、天使がノインの部屋に気づき左腕を掲げた。
 長く鋭い腕。
 いや、あれは――剣を持った手だ。
 振り下ろした瞬間凄まじい爆風で、ガラスが割れる。
 それはすべてスライムに突き刺さるが、基本的に物理攻撃の通用しないスライムはノインを抱えたまま動かない。
 そのスライムに、天使の剣が突き立てられる。
 
『ビャオオオオ!?』
 
 断末魔を上げて、スライムがピンクの霧になった。
 横目で絶えるスライムを見ながら、倒れ込んだノインを抱き留める天使。
 光が消えて、シドの姿が現れた。
 あれは、あの姿は……ウォレスティー王国で暴走したハロルドを、倒した時の姿か。
 
「……シド、だぁ……」
「俺の言うことを、どうして聞かなかった」
「……ごめんなさい……」
 
 それは本当にそう思う。
 心から、何度もそう思った。
 シドの言うことはなにも間違っていない。
 おっしゃる通りとは、まさにこのこと。
 
(あ……悲しそう……)
 
 眉を寄せ、唇を一つに結んで。
 その表情は、悲しい時にする顔だ。
 シドもこんな顔をするのかと、働かない頭で思う。
 しかも、自分のために。
 そういう表情が一番、胸を抉る。
 
「主人、こちらの通路に居住スペースのような部屋が多くあります。ノイン殿をこちらで休ませるのがよろしいのではないでしょうか?」
「わかった。使えそうな部屋へ案内しろ」
「はっ」
 
 あの内側からは開かなかった部屋だが、カプセル女のいた部屋からは扉隔てた廊下があったらしい。
 その廊下には二階のように左右で五部屋ずつ、居住スペースのような部屋が並んでいた。
 ノインに外套を着せたシドが背負って、廊下を進む。



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