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アルファは神を殺す
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ユリウスたちはデァモントの集落の外に張った、騎士団の天幕へと戻った。銀髪の子どもはゲルトが抱いて運んだ。
移動の途中で寝てしまった子どもをゲルトに任せ、ユリウスたちは団長用の天幕に集い、火鉢を囲んで体を温めた。
副団長の指揮下で、デァモントの門と石壁の一部が壊され、団員たちは敷地内へと侵入を果たしている。
様子を伺いに行ったハッシュの報告では、信者たちはうろたえてはいたが、騎士団たちが行っているのが狼藉ではなく遺体の埋葬と、そして飢えた者への炊き出しであったことから、抵抗も見せずに大人しく成り行きを見守っている者がほとんどだということであった。
団員たちと一緒に埋葬に加わる民も出てきたらしい。
中央教会はしずまり返っているようだ。あそこに居た黒衣の信者たちは、まだ祈っているのだろうか。
彼らの「ハーゼ様」という声を思い出して、ユリウスは喉奥に凝った苦い感情を、ホットワインとともに飲み下した。
後味は悪かった。
しかしここでできることは、もうすべて終わっている。
疲れたなぁと呟いたら、本当にな、と次兄が笑って同意してきた。
腕を伸ばして、団長のマグカップにワインを注ぎ足したロンバードが、
「ほんとに良かったんですか?」
とユリウスへ問いかけてきた。
なんのことだと思ったら、ゲルトですよ、と告げられる。
「不満か?」
「いや、あんたがよくゆるしたなぁって」
「ユーリも大人になったもんだ」
ユリウスを挟んだ反対側の隣で、クラウスがなぜか得意げ頷いた。しかし、二十九歳の大の大人に向ける賛辞ではない。ユリウスは微妙な気持ちになり、眉間にしわを寄せた。
「ゆるしたんじゃない。聞いてなかったのか? 一生をかけて償わせるんだ」
「まぁそうなんですがね。でも、大丈夫ですかね?」
ロンバードが首を捻り、疑わしげな半眼になった。
「デァモントの信者だった男に、あの子どもを預けたりして、またハーゼとして依存の対象になったりしないですかね?」
「そのときはそのときだ」
「あれま。意外と冷たいですね、殿下。俺はてっきり、リヒト様のときと同じぐらい過保護になるんだと思いましたが」
意外そうにそう言われ、ユリウスはじろりと側近を睨んだ。
「バカかおまえは。僕の腕は二本しかない。そしてこの二本の腕は、リヒトをまもるための腕だ。リヒトだけで塞がっているんだよ」
ユリウスの返答に、クラウスがうんうんと同意を示す。
それを見たロンバードが、アルファってやつは……と口の中でもごりと呟いた。
呆れた声を聞かなかったふりで、ユリウスは天幕越しに、ゲルトが居るであろう方角へと視線を流した。今頃彼は、子どものために温かな寝袋と飲み物を用意していることだろう。
「まぁでも大丈夫だろうね。これからゲルトがあの子を世話するのは閉鎖的な教会じゃなくて、サーリークだし。しばらくは兄上たちが目を光らせてくれるでしょうしね」
「こらこら。面倒くさい業務を騎士団に押しつけるんじゃない」
「でも兄上、エミール殿は孤児院への慰問を続けられてるんでしょう? エミール殿の慰問先にあの子を置いておけば、兄上は公務でエミール殿に同行できるんですよ? ゲルトの監視を騎士団が引き受けてくださるなら、ですが」
「よし、引き受けた」
騎士団長の即答に、火鉢の向こうでエーリッヒが頭を抱えるのが見えた。
ユリウスは唇の端で小さく笑い、隣に座る次兄の手元に視線を落とした。
クラウスの胡坐をかいた腿の上には、黒い革張りの冊子がある。代々の教皇に受け継がれてきたという手記だ。
古びて黄ばんだ紙には、ハーゼに関する仔細が記されていた。
その中に、ハーゼの五感を封じる妙薬という項目がある。
教皇の執政室でユリウスはすでに三度目を通していたが、クラウスは初見だ。
「どうです?」
次兄の目線が一通り文章をなぞったことを確認して、しずかに問いかける。
クラウスは腕を組み、「う~ん」と唸った。
「これは確かに、なんとも言ないな」
顎をさすりながらそう言った兄の手から、ユリウスは再び手記を受け取る。
そしてパラパラとページをめくった。
神の眷属であるハーゼは、デァモント教の信者のため、ひとの肉体を持って生まれてくる。
しかしハーゼは人間であってはならない。
清貧・平等・勤勉を体現する教団の象徴として存在しなければならない。
そのため新たに受肉したハーゼは、まず五感を奪われる。
冊子に書かれたその方法は、とある妙薬をハーゼに飲ませる、というものだった。
その妙薬の作り方は、絵柄つきで細かく記載されている。
ユリウスは妙薬の材料をひとつひとつ確かめていった。
「薬師に見せれば、解毒できるでしょうか?」
「それもなんとも言えないな。ここ……この、リゼルという植物は、自生していないためノルメルで入手する、と書かれてある。ノルメルというのは?」
「僕たちが通ってきたシャムール国の村の名です。そこでヨハネスを捕らえました」
「なるほど。教団とつながりの深い村というわけだ」
「深いなんてものじゃないですよ」
皮肉な声を漏らしたユリウスへと、クラウスが眉をひそめる。
「なにかあるのか?」
「行けばわかります」
「立ち寄るのか?」
「どちらにせよリゼルという植物の現物が必要になりますからね」
妙薬と思しき蜂蜜色の液体は、教皇の部屋の隠し棚に陳列されていた。
香水瓶に似たその小瓶はすべて回収してきたが、この液体を分析するためにはすべての素材を入手する必要があるだろう。
「今日の午後か明日には連盟国の編成部隊が到着するだろう。それでひとまず我々騎士団は引き上げとなるが……そうか、寄り道があるのか……」
ひどく落胆したように、クラウスがぼやいた。
気持ちはわかる。ユリウスとて一日も早く帰りたい。帰って、リヒトを抱きしめたい。
「兄上には先に帰還していただいても構いませんよ。僕はまだ帰れませんけどね。ええ、僕はいいんです。僕のオメガのためですからいいんです。僕のことはどうぞ気になさらず、お先にお帰りください、兄上」
にっこり笑ってそう言ってやれば、
「ユーリ。笑顔で嫌味を言うのをやめなさい」
クラウスからそんな注意が返ってきた。
兄は眉間にしわを寄せたまま、わかった、と両手を挙げた。
「可愛い弟を置いて自分だけ戻るわけにもいかない。私も付き合おう」
クラウスならばそう言ってくれると思っていた。ユリウスは得たりと笑って頭を下げた。
「俺たちはどうしましょう」
本隊に合流すべきか、このままユリウスと行動をともにすべきか、ハッシュがクラウスに指示を仰いだ。
クラウスが視線をこちらへ向けて、判断を委ねてくる。
ユリウスは少し考え、
「では、ハッシュとエーリッヒをこのままお借りします」
と答えた。
団員二名とクラウス、ロンバード、そしてユリウス。
「僕たち五人と、あとはゲルトとあの子どもも同行させます」
「ゲルトはともかく、子どもは大丈夫か? かなり衰弱しているようだったが」
「もちろん、健康状態を見ながらにはなりますが……治療の手がかりがあればすぐに試してみたいので」
リヒトやあの子どもの五感を奪った『妙薬』。
その効果を打ち消す方法があるのかどうか。
ノルメル村に立ち寄り、リゼルという植物を入手し、帰る道すがら治療法を探りたい。
移動の途中で寝てしまった子どもをゲルトに任せ、ユリウスたちは団長用の天幕に集い、火鉢を囲んで体を温めた。
副団長の指揮下で、デァモントの門と石壁の一部が壊され、団員たちは敷地内へと侵入を果たしている。
様子を伺いに行ったハッシュの報告では、信者たちはうろたえてはいたが、騎士団たちが行っているのが狼藉ではなく遺体の埋葬と、そして飢えた者への炊き出しであったことから、抵抗も見せずに大人しく成り行きを見守っている者がほとんどだということであった。
団員たちと一緒に埋葬に加わる民も出てきたらしい。
中央教会はしずまり返っているようだ。あそこに居た黒衣の信者たちは、まだ祈っているのだろうか。
彼らの「ハーゼ様」という声を思い出して、ユリウスは喉奥に凝った苦い感情を、ホットワインとともに飲み下した。
後味は悪かった。
しかしここでできることは、もうすべて終わっている。
疲れたなぁと呟いたら、本当にな、と次兄が笑って同意してきた。
腕を伸ばして、団長のマグカップにワインを注ぎ足したロンバードが、
「ほんとに良かったんですか?」
とユリウスへ問いかけてきた。
なんのことだと思ったら、ゲルトですよ、と告げられる。
「不満か?」
「いや、あんたがよくゆるしたなぁって」
「ユーリも大人になったもんだ」
ユリウスを挟んだ反対側の隣で、クラウスがなぜか得意げ頷いた。しかし、二十九歳の大の大人に向ける賛辞ではない。ユリウスは微妙な気持ちになり、眉間にしわを寄せた。
「ゆるしたんじゃない。聞いてなかったのか? 一生をかけて償わせるんだ」
「まぁそうなんですがね。でも、大丈夫ですかね?」
ロンバードが首を捻り、疑わしげな半眼になった。
「デァモントの信者だった男に、あの子どもを預けたりして、またハーゼとして依存の対象になったりしないですかね?」
「そのときはそのときだ」
「あれま。意外と冷たいですね、殿下。俺はてっきり、リヒト様のときと同じぐらい過保護になるんだと思いましたが」
意外そうにそう言われ、ユリウスはじろりと側近を睨んだ。
「バカかおまえは。僕の腕は二本しかない。そしてこの二本の腕は、リヒトをまもるための腕だ。リヒトだけで塞がっているんだよ」
ユリウスの返答に、クラウスがうんうんと同意を示す。
それを見たロンバードが、アルファってやつは……と口の中でもごりと呟いた。
呆れた声を聞かなかったふりで、ユリウスは天幕越しに、ゲルトが居るであろう方角へと視線を流した。今頃彼は、子どものために温かな寝袋と飲み物を用意していることだろう。
「まぁでも大丈夫だろうね。これからゲルトがあの子を世話するのは閉鎖的な教会じゃなくて、サーリークだし。しばらくは兄上たちが目を光らせてくれるでしょうしね」
「こらこら。面倒くさい業務を騎士団に押しつけるんじゃない」
「でも兄上、エミール殿は孤児院への慰問を続けられてるんでしょう? エミール殿の慰問先にあの子を置いておけば、兄上は公務でエミール殿に同行できるんですよ? ゲルトの監視を騎士団が引き受けてくださるなら、ですが」
「よし、引き受けた」
騎士団長の即答に、火鉢の向こうでエーリッヒが頭を抱えるのが見えた。
ユリウスは唇の端で小さく笑い、隣に座る次兄の手元に視線を落とした。
クラウスの胡坐をかいた腿の上には、黒い革張りの冊子がある。代々の教皇に受け継がれてきたという手記だ。
古びて黄ばんだ紙には、ハーゼに関する仔細が記されていた。
その中に、ハーゼの五感を封じる妙薬という項目がある。
教皇の執政室でユリウスはすでに三度目を通していたが、クラウスは初見だ。
「どうです?」
次兄の目線が一通り文章をなぞったことを確認して、しずかに問いかける。
クラウスは腕を組み、「う~ん」と唸った。
「これは確かに、なんとも言ないな」
顎をさすりながらそう言った兄の手から、ユリウスは再び手記を受け取る。
そしてパラパラとページをめくった。
神の眷属であるハーゼは、デァモント教の信者のため、ひとの肉体を持って生まれてくる。
しかしハーゼは人間であってはならない。
清貧・平等・勤勉を体現する教団の象徴として存在しなければならない。
そのため新たに受肉したハーゼは、まず五感を奪われる。
冊子に書かれたその方法は、とある妙薬をハーゼに飲ませる、というものだった。
その妙薬の作り方は、絵柄つきで細かく記載されている。
ユリウスは妙薬の材料をひとつひとつ確かめていった。
「薬師に見せれば、解毒できるでしょうか?」
「それもなんとも言えないな。ここ……この、リゼルという植物は、自生していないためノルメルで入手する、と書かれてある。ノルメルというのは?」
「僕たちが通ってきたシャムール国の村の名です。そこでヨハネスを捕らえました」
「なるほど。教団とつながりの深い村というわけだ」
「深いなんてものじゃないですよ」
皮肉な声を漏らしたユリウスへと、クラウスが眉をひそめる。
「なにかあるのか?」
「行けばわかります」
「立ち寄るのか?」
「どちらにせよリゼルという植物の現物が必要になりますからね」
妙薬と思しき蜂蜜色の液体は、教皇の部屋の隠し棚に陳列されていた。
香水瓶に似たその小瓶はすべて回収してきたが、この液体を分析するためにはすべての素材を入手する必要があるだろう。
「今日の午後か明日には連盟国の編成部隊が到着するだろう。それでひとまず我々騎士団は引き上げとなるが……そうか、寄り道があるのか……」
ひどく落胆したように、クラウスがぼやいた。
気持ちはわかる。ユリウスとて一日も早く帰りたい。帰って、リヒトを抱きしめたい。
「兄上には先に帰還していただいても構いませんよ。僕はまだ帰れませんけどね。ええ、僕はいいんです。僕のオメガのためですからいいんです。僕のことはどうぞ気になさらず、お先にお帰りください、兄上」
にっこり笑ってそう言ってやれば、
「ユーリ。笑顔で嫌味を言うのをやめなさい」
クラウスからそんな注意が返ってきた。
兄は眉間にしわを寄せたまま、わかった、と両手を挙げた。
「可愛い弟を置いて自分だけ戻るわけにもいかない。私も付き合おう」
クラウスならばそう言ってくれると思っていた。ユリウスは得たりと笑って頭を下げた。
「俺たちはどうしましょう」
本隊に合流すべきか、このままユリウスと行動をともにすべきか、ハッシュがクラウスに指示を仰いだ。
クラウスが視線をこちらへ向けて、判断を委ねてくる。
ユリウスは少し考え、
「では、ハッシュとエーリッヒをこのままお借りします」
と答えた。
団員二名とクラウス、ロンバード、そしてユリウス。
「僕たち五人と、あとはゲルトとあの子どもも同行させます」
「ゲルトはともかく、子どもは大丈夫か? かなり衰弱しているようだったが」
「もちろん、健康状態を見ながらにはなりますが……治療の手がかりがあればすぐに試してみたいので」
リヒトやあの子どもの五感を奪った『妙薬』。
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