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リヒト⑥
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僕は慌てふためいて、手紙の入った封筒を探した。
布団をめくり、広い寝台の上を這いずり回った。あちこちに手を滑らせて、一心不乱に探した。
けれど見つからない。
僕の目では見つけられない。
僕の手では封筒の感触もわからない。
どうしよう。
あれはユーリ様からいただいた、大切なもので……。
『僕のリヒト』と『きみのユーリ』という言葉が記された、唯一のものなのに。
たとえばユーリ様が、このお屋敷に戻って来られずに、他のオメガのところへ行かれたとして。
たとえば僕が、このお屋敷を追い出されるときがきたとして。
そのときに僕に残るものといえば。
ユーリ様からいただいたあの手紙と……この首輪だけなのに。
目は、ユーリ様の顔がよく見えないから。
耳は、ユーリ様の声をうまく聞き分けられないから。
肌は、ユーリ様の温もりをちゃんと残しておけないから。
鼻は、ユーリ様のまとう匂いすらも教えてくれないから。
僕に残るのはただ、手紙と首輪だけなのに。
それを失ってしまったら、僕は……僕は……。
見つからない手紙にひどくかなしくなって、「うぇぇ」と声が漏れた。
一度喉から飛び出した嗚咽はおさまらずに、僕は声を上げて泣き出した。
寝台の上で体を丸め、うずくまって全身で泣いた。
そうしていると急に体を引き起こされた。
涙でべしょべしょの顔を上げてみれば、テオバルドさんがベッドに乗り上がって僕の肩を掴んでいた。
「リヒト様っ? どうしました! お腹が痛いんですかっ?」
焦った声で、そう問われる。
お腹は痛くない。
どこも痛くない。
手紙がないのだ。ユーリ様からの手紙が。
僕はそう訴えたけれど、しゃっくりと嗚咽で邪魔をされて中々伝わらない。
僕の耳は自分の声ですらぼわんと歪んで聞こえる。だから話すときは意識して発音しないと相手はうまく聞き取れない。
テオバルドさんも頑張って耳を傾けてくれたけれど、結局僕がなにを言いたいのかがわからずに、
「とりあえず深呼吸しましょう」
と促してきた。
「リヒト様、息を吐いて、吐いてから、吸って。もっと吐いてください。吸ってばかりいたら過呼吸になります。息を吐く、吐いて、吸う」
いつもよりもゆっくりとした話し方で、テオバルドさんが呼吸の仕方を教えてくれる。
僕はひっ、ひっ、と息を途切れさせながらも、なんとか深呼吸を三度した。
「リヒト様、どこか痛いですか?」
再び問われて、僕は首を横に振った。
「て、てがみ、てがみが」
泣きすぎて口が動かしにくい。舌がもつれる。
「ない、なくなって、てがみ、なくなって……」
それでも片言でなんとかそれを伝えた。
テオバルドさんが素早い動きで顔を巡らせて、寝台の周りを確認してくれる。
それから彼は僕へと、
「リヒト様が温室へ行かれている間、この部屋の清掃を行っています。本日ベッドメイクを担当した者に話を聞いてきますので、少しお待ちください」
そう言って、走って部屋を出て行った。
僕は体を丸めて、泣きながらテオバルドさんが戻ってくるのを待っていた。
ほどなくしてテオバルドさんがやはり走って部屋に入ってくる。
彼の後ろにべつの誰かの姿があった。
「リヒト様っ! ありました! 見つかりましたっ」
テオバルドさんが僕に、白い封筒を差し出してきた。
僕は飛び起きて膝立ちになり、彼の手から封筒をもぎ取った。
うえぇぇ、と泣き声を上げながら、僕は両手でそれを持ち、胸に押し抱いた。
「申し訳ありませんっ! シーツの交換……ポケットに入れ……、お戻し……失念して……したっ!」
テオバルドさんの背後のひとが僕に向かって頭を下げた。
女のひとだ。ふだんであっても高い声は聞き取りにくい。それにいまは僕が、聞くことに集中できていないから、途切れ途切れになってしまう。
それでも謝罪の言葉は耳に飛び込んできて、テオバルドさんが彼女へ向かい、なにか言っていた。
僕は手紙を抱きしめたままぼとぼとと涙を落とした。
「リヒト様、見つかって良かったですね」
テオバルドさんがそう話しかけてくる。
ユーリ様からの手紙が戻ってきて、安堵して僕が泣いているとでも思ったのだろうか。
ユーリ様からの手紙をこうして手に取ることができて、喜んでいると思ったのだろうか。
僕の涙が止まらない理由は、そういうものじゃなかった。
僕は、僕が情けなかった。
手紙を失くしても、探すことのできない自分が情けなかった。
ユーリ様の手紙ですよ、と封筒を返されて。
これが真実ユーリ様からの手紙なのか、確かめることのできない自分が情けなかった。
だって、僕にはわからない。
いま僕が胸に抱いているこれが、失くしたものと同じ手紙なのかどうかもわからない。
文字が見えないから、ユーリ様の字が書かれているかもわからない。
本当は掃除の時に手紙は捨てられてしまっていて……まったくべつのひとが書いた適当な文字を、ユーリ様の手紙ですよと言われたとしても、僕自身にはそれが本当なのか嘘なのか、見極めることができないのだ。
そのことが情けなくてかなしくて、僕は泣いた。
たぶん、こんなに泣いたのは初めてのことだと思う。
泣いているうちに限界がきて、僕はいつの間にか眠っていた。
目が覚めたら部屋は真っ暗だった。
もう夜だろうか。
ぽつ、ぽつと室内に灯りが見える。
トイレまでの目印として点いている灯りだ。
僕はぼわんと滲むその光をしばらくぼんやりと見つめていた。
ふと思い出して手探りで体の周りを探ると、封筒があった。
開いてみて、中から折りたたまれた便箋を取り出す。
字は見えない。
僕のリヒトへ、で始まるユーリ様からの手紙。
エミール様が泊まってくださったとき、その内容をしっかり覚えていたくて、三回も読んでいただいた。
ここに書かれた言葉は覚えている。
でも記憶は絶対じゃない。忘れてしまうこともある。だから形として残るものをいただけたのは嬉しかった。
僕のリヒトへ。
この手紙の一番最初の行には、そう書かれているだろうか。
それとも、本物の手紙は掃除のときになくなってしまって、べつのものにすり替えられてしまったのだろうか。
僕は封筒へと手紙を仕舞った。うまく入らずに何度かやり直して、ようやく収めることができた。
封筒をズボンのポケットに入れて、僕は寝台を出た。
首元を触る。首輪がちゃんと首に巻かれていることを、その形を辿ることで確かめて、最後に宝石に触れた。
お祈りをしなければならない。
ユーリ様が帰ってきてくださるように。
飾緒の願掛けは、たぶん、ダメだったのだ。
だってユーリ様がまだ戻ってこられないから。
願掛けではなくて、ちゃんと、デァモント様にお祈りしなくてはならなかったのだ。
自分のお祈りだけでなく、ちゃんと信者のひとのためにも祈るから。
だから神様、僕のお祈りもきいてください。
僕は、僕ができそこないだってことを知ってます。
僕が、信者のひとたちを苦しめてきたこともわかってます。
それでもあと一度だけ。
あと一度だけ、ユーリ様に会いたいです。
目も鼻も耳もこのままでかまいません。
まともなひとにならなくていいから、ユーリ様に会いたいです。
あと一度だけ会わせてくれたなら、僕はちゃんと、ハーゼとしてのお役目を果たします。
次のハーゼが生まれるように、信者のひとが救われるように、ちゃんとお祈りをして、ちゃんと僕を終わらせます。
だから神様。
僕にお声を聞かせてください。
ユーリ様は僕のところへ戻って来られると、そう言ってください。
神様。月の神様、お願いします。
僕はそうお祈りをするための場所を探そうと思った。
このお屋敷ではきっと、神様は僕に話しかけてくださらない。
祭壇のある場所へ行かなければならない。
祭壇は、どこにあるだろうか。
僕が……ハーゼが暮らしていた教会は、ここから遠いのだろうか。
山に行けばわかるだろうか。
ユーリ様が僕を拾ったという、あの山に。
でも山はどこだろう。
僕でも、探せるだろうか。
とりあえず外に出てみようか。
デァモント様は、月の神様だから。
お屋敷の中より外の方が、お声が届きやすいかもしれない。
僕は扉の方へ歩いていき、ドアを開けて、部屋の外へ出た。
玄関ホールまでの道は覚えている。手すりもついているので歩けるはずだ。
胸の中でお祈りの言葉を繰り返しながら、僕は足を踏み出した。
布団をめくり、広い寝台の上を這いずり回った。あちこちに手を滑らせて、一心不乱に探した。
けれど見つからない。
僕の目では見つけられない。
僕の手では封筒の感触もわからない。
どうしよう。
あれはユーリ様からいただいた、大切なもので……。
『僕のリヒト』と『きみのユーリ』という言葉が記された、唯一のものなのに。
たとえばユーリ様が、このお屋敷に戻って来られずに、他のオメガのところへ行かれたとして。
たとえば僕が、このお屋敷を追い出されるときがきたとして。
そのときに僕に残るものといえば。
ユーリ様からいただいたあの手紙と……この首輪だけなのに。
目は、ユーリ様の顔がよく見えないから。
耳は、ユーリ様の声をうまく聞き分けられないから。
肌は、ユーリ様の温もりをちゃんと残しておけないから。
鼻は、ユーリ様のまとう匂いすらも教えてくれないから。
僕に残るのはただ、手紙と首輪だけなのに。
それを失ってしまったら、僕は……僕は……。
見つからない手紙にひどくかなしくなって、「うぇぇ」と声が漏れた。
一度喉から飛び出した嗚咽はおさまらずに、僕は声を上げて泣き出した。
寝台の上で体を丸め、うずくまって全身で泣いた。
そうしていると急に体を引き起こされた。
涙でべしょべしょの顔を上げてみれば、テオバルドさんがベッドに乗り上がって僕の肩を掴んでいた。
「リヒト様っ? どうしました! お腹が痛いんですかっ?」
焦った声で、そう問われる。
お腹は痛くない。
どこも痛くない。
手紙がないのだ。ユーリ様からの手紙が。
僕はそう訴えたけれど、しゃっくりと嗚咽で邪魔をされて中々伝わらない。
僕の耳は自分の声ですらぼわんと歪んで聞こえる。だから話すときは意識して発音しないと相手はうまく聞き取れない。
テオバルドさんも頑張って耳を傾けてくれたけれど、結局僕がなにを言いたいのかがわからずに、
「とりあえず深呼吸しましょう」
と促してきた。
「リヒト様、息を吐いて、吐いてから、吸って。もっと吐いてください。吸ってばかりいたら過呼吸になります。息を吐く、吐いて、吸う」
いつもよりもゆっくりとした話し方で、テオバルドさんが呼吸の仕方を教えてくれる。
僕はひっ、ひっ、と息を途切れさせながらも、なんとか深呼吸を三度した。
「リヒト様、どこか痛いですか?」
再び問われて、僕は首を横に振った。
「て、てがみ、てがみが」
泣きすぎて口が動かしにくい。舌がもつれる。
「ない、なくなって、てがみ、なくなって……」
それでも片言でなんとかそれを伝えた。
テオバルドさんが素早い動きで顔を巡らせて、寝台の周りを確認してくれる。
それから彼は僕へと、
「リヒト様が温室へ行かれている間、この部屋の清掃を行っています。本日ベッドメイクを担当した者に話を聞いてきますので、少しお待ちください」
そう言って、走って部屋を出て行った。
僕は体を丸めて、泣きながらテオバルドさんが戻ってくるのを待っていた。
ほどなくしてテオバルドさんがやはり走って部屋に入ってくる。
彼の後ろにべつの誰かの姿があった。
「リヒト様っ! ありました! 見つかりましたっ」
テオバルドさんが僕に、白い封筒を差し出してきた。
僕は飛び起きて膝立ちになり、彼の手から封筒をもぎ取った。
うえぇぇ、と泣き声を上げながら、僕は両手でそれを持ち、胸に押し抱いた。
「申し訳ありませんっ! シーツの交換……ポケットに入れ……、お戻し……失念して……したっ!」
テオバルドさんの背後のひとが僕に向かって頭を下げた。
女のひとだ。ふだんであっても高い声は聞き取りにくい。それにいまは僕が、聞くことに集中できていないから、途切れ途切れになってしまう。
それでも謝罪の言葉は耳に飛び込んできて、テオバルドさんが彼女へ向かい、なにか言っていた。
僕は手紙を抱きしめたままぼとぼとと涙を落とした。
「リヒト様、見つかって良かったですね」
テオバルドさんがそう話しかけてくる。
ユーリ様からの手紙が戻ってきて、安堵して僕が泣いているとでも思ったのだろうか。
ユーリ様からの手紙をこうして手に取ることができて、喜んでいると思ったのだろうか。
僕の涙が止まらない理由は、そういうものじゃなかった。
僕は、僕が情けなかった。
手紙を失くしても、探すことのできない自分が情けなかった。
ユーリ様の手紙ですよ、と封筒を返されて。
これが真実ユーリ様からの手紙なのか、確かめることのできない自分が情けなかった。
だって、僕にはわからない。
いま僕が胸に抱いているこれが、失くしたものと同じ手紙なのかどうかもわからない。
文字が見えないから、ユーリ様の字が書かれているかもわからない。
本当は掃除の時に手紙は捨てられてしまっていて……まったくべつのひとが書いた適当な文字を、ユーリ様の手紙ですよと言われたとしても、僕自身にはそれが本当なのか嘘なのか、見極めることができないのだ。
そのことが情けなくてかなしくて、僕は泣いた。
たぶん、こんなに泣いたのは初めてのことだと思う。
泣いているうちに限界がきて、僕はいつの間にか眠っていた。
目が覚めたら部屋は真っ暗だった。
もう夜だろうか。
ぽつ、ぽつと室内に灯りが見える。
トイレまでの目印として点いている灯りだ。
僕はぼわんと滲むその光をしばらくぼんやりと見つめていた。
ふと思い出して手探りで体の周りを探ると、封筒があった。
開いてみて、中から折りたたまれた便箋を取り出す。
字は見えない。
僕のリヒトへ、で始まるユーリ様からの手紙。
エミール様が泊まってくださったとき、その内容をしっかり覚えていたくて、三回も読んでいただいた。
ここに書かれた言葉は覚えている。
でも記憶は絶対じゃない。忘れてしまうこともある。だから形として残るものをいただけたのは嬉しかった。
僕のリヒトへ。
この手紙の一番最初の行には、そう書かれているだろうか。
それとも、本物の手紙は掃除のときになくなってしまって、べつのものにすり替えられてしまったのだろうか。
僕は封筒へと手紙を仕舞った。うまく入らずに何度かやり直して、ようやく収めることができた。
封筒をズボンのポケットに入れて、僕は寝台を出た。
首元を触る。首輪がちゃんと首に巻かれていることを、その形を辿ることで確かめて、最後に宝石に触れた。
お祈りをしなければならない。
ユーリ様が帰ってきてくださるように。
飾緒の願掛けは、たぶん、ダメだったのだ。
だってユーリ様がまだ戻ってこられないから。
願掛けではなくて、ちゃんと、デァモント様にお祈りしなくてはならなかったのだ。
自分のお祈りだけでなく、ちゃんと信者のひとのためにも祈るから。
だから神様、僕のお祈りもきいてください。
僕は、僕ができそこないだってことを知ってます。
僕が、信者のひとたちを苦しめてきたこともわかってます。
それでもあと一度だけ。
あと一度だけ、ユーリ様に会いたいです。
目も鼻も耳もこのままでかまいません。
まともなひとにならなくていいから、ユーリ様に会いたいです。
あと一度だけ会わせてくれたなら、僕はちゃんと、ハーゼとしてのお役目を果たします。
次のハーゼが生まれるように、信者のひとが救われるように、ちゃんとお祈りをして、ちゃんと僕を終わらせます。
だから神様。
僕にお声を聞かせてください。
ユーリ様は僕のところへ戻って来られると、そう言ってください。
神様。月の神様、お願いします。
僕はそうお祈りをするための場所を探そうと思った。
このお屋敷ではきっと、神様は僕に話しかけてくださらない。
祭壇のある場所へ行かなければならない。
祭壇は、どこにあるだろうか。
僕が……ハーゼが暮らしていた教会は、ここから遠いのだろうか。
山に行けばわかるだろうか。
ユーリ様が僕を拾ったという、あの山に。
でも山はどこだろう。
僕でも、探せるだろうか。
とりあえず外に出てみようか。
デァモント様は、月の神様だから。
お屋敷の中より外の方が、お声が届きやすいかもしれない。
僕は扉の方へ歩いていき、ドアを開けて、部屋の外へ出た。
玄関ホールまでの道は覚えている。手すりもついているので歩けるはずだ。
胸の中でお祈りの言葉を繰り返しながら、僕は足を踏み出した。
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