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女神の愛したうさぎ
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女神に身を捧げたうさぎは、デァモント教の象徴として、清貧、勤勉・平等を体現する存在でなくてはならなかった。
信者の苦しみはすべてハーゼが吸い上げ、祈りに変えて女神へと届ける。
そして女神の慈悲を乞うのだ。
信者らに祝福あれ、祝福あれ、祝福あれ。
だが、ハーゼがいくら祈ろうと民たちの暮らしは楽にならなかった。
畑を耕せど耕せど飢えは満たされず。
糸を紡げど紡げど神は満足されない。
ハーゼの祈りは、女神に届いていないのだろうか?
民たちは次第に、次のハーゼを待ちわびるようになっていた。
いまのハーゼがお隠れになれば、次のハーゼが現れる。次のハーゼの世こそは、平穏な暮らしが戻るのではないか。
次のハーゼこそは。
次のハーゼこそは。
「なぜだ!」
ユリウスは血を吐くような思いで叫んだ。
「まだほんの子どもにすべてを背負わせて、自分たちのしあわせのみを願うその思考がおかしいと、なぜ誰も気づかない!」
ユリウスの一喝に、しかしゲルトはその言葉しか知らぬように繰り返した。
「それがハーゼの役割だからです」
ユリウスは左手で男の胸倉を掴んだまま、右手でこぶしを握った。
「だから殺そうとしたのか。飢えている子どもに、さらなる重荷を与えようとしたのか」
「民のために、なんとしても次のハーゼ様をお迎えせねばなりませんでした」
「なぜそんな真似ができる。身勝手に担ぎ出されて、一方的に役割を背負わされて。飢えの中、それでもハーゼとしてあろうとした子どもに、なぜそんな無情な真似ができたんだ! 五感が弱かったからかっ! ふつうの体じゃなかったから、ハーゼとして不完全だと判断したのかっ!」
振り上げたこぶしは、ロンバードによって止められた。
ユリウスはすさまじい形相でおのれの側近を睨んだ。
「邪魔するなっ」
「殿下。こういう奴らにこぶしを振るったところで得られるもんなどなにもないです、殴り損ですよ」
ロンバードが低く囁いた。
ユリウスは肩で息をした。怒りで呼吸がうまくできない。自分の目の前に居る男は理不尽な理由でリヒトを殺そうとしたのだ。ユリウスのオメガを。
「殿下にご理解いただけなくとも、それがハーゼなのです」
ゲルトが幾度目かになる言葉を、また繰り返した。
その黒い瞳に罪悪の感情など微塵もなくて、ユリウスは彼我の価値観の相違を痛感した。
男の胸倉から手を離し、ユリウスはこぶしをほどいた。
殴りたい、という気持ちは持て余すほどにあったが、衝動のままにそうしたところでリヒトの傷が癒えるわけもない。
必要なのは情報だ。
リヒトをまもるための情報だ。
「ゲルト。きみの、教団での地位はなんだ」
ユリウスは頭を冷やすために敢えて話題を変えた。
両親が中央教会の下働きだったというこの男が、いったいどういう経緯で商隊に身を置いていたのか。
ゲルトの視線が僅かに揺れた。
「……私は……私は、教皇ヨハネス様の近侍として取り立てていただいておりました」
「きみも『言葉』を話したそうだね」
「……」
「ハーゼが神と会話をするという、『特別な言葉』を」
「中央教会で暮らすうちに、自然と覚えておりました」
ユリウスは冷たく鼻を鳴らした。
「ふん。自然と覚えるほどに、日常的に使っていたのか」
「……はい」
「ゲルト、言いにくいのなら僕が言ってやろう」
男の椅子の背もたれの、木材のカーブを指先で辿りながら、ユリウスは唇の端を上げた。
「きみは敬虔なデァモントの信者の皮をかぶった、ヨハネスの飼い犬だ。言葉は自然に覚えたんじゃない。教えられたんだ。教皇から」
「……私は」
「便利なものだね。万が一善良なる民に聞かれたとしても意味がわからない言葉があるというのは。密談し放題だ」
「密談ってのはなんですか?」
ロンバードが疑問を挟んできた。
察しの悪い男ではないから、恐らくはわざとだ。
ユリウスは冷笑を浮かべながらそれに答えた。
「その反物だよ。ゲルト、きみはそれを売ってくるよう教皇に指示されてきたね? しかしおかしいな。デァモントでは貨幣は流通していない、金銭に価値は見出していないと、きみはそう話したはずだ」
「そういえばそうですね。しかし神への貢物を売り払って金に換えようとするなんざ随分と低俗な教皇様だ。あれ? でも貨幣のないデァモントで金なんていくら持っててもなんの意味もないんじゃないですかね?」
ユリウスの三文芝居にロンバードも乗っかってきた。
「意味ならあるだろう。中で使えなくても、外なら使い放題だ。いい商売だよね、ゲルト。勤勉な信者のおかげできみたち教皇区で暮らす者は、労働もせずに贅沢三昧ができる」
ユリウスの当てこすりに、ゲルトが顔色を失った。
この推測で正解のようだ。
教皇ヨハネスと、彼に近しい者たちだけがうまい汁を吸える仕組みが、中央教会でできあがっているのだろう。
教皇の指示はすべて『特別な言葉』が使われる。だからたとえ信者が耳にしたとしても内容は理解できない。
他国との交流を断ち、信者だけで暮らしを築いてきたデァモントには、独自の文化が根付いている。
この反物も、そのひとつだ。
天蚕というものから採れる糸。それを紡ぐ製法。糸を染める染色技法。そして美麗な柄をつくり一枚の布に仕立てる技術。
数百年に及ぶデァモントの歴史の中で培われてきたそれらが『金になる』と気づいたのは、いつ頃、どのヨハネスの代だったのだろうか。
それを知るすべはユリウスにはなかったが、反物が金になると知っていたからこそ、今上教皇の強欲が暴走したことは間違いない。
勤勉たれという神の訓えを盾に、民たちに労働を強い、おのれの側近をこうして商隊に紛らせてユリウスら上流階級の人間に売りさばく。
デァモント産の生地は、恐らく市場には出回っていない。これほどに質の良い商品だ。出回っていればすぐに広まるはずである。
そうなっていないということは、教皇側で流通する量を絞っているのだ。
稀少価値を高め、より高額で売れるように、計算しているのだろう。
「民を飢えさせておきながら、自分は私腹を肥やすなんて、ずいぶんと良い教皇様だね」
ユリウスは心底からの軽蔑を込めて、吐き捨てた。
ゲルトが首を振り、違うんですと反論した。
「違います。違うんです。ヨハネス様のご意思ではない。ヨハネス様は、ハーゼ様がそう仰ったと」
「年端もいかぬ子どもが、なにをどう画策できるというんだっ!」
ユリウスの一喝にゲルトが怯んだ。しかし彼は弁明をやめなかった。
「すべてはハーゼ様のお言葉なのですっ! 来るべきときのために金銭を蓄えよ、と、神からの託宣があったのですっ。ヨハネス様はそれを忠実に実行しているだけのこと。この行為がおかしいというならば、非はハーゼ様にあるのです! 神の言葉を聞き違えたハーゼ様に!」
ユリウスはこぶしを振るった。
今度はロンバードも止めなかった。
ゲルトの左頬に、ユリウスの右のこぶしがめりこんだ。男は椅子ごと横倒しになり、床に投げ出された。
「神の言葉と偽って、なにもわからない子どもに出鱈目の預言を吹き込むことは誰にでもできる。なぜ疑わない。ハーゼにそう言わせた欲深い人間が居るのだと、なぜ思わないんだ」
ユリウスは足を持ち上げた。
頬を抑えてうつ伏せで丸まっている男の背に、靴裏を乗せる。ゲルトの体の震えが、そこを通して伝わってきた。
「教皇をお選びになったのは、ハーゼ様です。その御方を疑うことなどできません」
「ハーゼを殺すことはできるのに、か?」
「ハーゼ様はまたお生まれになります。それに私は……殺したわけではない。ただ、私はただ、あの日……」
飢えと過酷な労働に耐えかねて、デァモントで信者たちが一斉蜂起したときがあった。
いまから十二年ほど前のことだ。
蜂起、といっても教皇区へなだれ込んだわけではない。デァモントから逃げ出したのだ。それがサーリーク王国や諸外国を騒がせた、突如として湧いた亡命者たちである。
信者たちは長年に渡る栄養不足でその肉体は弱りきっていた。山越えを果たせず死んだ者も多かった。
船に乗ったはいいが体力を奪われ亡くなる者も居た。
亡命の途中で、この行為が女神の怒りを買って、魂の救済を得られないのではないかと怯え、デァモントへ戻った者もたくさん居た。
本当の意味でデァモントから逃げ出せた民は、いったいいかほどだったのだろうか。
いのちからがら亡命を果たした信者たちの訴えを聞き、各国が次々にデァモントへ接触を図ろうしたことで、中央教会は俄かにその対応に追われることとなった。
その混乱に乗じて、ゲルトは動いた。
ハーゼの元へ出向き、こう声をかけたのだ。
「私はこれより外へ行きますが、一緒に行きますか、と。私はハーゼ様にそう言いました」
ゲルトの問いかけに、ハーゼは質問を返してきた。
お外は楽しいところですか、と。
「私ははいと答えました。ハーゼ様はそれならば行ってみたいと仰いました。私はハーゼ様の望まれるがまま、外へとお連れしたのです」
信者の苦しみはすべてハーゼが吸い上げ、祈りに変えて女神へと届ける。
そして女神の慈悲を乞うのだ。
信者らに祝福あれ、祝福あれ、祝福あれ。
だが、ハーゼがいくら祈ろうと民たちの暮らしは楽にならなかった。
畑を耕せど耕せど飢えは満たされず。
糸を紡げど紡げど神は満足されない。
ハーゼの祈りは、女神に届いていないのだろうか?
民たちは次第に、次のハーゼを待ちわびるようになっていた。
いまのハーゼがお隠れになれば、次のハーゼが現れる。次のハーゼの世こそは、平穏な暮らしが戻るのではないか。
次のハーゼこそは。
次のハーゼこそは。
「なぜだ!」
ユリウスは血を吐くような思いで叫んだ。
「まだほんの子どもにすべてを背負わせて、自分たちのしあわせのみを願うその思考がおかしいと、なぜ誰も気づかない!」
ユリウスの一喝に、しかしゲルトはその言葉しか知らぬように繰り返した。
「それがハーゼの役割だからです」
ユリウスは左手で男の胸倉を掴んだまま、右手でこぶしを握った。
「だから殺そうとしたのか。飢えている子どもに、さらなる重荷を与えようとしたのか」
「民のために、なんとしても次のハーゼ様をお迎えせねばなりませんでした」
「なぜそんな真似ができる。身勝手に担ぎ出されて、一方的に役割を背負わされて。飢えの中、それでもハーゼとしてあろうとした子どもに、なぜそんな無情な真似ができたんだ! 五感が弱かったからかっ! ふつうの体じゃなかったから、ハーゼとして不完全だと判断したのかっ!」
振り上げたこぶしは、ロンバードによって止められた。
ユリウスはすさまじい形相でおのれの側近を睨んだ。
「邪魔するなっ」
「殿下。こういう奴らにこぶしを振るったところで得られるもんなどなにもないです、殴り損ですよ」
ロンバードが低く囁いた。
ユリウスは肩で息をした。怒りで呼吸がうまくできない。自分の目の前に居る男は理不尽な理由でリヒトを殺そうとしたのだ。ユリウスのオメガを。
「殿下にご理解いただけなくとも、それがハーゼなのです」
ゲルトが幾度目かになる言葉を、また繰り返した。
その黒い瞳に罪悪の感情など微塵もなくて、ユリウスは彼我の価値観の相違を痛感した。
男の胸倉から手を離し、ユリウスはこぶしをほどいた。
殴りたい、という気持ちは持て余すほどにあったが、衝動のままにそうしたところでリヒトの傷が癒えるわけもない。
必要なのは情報だ。
リヒトをまもるための情報だ。
「ゲルト。きみの、教団での地位はなんだ」
ユリウスは頭を冷やすために敢えて話題を変えた。
両親が中央教会の下働きだったというこの男が、いったいどういう経緯で商隊に身を置いていたのか。
ゲルトの視線が僅かに揺れた。
「……私は……私は、教皇ヨハネス様の近侍として取り立てていただいておりました」
「きみも『言葉』を話したそうだね」
「……」
「ハーゼが神と会話をするという、『特別な言葉』を」
「中央教会で暮らすうちに、自然と覚えておりました」
ユリウスは冷たく鼻を鳴らした。
「ふん。自然と覚えるほどに、日常的に使っていたのか」
「……はい」
「ゲルト、言いにくいのなら僕が言ってやろう」
男の椅子の背もたれの、木材のカーブを指先で辿りながら、ユリウスは唇の端を上げた。
「きみは敬虔なデァモントの信者の皮をかぶった、ヨハネスの飼い犬だ。言葉は自然に覚えたんじゃない。教えられたんだ。教皇から」
「……私は」
「便利なものだね。万が一善良なる民に聞かれたとしても意味がわからない言葉があるというのは。密談し放題だ」
「密談ってのはなんですか?」
ロンバードが疑問を挟んできた。
察しの悪い男ではないから、恐らくはわざとだ。
ユリウスは冷笑を浮かべながらそれに答えた。
「その反物だよ。ゲルト、きみはそれを売ってくるよう教皇に指示されてきたね? しかしおかしいな。デァモントでは貨幣は流通していない、金銭に価値は見出していないと、きみはそう話したはずだ」
「そういえばそうですね。しかし神への貢物を売り払って金に換えようとするなんざ随分と低俗な教皇様だ。あれ? でも貨幣のないデァモントで金なんていくら持っててもなんの意味もないんじゃないですかね?」
ユリウスの三文芝居にロンバードも乗っかってきた。
「意味ならあるだろう。中で使えなくても、外なら使い放題だ。いい商売だよね、ゲルト。勤勉な信者のおかげできみたち教皇区で暮らす者は、労働もせずに贅沢三昧ができる」
ユリウスの当てこすりに、ゲルトが顔色を失った。
この推測で正解のようだ。
教皇ヨハネスと、彼に近しい者たちだけがうまい汁を吸える仕組みが、中央教会でできあがっているのだろう。
教皇の指示はすべて『特別な言葉』が使われる。だからたとえ信者が耳にしたとしても内容は理解できない。
他国との交流を断ち、信者だけで暮らしを築いてきたデァモントには、独自の文化が根付いている。
この反物も、そのひとつだ。
天蚕というものから採れる糸。それを紡ぐ製法。糸を染める染色技法。そして美麗な柄をつくり一枚の布に仕立てる技術。
数百年に及ぶデァモントの歴史の中で培われてきたそれらが『金になる』と気づいたのは、いつ頃、どのヨハネスの代だったのだろうか。
それを知るすべはユリウスにはなかったが、反物が金になると知っていたからこそ、今上教皇の強欲が暴走したことは間違いない。
勤勉たれという神の訓えを盾に、民たちに労働を強い、おのれの側近をこうして商隊に紛らせてユリウスら上流階級の人間に売りさばく。
デァモント産の生地は、恐らく市場には出回っていない。これほどに質の良い商品だ。出回っていればすぐに広まるはずである。
そうなっていないということは、教皇側で流通する量を絞っているのだ。
稀少価値を高め、より高額で売れるように、計算しているのだろう。
「民を飢えさせておきながら、自分は私腹を肥やすなんて、ずいぶんと良い教皇様だね」
ユリウスは心底からの軽蔑を込めて、吐き捨てた。
ゲルトが首を振り、違うんですと反論した。
「違います。違うんです。ヨハネス様のご意思ではない。ヨハネス様は、ハーゼ様がそう仰ったと」
「年端もいかぬ子どもが、なにをどう画策できるというんだっ!」
ユリウスの一喝にゲルトが怯んだ。しかし彼は弁明をやめなかった。
「すべてはハーゼ様のお言葉なのですっ! 来るべきときのために金銭を蓄えよ、と、神からの託宣があったのですっ。ヨハネス様はそれを忠実に実行しているだけのこと。この行為がおかしいというならば、非はハーゼ様にあるのです! 神の言葉を聞き違えたハーゼ様に!」
ユリウスはこぶしを振るった。
今度はロンバードも止めなかった。
ゲルトの左頬に、ユリウスの右のこぶしがめりこんだ。男は椅子ごと横倒しになり、床に投げ出された。
「神の言葉と偽って、なにもわからない子どもに出鱈目の預言を吹き込むことは誰にでもできる。なぜ疑わない。ハーゼにそう言わせた欲深い人間が居るのだと、なぜ思わないんだ」
ユリウスは足を持ち上げた。
頬を抑えてうつ伏せで丸まっている男の背に、靴裏を乗せる。ゲルトの体の震えが、そこを通して伝わってきた。
「教皇をお選びになったのは、ハーゼ様です。その御方を疑うことなどできません」
「ハーゼを殺すことはできるのに、か?」
「ハーゼ様はまたお生まれになります。それに私は……殺したわけではない。ただ、私はただ、あの日……」
飢えと過酷な労働に耐えかねて、デァモントで信者たちが一斉蜂起したときがあった。
いまから十二年ほど前のことだ。
蜂起、といっても教皇区へなだれ込んだわけではない。デァモントから逃げ出したのだ。それがサーリーク王国や諸外国を騒がせた、突如として湧いた亡命者たちである。
信者たちは長年に渡る栄養不足でその肉体は弱りきっていた。山越えを果たせず死んだ者も多かった。
船に乗ったはいいが体力を奪われ亡くなる者も居た。
亡命の途中で、この行為が女神の怒りを買って、魂の救済を得られないのではないかと怯え、デァモントへ戻った者もたくさん居た。
本当の意味でデァモントから逃げ出せた民は、いったいいかほどだったのだろうか。
いのちからがら亡命を果たした信者たちの訴えを聞き、各国が次々にデァモントへ接触を図ろうしたことで、中央教会は俄かにその対応に追われることとなった。
その混乱に乗じて、ゲルトは動いた。
ハーゼの元へ出向き、こう声をかけたのだ。
「私はこれより外へ行きますが、一緒に行きますか、と。私はハーゼ様にそう言いました」
ゲルトの問いかけに、ハーゼは質問を返してきた。
お外は楽しいところですか、と。
「私ははいと答えました。ハーゼ様はそれならば行ってみたいと仰いました。私はハーゼ様の望まれるがまま、外へとお連れしたのです」
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