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第一章 〇〇〇の一日
オモイデ
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そんなこんなでボクはキュウネに魔法を教えもらうことになった。
「そういえば童よ。お主の名はなんというのじゃ。」
...自己紹介していなかったな。
「ボクの名前はノーチェ・レイフェルスです。」
ボクの名前をキュウネは口の中で転がしていた。
「ふむ。良いなじゃのう。じゃが、その名は捨てた方が良いと思うぞ。」
...え。名前を捨てる。ボクは絶望のようなものを感じた。唯一の家族との繋がりを無くさせようとしている。ボクはそれがどうしようもなく嫌だと感じてしまった。
「なんで名前を捨てないと行けないの。唯一の繋がりなのに。捨てたくない!」
そんなボクのことをキュウネは見つめていた。
「全く。童は泣き虫なのか。仕方がないことじゃと思うのは妾だけなのじゃろうかのう。お主本来は先程の戦いで殺されるところじゃった。其れをお主の両親が守ってくれたのじゃ。今なおその名を使えばきっとまた狙われることになるじゃろう。捨てると言っても普段使う名を変えろと言ってるだけじゃ。」
「それなら一緒に死んじゃいたかった。ボクだけ生きていてもなんの意味もないじゃん。」
今は思考が全部マイナスな方に行ってしまう。それは良くないと頭ではわかっているのに感情は追いついてこない。
「そんなことを言うでない。童は生かされたのじゃ。お主の両親に。少しでも長生きせねば親に顔を見せられんじゃろう。それにもし童が復讐を考えておるのならなおさらのこと偽名にせねばならん。」
キュウネの言葉を聞いて少し頭が冷えてきた。感情的になったままでは何も無い良い方向へ行かない。
「ごめん。頭に血が上っていたみたい。」
キュウネは「気にせんわ。」と言って微笑みながらボクの頭を撫でてきた。
「付けるならどんな偽名がいいと思う。」
キュウネはたくさんの案を出してくれたけどどれも少し古めのが多かった。そして候補に残ったのは《石蒜》《オーロラ》《トワイライト》《クローバー》《クロユリ》《ユウガオ》だった
「なんで石蒜が残ってるの。めっちゃいいずらいじゃん。」
「そうかのう。妾はそうとは思わないのじゃが。それならくじ引きで決めるのはどうかのう。」
なぜ大事な名前をくじで決めなければならないんだと感じボクはキュウネをジト目で見たが彼女はにっこりと笑った。
くじを引いた結果ボクの偽名は《トワイライト》になった。
「今日からお主はトワイライトと名乗るのじゃ。妾も人前ではそっちの名前で呼ぶからの。」
そして今日ノーチェ・レイフェルスはトワイライトと呼ばれるようになった。
「そういえば童よ。お主の名はなんというのじゃ。」
...自己紹介していなかったな。
「ボクの名前はノーチェ・レイフェルスです。」
ボクの名前をキュウネは口の中で転がしていた。
「ふむ。良いなじゃのう。じゃが、その名は捨てた方が良いと思うぞ。」
...え。名前を捨てる。ボクは絶望のようなものを感じた。唯一の家族との繋がりを無くさせようとしている。ボクはそれがどうしようもなく嫌だと感じてしまった。
「なんで名前を捨てないと行けないの。唯一の繋がりなのに。捨てたくない!」
そんなボクのことをキュウネは見つめていた。
「全く。童は泣き虫なのか。仕方がないことじゃと思うのは妾だけなのじゃろうかのう。お主本来は先程の戦いで殺されるところじゃった。其れをお主の両親が守ってくれたのじゃ。今なおその名を使えばきっとまた狙われることになるじゃろう。捨てると言っても普段使う名を変えろと言ってるだけじゃ。」
「それなら一緒に死んじゃいたかった。ボクだけ生きていてもなんの意味もないじゃん。」
今は思考が全部マイナスな方に行ってしまう。それは良くないと頭ではわかっているのに感情は追いついてこない。
「そんなことを言うでない。童は生かされたのじゃ。お主の両親に。少しでも長生きせねば親に顔を見せられんじゃろう。それにもし童が復讐を考えておるのならなおさらのこと偽名にせねばならん。」
キュウネの言葉を聞いて少し頭が冷えてきた。感情的になったままでは何も無い良い方向へ行かない。
「ごめん。頭に血が上っていたみたい。」
キュウネは「気にせんわ。」と言って微笑みながらボクの頭を撫でてきた。
「付けるならどんな偽名がいいと思う。」
キュウネはたくさんの案を出してくれたけどどれも少し古めのが多かった。そして候補に残ったのは《石蒜》《オーロラ》《トワイライト》《クローバー》《クロユリ》《ユウガオ》だった
「なんで石蒜が残ってるの。めっちゃいいずらいじゃん。」
「そうかのう。妾はそうとは思わないのじゃが。それならくじ引きで決めるのはどうかのう。」
なぜ大事な名前をくじで決めなければならないんだと感じボクはキュウネをジト目で見たが彼女はにっこりと笑った。
くじを引いた結果ボクの偽名は《トワイライト》になった。
「今日からお主はトワイライトと名乗るのじゃ。妾も人前ではそっちの名前で呼ぶからの。」
そして今日ノーチェ・レイフェルスはトワイライトと呼ばれるようになった。
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