満月の夜にご注意を! 〜双子の兄弟から迫られて!?〜

姫 沙羅(き さら)

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本編

第三十三話 満月に祈りを込めて③*

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「ぁ……っ」
 軽く持ち上げた足の先にキスを落としながら向けられる瞳に、ルージュは羞恥か快楽かわからない刺激に身体を震わせる。
「俺、ちゃんとルージュのこと、気持ちよくできてる?」
「あ……っ!」
 ルージュの足の甲へ恭しく口づけながら尋ねられ、あまりの恥ずかしさからふるふると首を横に振る。
「……そ、なこと……っ、聞かな……っ」
 綺麗に微笑んだライトが、自分の足に口づけを落としている。そのあまりの婬靡いんびさにくらくらする。
 清廉潔白なライトがそんなことをするなんて信じられてなくて。そしてその光景さえ美しいと感じてしまうのだから、羞恥を感じながらも目が逸らせなくなってしまう。
「だって。自信がなくて」
「……ぁ……っ、ん……」
 今度は反対側の足の甲へ口付けられて腰が揺れる。
「俺、ルージュのことになると本当に余裕がなくなるんだ」
「ゃ、ん……っ」
 そのまままたライトの唇と指先が足の筋を昇ってきて、背中がぞくぞくと打ち震える。
「ね、ルージュ」
「ゃあ……っ、ん……っ!」
 ルージュの脚の間に潜り込んできたライトが、内股の際どい部分に唇を這わせてきて、びくっ、と白い喉が反る。
「気持ちいい?」
「あ……っ!」
 そうしてするりと脚の間に滑らされた指先が、ぴちゃり……、という小さな水音を響かせて、ライトの瞳は驚いたように見開かれていた。
「濡れてる……」
「!」
 しとどに濡れた自分の指先を見つめ、感嘆の吐息を洩らすライトに、ルージュは頭の中が沸騰しそうなほどの羞恥を覚えて真っ赤になる。
「ゃ……」
「凄い……。ルージュ、感じてくれたんだ?」
「――っ!」
 嬉しそうなライトの微笑みに、今すぐここから逃げ出してしまいたい心地に襲われるものの、そんなことができるはずもない。
 できることといえば、ただ真っ赤な顔のままぎゅ、と目を閉じるくらいで、だからといってライトから自分の姿が見えなくなるわけではない。
「ラ、イト……ッ」
「こんなに……」
「っ、言、わな……っ、ぁあ……っ、ん……」
 溢れる愛液を見つめたライトが、もう一度それを確認するかのように蜜口へ指先を滑らせてきて、びくんっ、と大きく腰が揺れる。
「すごい……、溢れてる……」
「っ! ゃ、だ……ぁ……っ」
 そこが潤み切っていることは、かなり前から自覚していた。なぜそこがそんなふうになっているのか知らないほど、ルージュも無知ではない。
 ライトに触れられて、身体が歓んでいる。そのこと自体を恥じる必要はどこにもないと思っていても、それを指摘されると消え入りたいほどの羞恥が湧くのはなぜなのか。
「指、入れても平気?」
「っ!?」
 ルージュの様子を窺うように優しく尋ねられ、そのあまりの内容に息が詰まる。
「よく慣らさないと痛いからね。指、入れるよ?」
「――っ!」
 ルージュが答えられるはずがないことも知ってはいるのだろう。くす、と小さな笑みを刻んだライトがこの先の行為を宣言してきて、ルージュの身体は期待からか恐れからか、びくりと震えた。
「……ぁ……っ」
 くちゅり……っ、という水音が耳に届き、蜜口が押し広げられる感覚に小さな声が上がる。
「……ゃ……、あ……っ」
「……痛い?」
 自然と流れた涙に、ライトの気遣うような目が向けられて、羞恥で沸騰しそうになりながらもふるふるとそれを否定する。
「恥ず……っ、かし……っ」
「ルージュは本当に可愛いね」
 そんなルージュにライトは甘く笑い、少しずつ蜜壺へと長くて綺麗な指を埋め込んでくる。
「……あ……っ!」
 今まで一度も開かれたことのない場所になにかが侵入してくるその行為は、違和感や異物感があったとしても、痛みや恐怖はほとんどない。
「ぁ……っ、あ……っ、ラ、イト……ッ」
 それでも感じる圧迫感には多少の不安と羞恥が拭えず、ルージュは口元を抑えながら生理的な涙を零し、縋るように愛しい人の名を呼んでいた。
「可愛い、ルージュ。好きだよ。愛してる」
 伸び上がったライトが宥めるようなキスを降らせ、甘い言葉を囁いてくる。
「ラ、イト……ッ」
「……凄いね……、ルージュのナカ、とろとろだ……」
「!?」
 くちゅ……っ、くちゅ……っ、と。
 ライトの指が緩く抜き差しされる度に淫猥な水音が響き、ライトの瞳は嬉しそうに甘く笑む。
「ココ、こんなふうになるんだね」
「――っっ!?」
 感動したかのような吐息を洩らされ、どんな反応を返したらいいのかわからない。
 幼い頃から互いに互いしか見ていなかった。つまりは、ライトにとってもこれは初めての体験だということで。
「こんなに濡れるものだとは思ってなかったから」
「や……っ、だ……ぁ……っ」
 ライトが嬉しそうな笑みを浮かべる間にも、ルージュの蜜口から溢れる淫らな水音が止むことはなく、そのあまりの厭らしさに、ルージュは小さな悲鳴を洩らす。
 これが性的な快楽からきているものだということくらいはルージュにもわかる。けれど、それが“正常”なのか“異常”なのかまではわからない。
 ただ、ライトが指を出し入れする度に、止めどなく愛液が溢れていって。
「指、増やすね」
「ゃ、ん……っ」
 入口近くまで引き抜かれ、揃えた二本の指先がルージュの蜜口を割り開く。
「んぁ……っ、あ……っ!」
 先程よりも身体を開かれている感覚が強くなり、びくりっ、と下肢が反応する。
「あっ、あ……っ!」
 それでもゆっくりと奥まで潜り込み、ライトの指が根元まで埋め込まれた感覚がした。
「あ……っ、ぁ、あ………っ!」
 ルージュの様子を見ながら再びゆっくりと抜き差しされ、喉の奥から甲高く甘い嬌声が響き渡る。
「あ……っ、ぁっ、あ……っ」
 卑猥な水音と共に溢れる愛液はますます量を増していき、恥ずかしくて恥ずかしくて堪らない。
「ルージュ……」
 ライトからの仕打ちを必死に耐えるルージュへと、そっと落とされた柔らかな声。
「あ……っ!?」
 さらに脚を開かされたかと思うと、その間にライトの顔が潜り込み、ルージュは驚愕に目を見張る。
「や……っ!? う、そ……っ、ライ、ト……ッ! や……っ、ぁ……!」
 こういう行為があることは、知識だけでならば知っている。それでもまさか、ライトがそんなことをするとは思えなくて。
「ひぁ……っ!? ぁ、あ……っ! そ、な……っ、舐め、な……ぁ……っ!」
 指を抜き差ししながらその上の敏感な部分に舌を這わされて、ルージュは泣き濡れた声を上げる。
「どうして? 気持ちよくない?」
「や……、ぁあ……っ」
「ほら……、ココはこんなに悦んでるみたいなのに」
「ゃ、ぁあ……っ! ん……っ」
 陰核を舌先で舐め上げながら問いかけられ、ルージュは嫌々と首を振る。
「きた、な……っ」
「汚いなんてこと、あるはずないでしょ?」
「ぁあ……っ、ん……っ!」
 舌先と唇で敏感な部分を愛撫され、びくびくと内股が痙攣する。その間にも、ルージュの蜜壷を出入りするライトの指の動きが止まることはなく、脚の間から聞こえる卑猥な水音に聴覚を犯される。
「すごい……。次から次に溢れてくる……」
「や、ぁあ……っ!」
「これなら三本入れても平気かな?」
「――っ!?」
 本気で悩まし気なライトの疑問符に、びくりっ、と身体が震える。
 異物感はあっても痛くはない。痛くは、ないけれど。
「……あ……っ!?」
 その数秒後、質量の増した指先が潜り込んでくる感覚に、背中が大きく仰け反った。
「あ……っ、ぁ……っ」
 痛みはないが、かなりの圧迫感はある。
「さすがに三本はちょっとキツイかな……? こんなに狭いのに、本当に入る……?」
 独り言のようなライトの呟きに、その意味を理解してこれ以上ない羞恥に襲われる。
 この後、そこでライトを受け入れるのだ。ルージュになるべく負担がかからないようにと準備してくれていることはわかるが、すでに許容範囲を越えている。
「もう一本、入れるよ……?」
「あ……っ、ぁあ……っ、ん……」
 それでも最も敏感な花芽を口に含まれ、ライトの舌先が優しく宥めるような愛撫を繰り返していくうちに、蜜壁はどんどんと蕩けて綻んでいく。
「ルージュのナカ、温かくて……。入ったら気持ちよさそう……」
 くちゅくちゅと指を動かしながら、どこか光悦とした表情で洩らされるライトの言葉に、お腹の奥が無意識にきゅんとなる。
「あれ? 締まった?」
「――っ!」
 そしてそれはしっかりライトの指にまで伝わったのか、驚いたように目を丸くされ、それを肯定するかのように身体が揺れた。
「凄い……、オレの指に馴染んできて……。絡みついてくる」
「や、ぁ、あ……っ!」
 一つ一つ丁寧に、そんなことを口にしないでほしい。
「……ぁ……っ、ん……っ、ん……」
「ルージュ。気持ちいい?」
 自分の意志を言葉にできず、ただ甘い啼き声を上げるルージュに、ライトは相変わらず優しく確認を取ってくる。
 さらには。
「どうされるのが気持ちいい?」
「あ……っ、ぁあ……、ん……っ」
「教えて?」
 花芽を吸ったり舐めたりしながらルージュの反応を窺って、その間にも蜜壺を弄る手の動きが休むことはなく、びくびくと腰が打ち震える。
「ルージュを気持ちよくしたい」
「あ……っ、ぁあ……っ!」
 ぐちゅぐちゅと蜜壁を擦られ、花芽を吸われると目の奥に光が舞う。
 腰から生まれる甘美な刺激が脳にまで到達し、背筋がぞくぞくする。
「や……っ、だ、め……ぇ……っ!」
「気持ちいい? こうされるのがいいの?」
「や、ぁあ……っ、ん……っ、だ、め……ぇ……っ」
 ルージュの反応が変わったことを察したのだろう。執拗に蜜壁を擦られ、花芽に舌を這わされて腰が小刻みに痙攣する。
「ラ、イト……ッ!」
 この感覚が“気持ちがいい”ことなのだと、本能のようなものが理解している。
 抗えない甘美な熱がぞくぞくと背筋を伝っていって、今にも弾けそうな予感。それがなにを意味するのかはわかっている。
「や……っ、だ、め……ぇん……っ! イっ、ちゃ……ぁ……っ」
「! イきそう?」
 思わず零れ落ちたルージュの細い悲鳴に、一瞬驚いたような表情をしたライトは、次に嬉しそうな笑みを刻んだ。
「イっていいよ」
「あ、ぁん……っ」
 手と唇の動きは止めぬまま、甘く微笑まれて腰がびくびくと跳ね上がる。
「俺の手でちゃんと感じてくれて、すごく嬉しい」
「ゃ……っ、ぁ、あ……っ! だ、め……ぇ……っ!」
 ちかちかとした光が舞い、頂に昇り詰めてしまいそうな感覚に、無意識に首を横に振る。けれど、そんな動きで熱が逃れていくはずもなく、絶頂の予感に下肢ががくがくと痙攣した。
「イって? ルージュ」
 そんな卑猥なことをしているとはとても思えない、綺麗な微笑みを浮かべたライトが、蜜壁を刺激しながらきゅ、と花芽を甘噛みし、その瞬間、頭の中の光が弾けて飛んだ。
「っ! ぁぁあ……――っ」
 そうしてルージュは、過ぎる絶頂に成すすべもく甲高い悲鳴を上げ、がくがくと身体を震わせていた。
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