52 / 58
本編
第五十一話 真実の愛①
しおりを挟む
イザベラは、レーガン伯爵家の一人娘だった。
他には子供に恵まれず、両親や双方の祖父母たちから大切に大切に育てられたイザベラは、ある時病を発症した。原因のわからない不治の病など、この世界では珍しくはない。医者とて万能ではないのだ。
ただの風邪のように始まった病だったが、気づけば症状は重くなり、いつしかベッドから起き上がることも叶わなくなった。
このままではイザベラは……、と誰もが迫りくる別れの予感に打ちひしがれた時。イザベラの両親は、藁にもすがる思いで頼った魔術師から、万物の病に効くという妖しい魔道具を手に入れた。そしてそれは絶大な効果を現し、イザベラは元の健康な身体を取り戻したのだった。
けれど、それが事の始まり。
ここからはクロムの推測が入るのだが、恐らくその魔道具の中には大昔に封印された魔女の魂が眠っていた。その魔女が死にかけていたイザベラの身体を手に入れたことにより、病が回復したように見えただけだったのだ。
イザベラが伯爵家の令嬢という身分を持っていたことは、魔女にとっては幸運だったに違いない。イザベラの身体を乗っ取った魔女は、あくまで“イザベラ”という貴族令嬢を装いつつ、かつて抱いた野望を再び胸に、まずはハインツへと近づいた。魅了の魔術を使ってハインツを誘惑した魔女は、ゆくゆくは王家を意のままに操るつもりだったのだろう。だが、そのために、魔女の中には一つの懸念があった。
それは、かつて自分を封印した憎き魔術師の末裔――、クロム。もはや古代魔術を扱える者はなく、唯一の遣い手であるクロムもかつての魔術師に比べればかなり力は衰えていた。とても魔女に対抗できるはずのないクロムなど、本当は放っておけばよかったのだ。けれどそれができなかったのは、胸の中に燻った憎き仇への怒りからだろう。もしかしたら、その仇にクロムがそっくりだということも、魔女の憎悪を大きくする要因だったのかもしれない。
そうして魔女は、ハインツの婚約者であったアリーチェに目を付けた。将来の王太子妃である邪魔なアリーチェをその座から引きずりおろし、さらに古代魔術道具研究家として名高いクロムの元へ行くよう上手く情報操作をして。
アリーチェに刻まれた呪いは、例えるならば細い糸のようなもので魔女に繋がっており、クロムへの監視も兼ねていたのだという。
さらに、アリーチェを通してクロムに攻撃を仕掛けることも可能だったと聞いた時にはぞっとした。アリーチェは知らず、クロムへの暗殺者として仕立て上げられていたのだ。もし、クロムによって呪いが抑え込まれていなかったなら、呪いに喰い殺された瞬間にアリーチェの身体は魔女のものとなり、クロムを殺していたに違いない。
魔女は、あの時アリーチェに向かって言っていた。
より良い器を見つけたのだと。
恐らくは、元々の器に魔力があるかないかで魔女が使える魔術の強さに多少の影響力があるのだろう。
ハインツとの婚約を解消させながら、すぐにその座に自分が収まらなかったのは、アリーチェの身体を手に入れた後に、婚約者として返り咲くことも想定に入れていたからかもしれない。全ては、憶測でしかないけれど。
クロムの話によれば、生に満ち溢れた人間の身体を乗っ取ることは、さすがの魔女とはいえ困難を極めるらしい。
イザベラは病死をする寸前だったため、すんなり手に入れることができたのだ。
そして、目を付けたアリーチェには呪いをかけ、少しずつ少しずつ生命を削り取ることにした。せっかくならば、クロムごと抹殺することを考えて。
とはいえ、本来肉体を手に入れるための一番の方法は、健康な身体を持つ人間の“心”を殺すことだという。
――心の死んだ、健康な肉体。
だから魔女は、アリーチェを騎士たちの慰み者にし、クロムの死を見せつけて絶望に追いやろうとしたのだ。人間とは理の異なる魔女にとって、肉体そのものが穢されることなどはどうでもいいのだろう。
「……貴殿は、古代魔術が使えるというのか」
魔女が消えたことによって洗脳が解けた王は、すぐに呼び出したクロムへと苦悩の表情を向けていた。
「……はい。ですが……」
「わかっている。それはここだけの話にした方がいいだろう」
打ちひしがれた様子で頭を抱えた国王は、認めたくない事実を認めたクロムへ、苦し気な吐息を吐き出した。
元々は聡明な国王だ。この時代に古代魔術を操る者がいるなど、あらぬ火種を呼ぶだけのただの危険分子にしかならないことをすぐに理解したのだろう。
だから、クロムのことは、このままなにも知らなかったことにすると。
「ご理解いただき、ありがとうございます」
国王の出した結論に、クロムもまた深々と頭を下げて同意した。
幼い頃から記憶力の良かったクロムは、物心つくより前に両親から聞かされた祖先の話を、今でもしっかり覚えているという。
かつてこの国にいたという大魔術師が、邪悪な“魔女”を魔道具に封じ込めたという、嘘か誠かわからない御伽噺のような古い武勇伝を。
半信半疑だったその話は、けれど、真実だったのだ。
「その妖しげな魔道具については、レーガン伯にすぐに献上するよう要請した。その後の処理については……、頼めるか」
「はい」
苦々しい表情で窺った国王からの頼み事を、クロムはあっさりと引き受ける。
なにも知らなかったこととはいえ、国家存亡の危機を導いたレーガン家の罪は重く、この後どんな処分を下すかは検討中だという。内容を表沙汰にできない以上、慎重に慎重を重ねてしまうのは当然のことだろう。
「なにからなにまで申し訳ない」
それがいつのことだかはわからないが、恐らくは遠い過去に古代遺跡に忍び込み、魔女の封印された魔道具と首飾りを盗み出した者がいるのだろう。首飾りと腕輪と耳飾りは、魔女の封印を強化する役目を担っていたのかもしれない。その中から魔女の封印された魔道具と首飾りだけが盗み出され、少しずつ少しずつ封印は弱くなっていた。“万物の病を治す魔道具”などという言葉は、それを売りつけた魔術師の嘘だったに違いない。だが、それはある意味現実のものとなり、魔女に身体を乗っ取られる形でイザベラは病から回復した。
全ては、不運が重なった結果。それでも。
「こたびのことは本当に、貴殿には申し訳ないことをした」
「いえ……、それは……」
全ての元凶は魔女であり、国王にはなんの責もない。
そして、この国と共に魔女が狙ったものはクロムの命だ。
それでも国を統べる者として頭を下げた国王へ、クロムは苦し気に首を横に振る。
「褒美はあとでゆっくり取らせよう」
「そんなものはいりません」
結果的に魔女を滅ぼし、国を救ったとしても、クロムはそれを自分の手柄だとは思わないのだろう。
そもそも魔女はクロムの命を狙っていた。だからそれに対抗しただけだと。
「だが、そんなわけにはいかぬだろう」
とはいえ、国を救ったことは確か。
クロムがいなければ今頃この国は魔女に乗っ取られていただろうと告げる国王へ、クロムは強い意思のこもった瞳を真っ直ぐ向ける。
「俺は、身分にも権力にも興味がありませんし、むしろ煩わしいだけです」
それは、“研究オタク”であるクロムの本音に違いない。
「ただ……」
が、そこでクロムからちら、と投げられた視線を感じたアリーチェは、「?」と不思議そうに首を傾けた。
「なんだ?」
「いえ……」
訝し気に眉を顰めた国王へ小さく首を振り、しばらく考え込む仕草を見せたクロムは、ややあってから真っ直ぐ国王の顔を見上げていた。
「そうですね。もし叶うならば、研究施設に常駐してくださる腕のいい料理人がほしいです」
アリーチェの代わりに。
「!」
クロムが国王に願った“褒美”の中身に、アリーチェは小さく目を見張る。
それは、アリーチェが研究施設に戻らないから、というわけではなく……。
――『俺の重たい愛を受け止めてください』
もしかしたら、クロム以外のことにアリーチェの時間を取られることが許せないのだろうかと思えば、じわじわとした羞恥に襲われる。
「……わかった。そんなことでいいのなら……」
「充分です。ありがとうございます」
小さく嘆息し、料理人の手配を了承した国王に、クロムは丁寧に頭を下げる。
そうして一通り王との話を終えたアリーチェとクロムは、謁見室を後にするのだった。
他には子供に恵まれず、両親や双方の祖父母たちから大切に大切に育てられたイザベラは、ある時病を発症した。原因のわからない不治の病など、この世界では珍しくはない。医者とて万能ではないのだ。
ただの風邪のように始まった病だったが、気づけば症状は重くなり、いつしかベッドから起き上がることも叶わなくなった。
このままではイザベラは……、と誰もが迫りくる別れの予感に打ちひしがれた時。イザベラの両親は、藁にもすがる思いで頼った魔術師から、万物の病に効くという妖しい魔道具を手に入れた。そしてそれは絶大な効果を現し、イザベラは元の健康な身体を取り戻したのだった。
けれど、それが事の始まり。
ここからはクロムの推測が入るのだが、恐らくその魔道具の中には大昔に封印された魔女の魂が眠っていた。その魔女が死にかけていたイザベラの身体を手に入れたことにより、病が回復したように見えただけだったのだ。
イザベラが伯爵家の令嬢という身分を持っていたことは、魔女にとっては幸運だったに違いない。イザベラの身体を乗っ取った魔女は、あくまで“イザベラ”という貴族令嬢を装いつつ、かつて抱いた野望を再び胸に、まずはハインツへと近づいた。魅了の魔術を使ってハインツを誘惑した魔女は、ゆくゆくは王家を意のままに操るつもりだったのだろう。だが、そのために、魔女の中には一つの懸念があった。
それは、かつて自分を封印した憎き魔術師の末裔――、クロム。もはや古代魔術を扱える者はなく、唯一の遣い手であるクロムもかつての魔術師に比べればかなり力は衰えていた。とても魔女に対抗できるはずのないクロムなど、本当は放っておけばよかったのだ。けれどそれができなかったのは、胸の中に燻った憎き仇への怒りからだろう。もしかしたら、その仇にクロムがそっくりだということも、魔女の憎悪を大きくする要因だったのかもしれない。
そうして魔女は、ハインツの婚約者であったアリーチェに目を付けた。将来の王太子妃である邪魔なアリーチェをその座から引きずりおろし、さらに古代魔術道具研究家として名高いクロムの元へ行くよう上手く情報操作をして。
アリーチェに刻まれた呪いは、例えるならば細い糸のようなもので魔女に繋がっており、クロムへの監視も兼ねていたのだという。
さらに、アリーチェを通してクロムに攻撃を仕掛けることも可能だったと聞いた時にはぞっとした。アリーチェは知らず、クロムへの暗殺者として仕立て上げられていたのだ。もし、クロムによって呪いが抑え込まれていなかったなら、呪いに喰い殺された瞬間にアリーチェの身体は魔女のものとなり、クロムを殺していたに違いない。
魔女は、あの時アリーチェに向かって言っていた。
より良い器を見つけたのだと。
恐らくは、元々の器に魔力があるかないかで魔女が使える魔術の強さに多少の影響力があるのだろう。
ハインツとの婚約を解消させながら、すぐにその座に自分が収まらなかったのは、アリーチェの身体を手に入れた後に、婚約者として返り咲くことも想定に入れていたからかもしれない。全ては、憶測でしかないけれど。
クロムの話によれば、生に満ち溢れた人間の身体を乗っ取ることは、さすがの魔女とはいえ困難を極めるらしい。
イザベラは病死をする寸前だったため、すんなり手に入れることができたのだ。
そして、目を付けたアリーチェには呪いをかけ、少しずつ少しずつ生命を削り取ることにした。せっかくならば、クロムごと抹殺することを考えて。
とはいえ、本来肉体を手に入れるための一番の方法は、健康な身体を持つ人間の“心”を殺すことだという。
――心の死んだ、健康な肉体。
だから魔女は、アリーチェを騎士たちの慰み者にし、クロムの死を見せつけて絶望に追いやろうとしたのだ。人間とは理の異なる魔女にとって、肉体そのものが穢されることなどはどうでもいいのだろう。
「……貴殿は、古代魔術が使えるというのか」
魔女が消えたことによって洗脳が解けた王は、すぐに呼び出したクロムへと苦悩の表情を向けていた。
「……はい。ですが……」
「わかっている。それはここだけの話にした方がいいだろう」
打ちひしがれた様子で頭を抱えた国王は、認めたくない事実を認めたクロムへ、苦し気な吐息を吐き出した。
元々は聡明な国王だ。この時代に古代魔術を操る者がいるなど、あらぬ火種を呼ぶだけのただの危険分子にしかならないことをすぐに理解したのだろう。
だから、クロムのことは、このままなにも知らなかったことにすると。
「ご理解いただき、ありがとうございます」
国王の出した結論に、クロムもまた深々と頭を下げて同意した。
幼い頃から記憶力の良かったクロムは、物心つくより前に両親から聞かされた祖先の話を、今でもしっかり覚えているという。
かつてこの国にいたという大魔術師が、邪悪な“魔女”を魔道具に封じ込めたという、嘘か誠かわからない御伽噺のような古い武勇伝を。
半信半疑だったその話は、けれど、真実だったのだ。
「その妖しげな魔道具については、レーガン伯にすぐに献上するよう要請した。その後の処理については……、頼めるか」
「はい」
苦々しい表情で窺った国王からの頼み事を、クロムはあっさりと引き受ける。
なにも知らなかったこととはいえ、国家存亡の危機を導いたレーガン家の罪は重く、この後どんな処分を下すかは検討中だという。内容を表沙汰にできない以上、慎重に慎重を重ねてしまうのは当然のことだろう。
「なにからなにまで申し訳ない」
それがいつのことだかはわからないが、恐らくは遠い過去に古代遺跡に忍び込み、魔女の封印された魔道具と首飾りを盗み出した者がいるのだろう。首飾りと腕輪と耳飾りは、魔女の封印を強化する役目を担っていたのかもしれない。その中から魔女の封印された魔道具と首飾りだけが盗み出され、少しずつ少しずつ封印は弱くなっていた。“万物の病を治す魔道具”などという言葉は、それを売りつけた魔術師の嘘だったに違いない。だが、それはある意味現実のものとなり、魔女に身体を乗っ取られる形でイザベラは病から回復した。
全ては、不運が重なった結果。それでも。
「こたびのことは本当に、貴殿には申し訳ないことをした」
「いえ……、それは……」
全ての元凶は魔女であり、国王にはなんの責もない。
そして、この国と共に魔女が狙ったものはクロムの命だ。
それでも国を統べる者として頭を下げた国王へ、クロムは苦し気に首を横に振る。
「褒美はあとでゆっくり取らせよう」
「そんなものはいりません」
結果的に魔女を滅ぼし、国を救ったとしても、クロムはそれを自分の手柄だとは思わないのだろう。
そもそも魔女はクロムの命を狙っていた。だからそれに対抗しただけだと。
「だが、そんなわけにはいかぬだろう」
とはいえ、国を救ったことは確か。
クロムがいなければ今頃この国は魔女に乗っ取られていただろうと告げる国王へ、クロムは強い意思のこもった瞳を真っ直ぐ向ける。
「俺は、身分にも権力にも興味がありませんし、むしろ煩わしいだけです」
それは、“研究オタク”であるクロムの本音に違いない。
「ただ……」
が、そこでクロムからちら、と投げられた視線を感じたアリーチェは、「?」と不思議そうに首を傾けた。
「なんだ?」
「いえ……」
訝し気に眉を顰めた国王へ小さく首を振り、しばらく考え込む仕草を見せたクロムは、ややあってから真っ直ぐ国王の顔を見上げていた。
「そうですね。もし叶うならば、研究施設に常駐してくださる腕のいい料理人がほしいです」
アリーチェの代わりに。
「!」
クロムが国王に願った“褒美”の中身に、アリーチェは小さく目を見張る。
それは、アリーチェが研究施設に戻らないから、というわけではなく……。
――『俺の重たい愛を受け止めてください』
もしかしたら、クロム以外のことにアリーチェの時間を取られることが許せないのだろうかと思えば、じわじわとした羞恥に襲われる。
「……わかった。そんなことでいいのなら……」
「充分です。ありがとうございます」
小さく嘆息し、料理人の手配を了承した国王に、クロムは丁寧に頭を下げる。
そうして一通り王との話を終えたアリーチェとクロムは、謁見室を後にするのだった。
2
お気に入りに追加
139
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢にされた令嬢は野獣王子に溺愛される!
ビッグベアー
恋愛
BLACK会社で無給の残業体の限界が来て私は通勤中に倒れそのまま意識が薄れ気づくと異世界のアリス・ラディッシュ公爵令嬢として生まれた。
そう私が唯一ハマった携帯ゲームの18禁乙ゲーの〈婚約破棄からの恋〉と言うなんとも分からないゲームだ。
ヒロインのアリスは王太子の婚約者でも悪役令嬢のせいで王太子と婚約破棄をされそこからゲームがスタートがファンの間に広まり私も同僚に進められやってハマった。
正直ヒロインは顔とかあまり出て来ないイベントでドキドキするような画像が出でくる位だから王太子との婚約まで気付くことはなかった。
恋や恋愛何てしたことがないから私は考え悪役令嬢を演じ婚約破棄まで我慢した…
憧れだった騎士団長に特別な特訓を受ける女騎士ちゃんのお話
下菊みこと
恋愛
珍しく一切病んでないむっつりヒーロー。
流されるアホの子ヒロイン。
書きたいところだけ書いたSS。
ムーンライトノベルズ 様でも投稿しています。
引きこもり令嬢が完全無欠の氷の王太子に愛されるただひとつの花となるまでの、その顛末
藤原ライラ
恋愛
夜会が苦手で家に引きこもっている侯爵令嬢 リリアーナは、王太子妃候補が駆け落ちしてしまったことで突如その席に収まってしまう。
氷の王太子の呼び名をほしいままにするシルヴィオ。
取り付く島もなく冷徹だと思っていた彼のやさしさに触れていくうちに、リリアーナは心惹かれていく。けれど、同時に自分なんかでは釣り合わないという気持ちに苛まれてしまい……。
堅物王太子×引きこもり令嬢
「君はまだ、君を知らないだけだ」
☆「素直になれない高飛車王女様は~」にも出てくるシルヴィオのお話です。そちらを未読でも問題なく読めます。時系列的にはこちらのお話が2年ほど前になります。
※こちら同じ内容で別タイトルのものをムーンライトノベルズにも掲載しています※
姉の夫の愛人になったら、溺愛監禁されました。
月夜野繭
恋愛
伯爵令嬢のリリアーナは、憧れの騎士エルネストから求婚される。しかし、年長者から嫁がなければならないという古いしきたりのため、花嫁に選ばれたのは姉のミレーナだった。
病弱な姉が結婚や出産に耐えられるとは思えない。姉のことが大好きだったリリアーナは、自分の想いを押し殺して、後継ぎを生むために姉の身代わりとしてエルネストの愛人になるが……。
騎士団長の欲望に今日も犯される
シェルビビ
恋愛
ロレッタは小さい時から前世の記憶がある。元々伯爵令嬢だったが両親が投資話で大失敗し、没落してしまったため今は平民。前世の知識を使ってお金持ちになった結果、一家離散してしまったため前世の知識を使うことをしないと決意した。
就職先は騎士団内の治癒師でいい環境だったが、ルキウスが男に襲われそうになっている時に助けた結果纏わりつかれてうんざりする日々。
ある日、お地蔵様にお願いをした結果ルキウスが全裸に見えてしまった。
しかし、二日目にルキウスが分身して周囲から見えない分身にエッチな事をされる日々が始まった。
無視すればいつかは収まると思っていたが、分身は見えていないと分かると行動が大胆になっていく。
文章を付け足しています。すいません
【完結】【R18】伯爵夫人の務めだと、甘い夜に堕とされています。
水樹風
恋愛
とある事情から、近衛騎士団々長レイナート・ワーリン伯爵の後妻となったエルシャ。
十六歳年上の彼とは形だけの夫婦のはずだった。それでも『家族』として大切にしてもらい、伯爵家の女主人として役目を果たしていた彼女。
だが結婚三年目。ワーリン伯爵家を揺るがす事件が起こる。そして……。
白い結婚をしたはずのエルシャは、伯爵夫人として一番大事な役目を果たさなければならなくなったのだ。
「エルシャ、いいかい?」
「はい、レイ様……」
それは堪らなく、甘い夜──。
* 世界観はあくまで創作です。
* 全12話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる