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本編
第四十七話 食べ尽くして②࿇
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「綺麗です」
「あ……っ! ゃ、あ……っ! あっ、あ……っ!」
くす、と囁かれたかと思うとすぐに肩口へと舌を這わされて、アリーチェの身体は陸に打ち上げられた魚のようにびくびくと跳ね上がった。
「ゃ……っ、あっ、んっ、んっ、あ……っ! あっ、ぁ……!」
「もしかして、背中、弱いですか?」
「は……っ、ん……、そ、なの……っ、わかん、な……ぁ……っ」
クロムの楽しそうな問いかけに、アリーチェは小刻みに身体を打ち震わせながら、ふるふると首を横に振る。
じわり、とした涙が滲み、少しでも刺激を逃そうとシーツを掴む指先に力がこもるが、そんな抵抗は全く意味をなさなかった。
「あ……っ、ゃ、あっ、あ……っ!」
ちゅ……、と首の後ろにキスを落としたクロムは、肩口から背筋へと少しずつ唇を下ろしていく。
「ゃ……っ、あっ、あ、あ……っ、は……っ、ゃ、あ……っ!」
軽く吸い付かれる感覚がする度に身体が跳ね、ぞくぞくとした刺激に襲われる。
「ゃ……、な、に……っ? あ……っ、あ……、ぁ、ん……!」
まさか、背中に触れられるだけでこんなふうに感じるとは思わなかった。
「敏感ですね」
「ひぁ……っ? あっ、あ……!」
くす、と笑ったクロムが楽しそうに指先を滑らせてきて、脚の間からまたじわりと蜜が溢れるのを感じた。
「ゃ、ん……っ、ん、ん……っ、あ……っ!」
背中へクロムの唇と指先が滑るたびに、ざわざわとした快楽が湧き上がり、嬌声が溢れて止まらない。
「ふ……っ、ぁ、あ、ん……っ、ん……っ」
気持ちがよくて。気持ちがよくて。
クロムに触れられるたびに身体が跳ね、頭の中が白くなる。
けれど。
「あ……っ、あ、あ……っ」
びくびくと全身を打ち震わせながらも、アリーチェの内股は無意識に擦り合わせるような動きをしてしまう。
柔らかな快楽はとても気持ちがいいけれど、少しもどかしい感じもして。
「ぁ、ん……っ、ぁ、あ……っ」
その先の刺激を誘うように、勝手に腰が揺れ動く。
「あっ、あ……っ、ゃ……っ、ク、ロム……ッ、も、っと……っ」
とうとう気持ちが溢れ出て、アリーチェはまた一つ快楽の涙を零しながら懇願する。
「……もっ、と……っ、触……っ、て……ぇ……っ」
この身体は、もっと大きな快楽を知っている。
貪欲な身体は、ただ心地よいだけの快楽では満足できなくて。
「触ってますよ?」
「ゃ……っ! ぁ、ん、違……っ」
くす、と笑ったクロムが背筋に舌を這わせながら脇腹を撫で上げてきて、涙を滲ませながら首を振る。
「もっと……っ、ちゃん、と……っ」
「ちゃんと触ってます」
「ん……っ」
羽根のような感覚でさわさわと脇腹を愛撫され、びくりっ、と腰が揺れる。
確かにクロムは、もう触れていないところなどないのではないかと思うくらい、丁寧にアリーチェの肌を愛撫してくるけれど。
「ぁ、ん……っ、ゃ、意地、悪……っ」
「!」
思わず後ろへ振り返り、涙の溢れる瞳で恨めしげに訴えれば、クロムの目が驚いたように見張られた。
「な、に……?」
なにか自分はおかしなことをしてしまっただろうかと不安定に瞳を揺らめかせるアリーチェへ、クロムは僅かに顔を赤くする。
「いえ……。アリーチェさんが可愛すぎて……」
「!」
照れるように口元を手で覆うクロムには、アリーチェの方が恥ずかしくなってしまい、顔へとじわじわとした熱が広がっていく。
気位の高い令嬢、と言われていたアリーチェのことを「可愛い」などと言うのは、クロムくらいではないだろうか。
「……こっち、がいいんですか……?」
「ひゃ、ん……っ!」
そうして恥ずかしくなっている間にふいに内股へと掌を滑らされ、驚きの混じった高い声が上がった。
「……あ……っ!」
くちゅ……、と蜜の溢れる脚の間に指を滑らされ、びくりっ、と身体が震えた。
「! もうこんな、ですか……?」
「っ」
そんなアリーチェに再び驚いたクロムの声が届き、かぁぁぁ……! と全身が赤くなる。
「……だって……、気持ちいいんだもの……」
「っ」
キス一つで火がついて。舌を絡ませる深いキスには官能を刺激され、ただ触られるだけでお腹の奥が熱くなる。
瞳を潤ませて告げるアリーチェにクロムは息を呑み、なぜか打ちのめされたように首を垂れる。
「……俺を殺す気ですか」
「?」
苦悩混じりのクロムの呟きの意味はよくわからない。
アリーチェはきょとん、と不思議そうな表情になり……。
「あ……っ!」
「でも、まだ、です」
「ひゃ、ん……っ」
今度はお尻の柔らかさを確認するかのようにゆっくりと揉み込まれ、びくりっ、と腰が揺れた。
「可愛い声が出ますね」
「ゃ、ん……っ、ん……」
ちゅ……、と双丘にキスを落としながら嬉しそうに笑うクロムに、きゅん、と胸がときめてしまうのはなぜなのだろう。
「まだアリーチェさんを味わい尽くしてないですから」
「あ……っ!」
まろやかな膨らみに吸い付くようなキスを落とされ、腹部がじわじわとした熱を持つ。
「あ……っ、ゃ、……あ……っ!」
クロムはゆっくりと丁寧にアリーチェの膨らみを手と唇とで堪能し、それから優しい愛撫は下へ下へと下がっていく。
「あっ、あ……!」
太腿の後ろから膝の後ろ、ふくらはぎまで舌を這わされ、びくびくと身体が打ち震える。
「ゃ……っ、クロ、ム……ッ」
本当に余すところなくアリーチェを味わおうとするかのような愛撫と口づけに、快楽と羞恥でおかしくなってくる。
「ん……っ、ん……」
クロムの唇は、とうとう足首にまで這わされて。
「あ……っ!?」
そこで再び身体を仰向けられ、アリーチェは驚きに目を見張る。
「な、に……? !?」
と。
「……や……っ!」
アリーチェの足首を取って持ち上げたクロムが口を開け、足の親指を含もうと顔を寄せてくる姿に、アリーチェは驚きの声を上げる。
「待……っ」
まさか足の指まで舐められるなど、とても正気ではいられない。
だが。
「ひゃ、ん……っ!」
親指が生あたたかな口の中へ包まれる感覚に、ぞくり……っ、と背筋が粟立った。
「や……っ、クロ……ッ」
「アリーチェさんは、足の指まで美味しいんですね」
「……ゃ、ん……っ」
ぴちゃり……っ、と。まるで見せつけるかのように舌を這わされて、ぞくぞくとした刺激が背筋を昇っていく。
「ゃ、め……っ」
「どうしてです?」
「ひゃ……っ」
人差し指に移った唇が、今度は軽く歯を立ててきて、びくびくと腰が震えてしまう。
「全部、俺にくれるんですよね?」
「……ゃ、あ……っ、ぁ……っ」
舌で舐められ、ゆっくりと見せつけるように含まれて。
「頭の先から足の先まで」
「あ……っ、ゃ、ん……っ! あっ、あ……!」
時には甘噛みしなからアリーチェの足の指を一本一本口に含んでいくクロムに、背筋が甘く痺れていく。
「俺のものにしていいんですよね?」
「ん……っ」
獰猛な瞳に射抜かれて、びくびくと内股を震わせながら無意識に首を縦に振ってしまう。
「あ……っ、ふ……っ、ぁ、あ……っ」
クロムの口の中へ指が含まれるたびにお腹の奥がきゅんとなり、脚の間がじわじわと濡れていくのを感じる。
「だったら、食べ尽くして構わないですよね?」
「あ……っ」
こくこくと頷くアリーチェに満足気な笑みを浮かべたクロムは、今度は反対の脚を手に取った。
「アリーチェさん」
「ん……っ」
親指の先にちゅ……っ、と口づけられて、ぞくりっ、と背筋が震えた。
「愛してます」
「あ……っ!」
それは、愛を語るというよりも獲物を狩らんとする獣の瞳に近いものだったが、なぜかお腹の奥深くから蜜が零れ落ちてくる。
「ク、ロム……ッ」
「離しません」
「……ぁっ、ん、ん……っ、違……っ」
反対側の脚の指先も、一本一本丹念に口に含まれて、アリーチェはびくびくと細腰を震わせながら口元を手で覆ってふるふると首を振る。
「なんですか?」
「……あ……っ、ね、も、ぅ……っ」
背筋をひっきりなしに昇ってくる甘い痺れに、もう限界だった。
経験があるわけでもないのに、本能のようなものがこの疼きを埋める術を知っている。
けれど。
「ひゃ、ん……っ!」
親指と人差し指の脚の付け根をねっとりと舐められて腰が跳ねる。
「も……っ、や、ぁ……っ」
次から次へと溢れ出る快楽に、身体はもう限界を訴えていて。
「……も……っ、ほし……っ」
身体中を脅かす熱を少しでも逃そうと首を振りながら、アリーチェは懇願の涙を零す。
「クロ、ム……ッ!」
「まだだめです」
「あ……!」
くす、と笑ったクロムが口に含んだ親指へ軽く歯を立ててきて、蜜口からは新たな愛液が溢れ出た。
「や……、ぁ……っ!」
「まだ慣らしてもいないのに」
「ひぁ……っ」
お仕置きだとでもいうかのように親指へ吸い付かれ、びくんっ! と背中が仰け反った。
「いい子ですから、もう少し我慢してください」
「や、ぁ……っ!」
ようやく満足したのか、脚の指から口を離したクロムに宥めるように囁かれ、アリーチェは嫌々と首を振る。
「あ……っ! あっ、あ……っ、も……っ、早……っ」
「まだ全部味わってません」
「あ……っ!」
ギラギラとした瞳でアリーチェを見つめたクロムは、今度は足首から上のラインを指先と唇で辿っていき、アリーチェの口からは歓喜とも絶望とも取れない声が上がる。
「そ……っ、な……っ」
この拷問のような甘い快楽は、一体いつまで続くのだろうか。
「あ……っ、あ……!」
欲しくて。欲しくて。
具体的になにをどうしてほしいのかわからないまま、それでも自然と脚は開いてクロムを誘うように腰が揺れ動く。
「自分から脚を開いて誘うなんて、どこで覚えたんです?」
そんなアリーチェの淫らな姿に、白い内股へ舌を這わせながらクロムが意地の悪い目を向けてくる。
「そ、なの……っ」
「わかってますよ。俺のことがほしくてほしくて堪らないんですよね?」
くす、と目だけで笑われて、かぁぁぁ……! と全身が羞恥で赤くなる。
「本当に可愛い人ですね」
「あ……!」
脚の付け根の際どい部分へ吸い付かれ、また蜜が溢れ出た。
「甘い匂いがします」
「ひぁ……っ!?」
そうしてアリーチェの開いた脚の間に潜り込んだクロムが蜜口の割れ目を舌でなぞり上げてきて、びくりっ! と身体が震えた。
「あ……っ! ゃ、あ……っ! あっ、あ……っ!」
くす、と囁かれたかと思うとすぐに肩口へと舌を這わされて、アリーチェの身体は陸に打ち上げられた魚のようにびくびくと跳ね上がった。
「ゃ……っ、あっ、んっ、んっ、あ……っ! あっ、ぁ……!」
「もしかして、背中、弱いですか?」
「は……っ、ん……、そ、なの……っ、わかん、な……ぁ……っ」
クロムの楽しそうな問いかけに、アリーチェは小刻みに身体を打ち震わせながら、ふるふると首を横に振る。
じわり、とした涙が滲み、少しでも刺激を逃そうとシーツを掴む指先に力がこもるが、そんな抵抗は全く意味をなさなかった。
「あ……っ、ゃ、あっ、あ……っ!」
ちゅ……、と首の後ろにキスを落としたクロムは、肩口から背筋へと少しずつ唇を下ろしていく。
「ゃ……っ、あっ、あ、あ……っ、は……っ、ゃ、あ……っ!」
軽く吸い付かれる感覚がする度に身体が跳ね、ぞくぞくとした刺激に襲われる。
「ゃ……、な、に……っ? あ……っ、あ……、ぁ、ん……!」
まさか、背中に触れられるだけでこんなふうに感じるとは思わなかった。
「敏感ですね」
「ひぁ……っ? あっ、あ……!」
くす、と笑ったクロムが楽しそうに指先を滑らせてきて、脚の間からまたじわりと蜜が溢れるのを感じた。
「ゃ、ん……っ、ん、ん……っ、あ……っ!」
背中へクロムの唇と指先が滑るたびに、ざわざわとした快楽が湧き上がり、嬌声が溢れて止まらない。
「ふ……っ、ぁ、あ、ん……っ、ん……っ」
気持ちがよくて。気持ちがよくて。
クロムに触れられるたびに身体が跳ね、頭の中が白くなる。
けれど。
「あ……っ、あ、あ……っ」
びくびくと全身を打ち震わせながらも、アリーチェの内股は無意識に擦り合わせるような動きをしてしまう。
柔らかな快楽はとても気持ちがいいけれど、少しもどかしい感じもして。
「ぁ、ん……っ、ぁ、あ……っ」
その先の刺激を誘うように、勝手に腰が揺れ動く。
「あっ、あ……っ、ゃ……っ、ク、ロム……ッ、も、っと……っ」
とうとう気持ちが溢れ出て、アリーチェはまた一つ快楽の涙を零しながら懇願する。
「……もっ、と……っ、触……っ、て……ぇ……っ」
この身体は、もっと大きな快楽を知っている。
貪欲な身体は、ただ心地よいだけの快楽では満足できなくて。
「触ってますよ?」
「ゃ……っ! ぁ、ん、違……っ」
くす、と笑ったクロムが背筋に舌を這わせながら脇腹を撫で上げてきて、涙を滲ませながら首を振る。
「もっと……っ、ちゃん、と……っ」
「ちゃんと触ってます」
「ん……っ」
羽根のような感覚でさわさわと脇腹を愛撫され、びくりっ、と腰が揺れる。
確かにクロムは、もう触れていないところなどないのではないかと思うくらい、丁寧にアリーチェの肌を愛撫してくるけれど。
「ぁ、ん……っ、ゃ、意地、悪……っ」
「!」
思わず後ろへ振り返り、涙の溢れる瞳で恨めしげに訴えれば、クロムの目が驚いたように見張られた。
「な、に……?」
なにか自分はおかしなことをしてしまっただろうかと不安定に瞳を揺らめかせるアリーチェへ、クロムは僅かに顔を赤くする。
「いえ……。アリーチェさんが可愛すぎて……」
「!」
照れるように口元を手で覆うクロムには、アリーチェの方が恥ずかしくなってしまい、顔へとじわじわとした熱が広がっていく。
気位の高い令嬢、と言われていたアリーチェのことを「可愛い」などと言うのは、クロムくらいではないだろうか。
「……こっち、がいいんですか……?」
「ひゃ、ん……っ!」
そうして恥ずかしくなっている間にふいに内股へと掌を滑らされ、驚きの混じった高い声が上がった。
「……あ……っ!」
くちゅ……、と蜜の溢れる脚の間に指を滑らされ、びくりっ、と身体が震えた。
「! もうこんな、ですか……?」
「っ」
そんなアリーチェに再び驚いたクロムの声が届き、かぁぁぁ……! と全身が赤くなる。
「……だって……、気持ちいいんだもの……」
「っ」
キス一つで火がついて。舌を絡ませる深いキスには官能を刺激され、ただ触られるだけでお腹の奥が熱くなる。
瞳を潤ませて告げるアリーチェにクロムは息を呑み、なぜか打ちのめされたように首を垂れる。
「……俺を殺す気ですか」
「?」
苦悩混じりのクロムの呟きの意味はよくわからない。
アリーチェはきょとん、と不思議そうな表情になり……。
「あ……っ!」
「でも、まだ、です」
「ひゃ、ん……っ」
今度はお尻の柔らかさを確認するかのようにゆっくりと揉み込まれ、びくりっ、と腰が揺れた。
「可愛い声が出ますね」
「ゃ、ん……っ、ん……」
ちゅ……、と双丘にキスを落としながら嬉しそうに笑うクロムに、きゅん、と胸がときめてしまうのはなぜなのだろう。
「まだアリーチェさんを味わい尽くしてないですから」
「あ……っ!」
まろやかな膨らみに吸い付くようなキスを落とされ、腹部がじわじわとした熱を持つ。
「あ……っ、ゃ、……あ……っ!」
クロムはゆっくりと丁寧にアリーチェの膨らみを手と唇とで堪能し、それから優しい愛撫は下へ下へと下がっていく。
「あっ、あ……!」
太腿の後ろから膝の後ろ、ふくらはぎまで舌を這わされ、びくびくと身体が打ち震える。
「ゃ……っ、クロ、ム……ッ」
本当に余すところなくアリーチェを味わおうとするかのような愛撫と口づけに、快楽と羞恥でおかしくなってくる。
「ん……っ、ん……」
クロムの唇は、とうとう足首にまで這わされて。
「あ……っ!?」
そこで再び身体を仰向けられ、アリーチェは驚きに目を見張る。
「な、に……? !?」
と。
「……や……っ!」
アリーチェの足首を取って持ち上げたクロムが口を開け、足の親指を含もうと顔を寄せてくる姿に、アリーチェは驚きの声を上げる。
「待……っ」
まさか足の指まで舐められるなど、とても正気ではいられない。
だが。
「ひゃ、ん……っ!」
親指が生あたたかな口の中へ包まれる感覚に、ぞくり……っ、と背筋が粟立った。
「や……っ、クロ……ッ」
「アリーチェさんは、足の指まで美味しいんですね」
「……ゃ、ん……っ」
ぴちゃり……っ、と。まるで見せつけるかのように舌を這わされて、ぞくぞくとした刺激が背筋を昇っていく。
「ゃ、め……っ」
「どうしてです?」
「ひゃ……っ」
人差し指に移った唇が、今度は軽く歯を立ててきて、びくびくと腰が震えてしまう。
「全部、俺にくれるんですよね?」
「……ゃ、あ……っ、ぁ……っ」
舌で舐められ、ゆっくりと見せつけるように含まれて。
「頭の先から足の先まで」
「あ……っ、ゃ、ん……っ! あっ、あ……!」
時には甘噛みしなからアリーチェの足の指を一本一本口に含んでいくクロムに、背筋が甘く痺れていく。
「俺のものにしていいんですよね?」
「ん……っ」
獰猛な瞳に射抜かれて、びくびくと内股を震わせながら無意識に首を縦に振ってしまう。
「あ……っ、ふ……っ、ぁ、あ……っ」
クロムの口の中へ指が含まれるたびにお腹の奥がきゅんとなり、脚の間がじわじわと濡れていくのを感じる。
「だったら、食べ尽くして構わないですよね?」
「あ……っ」
こくこくと頷くアリーチェに満足気な笑みを浮かべたクロムは、今度は反対の脚を手に取った。
「アリーチェさん」
「ん……っ」
親指の先にちゅ……っ、と口づけられて、ぞくりっ、と背筋が震えた。
「愛してます」
「あ……っ!」
それは、愛を語るというよりも獲物を狩らんとする獣の瞳に近いものだったが、なぜかお腹の奥深くから蜜が零れ落ちてくる。
「ク、ロム……ッ」
「離しません」
「……ぁっ、ん、ん……っ、違……っ」
反対側の脚の指先も、一本一本丹念に口に含まれて、アリーチェはびくびくと細腰を震わせながら口元を手で覆ってふるふると首を振る。
「なんですか?」
「……あ……っ、ね、も、ぅ……っ」
背筋をひっきりなしに昇ってくる甘い痺れに、もう限界だった。
経験があるわけでもないのに、本能のようなものがこの疼きを埋める術を知っている。
けれど。
「ひゃ、ん……っ!」
親指と人差し指の脚の付け根をねっとりと舐められて腰が跳ねる。
「も……っ、や、ぁ……っ」
次から次へと溢れ出る快楽に、身体はもう限界を訴えていて。
「……も……っ、ほし……っ」
身体中を脅かす熱を少しでも逃そうと首を振りながら、アリーチェは懇願の涙を零す。
「クロ、ム……ッ!」
「まだだめです」
「あ……!」
くす、と笑ったクロムが口に含んだ親指へ軽く歯を立ててきて、蜜口からは新たな愛液が溢れ出た。
「や……、ぁ……っ!」
「まだ慣らしてもいないのに」
「ひぁ……っ」
お仕置きだとでもいうかのように親指へ吸い付かれ、びくんっ! と背中が仰け反った。
「いい子ですから、もう少し我慢してください」
「や、ぁ……っ!」
ようやく満足したのか、脚の指から口を離したクロムに宥めるように囁かれ、アリーチェは嫌々と首を振る。
「あ……っ! あっ、あ……っ、も……っ、早……っ」
「まだ全部味わってません」
「あ……っ!」
ギラギラとした瞳でアリーチェを見つめたクロムは、今度は足首から上のラインを指先と唇で辿っていき、アリーチェの口からは歓喜とも絶望とも取れない声が上がる。
「そ……っ、な……っ」
この拷問のような甘い快楽は、一体いつまで続くのだろうか。
「あ……っ、あ……!」
欲しくて。欲しくて。
具体的になにをどうしてほしいのかわからないまま、それでも自然と脚は開いてクロムを誘うように腰が揺れ動く。
「自分から脚を開いて誘うなんて、どこで覚えたんです?」
そんなアリーチェの淫らな姿に、白い内股へ舌を這わせながらクロムが意地の悪い目を向けてくる。
「そ、なの……っ」
「わかってますよ。俺のことがほしくてほしくて堪らないんですよね?」
くす、と目だけで笑われて、かぁぁぁ……! と全身が羞恥で赤くなる。
「本当に可愛い人ですね」
「あ……!」
脚の付け根の際どい部分へ吸い付かれ、また蜜が溢れ出た。
「甘い匂いがします」
「ひぁ……っ!?」
そうしてアリーチェの開いた脚の間に潜り込んだクロムが蜜口の割れ目を舌でなぞり上げてきて、びくりっ! と身体が震えた。
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