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本編
第十一話 余命五日の初夜①
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気づけば三食のご飯を作る時以外には、研究室に籠っているクロムの傍で読書をしたり編み物をしてみたり、時には真剣なその横顔をこっそり観察してみたり……、という生活が当たり前になってしまっていた。
読書は元々嫌いではなかったが、編み物や縫い物に関して言えば、貴族令嬢の嗜みとして一通り覚えた程度でそこまで好きではなかったのだが、ここに来て研究員たちの個人的な物を繕っているうちにいつの間にか好きな作業の一つになりつつあった。
簡単なボタン付けから始まり、穴の開いたズボンなどを修復するたびにあまりにも喜ばれるものだから、悪い気はしなくなり、つい調子に乗ってしまう。
このままクロムの嫁に……、と大騒ぎをすることだけは止めてもらいたいが、なんだかんだと今も誰かの繕い物をしている最中だったりする。
ひたすら呪いの宝石の分析に没頭するクロムとは相変わらず会話らしい会話はないままだが、居心地の悪さを感じたことは一度もないから不思議だった。
むしろ。
(……楽、なのよねぇ……)
筆頭公爵家の令嬢として。王太子の婚約者として。ずっと弱味を見せることのできない緊張した生活を続けてきたせいか、肩肘を張らないこの生活をアリーチェは案外と気に入っていた。
慣れてくればクロムに食事を与えながらこっそりとその真剣な横顔を眺めるひと時も好きになってしまっていて、自然と肩の力が抜けているのを感じる。
さらには、一度だけクロムがなにかを思い立った時にアリーチェが食事の準備をしていて傍に居なかったことがあるのだが、その時のいじけたような表情は今でも忘れらない出来事になっている。
そんな二人の姿に周りの研究員たちからは「らぶらぶだねぇ~」などという野次が飛んできたものの、それは綺麗に黙殺した。
いつの間にかクロムの面倒を見るのはアリーチェの役目のように認識されているが、それは呪いが解けるまでの期間限定だ。
呪いが解けた暁には、王都の公爵家に戻って――……。
(……戻って……? それで私はどうするの……?)
婚約を解消されたのは、アリーチェが種類も解呪方法もわからない呪いにかかったからだ。
だからといって、呪いが解けた後に婚約者の立場に舞い戻ることができるかといえばそうは思えない。
ハインツは表面上ではアリーチェの解呪を待つと言ってくれていたが、本音では恋人であるイザベラと一緒になりたいと思っているのだろうから。
(……お父様が見つけてきた顔も知らない男性の元へ嫁ぐの……?)
アリーチェは、筆頭公爵家のご令嬢。王太子に婚約を解消されたいわくつきの女だからといっても、妻にと望む貴族子息は多いだろう。
けれどきっと、そんな過去を持つ女性を本当の意味で愛し大切にしてくれる人はいないに違いない。
形ばかりは妻として扱ってくれてはいても、愛人を持たれたり他に本命がいたりと、冷遇される未来しか見えてこない。
(だったら……)
ふ、とクロムの方へと瞳を向け、その直後、ふいに顔を上げたクロムとばっちり視線が合ってしまい、アリーチェは思い切り動揺してしまう。
「な……っ、なななな……、なに……っ?」
自分がなにを考えかけていたかなど一瞬にして吹き飛んで、裏返った声でクロムへ問いかける。
と。
「ちょっと、お話があります」
とうの昔に夕食は終わっていて、すでに研究室内にはクロムとアリーチェしか残っていなかった。
妙に真剣な顔つきと声色をしたクロムの様子に、アリーチェは嫌な予感を覚えてこくりと小さく息を呑む。
「……な、なに?」
なにか、嫌な報せだろうか。
思わず身構えるアリーチェへ、クロムの淡々とした声が届く。
「残念なご報告なのですが、覚悟して聞いてもらってもいいですか?」
「っ」
覚悟、という言葉を聞いた途端、びくりと肩が反応した。
(……ま、さか……)
やはり、解呪は無理、という話なのだろうか。
だが。
「その呪い、なんとかなりそうです」
「…………え……っ?」
それはむしろ喜ばしい報告なのではないだろうか。
けれど呆気に取られたアリーチェへ向けられるクロムの表情は真剣そのもので、アリーチェは自分はなにか聞き間違いをしただろうかとぱちぱちと瞳を瞬かせる。
「ですが」
クロムが“残念”と前置きした理由。
「圧倒的に時間が足りません」
「……え……」
「正攻法で臨むと、呪いの発動の方が先にきてしまいます」
「!」
ここで、やっとアリーチェはクロムが“残念な報告”だと言った意味を理解した。
呪いを解く方法はわかった。だが、その辺りの事情はよくわからないが、呪いを解くために必要な環境を整えるための時間がタイムリミットまでに足りないのだ。
「っだったら……!」
自分はどうなってしまうのだろうと、じわりと涙が滲んだ。
「はい。すみません」
「そんな……っ」
あっさりと謝られ、泣き出したくなってしまう。
「……だって……、約束……」
絶対に死なせないと約束してくれたのに。
死ぬようなことだけは絶対にないと、そう強く断言してくれたのに。
それなのに。
「はい。解呪はできずとも貴女の命を救う方法が、あるにはあります」
そこであっさりと告げられて、呆気に取られたアリーチェの瞳からは涙が引っ込んだ。
「……は……」
「ただ、あまりお勧めできない方法なだけで……」
そういえば、以前そんなようなことを聞かされていたことを思い出す。
できる限り取りたくはない、最後の手段があるにはあるのだと。
「方法としては、呪いを解くのではなく、ただ呪いを一時的に抑えるだけのものになります」
すでにアリーチェの身体に浮かんだ蔦の文様は、脚と腕の付け根部分にまで広がっていた。
最初一つだった華は大輪の華を咲かせつつあり、蕾も花開き、新たな蕾さえできている。
それを、“消す”のではなく、ただ成長を“止める”だけ。
「正攻法に行きつくまでそうやって呪いの発動を伸ばす、というのが最後の手段です」
根本的な解決には繋がらないが、呪いの発動を一時的に止めることによって命のタイムリミットを伸ばすのだとクロムは口にした。
定期的にその手段を用いれば、理論上はずっと呪いを発動させずに済むことにはなる。
「……抑える……」
そんなことが……。と呆然とした呟きを洩らすアリーチェに、クロムは神妙な面持ちで頷いた。
「古代魔道具を使います。俺以外では誰もできない方法だと断言します」
そんなふうに言われても、なぜだかクロムを疑う気持ちは微塵たりとも浮かばなかった。
クロムがそう言うからにはきっとそうなのだろう。
この広い世界のどこを探しても、きっと、クロム以外にアリーチェの呪いを解ける人間などいない。
なぜか、そんな確信があった。
「俺が今までこの手段を取ろうとしなかったことには理由がありまして」
元々クロムは、これが“最後の手段”なのだと言っていた。
ぎりぎりまでアリーチェに伝えなかったことには、もちろんそれなりの理由があるに違いない。
「……なに?」
覚悟を決めて先を促したアリーチェを、クロムが真っ直ぐ見つめてくる。
「副作用が出る可能性が高いです」
命にかかわるようなものではないものの、身体へなにかしらの影響が出る可能性を示唆されて、アリーチェは一瞬息を呑みこんだ。
だが。
「っ、かまわないわ!」
死ぬことに比べれば、数日間高熱に浮かされようが身体に痺れが残ろうがかまわない。
どうせもう、あの頃の自分には戻れない。
例え明るい未来など訪れなくとも、死にたくない、と思うことだけは本能だった。
「女は度胸よ!」
クロムに会うために、家を飛び出してきたあの時のように。
「やってちょうだい……!」
誰かに命を預けなければならないのなら、その相手はクロムがいい。
すぐにでも始めましょうと告げれば、クロムが少しばかり驚いたように目を丸くしたのがおかしくて、アリーチェは思わずくすくすと微笑ってしまっていた。
読書は元々嫌いではなかったが、編み物や縫い物に関して言えば、貴族令嬢の嗜みとして一通り覚えた程度でそこまで好きではなかったのだが、ここに来て研究員たちの個人的な物を繕っているうちにいつの間にか好きな作業の一つになりつつあった。
簡単なボタン付けから始まり、穴の開いたズボンなどを修復するたびにあまりにも喜ばれるものだから、悪い気はしなくなり、つい調子に乗ってしまう。
このままクロムの嫁に……、と大騒ぎをすることだけは止めてもらいたいが、なんだかんだと今も誰かの繕い物をしている最中だったりする。
ひたすら呪いの宝石の分析に没頭するクロムとは相変わらず会話らしい会話はないままだが、居心地の悪さを感じたことは一度もないから不思議だった。
むしろ。
(……楽、なのよねぇ……)
筆頭公爵家の令嬢として。王太子の婚約者として。ずっと弱味を見せることのできない緊張した生活を続けてきたせいか、肩肘を張らないこの生活をアリーチェは案外と気に入っていた。
慣れてくればクロムに食事を与えながらこっそりとその真剣な横顔を眺めるひと時も好きになってしまっていて、自然と肩の力が抜けているのを感じる。
さらには、一度だけクロムがなにかを思い立った時にアリーチェが食事の準備をしていて傍に居なかったことがあるのだが、その時のいじけたような表情は今でも忘れらない出来事になっている。
そんな二人の姿に周りの研究員たちからは「らぶらぶだねぇ~」などという野次が飛んできたものの、それは綺麗に黙殺した。
いつの間にかクロムの面倒を見るのはアリーチェの役目のように認識されているが、それは呪いが解けるまでの期間限定だ。
呪いが解けた暁には、王都の公爵家に戻って――……。
(……戻って……? それで私はどうするの……?)
婚約を解消されたのは、アリーチェが種類も解呪方法もわからない呪いにかかったからだ。
だからといって、呪いが解けた後に婚約者の立場に舞い戻ることができるかといえばそうは思えない。
ハインツは表面上ではアリーチェの解呪を待つと言ってくれていたが、本音では恋人であるイザベラと一緒になりたいと思っているのだろうから。
(……お父様が見つけてきた顔も知らない男性の元へ嫁ぐの……?)
アリーチェは、筆頭公爵家のご令嬢。王太子に婚約を解消されたいわくつきの女だからといっても、妻にと望む貴族子息は多いだろう。
けれどきっと、そんな過去を持つ女性を本当の意味で愛し大切にしてくれる人はいないに違いない。
形ばかりは妻として扱ってくれてはいても、愛人を持たれたり他に本命がいたりと、冷遇される未来しか見えてこない。
(だったら……)
ふ、とクロムの方へと瞳を向け、その直後、ふいに顔を上げたクロムとばっちり視線が合ってしまい、アリーチェは思い切り動揺してしまう。
「な……っ、なななな……、なに……っ?」
自分がなにを考えかけていたかなど一瞬にして吹き飛んで、裏返った声でクロムへ問いかける。
と。
「ちょっと、お話があります」
とうの昔に夕食は終わっていて、すでに研究室内にはクロムとアリーチェしか残っていなかった。
妙に真剣な顔つきと声色をしたクロムの様子に、アリーチェは嫌な予感を覚えてこくりと小さく息を呑む。
「……な、なに?」
なにか、嫌な報せだろうか。
思わず身構えるアリーチェへ、クロムの淡々とした声が届く。
「残念なご報告なのですが、覚悟して聞いてもらってもいいですか?」
「っ」
覚悟、という言葉を聞いた途端、びくりと肩が反応した。
(……ま、さか……)
やはり、解呪は無理、という話なのだろうか。
だが。
「その呪い、なんとかなりそうです」
「…………え……っ?」
それはむしろ喜ばしい報告なのではないだろうか。
けれど呆気に取られたアリーチェへ向けられるクロムの表情は真剣そのもので、アリーチェは自分はなにか聞き間違いをしただろうかとぱちぱちと瞳を瞬かせる。
「ですが」
クロムが“残念”と前置きした理由。
「圧倒的に時間が足りません」
「……え……」
「正攻法で臨むと、呪いの発動の方が先にきてしまいます」
「!」
ここで、やっとアリーチェはクロムが“残念な報告”だと言った意味を理解した。
呪いを解く方法はわかった。だが、その辺りの事情はよくわからないが、呪いを解くために必要な環境を整えるための時間がタイムリミットまでに足りないのだ。
「っだったら……!」
自分はどうなってしまうのだろうと、じわりと涙が滲んだ。
「はい。すみません」
「そんな……っ」
あっさりと謝られ、泣き出したくなってしまう。
「……だって……、約束……」
絶対に死なせないと約束してくれたのに。
死ぬようなことだけは絶対にないと、そう強く断言してくれたのに。
それなのに。
「はい。解呪はできずとも貴女の命を救う方法が、あるにはあります」
そこであっさりと告げられて、呆気に取られたアリーチェの瞳からは涙が引っ込んだ。
「……は……」
「ただ、あまりお勧めできない方法なだけで……」
そういえば、以前そんなようなことを聞かされていたことを思い出す。
できる限り取りたくはない、最後の手段があるにはあるのだと。
「方法としては、呪いを解くのではなく、ただ呪いを一時的に抑えるだけのものになります」
すでにアリーチェの身体に浮かんだ蔦の文様は、脚と腕の付け根部分にまで広がっていた。
最初一つだった華は大輪の華を咲かせつつあり、蕾も花開き、新たな蕾さえできている。
それを、“消す”のではなく、ただ成長を“止める”だけ。
「正攻法に行きつくまでそうやって呪いの発動を伸ばす、というのが最後の手段です」
根本的な解決には繋がらないが、呪いの発動を一時的に止めることによって命のタイムリミットを伸ばすのだとクロムは口にした。
定期的にその手段を用いれば、理論上はずっと呪いを発動させずに済むことにはなる。
「……抑える……」
そんなことが……。と呆然とした呟きを洩らすアリーチェに、クロムは神妙な面持ちで頷いた。
「古代魔道具を使います。俺以外では誰もできない方法だと断言します」
そんなふうに言われても、なぜだかクロムを疑う気持ちは微塵たりとも浮かばなかった。
クロムがそう言うからにはきっとそうなのだろう。
この広い世界のどこを探しても、きっと、クロム以外にアリーチェの呪いを解ける人間などいない。
なぜか、そんな確信があった。
「俺が今までこの手段を取ろうとしなかったことには理由がありまして」
元々クロムは、これが“最後の手段”なのだと言っていた。
ぎりぎりまでアリーチェに伝えなかったことには、もちろんそれなりの理由があるに違いない。
「……なに?」
覚悟を決めて先を促したアリーチェを、クロムが真っ直ぐ見つめてくる。
「副作用が出る可能性が高いです」
命にかかわるようなものではないものの、身体へなにかしらの影響が出る可能性を示唆されて、アリーチェは一瞬息を呑みこんだ。
だが。
「っ、かまわないわ!」
死ぬことに比べれば、数日間高熱に浮かされようが身体に痺れが残ろうがかまわない。
どうせもう、あの頃の自分には戻れない。
例え明るい未来など訪れなくとも、死にたくない、と思うことだけは本能だった。
「女は度胸よ!」
クロムに会うために、家を飛び出してきたあの時のように。
「やってちょうだい……!」
誰かに命を預けなければならないのなら、その相手はクロムがいい。
すぐにでも始めましょうと告げれば、クロムが少しばかり驚いたように目を丸くしたのがおかしくて、アリーチェは思わずくすくすと微笑ってしまっていた。
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