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本編
プロローグ
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「クロム・スピアーズ! 古代魔道具研究家のクロム・スピアーズはどちらに!?」
遠く馬車の止まる蹄の音が聞こえたかと思えばしばらくしてから無遠慮に開け放たれた扉に、室内にいた全員の視線がその声の主の方へと集まった。
「……貴女は……?」
そこにいたのは、後方に女性騎士を従えた、左右が黒で後方部分が銀色の長い髪をした二十歳前後の少女。蒼い瞳の少女は瞳の色と同じ耳飾りとブローチをしており、シルクを思わせる白銀の美しい装いからも、一目で高貴な身分の御令嬢であることが窺えた。
「先に連絡がいっているはずだけれど!?」
その物言いからも、少女の気位の高さが滲み出る。
「私はアリーチェ。マクラーゲン公爵家の一人娘のアリーチェ・マクラーゲンよ!」
聞いていないのかと吊り上がる眉根に、室内にいた五人のうち、一番位が高いのであろう初老の男性が「あぁ……」という呟きを洩らした。
「聞いております」
「だったら……!」
ならばさっさとここへ呼べとでも言うかのような少女――、アリーチェへ小さな溜め息を一つ零し、初老の男性は残りの四人の方へ振り返る。
「誰かクロムを呼んできてくれ」
それに「は~い」とどこかやる気のなさそうな返事をしたのは、一番年下そうに見える青年だ。
「早くしてちょうだい……!」
急かすアリーチェへやれやれという一瞥を投げ、青年は欠伸でもしそうな緩い足取りで部屋を後にする。
そうして。
時間にすればどれくらいだろう。それなりには経過したであろう長い待ち時間に、アリーチェからはあからさまに苛立った空気が滲み出て、そろそろ爆発してしまうのではないかという心配が過ぎった頃。
「所長。呼びました?」
これまたのんびりと現れた長身の青年に、所長と呼ばれた初老の男性は肩を落としつつアリーチェの方を顎で指し示す。
「お客さんだ」
「……俺に、ですか?」
きょとん、と丸くなる赤い瞳に、所長はやれやれと空を仰ぐ。
「あぁ。先日手紙を見せただろう」
「……そういえば」
すっかり忘れてました。という言葉でも続きそうな青年に、しばし固まっていたアリーチェはおずおずと口を開く。
「……あ、貴方があの有名なクロム・スピアーズ?」
クロム・スピアーズと言えば、その界隈では知らぬ者などいない、古代魔道具研究の第一人者で“天才”と言われている人物だ。
「有名かどうかはわかりませんけど、多分そのクロム・スピアーズです」
「貴方が……」
平均よりものんびりとした喋り方は、“天才”と同じくらい名高い“変人”の名に相応しいものだったが、想像とあまりにも違うその風貌にアリーチェはじろじろとクロムを観察してしまう。
周りの目を気にしていないことが窺える野暮ったい服装と、寝ぐせさえ直されていない金色の髪。だが、顔面偏差値は異様に高く、眼鏡の奥にある赤い瞳は妙に引き込まれそうな妖しさがあった。
「なんですか?」
「い、いえ……。なんでもないわ」
相手の目を真っ直ぐ見てくるクロムに不覚にもドキリとさせられてしまい、アリーチェは「オタクのくせに……!」などと偏見も甚だしいことを思いながら僅かに視線を逸らす。
「で? 公爵家のお嬢様が、こんなところにお忍びでなんの用事です?」
「……そ、それは……っ」
頭の後ろを掻きながら面倒くさそうに尋ねられて答えに詰まる。
公爵家の令嬢であるアリーチェが、自らこんな辺境に足を運んだ理由。
それは。
「……人払いをお願いしてもいいかしら?」
「人払いを?」
なぜか少しばかり恥ずかしそうにチラリと視線を投げたアリーチェに、クロムはきょとん、とした反応を返してくる。
「へ、変なことは考えないでよ……!?」
「……“変なこと”……」
年頃の男女が二人きり。アリーチェにとってはありえない状況だが、眉を顰めるクロムは本気で意味がわからないようで逆に羞恥を煽られる。
「い、いいから……! 早くしてちょうだい……!」
室内の人間を追い払うように辺りを見回すアリーチェに、所長たちからは生ぬるい目が向けられる。
「それが人にものを頼む態度かねぇ~」
「!?」
ここは、“変人の集まり”と名高い場所。とても公爵令嬢を相手にする態度とは思えない言動にアリーチェが言葉を失う中、男の一人がやれやれと肩を落とす。
「へいへい。公爵家の御令嬢には逆らいませんよ」
そうして所長が「ほら、行くぞ」と促せば、彼らは「は~い」と返事をしながらぞろぞろと扉の方へ向かっていく。
そんな彼らのあまりの不遜な態度にアリーチェが呆気に取られている間に、唯一の従者だった女性騎士も無言で頭を下げて部屋を後にする。恐らくは人払いをしたアリーチェに気を遣い、扉の外で待機しているつもりなのだろう。
「で?」
「……“で”?」
二人きりになったところで不躾に見下ろされ、アリーチェはついきょとんと瞳を瞬かせる。
「俺を訪ねてきたのはそっちの方でしょう」
「そ、そうね……」
あまりの驚きの連続でつい本題を忘れかけてしまっていた。
そして、往生際が悪いことに、まだ心の準備が追いついていない。
アリーチェはコホンと小さく息をつき――……。
「その呪い、どうしたんです?」
単刀直入、あまりにもあっけらかんと問いかけられ、大きく目を見張っていた。
「!? わ、わかるの……!?」
「……はぁ、まぁ……」
どうにも緊張感のない返答に、アリーチェは掴みかかる勢いでクロムへと身を乗り出した。
「どうすれば解けるの!?」
「どうすれば……」
「謝礼は弾むわ……! なにかほしいものがあるなら、公爵家の名においてできるだけのことをするから……!」
クロムの“天才”という評価は確からしい。一目でアリーチェの事情を見抜いたらしいクロムに、アリーチェは鬼気迫った目を向ける。
「早急に解いてほしいの……!」
「……まぁ、そうですよねぇ……。事態はなかなかに深刻そうですもんね」
「え……?」
まじまじと見下ろされ、アリーチェの胸には嫌なざわめきが湧いた。
自分が呪いにかかっていることは知っている。そしてそれが、“古代魔道具”によるものだということも。
だが、“深刻”とはどういうことか。
「これはまた随分と厄介そうな……」
「見なくてもわかるの!?」
王都の高位魔術師たちでさえ、ただアリーチェと対面しただけではわからなかった。
そんな魔術を、クロムは目にしなくてもわかるというのだろうか。
だが。
「……まぁ、なんとなくは。でも、きちんと見てみないことには正確な判断はできません。……どこかに印が浮かんでたりします?」
「っ」
覚悟をしていたとはいえ当然すぎる要求に、アリーチェは一瞬息を呑む。
クロムが口にした“印”。アリーチェが呪われているという証が刻まれた場所は。
「あ、貴方……っ、女性関係は……!?」
「……は?」
途端真っ赤になって瞳を潤ませるアリーチェに、クロムの訝し気な目が向けられる。
アリーチェのその反応は仕方のないものだ。
なぜなら。
「……む、胸元に……っ!」
ぎゅ、と硬く目を瞑り、勇気を振り絞って告げたアリーチェへ、けれどクロムは「……あぁ」と納得の声を洩らしながらも態度は全く変わらない。
「でも、見てみないことには」
――“天才”と名高いクロム・スピアーズは、“変人”で、古代魔道具以外に人間にさえ興味がない。
そんな彼の噂もあながち間違ってはいないらしい。
それでも。
「ぜ、絶対に変な気を起こさないでよ!?」
アリーチェは、花も恥じらう年頃の乙女。
「……そんなに嫌なら俺はいいんですけど」
「!」
思わず自分の身体を抱き締めて羞恥で瞳を潤ませるアリーチェにも、“変人”クロムは容赦がない。
早くしなければすぐにでも欠伸をしながら部屋を出て行ってしまいそうなクロムの雰囲気に、アリーチェはこくりと息を呑む。
背に腹は代えられない。
王都の高位魔術師は全員匙を投げた。
もはや頼ることができるのは、“天才古代魔道具研究者”のクロムだけ。
「……」
このためにわざわざ選んだ前開きドレスのボタンを外し、アリーチェは顔を真っ赤にしながらそろそろと深い胸の谷間を覗かせる。
と……。
「……これはまた随分と根が深いですね……」
そこに刻まれた赤黒い文様をまじまじと見つめたクロムが神妙な吐息を洩らした。
「それってどういう……」
「確かに、早急に呪解しないと」
不安気に瞳を揺らめかせるアリーチェに、相変わらずの態度でクロムは淡々と口を開く。
「このままだと、一カ月後にはあの世逝きです」
「――――……っ!?」
下されたあまりにも衝撃的な内容に、アリーチェは真っ青になって言葉を失っていた。
遠く馬車の止まる蹄の音が聞こえたかと思えばしばらくしてから無遠慮に開け放たれた扉に、室内にいた全員の視線がその声の主の方へと集まった。
「……貴女は……?」
そこにいたのは、後方に女性騎士を従えた、左右が黒で後方部分が銀色の長い髪をした二十歳前後の少女。蒼い瞳の少女は瞳の色と同じ耳飾りとブローチをしており、シルクを思わせる白銀の美しい装いからも、一目で高貴な身分の御令嬢であることが窺えた。
「先に連絡がいっているはずだけれど!?」
その物言いからも、少女の気位の高さが滲み出る。
「私はアリーチェ。マクラーゲン公爵家の一人娘のアリーチェ・マクラーゲンよ!」
聞いていないのかと吊り上がる眉根に、室内にいた五人のうち、一番位が高いのであろう初老の男性が「あぁ……」という呟きを洩らした。
「聞いております」
「だったら……!」
ならばさっさとここへ呼べとでも言うかのような少女――、アリーチェへ小さな溜め息を一つ零し、初老の男性は残りの四人の方へ振り返る。
「誰かクロムを呼んできてくれ」
それに「は~い」とどこかやる気のなさそうな返事をしたのは、一番年下そうに見える青年だ。
「早くしてちょうだい……!」
急かすアリーチェへやれやれという一瞥を投げ、青年は欠伸でもしそうな緩い足取りで部屋を後にする。
そうして。
時間にすればどれくらいだろう。それなりには経過したであろう長い待ち時間に、アリーチェからはあからさまに苛立った空気が滲み出て、そろそろ爆発してしまうのではないかという心配が過ぎった頃。
「所長。呼びました?」
これまたのんびりと現れた長身の青年に、所長と呼ばれた初老の男性は肩を落としつつアリーチェの方を顎で指し示す。
「お客さんだ」
「……俺に、ですか?」
きょとん、と丸くなる赤い瞳に、所長はやれやれと空を仰ぐ。
「あぁ。先日手紙を見せただろう」
「……そういえば」
すっかり忘れてました。という言葉でも続きそうな青年に、しばし固まっていたアリーチェはおずおずと口を開く。
「……あ、貴方があの有名なクロム・スピアーズ?」
クロム・スピアーズと言えば、その界隈では知らぬ者などいない、古代魔道具研究の第一人者で“天才”と言われている人物だ。
「有名かどうかはわかりませんけど、多分そのクロム・スピアーズです」
「貴方が……」
平均よりものんびりとした喋り方は、“天才”と同じくらい名高い“変人”の名に相応しいものだったが、想像とあまりにも違うその風貌にアリーチェはじろじろとクロムを観察してしまう。
周りの目を気にしていないことが窺える野暮ったい服装と、寝ぐせさえ直されていない金色の髪。だが、顔面偏差値は異様に高く、眼鏡の奥にある赤い瞳は妙に引き込まれそうな妖しさがあった。
「なんですか?」
「い、いえ……。なんでもないわ」
相手の目を真っ直ぐ見てくるクロムに不覚にもドキリとさせられてしまい、アリーチェは「オタクのくせに……!」などと偏見も甚だしいことを思いながら僅かに視線を逸らす。
「で? 公爵家のお嬢様が、こんなところにお忍びでなんの用事です?」
「……そ、それは……っ」
頭の後ろを掻きながら面倒くさそうに尋ねられて答えに詰まる。
公爵家の令嬢であるアリーチェが、自らこんな辺境に足を運んだ理由。
それは。
「……人払いをお願いしてもいいかしら?」
「人払いを?」
なぜか少しばかり恥ずかしそうにチラリと視線を投げたアリーチェに、クロムはきょとん、とした反応を返してくる。
「へ、変なことは考えないでよ……!?」
「……“変なこと”……」
年頃の男女が二人きり。アリーチェにとってはありえない状況だが、眉を顰めるクロムは本気で意味がわからないようで逆に羞恥を煽られる。
「い、いいから……! 早くしてちょうだい……!」
室内の人間を追い払うように辺りを見回すアリーチェに、所長たちからは生ぬるい目が向けられる。
「それが人にものを頼む態度かねぇ~」
「!?」
ここは、“変人の集まり”と名高い場所。とても公爵令嬢を相手にする態度とは思えない言動にアリーチェが言葉を失う中、男の一人がやれやれと肩を落とす。
「へいへい。公爵家の御令嬢には逆らいませんよ」
そうして所長が「ほら、行くぞ」と促せば、彼らは「は~い」と返事をしながらぞろぞろと扉の方へ向かっていく。
そんな彼らのあまりの不遜な態度にアリーチェが呆気に取られている間に、唯一の従者だった女性騎士も無言で頭を下げて部屋を後にする。恐らくは人払いをしたアリーチェに気を遣い、扉の外で待機しているつもりなのだろう。
「で?」
「……“で”?」
二人きりになったところで不躾に見下ろされ、アリーチェはついきょとんと瞳を瞬かせる。
「俺を訪ねてきたのはそっちの方でしょう」
「そ、そうね……」
あまりの驚きの連続でつい本題を忘れかけてしまっていた。
そして、往生際が悪いことに、まだ心の準備が追いついていない。
アリーチェはコホンと小さく息をつき――……。
「その呪い、どうしたんです?」
単刀直入、あまりにもあっけらかんと問いかけられ、大きく目を見張っていた。
「!? わ、わかるの……!?」
「……はぁ、まぁ……」
どうにも緊張感のない返答に、アリーチェは掴みかかる勢いでクロムへと身を乗り出した。
「どうすれば解けるの!?」
「どうすれば……」
「謝礼は弾むわ……! なにかほしいものがあるなら、公爵家の名においてできるだけのことをするから……!」
クロムの“天才”という評価は確からしい。一目でアリーチェの事情を見抜いたらしいクロムに、アリーチェは鬼気迫った目を向ける。
「早急に解いてほしいの……!」
「……まぁ、そうですよねぇ……。事態はなかなかに深刻そうですもんね」
「え……?」
まじまじと見下ろされ、アリーチェの胸には嫌なざわめきが湧いた。
自分が呪いにかかっていることは知っている。そしてそれが、“古代魔道具”によるものだということも。
だが、“深刻”とはどういうことか。
「これはまた随分と厄介そうな……」
「見なくてもわかるの!?」
王都の高位魔術師たちでさえ、ただアリーチェと対面しただけではわからなかった。
そんな魔術を、クロムは目にしなくてもわかるというのだろうか。
だが。
「……まぁ、なんとなくは。でも、きちんと見てみないことには正確な判断はできません。……どこかに印が浮かんでたりします?」
「っ」
覚悟をしていたとはいえ当然すぎる要求に、アリーチェは一瞬息を呑む。
クロムが口にした“印”。アリーチェが呪われているという証が刻まれた場所は。
「あ、貴方……っ、女性関係は……!?」
「……は?」
途端真っ赤になって瞳を潤ませるアリーチェに、クロムの訝し気な目が向けられる。
アリーチェのその反応は仕方のないものだ。
なぜなら。
「……む、胸元に……っ!」
ぎゅ、と硬く目を瞑り、勇気を振り絞って告げたアリーチェへ、けれどクロムは「……あぁ」と納得の声を洩らしながらも態度は全く変わらない。
「でも、見てみないことには」
――“天才”と名高いクロム・スピアーズは、“変人”で、古代魔道具以外に人間にさえ興味がない。
そんな彼の噂もあながち間違ってはいないらしい。
それでも。
「ぜ、絶対に変な気を起こさないでよ!?」
アリーチェは、花も恥じらう年頃の乙女。
「……そんなに嫌なら俺はいいんですけど」
「!」
思わず自分の身体を抱き締めて羞恥で瞳を潤ませるアリーチェにも、“変人”クロムは容赦がない。
早くしなければすぐにでも欠伸をしながら部屋を出て行ってしまいそうなクロムの雰囲気に、アリーチェはこくりと息を呑む。
背に腹は代えられない。
王都の高位魔術師は全員匙を投げた。
もはや頼ることができるのは、“天才古代魔道具研究者”のクロムだけ。
「……」
このためにわざわざ選んだ前開きドレスのボタンを外し、アリーチェは顔を真っ赤にしながらそろそろと深い胸の谷間を覗かせる。
と……。
「……これはまた随分と根が深いですね……」
そこに刻まれた赤黒い文様をまじまじと見つめたクロムが神妙な吐息を洩らした。
「それってどういう……」
「確かに、早急に呪解しないと」
不安気に瞳を揺らめかせるアリーチェに、相変わらずの態度でクロムは淡々と口を開く。
「このままだと、一カ月後にはあの世逝きです」
「――――……っ!?」
下されたあまりにも衝撃的な内容に、アリーチェは真っ青になって言葉を失っていた。
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