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第六話
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「や、ぁ……っ!」
ぐいっ、と大きく脚を開かされ、シャーロットの瞳は羞恥で大きく見開かれる。
「なにを今さら恥ずかしがる? いつもしていることだろう」
「っそういう、問題では……っ、ひぁ……!?」
くす、と笑う吐息に内股をくすぐられ、脚の付け根の際どい部分に唇を寄せられてびくりと腰が波打った。
確かにゼノンは、いつもシャーロットの身体を気遣って、痛みを感じることがないように、そのとても恥ずかしくて汚いと思ってしまう行為をしてくれていた。
だが、だからと言って慣れているかと言われれば、いつまでたっても泣きたくなるほど恥ずかしいし、慣れていくことなんてない。
「あぁ……、すごいな……」
「や……っ、ぁ……っ」
最も恥ずかしい場所を覗き込まれ、思わず脚を閉じかけても、がっしりと掴まれて開かされている両の脚はぴくりとも動かない。
「こんなに溢れて……。ひくひくと物欲しそうに動いている……」
「言わな……ぁ……っ」
欲の孕んだ吐息で揶揄されて、ふるふると首を横に振る。
今日はもう、深い口づけをされた時から、そこはきゅんきゅんと反応し、身体の奥からは愛液が滴り落ちていた。それがわかっているからこそ、恥ずかしくて堪らなかった。
「いつもそうだが、今日はまたいつも以上だな」
「ゃ、や……っ」
くすり、と感嘆の吐息を洩らされて羞恥心が煽られる。
そこがもう、溢れるほどに濡れていることがわかっていたからこそ、恥ずかしさは一層のことだった。
「貴女はココを舐められると、いつもとても可愛らしい反応をするから」
「あ……っ!」
触れるか触れないかの距離で囁かれ、期待からかびくびくと内股が小刻みに痙攣する。
「つい、苛めたくなってしまう」
「あ……っ、ぁあ……っ!」
意地悪く告げる吐息に撫でられて、それだけで喉の奥からは甲高い嬌声が響き渡る。
「今日は、欲しくなったら自分で言うんだ」
「……な、に……?」
とろん……、と。いつにない快楽に蕩けた瞳がゼノンに向けられて、酷薄な唇はニヤリと意地悪く歪んでいく。
「たくさん焦らして善くしてやる」
「――っ!」
具体的なことはなに一つわからないまま、それでもそれがとてつもない辱しめを受けることだと理解して、シャーロットはゆらりと瞳を揺らめかせる。
いつも途中からわけがわからなくなって酷く恥ずかしい姿を晒していると思うのに、きっとそれ以上の仕打ちが待っている。
それを思うと悲鳴を上げたくなるほど恥ずかしいのに、なぜか身体の奥からはトロトロと期待するかのような愛液が次から次へと溢れ出ていた。
「ぁあ……っ」
内股をゆっくりとゼノンの舌が滑っていって、がくがくと腰が打ち震える。
「すごいな……。シーツがびしょびしょだ」
「あぁ……っ、ん……」
左右両方の内股を丁寧に舌先で愛撫しながら、濡れて染みになっている白いシーツを見つめてゼノンがからかうようにくすりと笑う。
「貴女が苛められるのが好きだとは思わなかった」
「違……っ」
思わず否定の声を上げても、ゼノンはますます愉しそうな笑みを深くするだけで、前言を撤回するつもりはなさそうだった。
「そろそろ舐めて欲しいか?」
「ぁあ……っ! だ、め……ぇ……っ!」
尋ねるや否やぺろり、と陰核を舐め上げられ、シャーロットはいつになく大きく腰を震わせる。
「まだ少し舐め取っただけだろう」
「だめ……っ、だめぇ……っ!」
舌先をそっと動かしながらかかる吐息にさえ刺激され、細腰がびくびくと反応する。その度に蜜口からははしたない愛液が零れ落ち、後ろの方まで濡らしていた。
「指は? まだ舐めるだけの方がいいか?」
「ゆ、び……、だめ……っ、だめ……っ」
指、と言われるだけで、お腹の空洞が意識され、ひくひくと蜜道が蠢いた。ゼノンの長い指先で、胎内を掻き回される時の心地好さをすでに知っている。だからこそ、早く早くと主張するかのようにはくはくとした呼吸を繰り返している蜜壺に、今、それを埋め込まれてしまったら。もう、どうにかなってしまいそうで恐かった。
「そんなふうに怯えられると、却って苛めたくなってしまうな」
だが、そんなシャーロットの怯えを正確に理解したらしいゼノンは口の端を引き上げて、その反応さえ愉しむように、触れるか触れないか程度の触れ方で、そっと蜜口へと指先を滑らせる。
「ひ、ん……っ」
びくん! と跳ね上がる細い腰。
いつも以上に感じていることを自覚して、シャーロットは恐怖か期待かわからない感情に身を震わせる。
「あ……っ」
くちゅり……っ、と。なんなく呑み込まれた指先に、ぞくりとした刺激が背筋を昇っていく。
「ぁぁあ……っ! だ、めぇ……っ、いや、ぁあ……っ!」
少しずつ、少しずつ。焦らすように中指を埋め込まれ、その感覚が上がってくる度に快楽の波もまた大きくなっていき、シャーロットは甘い悲鳴を上げていた。
「すごいな。指を入れただけで溢れてくる……」
「あ……っ、だめ……っ、ゃ、め……っ」
ゆっくりと抜き差しをされ、その指が引かれる度に溢れ出る愛液を見つめながら、ゼノンが感嘆の吐息を洩らす。
「もうぐちゃぐちゃだ」
「や……っ! 言わな……ぁ……っ」
ぴちゃ……っ、ぴちゃ……っ、と響く水音がいやらしすぎて、シャーロットはふるふると首を振りながら涙を溢す。
自分でも、蜜壁がゼノンの指を嬉しそうに喰い締めていることにも、身体の奥から止めどなく愛液が溢れていることもわかっていた。
それが、本当に、恥ずかしくて。恥ずかしくて。
「あんなに狭くて痛がっていた貴女が……。いつからこれほど淫乱になったんだ?」
「ぁあっ、ん……!」
わざとぐちゅぐちゅと音を立てながら揶揄されて、シャーロットはびくびくと全身を震わせる。
「っ全部……っ、旦那様が……っ」
「……そうだな」
切れ切れに喘ぎながら訴えれば、ゼノンは舌先で陰核を味わいながら、どこか満足そうな吐息を洩らしていた。
シャーロットが夫以外に肌を許したことがないことくらい、ゼノンは百も承知だろう。であるのなら、まっさらなシャーロットをこんなふうに作り替えたのはゼノンに他ならない。
無垢な少女に自分の存在を刻み付け、快楽に溺れることを教える歓び。暗い欲望が満たされていく気がして、ゼノンは僅かに口元を歪めていた。
「や……っ、ぁあ……っ!」
ぐちゅぐちゅと蜜壺に指を差し入れながら、その一方でゼノンの唇が陰核を軽く食んだり舌先で押し潰したりを繰り返し、シャーロットは背筋へぞくぞくとした痺れが昇っていくのを感じて悲鳴を上げる。
「ゃ、や……っ、ぁあ……っ! も、ぅ……っ」
生理的な涙が溢れ、シャーロットの身体は陸に上がった魚のように身悶える。
あまりの羞恥でおかしくなりそうなのに、物足りない、もっと、と身体中が叫んでいて、本当にどうにかなってしまいそうだった。
「もう、簡単に三本も呑み込むな」
「ぁっ、あ……っ、や、ぁあ……っ!」
気づけば、蜜口はゼノンの指を三本も呑み込んでいたらしい。
痛みなど一切なく、むしろお腹の奥に切ない疼きを感じて、シャーロットの細腰はその先を誘うように揺れ動く。
「ゃ……っ、も、ぅ……っ」
泣き濡れた声を上げながら、自分がなにを欲しているのかなどわからない。
「貴女が好きなところは……、ココ、だな」
「ひぁ…………っ!?」
そうしてお腹の裏辺り。シャーロットの最も弱い場所の一つを指先で叩かれて、びくん! と背中が仰け反るのと同時に涙が舞った。
「あ……っ、そ、こ……っ! だ、めぇ……っ!」
「イイ、の間違いだろう?」
がくがくと腰を揺らしながら訴えるシャーロットへ、ゼノンの喉がくつくつと愉しそうな音を鳴らす。
「ほら、可愛らしく啼く貴女をもっと見せてくれ」
「あ……っ、だめ……っ、だめ……っ。そこ……っ、おかしく、なっちゃ……ぁ……っ」
トントンと焦らすように刺激され、じわりじわりと見えてくる頂に、理性も思考も少しずつ溶けていく。
「あ……っ、ゃ……っ、も、ぅ……っ!」
決定的な刺激はなくとも、それでもいつしか溜まっていった快楽の崩壊は見えてきて、瞳の奥にチカチカとした光が舞う。
「ぁ、あ……っ! も……っ、イッちゃ……っ」
胎内を刺激されて達することを教えられたのはいつだっただろう。元々肌を重ねた回数自体が少ないから、そう何度も経験があるわけではない。それでも一度覚えさせた後は、ゼノンは必ず、執拗にシャーロットを追い上げてきて。
それなのに。
「も……っ、だ、め……ぇ……っ!」
快楽の決壊を前にして、シャーロットが甲高い悲鳴を上げた時。
「だめだ。我慢しろ」
「っひぁ……っ!?」
ふいに指先が離れていって、シャーロットはびくびくと内股を震わせる。
「な、ん……でぇ……っ」
理性の溶けたシャーロットの口からは、泣きながら切ない嬌声が上がる。
頂は、もう目の前に見えていたというのに。
届きそうで届かせてくれない頂に、シャーロットの瞳からはじんわりとした涙が溢れていた。
「達する貴女の顔を見るのは好きだが、余りイきすぎるとこの先もたない」
そんな、駄々をこねるような泣き顔すら可愛くて、ゼノンは少しだけ困ったような表情をしながらも、とんでもないことを口にする。
「っな……っ?」
「意識を失うほどに乱れるのはまだ早い」
「あ……っ」
緩い快楽だけを与えるように、蜜口の浅い場所を指先が出入りして、くちゅくちゅという水音がシャーロットの聴覚を犯してくる。
「今夜は存分に貴女を堪能させて貰うのだからな」
「ぁあ、ん……っ!」
蜜口へと唇を寄せられて、溢れる愛液を吸うようにして口づけされて腰が浮く。
「そ……っ、んな……っ、焦らさ、な……ぁ……っ」
埋め込まれていた指先はすっかりその質量を失って、蜜口をゆるゆると愛撫されながら舌まで這わされ、身体中に甘美な熱が広がっていく。
「貴女の望むことならば叶えると言ったはずだ」
どうして欲しいんだ? と、意地の悪い低い吐息が聞こえて、涙の滲む瞳を開ける。
――『欲しくなったら自分で言うんだ』
最初にゼノンに言われた欲の覗く囁きが聞こえた気がした。
「っ、……や……、ぁ……っ、ぁ、あ……っ! も……っ、っ願い……っ」
自分からねだるなんて、そんな、はしたない。
そんなこと、恥ずかしすぎてできるはずがないと思うのに、限界を訴える身体は、いつしかシャーロットの理性を奪っていた。
「……ぁああ……っ、も……っ、欲し……っ、くださ……っ」
胎内にできてしまった空洞を早く埋めて欲しいと身体が叫ぶ。
切な気に疼く蜜壁はきゅうきゅうと蠢いて、蜜口は物欲しそうな呼吸を繰り返して愛液を滴り落としていた。
「旦那様、の……っ、挿れて、くださ……っ」
耐え切れずに零れた願望は、僅かに顔を顰めたゼノンの瞳に見上げられる。
「……ゼノン、だ」
そのまま伸び上がってきたゼノンに見下ろされ、真摯な低音が落ちてくる。
「名前で呼べ」
「っ! ゼ、ノン……ッ」
真っ直ぐな瞳に射貫かれて、シャーロットの背筋はぞくぞくと戦慄いた。
「……ぁ……っ。ゼノン……ッ、ゼノン、の……っ、くださ……っ」
無意識にゼノンの首の後ろへと腕を回し、浮いた腰を誘うように揺らめかせる。
「ゼノンが……っ、欲し……っ」
ぎゅう……っ、と。縋るように抱きついて、絶え絶えの吐息で懇願する。
「……いい子だ」
と。ゼノンの口元は満足気な笑みを洩らし、内股へ手をかけると己の熱い欲望を濡れそぼる蜜口へと押し付けていた。
「溢れるほど注いでやる」
ぐいっ、と大きく脚を開かされ、シャーロットの瞳は羞恥で大きく見開かれる。
「なにを今さら恥ずかしがる? いつもしていることだろう」
「っそういう、問題では……っ、ひぁ……!?」
くす、と笑う吐息に内股をくすぐられ、脚の付け根の際どい部分に唇を寄せられてびくりと腰が波打った。
確かにゼノンは、いつもシャーロットの身体を気遣って、痛みを感じることがないように、そのとても恥ずかしくて汚いと思ってしまう行為をしてくれていた。
だが、だからと言って慣れているかと言われれば、いつまでたっても泣きたくなるほど恥ずかしいし、慣れていくことなんてない。
「あぁ……、すごいな……」
「や……っ、ぁ……っ」
最も恥ずかしい場所を覗き込まれ、思わず脚を閉じかけても、がっしりと掴まれて開かされている両の脚はぴくりとも動かない。
「こんなに溢れて……。ひくひくと物欲しそうに動いている……」
「言わな……ぁ……っ」
欲の孕んだ吐息で揶揄されて、ふるふると首を横に振る。
今日はもう、深い口づけをされた時から、そこはきゅんきゅんと反応し、身体の奥からは愛液が滴り落ちていた。それがわかっているからこそ、恥ずかしくて堪らなかった。
「いつもそうだが、今日はまたいつも以上だな」
「ゃ、や……っ」
くすり、と感嘆の吐息を洩らされて羞恥心が煽られる。
そこがもう、溢れるほどに濡れていることがわかっていたからこそ、恥ずかしさは一層のことだった。
「貴女はココを舐められると、いつもとても可愛らしい反応をするから」
「あ……っ!」
触れるか触れないかの距離で囁かれ、期待からかびくびくと内股が小刻みに痙攣する。
「つい、苛めたくなってしまう」
「あ……っ、ぁあ……っ!」
意地悪く告げる吐息に撫でられて、それだけで喉の奥からは甲高い嬌声が響き渡る。
「今日は、欲しくなったら自分で言うんだ」
「……な、に……?」
とろん……、と。いつにない快楽に蕩けた瞳がゼノンに向けられて、酷薄な唇はニヤリと意地悪く歪んでいく。
「たくさん焦らして善くしてやる」
「――っ!」
具体的なことはなに一つわからないまま、それでもそれがとてつもない辱しめを受けることだと理解して、シャーロットはゆらりと瞳を揺らめかせる。
いつも途中からわけがわからなくなって酷く恥ずかしい姿を晒していると思うのに、きっとそれ以上の仕打ちが待っている。
それを思うと悲鳴を上げたくなるほど恥ずかしいのに、なぜか身体の奥からはトロトロと期待するかのような愛液が次から次へと溢れ出ていた。
「ぁあ……っ」
内股をゆっくりとゼノンの舌が滑っていって、がくがくと腰が打ち震える。
「すごいな……。シーツがびしょびしょだ」
「あぁ……っ、ん……」
左右両方の内股を丁寧に舌先で愛撫しながら、濡れて染みになっている白いシーツを見つめてゼノンがからかうようにくすりと笑う。
「貴女が苛められるのが好きだとは思わなかった」
「違……っ」
思わず否定の声を上げても、ゼノンはますます愉しそうな笑みを深くするだけで、前言を撤回するつもりはなさそうだった。
「そろそろ舐めて欲しいか?」
「ぁあ……っ! だ、め……ぇ……っ!」
尋ねるや否やぺろり、と陰核を舐め上げられ、シャーロットはいつになく大きく腰を震わせる。
「まだ少し舐め取っただけだろう」
「だめ……っ、だめぇ……っ!」
舌先をそっと動かしながらかかる吐息にさえ刺激され、細腰がびくびくと反応する。その度に蜜口からははしたない愛液が零れ落ち、後ろの方まで濡らしていた。
「指は? まだ舐めるだけの方がいいか?」
「ゆ、び……、だめ……っ、だめ……っ」
指、と言われるだけで、お腹の空洞が意識され、ひくひくと蜜道が蠢いた。ゼノンの長い指先で、胎内を掻き回される時の心地好さをすでに知っている。だからこそ、早く早くと主張するかのようにはくはくとした呼吸を繰り返している蜜壺に、今、それを埋め込まれてしまったら。もう、どうにかなってしまいそうで恐かった。
「そんなふうに怯えられると、却って苛めたくなってしまうな」
だが、そんなシャーロットの怯えを正確に理解したらしいゼノンは口の端を引き上げて、その反応さえ愉しむように、触れるか触れないか程度の触れ方で、そっと蜜口へと指先を滑らせる。
「ひ、ん……っ」
びくん! と跳ね上がる細い腰。
いつも以上に感じていることを自覚して、シャーロットは恐怖か期待かわからない感情に身を震わせる。
「あ……っ」
くちゅり……っ、と。なんなく呑み込まれた指先に、ぞくりとした刺激が背筋を昇っていく。
「ぁぁあ……っ! だ、めぇ……っ、いや、ぁあ……っ!」
少しずつ、少しずつ。焦らすように中指を埋め込まれ、その感覚が上がってくる度に快楽の波もまた大きくなっていき、シャーロットは甘い悲鳴を上げていた。
「すごいな。指を入れただけで溢れてくる……」
「あ……っ、だめ……っ、ゃ、め……っ」
ゆっくりと抜き差しをされ、その指が引かれる度に溢れ出る愛液を見つめながら、ゼノンが感嘆の吐息を洩らす。
「もうぐちゃぐちゃだ」
「や……っ! 言わな……ぁ……っ」
ぴちゃ……っ、ぴちゃ……っ、と響く水音がいやらしすぎて、シャーロットはふるふると首を振りながら涙を溢す。
自分でも、蜜壁がゼノンの指を嬉しそうに喰い締めていることにも、身体の奥から止めどなく愛液が溢れていることもわかっていた。
それが、本当に、恥ずかしくて。恥ずかしくて。
「あんなに狭くて痛がっていた貴女が……。いつからこれほど淫乱になったんだ?」
「ぁあっ、ん……!」
わざとぐちゅぐちゅと音を立てながら揶揄されて、シャーロットはびくびくと全身を震わせる。
「っ全部……っ、旦那様が……っ」
「……そうだな」
切れ切れに喘ぎながら訴えれば、ゼノンは舌先で陰核を味わいながら、どこか満足そうな吐息を洩らしていた。
シャーロットが夫以外に肌を許したことがないことくらい、ゼノンは百も承知だろう。であるのなら、まっさらなシャーロットをこんなふうに作り替えたのはゼノンに他ならない。
無垢な少女に自分の存在を刻み付け、快楽に溺れることを教える歓び。暗い欲望が満たされていく気がして、ゼノンは僅かに口元を歪めていた。
「や……っ、ぁあ……っ!」
ぐちゅぐちゅと蜜壺に指を差し入れながら、その一方でゼノンの唇が陰核を軽く食んだり舌先で押し潰したりを繰り返し、シャーロットは背筋へぞくぞくとした痺れが昇っていくのを感じて悲鳴を上げる。
「ゃ、や……っ、ぁあ……っ! も、ぅ……っ」
生理的な涙が溢れ、シャーロットの身体は陸に上がった魚のように身悶える。
あまりの羞恥でおかしくなりそうなのに、物足りない、もっと、と身体中が叫んでいて、本当にどうにかなってしまいそうだった。
「もう、簡単に三本も呑み込むな」
「ぁっ、あ……っ、や、ぁあ……っ!」
気づけば、蜜口はゼノンの指を三本も呑み込んでいたらしい。
痛みなど一切なく、むしろお腹の奥に切ない疼きを感じて、シャーロットの細腰はその先を誘うように揺れ動く。
「ゃ……っ、も、ぅ……っ」
泣き濡れた声を上げながら、自分がなにを欲しているのかなどわからない。
「貴女が好きなところは……、ココ、だな」
「ひぁ…………っ!?」
そうしてお腹の裏辺り。シャーロットの最も弱い場所の一つを指先で叩かれて、びくん! と背中が仰け反るのと同時に涙が舞った。
「あ……っ、そ、こ……っ! だ、めぇ……っ!」
「イイ、の間違いだろう?」
がくがくと腰を揺らしながら訴えるシャーロットへ、ゼノンの喉がくつくつと愉しそうな音を鳴らす。
「ほら、可愛らしく啼く貴女をもっと見せてくれ」
「あ……っ、だめ……っ、だめ……っ。そこ……っ、おかしく、なっちゃ……ぁ……っ」
トントンと焦らすように刺激され、じわりじわりと見えてくる頂に、理性も思考も少しずつ溶けていく。
「あ……っ、ゃ……っ、も、ぅ……っ!」
決定的な刺激はなくとも、それでもいつしか溜まっていった快楽の崩壊は見えてきて、瞳の奥にチカチカとした光が舞う。
「ぁ、あ……っ! も……っ、イッちゃ……っ」
胎内を刺激されて達することを教えられたのはいつだっただろう。元々肌を重ねた回数自体が少ないから、そう何度も経験があるわけではない。それでも一度覚えさせた後は、ゼノンは必ず、執拗にシャーロットを追い上げてきて。
それなのに。
「も……っ、だ、め……ぇ……っ!」
快楽の決壊を前にして、シャーロットが甲高い悲鳴を上げた時。
「だめだ。我慢しろ」
「っひぁ……っ!?」
ふいに指先が離れていって、シャーロットはびくびくと内股を震わせる。
「な、ん……でぇ……っ」
理性の溶けたシャーロットの口からは、泣きながら切ない嬌声が上がる。
頂は、もう目の前に見えていたというのに。
届きそうで届かせてくれない頂に、シャーロットの瞳からはじんわりとした涙が溢れていた。
「達する貴女の顔を見るのは好きだが、余りイきすぎるとこの先もたない」
そんな、駄々をこねるような泣き顔すら可愛くて、ゼノンは少しだけ困ったような表情をしながらも、とんでもないことを口にする。
「っな……っ?」
「意識を失うほどに乱れるのはまだ早い」
「あ……っ」
緩い快楽だけを与えるように、蜜口の浅い場所を指先が出入りして、くちゅくちゅという水音がシャーロットの聴覚を犯してくる。
「今夜は存分に貴女を堪能させて貰うのだからな」
「ぁあ、ん……っ!」
蜜口へと唇を寄せられて、溢れる愛液を吸うようにして口づけされて腰が浮く。
「そ……っ、んな……っ、焦らさ、な……ぁ……っ」
埋め込まれていた指先はすっかりその質量を失って、蜜口をゆるゆると愛撫されながら舌まで這わされ、身体中に甘美な熱が広がっていく。
「貴女の望むことならば叶えると言ったはずだ」
どうして欲しいんだ? と、意地の悪い低い吐息が聞こえて、涙の滲む瞳を開ける。
――『欲しくなったら自分で言うんだ』
最初にゼノンに言われた欲の覗く囁きが聞こえた気がした。
「っ、……や……、ぁ……っ、ぁ、あ……っ! も……っ、っ願い……っ」
自分からねだるなんて、そんな、はしたない。
そんなこと、恥ずかしすぎてできるはずがないと思うのに、限界を訴える身体は、いつしかシャーロットの理性を奪っていた。
「……ぁああ……っ、も……っ、欲し……っ、くださ……っ」
胎内にできてしまった空洞を早く埋めて欲しいと身体が叫ぶ。
切な気に疼く蜜壁はきゅうきゅうと蠢いて、蜜口は物欲しそうな呼吸を繰り返して愛液を滴り落としていた。
「旦那様、の……っ、挿れて、くださ……っ」
耐え切れずに零れた願望は、僅かに顔を顰めたゼノンの瞳に見上げられる。
「……ゼノン、だ」
そのまま伸び上がってきたゼノンに見下ろされ、真摯な低音が落ちてくる。
「名前で呼べ」
「っ! ゼ、ノン……ッ」
真っ直ぐな瞳に射貫かれて、シャーロットの背筋はぞくぞくと戦慄いた。
「……ぁ……っ。ゼノン……ッ、ゼノン、の……っ、くださ……っ」
無意識にゼノンの首の後ろへと腕を回し、浮いた腰を誘うように揺らめかせる。
「ゼノンが……っ、欲し……っ」
ぎゅう……っ、と。縋るように抱きついて、絶え絶えの吐息で懇願する。
「……いい子だ」
と。ゼノンの口元は満足気な笑みを洩らし、内股へ手をかけると己の熱い欲望を濡れそぼる蜜口へと押し付けていた。
「溢れるほど注いでやる」
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