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ⅩⅩⅠ.The Star
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シェリルは案外よく動く。
長い旅生活で、自分のことは自分で、が身に付いているのか、いくらしなくていいと言っても、女中と一緒に部屋の掃除をしていたりする。
だから、小動物が動き回るように可愛いその姿を、ソファにごろごろしながら眺めていたのだけれど。
「セスク……! だらだらしてないで……!」
自分は尻に敷かれるタイプだったらしい。
腰に手を当て、ぷりぷりと怒るその可愛い姿に、やはり口元が緩んでしまう。
「だって。休日だよ? こんなに可愛い奥さんがいて、家でだらだらしなくてどうするの。これ以上至福の時間が何処にあるの」
「奥さんじゃない……っ!」
「もういい加減諦めて結婚しようよー。いつまで待たせるの。おじいちゃんになっちゃうよー?」
近くにやってきた少女を捕まえて、その匂いと柔さかを堪能しながら口を尖らせる。
シェリルとの付き合いを両親に報告した時、やはり最初は渋られた。一応、セスクは子爵の家柄だ。それなりの家のご令嬢を迎えて欲しいと願うのは当然だろう。妾の存在が黙認される世界ではあるけれど、それでもあまり良い目では見られない。
しかも、セスクがシェリルに溺れ切り、何時でも何処でも身体を繋げていることは公然の事実となっている。息子が誑かされているのではないかと心配になるのは当然だろう。
だが、最近では、早く結婚しろとせっついてくる始末だ。
プライベートでは恋人にデレデレの情けない男と化しているセスクだが、仕事面では、シェリルと恋人同士になってからというものの、めきめき腕を上げている。鬼気迫るものがあるほどのそれは、愛しい少女を守ることを誓ったセスクの強い意志の現れだろう。騎士団長である父親をその席から引きずり下ろす日も近いかもしれない。
だからそんな父親は、最近では手を出したからには男として責任を取れというくらいのスタンスだ。
一方、シェリルと母親との仲もいつしか良好になっていた。顔を合わせる機会はそう多くはないか、マナーや教養がきちんと身に付いているシェリルの姿には驚かされたらしい。元々医者の助手をやっているほどには頭もいい。最近では早く娘になって欲しいと言うくらいのお気に入りぶりだ。むしろ、その洗練された雰囲気から、何処かの国の王族か高貴な家柄の出なのではないかと心配しているほど。
それなのに。
シェリルはずっと、セスクからの求婚を頑なに拒み続けている。
いつか相応しい方を妻に娶われるのでしょうと。
どれだけ愛を告げても、その強い意志は変わらない。
その度に半分喧嘩越しにさえなってしまうくらいだが、最終的にシェリルは、困ったように微笑むだけ。
シェリルもセスクを好きでいてくれることには違いなく、ちゃんと恋人として認めてくれているというのに、どうしてなのかわからない。
それでも、長い月日をかければ頷いてくれると、そう思っているのだけれど。
「……ちょ……っ、何処触って……!」
「だって、今日もシェリルが美味しそうだから」
「待……っ」
腕の中に閉じ込めたシェリルの身体の柔らかさを、上から下まで堪能する。
今日は休日だ。手を繋いで外へ出かけるのもいいけれど。
「エッチしよ?」
「……っ! セスク……ッ!」
「シェリルもエッチ大好きでしょー」
「……あ……っ」
「ほら、もうこんなになってる」
少女の身体は快楽に酷く弱い。知り尽くした弱い部分に掌を這わせつつ、スカートの裾から潜り込ませた指先で恥ずかしい場所へ触れれば、そこはひくひくと口を開きかけていた。
「もー、本当にシェリル可愛い。食べちゃいたい」
「セ、スク……ッ、ぁ、ん……っ」
そうして膝の上に乗せてしまえば、シェリルは逃げ出したりはしない。
後はただ、与えられる快楽に、素直な吐息を洩らすだけ。
シェリルが結婚を拒む以外のことは、全てが順調。とてもとても幸せな、満たされた日々。
だから。
――まさか、これ以上の幸せがあるなんて、思いもしていなかった。
長い旅生活で、自分のことは自分で、が身に付いているのか、いくらしなくていいと言っても、女中と一緒に部屋の掃除をしていたりする。
だから、小動物が動き回るように可愛いその姿を、ソファにごろごろしながら眺めていたのだけれど。
「セスク……! だらだらしてないで……!」
自分は尻に敷かれるタイプだったらしい。
腰に手を当て、ぷりぷりと怒るその可愛い姿に、やはり口元が緩んでしまう。
「だって。休日だよ? こんなに可愛い奥さんがいて、家でだらだらしなくてどうするの。これ以上至福の時間が何処にあるの」
「奥さんじゃない……っ!」
「もういい加減諦めて結婚しようよー。いつまで待たせるの。おじいちゃんになっちゃうよー?」
近くにやってきた少女を捕まえて、その匂いと柔さかを堪能しながら口を尖らせる。
シェリルとの付き合いを両親に報告した時、やはり最初は渋られた。一応、セスクは子爵の家柄だ。それなりの家のご令嬢を迎えて欲しいと願うのは当然だろう。妾の存在が黙認される世界ではあるけれど、それでもあまり良い目では見られない。
しかも、セスクがシェリルに溺れ切り、何時でも何処でも身体を繋げていることは公然の事実となっている。息子が誑かされているのではないかと心配になるのは当然だろう。
だが、最近では、早く結婚しろとせっついてくる始末だ。
プライベートでは恋人にデレデレの情けない男と化しているセスクだが、仕事面では、シェリルと恋人同士になってからというものの、めきめき腕を上げている。鬼気迫るものがあるほどのそれは、愛しい少女を守ることを誓ったセスクの強い意志の現れだろう。騎士団長である父親をその席から引きずり下ろす日も近いかもしれない。
だからそんな父親は、最近では手を出したからには男として責任を取れというくらいのスタンスだ。
一方、シェリルと母親との仲もいつしか良好になっていた。顔を合わせる機会はそう多くはないか、マナーや教養がきちんと身に付いているシェリルの姿には驚かされたらしい。元々医者の助手をやっているほどには頭もいい。最近では早く娘になって欲しいと言うくらいのお気に入りぶりだ。むしろ、その洗練された雰囲気から、何処かの国の王族か高貴な家柄の出なのではないかと心配しているほど。
それなのに。
シェリルはずっと、セスクからの求婚を頑なに拒み続けている。
いつか相応しい方を妻に娶われるのでしょうと。
どれだけ愛を告げても、その強い意志は変わらない。
その度に半分喧嘩越しにさえなってしまうくらいだが、最終的にシェリルは、困ったように微笑むだけ。
シェリルもセスクを好きでいてくれることには違いなく、ちゃんと恋人として認めてくれているというのに、どうしてなのかわからない。
それでも、長い月日をかければ頷いてくれると、そう思っているのだけれど。
「……ちょ……っ、何処触って……!」
「だって、今日もシェリルが美味しそうだから」
「待……っ」
腕の中に閉じ込めたシェリルの身体の柔らかさを、上から下まで堪能する。
今日は休日だ。手を繋いで外へ出かけるのもいいけれど。
「エッチしよ?」
「……っ! セスク……ッ!」
「シェリルもエッチ大好きでしょー」
「……あ……っ」
「ほら、もうこんなになってる」
少女の身体は快楽に酷く弱い。知り尽くした弱い部分に掌を這わせつつ、スカートの裾から潜り込ませた指先で恥ずかしい場所へ触れれば、そこはひくひくと口を開きかけていた。
「もー、本当にシェリル可愛い。食べちゃいたい」
「セ、スク……ッ、ぁ、ん……っ」
そうして膝の上に乗せてしまえば、シェリルは逃げ出したりはしない。
後はただ、与えられる快楽に、素直な吐息を洩らすだけ。
シェリルが結婚を拒む以外のことは、全てが順調。とてもとても幸せな、満たされた日々。
だから。
――まさか、これ以上の幸せがあるなんて、思いもしていなかった。
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